cookieとはデータを保管しておくファイルのことです。しかし、セキュリティ面での安全性などを確認したうえでないと、安心して活用できないでしょう。今回はcookieについて、その意味や起源、メリット、デメリット、有効・無効にする設定方法、キャッシュとの違いを説明します。
そもそもcookieとは?
cookieはデータの保管庫であると前述しましたが、具体的にはどのようなデータを保管しているのでしょうか。過去のデータを長期的に保管していると「電力の消耗が激しい」や「端末の容量を圧迫する」などがあるため、マイナスなイメージをお持ちかもしれません。ここではcookieについて、詳しく解説します。
cookieとはテキストファイルのこと
cookieで保管している情報の多くは、サイトの閲覧履歴です。WEBサイトを訪問した日時や回数などを記録しています。それらの情報を、テキストファイルとして保管するのがcookieです。
SNSなどを開く際、一度ログインすれば何度でも入れることや、ショピングサイトの利用中にログアウトをしてもカートの中身を保管しておけるのもcookieのおかげとなります。
しかも情報をテキストファイルとして保管しているので、cookie内のデータが溜まっても、端末の空き容量を圧迫する心配は少ないでしょう。
cookieの仕組みを解説
次に、cookieの仕組みについて説明します。cookieの仕組みを理解する際に重要となるのは、PCやスマートフォンとは別にある「WEBサーバー」です。大量のデータを保管しているWEBサーバーとPCやスマートフォンといった端末の間を「cookie」が行き来することで、情報の保管を行っています。
情報を保管するため、端末とWEBサーバーの間では以下のようなやり取りが行われています。
- 初回ログイン時、端末がWEBサーバーへアクセスすると、サーバー専用の「cookieファイル」が端末内に作成される
- 2回目以降、端末がWEBサーバーへアクセスするときは「cookieファイル」をサーバーへ送る
- WEBサーバーが送られた「cookieファイル」を読み込むことで、前回使用していたまま使用できる
cookieを使う目的とは?
cookieの使用には、以下のような目的があります。
- ユーザー視点での利便性を上げるため
- 最適な広告や情報をユーザーへ提供するため
cookieを使う目的として、最も大きいものは利便性の向上です。前述したとおり、cookieを使用することでサイトを開く度にIDやパスワードを入力する手間がなくなり、ログインがスムーズになっています。
またビジネスの視点でみると、ユーザー情報を集めることができるcookieは、マーケティングにも広く活用できるでしょう。
cookieの起源は90年代のアメリカ
cookieの起源は、90年代初頭までさかのぼります。開発者はルー・モントゥリ。1994年、ネットスケープ社のエンジニアで、ウェブアプリケーションの開発担当者だったモントゥリがcookieを商用目的で開発。
最初のcookieは同社のサイトを訪問したユーザーが、過去にも同サイトを訪問したかどうか識別する程度の簡単なもので、その後、さらなる開発が進められ、現在の形となりました。
cookieを使うメリット・デメリット
cookieの使用には大きなメリットもありますが、その反面デメリットも生じます。ここでは、cookieを使うメリットとデメリットをそれぞれ解説します。
cookieのメリット
ユーザー目線からcookieを使うメリットは、前述したように利便性の向上です。ログインが容易になることはもちろん、過去の検索履歴からパーソナライズすることで、必要な情報をスムーズに引き出すことができるでしょう。
WEBマーケティングの目線から見ても、以下のようなメリットがあります。
- アクセス状況を詳しく解析できる
- ターゲティングがしやすく、広告運用に活用できる
- ユーザーごとに最適な情報を提供できる
ターゲットを絞り、情報を提供することが重要となるマーケティング戦略において、アクセス状況を詳しく解析できることのメリットは大きいでしょう。
cookieのデメリット
残念ながら、cookieを使うことでデメリットも生じます。具体的には、プライバシー面やセキュリティに関するリスクが高まるということです。
cookieはサイトだけでなく、広告の画像などをクリックした際にも機能してしまいます。そのためバナー広告などを使って、ユーザーの端末に専用の「cookieファイル」が作成されると、アクセス履歴を追跡できてしまうのです。
気になる方は、cookieを「無効」とすることもできるので、検討してみてください。
スマートフォンでcookieを有効・無効にする方法
ではスマートフォンでcookieを有効、または無効にするには、どのような設定が必要なのでしょうか。ここではiPhoneとAndroidに分けて、cookieの設定方法を解説します。
iPhoneでの設定方法
iPhoneでcookieを有効、または無効にするには以下の手順に従って設定を行ってください。
- ホーム画面から「設定」を開く
- 「Safari」をタップ
- 「プライバシーとセキュリティ」の項目内にある「すべてのcookieをブロック」で、有効・無効を切り替える
ちなみに「Safari」の一番下に青字で表示された「履歴とWebサイトデータ消去」を選択することで、これまでに溜めていたcookie内のデータを削除することもできます。
Androidでの設定方法
Androidでcookieの設定を行う場合は、以下の手順に従ってください。
- Androidのスマートフォン、またはタブレットで「Chromeアプリ」を起動
- 画面右上にある「設定」を開く
- 「サイトの設定」を選択したのち「cookie」をタップして有効・無効の設定を行う
cookieとキャッシュの違い
cookieと似た「キャッシュ」というものをご存知でしょうか?cookieとキャッシュはユーザーのアクセス状況を保管するという面では同じですが、「保存する対象」において明確な違いがあります。
ユーザーがサイトを閲覧した際の「入力したデータ」を保存するのがcookieです。それに対し、キャッシュが保存するのは「閲覧したサイト」。cookieでも閲覧したサイトは保存していますが、あくまでも保存するのは「変更データ」であり、サイト自体を保存するのとは異なります。
最後に
PCやスマートフォンをより快適に利用するため使われる「cookie」について解説しました。cookieが保管するデータの内容やその必要性についてお分かりいただけたでしょうか。
とはいえプライバシーやセキュリティ面でのリスクも否めないため、cookieを有効にするか無効にするかは各々が判断するべきでしょう。メリットやデメリットを理解したうえで、検討してみてください。