マインドセットとは何か簡単に解説!ビジネスシーンの必要性にも言及

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マインドセットとは、生まれながらに持つ性格や経験、受けてきた教育、先入観などによって形作られる思考や心理状態のことです。社員の人材育成などで注目されています。

本記事では、マインドセットの意味やマインドセット教育を行う目的、研修などに取り入れる方法について紹介しましょう。

目次
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マインドセットとは?

ここでは、マインドセットの定義や、社員教育として行う目的などを紹介します。

マインドセットの定義と目的

マインドセットは無意識のうちに作られて思考や行動のパターンになり、固定観念や思い込み、物事を捉える際の思考のクセとなって現れるものです。

脳科学では人間の行動のうち95%は無意識に行っているとされており、重要な決定の場面においてもマインドセットは大きく影響しています。

会社経営でも社員のマインドセットは重視され、教育を行うこともあります。その目的は、労働意欲の向上や組織文化の改善です。マインドセットは周囲に伝わるという性質上、その形成が会社の生産性を高めるためも重要になります。

マインドセットの教育を行うことでポジティブな思考が広まり、組織の在り方にも影響を与えるでしょう。

個人と企業の双方にある

個人のマインドセットはさまざまな経験や価値観によって形成されますが、マインドセットは個人だけでなく企業にもあります。事業の特性や経営理念、事業展開によって経験してきたことなどの要素が複合的に絡み合い、独自の価値観を形成しているのです。これが会社の業績やサービス内容にも影響していきます。

社員が社長と同じスタンスで考え、ともに経営戦略を考えるベンチャー企業を例に考えてみましょう。上下の指揮系統が整っている大企業とは、マインドセットが大きく異なるといえます。

個人でも企業でもマインドセットはありますが、どちらもあとから変えることが可能です。社員のマインドセット教育を行うことは、企業のマインドセットも変えていくきっかけにもなるでしょう。

ビジネスシーンでの必要性

意思決定が事業の方向性に大きな影響を与えるため、ビジネスシーンでは特にマインドセットが重要です。ネガティブなマインドセットを持つ人がいる場合、事業全体が望ましくない方向に向かう可能性もあります。逆にポジティブなマインドセットであれば、チャンスを逃さず正しい選択ができるでしょう。

マインドセットは2種類

マインドセットには、固定型マインドセットと成長型マインドセットの2種類があります。人によってどちらか一方のみを持つということではなく、比重は異なるものの誰にでも2種類のマインドセットが備わっているものです。

それぞれ、どのような特徴を持つのか見ていきましょう。

固定型マインドセット

固定型マインドセットとは、「個々が持つ能力や知性、才能などは努力をしても変えられない決められたもの」という考え方です。努力することに価値をおいていないため、成長するための行動を起こしません。新しいことへの挑戦にも消極的です。

例えば、試験を受けて落ちてしまっても、もともと自分には能力がないから落ちたと考えてしまうことが挙げられます。試験に落ちたことを環境や他人の責任と考える一方、自分の能力を認められたいという意識も。そのため、周りからの批判をうまく受け入れられません。

挫折を経験するとそこで諦め、他にもっと自分に合うものがあるのではないかと探し始めてしまうのです。つまり固定型マインドセットが思考の多くを占める場合、ビジネスシーンで活躍するのは難しいでしょう。

成長型マインドセット

成長型マインドセットは、「誰でも努力によって能力や資質を伸ばせる」という考え方です。固定型マインドセットとは逆に、成長するための努力をいとわず、新しいことにも積極的に挑戦しようと考えます。

他人からの評価も受け入れ、失敗したときも自分に能力がないとは考えません。なぜ失敗したのかを反省し、次の成長に向けた原動力にします。特に成長型マインドセットの特徴が出るのは、ミスが発生したとき。たとえミスをしてもその事実を受け止め、ミスをした原因を探って繰り返さないよう対策を行うことができるのです。

2つのマインドセットのうち、会社で活躍するのは成長型マインドセットが養えている人材でしょう。困難な場面でも挫けない忍耐力と、周りからの評価を受け入れる柔軟性があるからです。社員の成長型マインドセットを養うことが、ポジティブな思考を全体に広めて会社の生産性を高めることに役立ちます。

成長型マインドセットを養う6つの方法

人材を育成するマインドセット教育は、成長型マインドセットを養うことを目的に行います。ここではどのような手順で行うのか紹介しますので、社内教育の参考にしてください。

1.目標を言語化し書き記す

まず個人の目標や夢を設定します。明確である方が良いので、紙に記すなど言語化しましょう。また、目標に向かって日記をつけることで、進捗度合いを知ることができより意識して取り組めます。イメージするだけよりも言語化することで、ビジョンが明らかになり、行動に向けた準備を整えられるのです。

2.具体的に行動を起こす

目標が明らかになったら、次は具体的な行動を起こしましょう。目標について考えが定まったら、できるだけすぐに行動に移すことが大切です。目標に向けて第一歩を踏み出すことが、成長型マインドセットを養うことになります。

3.継続的に行動する

行動した後に大切なのは、継続することです。目標を達成するために行動を継続することで、マインドセットが定着していきます。人は自分にメリットがあることを続ける傾向があるため、成功体験を積み重ねていくことも大切です。

4.自分の固定型マインドセットに気づく

行動を積み重ねたら、フィードバックを行います。大切なことは考え方のクセを洗い出し、思考がマインドセットに適合しているかを確認することです。行動の評価を行い、最初に設定した目標に沿っていないときには固定型マインドセットが働いた結果かもしれません。問題点などを指摘することで、自分の中に潜む固定型マインドセットに気づくきっかけになります。

目標設定と同じく問題点を言語化し、明確にすることが大切です。

5.成長型マインドセットを意識する

自分自身の固定型マインドセットの傾向がわかってきたら、その傾向が現れたときに成長型マインドセットを意識するように心がけてください。ポジティブな方向に思考を変えることが、成長型マインドセットが定着する近道です。

6.成功体験を積み上げる

成長型マインドセットの行動が自然に行えるようになったら、成功体験を積み上げていきます。成功することで無意識的にも同じような行動を行えるようになり、成長型マインドセットが養われていくでしょう。

マインドセット研修の行い方

社員のマインドセットを養うために、社内研修を行うのも効果的です。新入社員の入社時期や社員を管理職に登用する場面など、固定型マインドセットが働いて新しい環境になじめないケースも出てきます。そのような場面で、効果的にマインドセット研修を取り入れることで成長型の思考が養われ、積極的に仕事に取り組めるようになるでしょう。

ここからは研修手順の一例を紹介します。

1.養いたいマインドセットを明確にする

社員が養いたいマインドセットを明確にすることから始めます。企業理念やビジョンを目標に設定するとともに、自社で成果を上げている社員の成長型マインドセットを設定に取り入れるのも一つの方法です。

2.研修時期や対象を決める

研修する時期や対象を決定します。特に新入社員は、仕事の開始前に成長型マインドセットを養うことが大切です。

新入社員は最初の研修で仕事に必要なさまざまな知識やスキルを学びますが、固定型マインドセットが強い場合、職場で活かすことができない可能性があります。そのため、マインドセット教育で成長型マインドセットを確立し、学んだ知識やスキルを発揮できるようにすることが大切です。

一般社員から管理職に登用するタイミングなど環境が変わる時期のマインドセット研修も効果的です。

優秀な社員でも、管理職になり立場や役割が変われば同じように活躍できるとは限りません。自分の仕事はできるというマインドセットはあっても、部下を指導し、働きやすい環境を整えるというマインドセットは根付いていない可能性があるからです。

3.ギャップを埋めるための目標を設定する

企業理念やビジョンを目標に設定した「会社が養いたいマインドセット」を社員に示し、社員が持つマインドセットとのギャップを把握してもらいます。それを埋めるための目標を設定しましょう。

個人ワークやグループワークを行い、目標を実現するための自分の強みは何か、不足しているものは何かを明確にします。研修後は行動計画表を作成し、マインドセットを継続的に養っていきましょう。

マインドセット研修の具体的な2つの事例

実際にマインドセット研修を行っている企業は多く、さまざまな取り組みが行われています。具体例を2つ紹介しましょう。

1.富士フイルム

富士フイルムは、企業としてのマインドセットを変えることに成功しています。デジタル技術の進化で写真フィルムの市場が縮小し、同業他社が倒産するなかで富士写真フイルム株式会社は社名から「写真」を外しました。液晶事業や医療機器事業など新しい事業の開拓に乗り出したのです。困難な場面でもポジティブな思考で成長志向を持つという成長型マインドセットが、会社を成長させるということを示した好例といえるでしょう。

その富士フイルムは人材育成の場でもマインドセット教育に力を入れ、入社3年目までの若手社員に対して「マインドの強化」と称する研修の実施も。この研修では主体的に行動することや、何事からも学ぶ姿勢などを取り入れています。

また、グローバル展開に伴い、異文化と接したときに力を最大限発揮するためのマインドセット教育を行っている点も注目すべきポイントです。

2.ジュピターテレコム

ジュピターテレコムはKDDI株式会社の連結子会社で、ケーブルテレビ「J:COM」を展開している企業です。研修は「コスト」ではなく「投資」であるとして、人材育成にも力を入れています。子育てなどで職場から離れがちな女性にも活躍の場を広げるため、女性対象の研修を複数の階層に分けて行っているのです。そのひとつである次世代女性リーダー育成研修では、4つの現場体験とともに管理職へのマインドセット教育が実施されています。

研修の講師には第一線で活躍する女性を迎え、参加者のキャリア意識を高めるためのマインドセット講演を実施しているのが特徴です。

マインドセットの注意点

マインドセットは取り組み方によっては失敗するリスクもあります。ここでは、マインドセット教育での注意点を確認しましょう。

少しずつ継続的に実践すること

もともと内面の思考として定着しているマインドセットは、簡単に変えられるものではありません。マインドセットの再構築は、これまでの培ってきた価値観や考え方と向き合うことでもあります。それにはストレスを伴うこともあるでしょう。

無理して早く完璧にしようと思わず、少しずつ継続的に行うことが大切です。また、変化させたい固定型マインドセットの存在に意識を向けないと、失敗につながることも。

固定型マインドセットを完全になくそうとするのではなく、成長型マインドセットを養うことです。完璧を目指すと、成果が遅いことに失望して挫折してしまうこともあります。人は誰でも2つのマインドセットを持っているということを忘れずに、少しずつ養っていきましょう。

長い期間をかけて育成すること

マインドセットは長い年月を経て培われた内面の思考であり、自分のアイデンティティの一部です。つまり、それだけ育成にも時間がかかると思っていいでしょう。

マインドセットの育成は結果だけを見るのではなく、そのプロセスにも注目することも必要です。ひとりひとりが目標達成に向け、どのような戦略を立てて、どう取り組んでいるかをフィードバックすることが成長につながるでしょう。

最後に

マインドセットは、昨今多くの企業でその重要性に気づき、研修などに採用しています。社員に知識やスキルがあっても、固定型マインドセットが強ければ本来の実力を発揮することはできません。もちろん、企業自体が成長型マインドセットを養うことも大切です。そのうえで、社員の成長型マインドセットを養うための教育を取り入れていきましょう。

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