【2024年最新!】デジタルトランスフォーメーション(DX)とは?定義や成功例をわかりやすく解説

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デジタルトランスフォーメーション(DX)は、近年頻繁に使われるようになった言葉です。企業の求人情報でも「DX人材募集」と書かれるケースも増えています。しかし、デジタルトランスフォーメーションが何を示しているか、よく把握できていない人も多いでしょう。

本記事ではそんな方向けに、デジタルトランスフォーメーションの定義や成功例を解説します。これからデジタルトランスフォーメーションの推進に舵を取ろうと検討中の担当者の方は、ぜひご覧ください。

目次
目次

デジタルトランスフォーメーション(DX)の基礎知識

まずはデジタルトランスフォーメーションと言う概念が登場した歴史的背景、そしてDigital Transformationの略称が「DX」となっている理由について解説します。デジタルトランスフォーメーションの本質を理解する前の予備知識としてぜひお読み下さい。

デジタルトランスフォーメーション(DX)誕生の背景

デジタルトランスフォーメーションは、2004年ウメオ大学(Umea University、スウェーデン)のエリック・ストルターマン(Erik Stolterman)教授によって提唱された概念です。

発表された論文のタイトルは「Information Technology and The Good Life」情報技術が人々の生活をあらゆる面で豊かに進化させていく、であり次の3点が述べられています。

1.情報技術と現実とが徐々に融合し結合していく変化が起こる
2.デジタル創造物が人間の環境や行動変化をネットワーク経由で知らせる能力を持つ
3.研究者は情報システムの本質へアプローチをする方法や技術を研究する必要がある

2010年代に入ると国際経営開発研究所(IMD:International Institute for Management Development、スイス)のマイケル・ウェイド(Michael Wade)教授らにより、ビジネスへフォーカスした「デジタル・ビジネス・トランスフォーメーション」が提案されました。

「デジタル・ビジネス・トランスフォーメーション」とは、デジタル技術とデジタル・ビジネスモデルとを融合させることであり、組織改革と業務改善が期待されています。

日本では2018年12月に経済産業省より「デジタルトランスフォーメーションを推進するためのガイドライン」(DX推進ガイドライン)が発表され、企業におけるDX実行の指針が2つ示されました。

1.DX推進のための経営のあり方、仕組み
2.DXを実現する上で基盤となるITシステムの構築

経済産業省が指針を示すのは国として危機感を持っているためです。デジタルトランスフォーメーションへの取り組みは、グローバルにビジネスを展開する上で避けては通れない必要不可欠なものとなっています。

デジタルトランスフォーメーションはなぜDXなのか

デジタルトランスフォーメーションの略称がなぜ「DT」ではなく「DX」なのか、疑問に思う人もいることでしょう。デジタルトランスフォーメーションの英語表記は、Digital Transformation、日本人であれば素直に頭文字をとった「DT」の方を自然と感じる方が多いかもしれません。

ところが「DT」としてしまうとプログラミング用語のDT(Definition Team、定義)と混同してしまう可能性があること、英語圏ではTransformationの「Trans」を「X」と略すことが一般的であること、「Trans」には交差と言う意味があり「X」も交差を表す文字であることなどから、Digital Xformation「DX」が世界標準の略語となったようです。

デジタルトランスフォーメーションとは?

まずは、デジタルトランスフォーメーションの意味や定義を具体的に解説します。IT化と混同されやすいですが、両者は同じ意味ではありません。それぞれの違いが分かるように解説するので、ぜひ読み進めてみてください。

デジタル技術を活用した企業改革

デジタル技術を活用し、製品やサービス・ビジネスモデルといった企業の根幹をなす部分まで変革を生じさせることを「デジタルトランスフォーメーション」といいます。

具体的に「(こうすれば)デジタルトランスフォーメーションだ」という明確な定義があるわけではなく、企業によって取り組む内容は様々です。

デジタル技術を用いて何を実現したいのか、目標や目的は企業ごとに異なるため、企業の数だけデジタルトランスフォーメーションの形があるといえるでしょう。傾向として、大企業は蓄積されたデジタル技術が存在し、かつじゅうぶんな予算・人員を確保できます。

そのためビジネスモデルを含めた企業の抜本的改革という、デジタルトランスフォーメーションの本質を捉えた事業を進めることが可能です。

一方、中小企業は活用できる資源に不足が生じているのが現状です。大企業のようにはデジタルトランスフォーメーションに力を入れることができず、単に機械や機器などを活用した自動化・業務効率化にとどまる傾向があります。事業の局面や企業規模によって意味が変わるものなのです。

デジタイゼーションやデジタライゼーションとの違い 

似た意味を持つ言葉として「デジタイゼーション」や「デジタライゼーション」があります。デジタイゼーションは基本的には業務効率化を目的にデジタル技術を活用することです。本来のデジタルトランスフォーメーションは、組織や商品まで変革する取り組みを指します。

そのため、デジタイゼーションはDXの表面しか捉えていません。一方、デジタライゼーションはデジタル化したものを活用し新たな価値を生み出すことを示しており、こちらはDXの本質の定義と近いです。

関係性でいえば、デジタライゼーションを基本に企業変革を進めていくことがデジタルトランスフォーメーションということになります。

デジタル技術を活用した企業改革

デジタル技術を活用し、製品やサービス・ビジネスモデルといった企業の根幹をなす部分まで変革を生じさせることを「デジタルトランスフォーメーション」といいます。

具体的に「(こうすれば)デジタルトランスフォーメーションだ」という明確な定義があるわけではなく、企業によって取り組む内容は様々です。

デジタル技術を用いて何を実現したいのか、目標や目的は企業ごとに異なるため、企業の数だけデジタルトランスフォーメーションの形があるといえるでしょう。傾向として、大企業は蓄積されたデジタル技術が存在し、かつ十分な予算・人員を確保できます。

そのためビジネスモデルを含めた企業の抜本的改革という、デジタルトランスフォーメーションの本質を捉えた事業を進めることが可能です。

一方、中小企業は活用できる資源に不足が生じているのが現状です。大企業のようにはデジタルトランスフォーメーションに力を入れることができず、単に機械や機器などを活用した自動化・業務効率化にとどまる傾向があります。事業の局面や企業規模によって意味が変わるものなのです。

DXが今注目を集める理由

DXは、ここ数年で急激に注目を集めるようになった言葉。元々、テクノロジーの発展により、AIやIoTといったデジタル技術への興味や関心は社会的にも高まっていましたが、これはどちらかというとデジタル化によって業務効率化を目指す内容です。なぜいきなりDXが注目を集めるようになったのか、理由を解説します。

「2025年の壁」の到来が近いため

2018年、経済産業省はDX推進のために経営者が取るべき事項を定めた「DX推進ガイドライン」を発表しました。DX推進ガイドラインのなかでは「2025年には既存システムは時代遅れの産物になる」という記述があります。これがいわゆる「2025年の壁」であり、国が指針を示したことで企業は慌ててDX化に取り組みだしました。

ガイドラインでは「このまま既存のレガシーシステムを使用し続ければ、IT人材の不足も重なり、2025年から2030年の5年間だけで最大12兆円の損失が生じる」と試算しています。現状、企業が使用するシステムは老朽化し、無駄が多く複雑です。内情がよくわからず仕組みとして成立していないケースも多々あり、業務改善に役立っているとはいえません。こうした状況を変革し、未来に生じるであろう大規模な損失を回避するため、国を挙げてDX化を進めているのです。

コロナ禍で必要性が顕著になったため

コロナ禍の到来により、多くの企業はリモートワークや在宅勤務の導入を余儀なくされました。こうした遠隔地間での労働を実現するには、デジタル技術を活用して労働環境を整備する必要があります。

しかし、リモートワークや在宅勤務の導入が上手くいかず、業務の停滞が生じてしまった企業も少なくありません。コロナ禍でも今までと変わらず出社を強要する会社の姿勢に呆れ、愛想を尽かした社員もいます。

こうした状況を受け、飲食や流通などデジタル技術とは縁遠い業界の企業においても、DX化の必要性が顕著になりました。多くの経営者が「いち早くデジタルトランスフォーメーション化を推進しなくてはいけない」と危機感を抱いています。疫病の蔓延が、思わぬ副産物を社会にもたらしたわけです。

DX推進に向けた企業の現状

「2025年の壁」を乗り越えるため、企業では急ピッチでDXへの取り組みが必要です。
現時点での取り組み状況について、独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)から報告された「DX推進指標 自己診断結果 分析レポート」(2020年版)より紹介します。

2020年度の自己診断結果について

経済産業省は2019年7月に「DX推進指標」を公開し、経営面とIT面の双方から推進指標を定めています。

・経営視点指標:DX 推進のための経営のあり方、仕組みに関する指標、21項目
・IT視点指標:DXを実現する上で基盤となるITシステムの構築に関する指標、17項目

これらの項目を評価するため、IPAでは「成熟度レベル」を次の5段階に定めています。
・レベル0:未着手
 経営者は無関心か関心があっても具体的な取り組みに至っていない
・レベル1:一部での散発的実施
 全社戦略が明確でない中、部門単位での思考・実施にとどまっている
・レベル2:一部での戦略的実施
 全社戦略に基づく一部の部門での推進
・レベル3:全社戦略に基づく部門横断的推進
 全社戦略に基づく部門横断的推進
・レベル4:全社戦略に基づく持続的実施
 定量的な指標などによる持続的な実施
・レベル5:グローバル市場のおけるデジタル企業
 デジタル企業として、グローバル競争を勝ち抜くことのできるレベル

調査した2020年は経済産業省が警告を鳴らした2025年のわすか5年前です。日本のDX現状を把握するためIPAのレポートでは、あらゆる業態業種の企業(合計305社)の自己診断結果を集計しています。

集計対象305社のDX現状を確認すると、驚くことに91.5%の企業が「レベル3:全社戦略に基づく部門横断的推進」が出来ていないと報告しています。

ちなみに各レベルの内訳は次の通りです。
 レベル1未満:30.5%
 レベル1以上2未満:38.0%
 レベル2以上3未満:23.0%
 レベル3以上4未満:7.9%
 レベル4以上:0.7%

レベル3以上が全社戦略に基づく取り組みになることから、企業として2025年まで最低限到達したいレベルは「レベル3」のはずです。2020年の時点で達成している企業が1割にも満たないことから、グローバルで激しい競争が予想されるDXにおいて、日本企業の推進遅れが懸念されます。

DX先行企業と非先行企業との差はなにか?

IPAではDX推進指標の成熟度レベル3をクリアしている企業(26社、8.6%)を「先行企業」とし、成熟度レベル3未満の「非先行企業」(279社、91.5%)と比較することで、DX推進が停滞している要因を分析しています。

先行企業と非先行企業との比較で、評価レベルの差が大きいのは次の項目です。
経営視点
・危機感とビジョン実現の必要性の共有
・経営トップのコミットメント
・投資意思決定、予算配分
・人材の融合
・戦略とロードマップ

いずれも経営視点の項目であり、DXを推進していくためには企業幹部自らの意識改革が必要であることを示しています。

これに対し、先行企業と非先行企業との間で評価レベルの差が小さいのは次の評価項目です。
IT視点
・スピード・アジリティ
・IT 資産の分析・評価
・人材確保
・データ活用の人材連携
・プライバシー、データセキュリティ

こちらはいずれもIT視点であり、現場ではどの企業においても危機感を持って確実にDXを推進していると言えます。

このことからも、現時点での遅れの原因となりDX推進の鍵を握っているのは、企業経営者の経営判断であることが分かります。

DX推進のポイント

DX化を成功させるにはいくつかのポイントが存在します。DX推進のために守るべきポイントは以下の3つです。

経営層が積極的にコミットする

DXは組織・製品やサービス・ビジネスモデルといった企業の根本を成す部分を変革させる必要があるため、会社が一丸となって取り組まなければいけません。

特に重要になるのは、経営層の積極的な関与です。経営層の同意が無ければ、DX人材の育成・採用、組織改革といった全社規模の取り組みをうまく進めることは難しくなります。また、現場はDXの必要性を理解して推進を望んでいたとしても、往々にして経営層がその必要性を理解していない状況に陥りがちです。

ある程度DXを進めなくてはならないという意識を持っていたとしても、曖昧な目標にとどまると、実際に事業としてスタートさせるのは厳しくなってしまいます。経営層がDXの必要性を理解し明確なビジョンを持つことが、DXを成功させる上でキーポイントとなるでしょう。DXの推進は、経済産業省のガイドラインでも記されている国を挙げて取り組むべき施策です。

波に乗り遅れれば企業競争力の低下につながるため、自分の会社の経営陣が必要性を理解できていなければ今すぐ取り組むよう説得してみましょう。

IT人材の育成・採用

DXの推進はデジタル技術の有効活用無くしては成立しえません。このため、最新のデジタル技術を操ることができるIT人材の育成・採用は不可欠です。新たな技術を導入したとしても、自分のものにできるIT人材がいなければ有効活用は難しくなります。

新技術の専門的な知見を携えた人材の採用・育成がDX推進にあたって、立ちはだかる大きな壁です。プロジェクトを進めるにはシステムを構築するエンジニアやデザイナーといった手を動かすポジションの他、プロジェクト全体を取り仕切るPM(プロジェクトマネージャー)が必要となります。

そして、今はこのDXのマネジメントポジションへの需要がピークに達しています。ただでさえプロジェクトの成功は確約できるものではありませんが、DXは未知の分野でもあるため、マネジメントポジションは非常に難易度が高い職種です。

各業界・各企業で何とかしてDXを取りまとめることができる人材を採用すべく、好条件の求人募集をかけています。

アジャイル型開発モデルを導入

システムやアプリの開発は、従来プロセスを細分化して1つずつ進めていく「ウォーターフォール型」の開発が主流でした。しかし、DXを進める際はウォーターフォール型ではなく、おおよその仕様に従い小規模な開発 → テストを繰り返し改良していく「アジャイル型」開発が適しているとされています。

アジャイル型開発の方が状況の変化に迅速に対応できるため、顧客の反応を見て細かな改善が求められ進化するテクノロジーへの対応も必要な、DX化の実装には適しているためです。アジャイル型開発は一度に開発すべき工程が少なくリリースまでがスピーディーな点も魅力。IT人材の採用に当たっては、アジャイル型開発の経験があると心強いでしょう。

DXで活用すべき技術・ツール

DX化にはデジタル技術やツールの活用が不可欠です。DX化で活用すべき代表的な技術・ツールを4つ紹介します。

IoT

「IoT」は、モノとインターネットをつなぐことを指します。例えば、デバイスにICチップを取り付けて遠隔地からの操作を可能にしたり、モノ同士での通信ができるようになったりしました。

搭載されたセンサーやカメラ、無線機器などによってデータを取得し、インターネットを介して別のモノや人に転送することが、IoTの基本的な仕組みです。工場での生産技術にIoTを導入すれば、遠くに位置する事務所からでもリアルタイムで生産状況を確認できます。

また、自動車の運転においては赤信号であることを検知し、車が自動でスピードを落とすよう仕向けることも可能です。

AI

「AI」とは端的に言えば人工知能のことで、既存のシステムやデバイスにAIを搭載すれば様々な技術革新を引き起こせます。DX化の肝を担う技術だともいえ、様々な業界で導入が進められている最中です。

AIのビジネスへの活用として有名なのが、医療業界における画像診断でしょう。医師による診断の補助的な機能を担い、見落としによる誤診のリスクを防ぐことができます。

5G

大容量化・高速化を実現する次世代の移動通信システムが「5G」です。5Gの実現は私たちの生活を大きく変えるといわれており、リモートワークの実現やIoTの利便性の向上に役立つと見られています。

5Gを活用すれば、今までよりもさらに遠隔地間におけるスムーズなオンライン通話が可能になるため、ビジネスシーンでは業務効率化に大きく寄与するでしょう。VR・AR技術のようにエンターテインメント分野でも活躍が見込まれ、プライベートでも生活レベルを上げてくれます。

MA

「マーケティングオートメーション」の略で、マーケティング活動を自動化する装置を指します。従来は、市場調査や顧客ニーズの把握などのマーケティング活動は、人為的に行われていました。

膨大なデータを収集する必要があるため、多くの人員を割かねばならず、マーケティングに手が回らない企業も多数。MAの導入によって、過去に収集した顧客情報を一元的に管理・分析することが可能になりました。

情報を分析することで、成約の可能性が高い見込み顧客の選別や顧客一人ひとりに最適化した情報配信も可能に。蓄積された顧客情報を活かして、その顧客が望むタイミングで求める内容を届けてくれます。

クラウド

クラウドとはインターネットなどのコンピューターネットワークを経由してコンピュータ資源をサービスとして提供するクラウド・コンピューティングのことあり、クラウドは英語の「cloud、雲」を由来としています。

クラウドと命名された由来については定説がないようです。アプリケーションやデータなどが保管されている場所を、ユーザーに意識させることなく、あたかも雲の上から降ってくるがごとく使用できることから「クラウド」と言う名前が使われたようです。

クラウドには提供されるサービスにより次の3種類に分類されます。
・SaaS(Software as a Service、サーズ)
 インターネット経由でソフトウェアを提供するサービス
・PaaS(Platform as a Service、パース)
 インターネット経由でアプリケーションを実行するプラットフォームを提供するサービス
・HaaS / IaaS(Hardware / Infrastructure as a Service、ハース / イアース)
 インターネット経由でサーバー仮想化などインフラ機能を提供するサービス

既に多くの人達が利用しているDXにとって必要不可欠なサービスです。

デジタルトランスフォーメーション成功事例

先述した通り、企業によってDXの定義は異なります。これからDXに取り組む企業は、自分なりのデジタルトランスフォーメーションのあり方を見出さなければいけません。

とはいえ、初めて取り組むことなのでモデルケースを紹介してほしいと思う人も多いでしょう。DXの成功事例を4つ紹介するのでぜひ参考にしてください。

三越伊勢丹ホールディングス

百貨店は昔ながらのものというイメージが強く、DXとは関係ない分野だと思うかもしれません。しかし、大手百貨店の三越伊勢丹ホールディングスは、DX化に成功した企業の一例だといわれています。

経営戦略の1つとしてDXを据え、大々的に改革を進めた三越伊勢丹ホールディングス。特に効果を発揮した取り組みが、スマートフォンアプリへのオンライン接客機能の追加です。

ユーザーはアプリを通じて、気になる商品や欲しい商品についてチャット機能を使ってサイズや在庫など色々と問い合わせることができます。また、これまで別々に存在していた三越と伊勢丹のアプリを統合し、店舗情報を共有できるようにしました。

データベースを用いた商品管理の徹底も進められ、基幹店の全商品をEC(インターネット通販やネットショップ)や地域店でも購入可能になりました。ユーザーの利便性は飛躍的に向上しています。

株式会社陣屋

旅館も百貨店と同様、デジタル化とは縁遠い分野と考えられています。しかし、コロナの影響で旅行需要が激減し旅行業界は大打撃を受けており、何とかせねばいけません。

旅館がDXを成功させた例として、神奈川県の老舗温泉旅館「元湯 陣屋」の取り組みを紹介します。陣屋は昔ながらの勘と経験頼りの経営を行っていたところ、2008年には廃業寸前まで追い込まれてしまいました。

デジタルツール「Salesforce」を導入し経営から接客、調理場に至るまで様々な分野のデジタル化を推進したことで、売上を倍増させ、見事V字回復に成功します。全ての業務フローにSalesforceを連携させたために、従来の主観的な業務の進め方から完全に脱却でき、業務効率化が図られました。

三井住友銀行

銀行も昔ながらのやり方が色濃く残る業界で、デジタル化を推進する余地は大きく残されています。業界大手の三井住友銀行は、お客様から寄せられた声を瞬時に分析できるデジタル技術を導入し、業務効率化や新たな知識の獲得に成功。

従来は年間数万件寄せられる意見・要望を内容ごとに仕分けする作業に、莫大なコストが生じていました。「テキスト含意認識技術」の導入により、特定の意味を持つ文章のグループ化が可能になり、一気に業務効率化が進みます。

人の手に比べ精度も高く、業務改善に役立つ知識の獲得にも寄与しました。金融とテクノロジーを組み合わせて新たな価値を生み出す行為を「Fintech(フィンテック)」と呼びますが、三井住友銀行の事例はまさにフィンテックの1つと言えます。

メルカリ

メルカリはデジタル技術を活用し、オークションが主流だったネット上の個人間取引の手法を革新する、新たなサービスを誕生させます。顧客体験を最重要事項に据えて、顧客が利用しやすいアプリの構築に全力を注ぎました。

メルカリはスマートフォンさえあれば誰でも気軽に出品でき、商品は匿名で発送されるため、安全上のリスクも低いです。膨大な商品データとAI技術を組み合わせて、スマホで写真を撮るだけで商品情報が入力される「AI出品機能」や、似ている商品を瞬時に検索できる「写真検索機能」といったユーザーが使いやすい機能を備えています。

決済サービス「メルペイ」を利用すれば販売収益を加盟店での支払いにあてることも可能です。メルカリは利便性の高いフリマアプリを開発した功績を称えられ、2019年には国から「IT経営注目企業」にも選ばれています。


最後に

デジタルトランスフォーメーションとは何か、今注目を集める理由や成功事例、成功のためのポイントも含めて紹介してきました。経済産業省が示した「2025年の壁」とコロナ禍の到来により、DX推進の需要はピークに達しています。

DXの取り組みを成功させるには「経営陣の積極的な関与」「スピーディーな開発に適応できるIT人材」「プロジェクトをまとめられる人材」の3つが必要です。デジタル化の波に取り残されないためにも、早急にDX推進の動きを取りましょう。

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