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意匠登録のメリット・デメリットや活用事例・最新情報も紹介

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公開日: 2020.12.23
更新日: 2022.01.21

模様や形状などデザインを保護する権利である意匠登録。意匠登録という言葉は何となく知りつつも、どんなメリットがあるのかよくわからないものです。また、登録しておくことでデメリットにならないのかも気になりますよね。

今回は意匠登録のメリット・デメリットと、活用事例と意匠登録の最新情報についてご紹介いたします。

目次
目次

意匠登録はメリットが多い!

意匠登録を行うメリットは次の3つです。

模倣品を抑制・市場での優位性

意匠登録を行う一番のメリットは自社のデザインを専有する権利をもつことができ、市場競争で優位に立てることです。オリジナルデザインの商品を世に送り出している企業にとって、自社のデザインの模倣品(コピー商品)が安価で市場に出回るのはゆゆしき問題。

意匠権を取得しておけば模倣品や類似品を製作、販売した業者が意匠権侵害にあたることになり、意匠者は差止請求や損害賠償請求を行うことができます。模倣品を効率良く排除できる効率的な方法となるのです。

費用が安価で権利化が早い・保護期間も長い

意匠登録は特許、商標など他の出願に比べ費用が1/4~1/2で済むケースが多く見受けられます。また、出願書類が願書と図面のみで出願~登録まで平均6ヵ月ほどで権利化が可能となるため、とにかく最短で権利化したい方に向き、権利の保護期間も特許より意匠の方が長くなるのです。

会社の信頼度が上がる

意匠権が取得できた商品は「日本でたった1つのオリジナルデザイン商品」であると公的に認められることになり、他社より圧倒的に優位な立場で商品を販売できます。

ユーザーからは意匠権取得済の商品として安心して購買頂くことに繋がり、しいてはそのことが会社の信頼度アップに大きく貢献してくれることになるでしょう。

意匠登録の唯一のデメリットは権利範囲の狭さ

出願することのメリットが多く、デメリットがほぼ見当たらない意匠登録。唯一のデメリットを挙げるとすれば、認められる権利範囲が狭いケースがあることではないでしょうか。

多少のデザイン変更では出願不可なことも

意匠権が認められる大前提は「市場に出ていないオリジナルデザイン」であることです。既に市場で出回っている人気デザインの一部分を少し変えた程度であれば、出願不可と判定されることも少なくありません。

ただ、近年では「部分意匠制度」や「関連意匠制度」などデザインの一部分や、関連部分に付属する意匠登録も可能となっています。

まず出願戦略からプロに相談するのがベスト

「自社が考案・製作したデザインが意匠登録できるかどうかわからない……」このような場合は迷わずその道のプロに相談してみられることをおすすめします。

意匠登録の出願、手続きの代行を請け負ってくれるプロは弁理士です。弁理士は該当商品が出願可能かどうかはもちろん、そもそも出願することで収益化に繋がるのかなど出願戦略に関わる相談からお願いすることができます。

意匠登録と特許登録との違い

知的財産権の保護と言えば、意匠登録と同時に思い浮かぶのは特許登録。デザインは意匠で技術に関することは特許と概略は理解していても、詳細な違いについてはあやふやな人が多いかもしれません。ここでは意匠と特許の違いについて説明します。

意匠と特許とでは保護する対象物が違う

意匠と特許の一番の違い、それは権利が保護する対象物です。

・意匠:独創的で美感を有する物品の形状、模様、色彩等のデザインを保護
    (商品の形状、模様、色彩など)
・特許:自然法則を利用した、新規かつ高度で産業上利用可能な発明を保護
    (機能、構造、方法、モノを生産する方法など)
 参考:特許庁ホームページ

つまり、知的財産権の保護を検討している商品が、既に世の中にある機能や構造で構成され、技術的に何も新しいものがない場合、特許登録することはむずかしいです。ところが、その商品の外見のデザインが今までに存在しない新しいものであれば、意匠の方は登録できるということが起こりえます。

このように意匠と特許とでねじれ現象が起きるのは、保護する対象物が「外観のデザイン」か「技術的なアイデア」かで異なるからです。

出願のために準備する書類が違う

意匠と特許とでは出願のために準備する書類が異なります。

・意匠:願書、図面(写真、ひな形、見本)
 参考:意匠登録出願書類の書き方ガイド(独立行政法人 工業所有権情報・研修館)
・特許:願書、特許請求の範囲、明細書、図面(必要に応じて)、要約書
 参考:特許出願書類の書き方ガイド(独立行政法人 工業所有権情報・研修館)

意匠と特許を比較し、一番の違いは図面準備の必要性です。意匠ではデザインを説明するための図面は必須となります。一方、特許では特許請求の範囲など発明に関する説明が重視され、図面は補足的な扱いになるため、出願者が必要性を判断することになります。

登録までの審査過程が違う

意匠登録と特許登録の審査過程を比較し、大きな違いは「出願審査請求」の有無と「一般公開」されるタイミングです。

意匠の場合、出願された案件はすべて審査されます。一方、特許の場合、すべての案件が審査されるのは方式審査までであり、実態審査へ進むためには審査請求をする必要があります。

一般公開されるタイミングは、意匠では登録後になります。もし拒絶されれば一般公開されません。一方、特許の場合、原則として出願日から1年6ヶ月後に一般公開されます。登録よりも前の公開になるため、拒絶される案件も含めすべて公開されることになります。

ここで出願後の流れを用語も含めて紹介します。

1.意匠審査の流れ
・出願
・方式審査(書類の書式および不足有無を確認)
・実体審査(所定の登録要件を満たしているか審査)
①意匠性に問題がない場合
・登録査定
・登録料納付
・設定登録(意匠権の発生)
・意匠公報の発行(一般公開)
②実態審査で登録要件を満たしていない場合
・拒絶理由通知
・意見書・補正書
・登録査定
・登録料納付
・設定登録(意匠権の発生)
・意匠公報の発行(一般公開)

2.特許審査の流れ
・出願
・方式審査
・公開公報の発行(1年6ヶ月後、一般公開)
・出願審査請求(出願から3年以内)
・実体審査
①特許性に問題がない場合
・特許査定
・登録料納付
・設定登録(特許権の発生)
・特許公報発行
②実態審査で登録要件を満たしていない場合
・拒絶理由通知
・意見書・補正書
・特許査定
・登録料納付
・設定登録(特許権の発生)
・特許公報発行

意匠の方が特許と比較し、登録までの障壁が少ないと言えるでしょう。

意匠と特許どちらにするか迷った時には

新たに開発した新商品が、新機能を搭載しデザインも刷新して新しい場合、知的財産権を守るため意匠と特許のどちらを登録すべきか迷うことがあるでしょう。

結論として、意匠と特許の両方を出願することが重要になります。

意匠は登録までに必要な期間が特許よりも短く、早めに権利行使することが可能になります。また、万が一特許を拒絶されても意匠が登録されていれば、ライバルメーカーへの牽制となり、類似商品を販売しにくくなることでしょう。

意匠と特許で迷ったときは、両方に出願しデザインと発明の双方で知的財産権を守ることが大事になります。

意匠登録するにあたっての確認ポイント

あなたが思いついた新しいデザイン、ライバルメーカーの模倣を防ぐ手段として意匠の権利化を検討しましょう。意匠登録の必要ありと判断をした時、登録の準備をする前に確認してほしいポイント2つがあります。

ポイント①意匠の登録要件を満足しているか

たとえあなたが新しく思いついたデザインであっても、意匠の登録要件を満たしていなければ、出願しても意匠登録されません。次に示す意匠登録に必要な要件を確認し、出願すべきかを判断しましょう。

意匠登録に必要な要件
1.工業上利用できる意匠であること
2.今までにない新しい意匠であること
3.容易に創作することができない意匠であること
4.先に出願された意匠の一部と同一又は類似でない意匠であること
5.公序良俗を害するおそれがない意匠であること
6.一意匠一出願であること
7.他人よりも早く出願した意匠であること
参考:特許庁ホームページ

上記7項目のうち一つでも該当しない項目があると、意匠の実体審査で拒絶され、出願料が無駄になってしまいます。十分に確認するようにしましょう。

ポイント②意匠の出願までの流れを理解する

意匠の出願に必要な書類を作成する前に、仮に出願を急いでいる場合であっても同時並行で取り組んでほしいのは、事前の資料調査です。意匠出願しようとしているデザインが公知になっていないか、過去の意匠公報に類似品も含めて掲載されていないか、調査が必要です。

調査方法を2通り紹介します。

1.インターネットを利用する
特許情報プラットフォーム(J-PlatPat)、画像意匠公報検索支援ツール(Graphic Image Park)(いずれも無料)を利用して調査する。
2.公報を直接確認する
独立行政法人 工業所有権情報・研修館(INPIT)の公報閲覧室を利用して調査する。

書類作成と調査を同時並行で進める場合は注意が必要です。万が一類似デザインが発見された場合、書類作成に費やした工数や費用が無駄になってしまします。急ぎの出願の場合でも調査の方を優先的に進める方が良いでしょう。

意匠登録に必要な書類と書き方の留意点

意匠登録に必要な書類は、登録願(願書)と図面です。それぞれに留意事項がありますので、それに即した書類を作成しましょう。

意匠登録願の書き方の留意点

意匠登録願に記載すべき項目は次の通りです。

【書類名】意匠登録願
【あて先】特許庁長官 殿
【意匠に係る物品】(用途などを記載)
【意匠の創作をした者】
 【住所又は居所】
 【氏名】
【意匠登録出願人】
 【住所又は居所】
 【氏名又は名称】
【提出物の目録】
 【物件名】図面
【意匠に係る物品の説明】(使用目的や使用の状態など物品の理解を助けることができるような説明を記載)
【意匠の説明】
参考:意匠登録出願書類の書き方ガイド(独立行政法人 工業所有権情報・研修館)

意匠登録願には独特の言い回しがあり、慣れていない人は難しく感じるかもしれません。登録願の作成に時間がかかりそうであれば、専門家である弁理士にお願いするのも一つの手です。

図面の書き方の留意点

意匠で提出する図面には次の条件があります。

①意匠が立体的な形状等の場合
 ・正投影図法により表した六面図(正面図、背面図、左側面図、右側面図、平面図及び底面図)のうち意匠登録を受けようとする意匠を明確に表すために十分な数の図面
 ・各図は同一の縮尺で作成されていること
②意匠が平面的な形状等の場合
 ・表面図および裏面図のうち意匠登録を受けようとする意匠を明確に表すために十分な数の図面
 ・各図は同一の縮尺で作成されていること

作図に関しても細かい留意点がありますので、作図を始める前に「意匠法施行規則様式第6」を確認することをおすすめします。

なお、作図が困難な意匠の場合、図面に代えて写真、ひな形または見本を提出することができます。ただしそれぞれに留意点がありますので「意匠法施行規則様式第6」を事前に確認した方が良いでしょう。
参考:意匠登録出願書類の書き方ガイド(独立行政法人 工業所有権情報・研修館)

意匠登録までにかかる費用と維持費用

意匠の権利を取得するためには2種類の費用がかかります。登録までに必要な費用と、登録後に意匠の権利を維持し続けるための費用です。特許庁へ支払う費用と、弁理士を利用した場合の費用に分けて紹介します。

特許庁へ支払う費用

意匠の出願時に、特許庁へ支払う費用は次の通りです。意匠の内容に関わらず1意匠あたりの同一料金になります。
・意匠登録出願:16,000円

方式審査および実体審査を無事にパスし意匠登録へ進んだ場合に特許庁へ支払う費用は次の通りです。
・第1年分の登録料:8,500円
・秘密意匠の請求:5,100円(必要な場合のみ)

秘密意匠とは、設定登録の日から3年間に限り意匠公報に意匠の内容を掲載しない意匠のことです。商品の発売開始まで秘密にしておきたい場合などに請求します。なお秘密意匠の請求は出願時にすることも可能です。

2020年4月1日以降に出願する場合、意匠の権利は最長25年にわたり継続することが可能です。ただし、特許庁へ毎年費用を支払い続けることが条件となります。
・意匠登録料
 第1年から第3年まで:毎年8,500円
 第4年から第25年まで:毎年16,900円

一つの意匠を25年間登録し続けた場合、総額で413,300円、秘密意匠の場合は418,400円必要となります。登録費用に見合った経営効果があるか検討してから出願すると良いでしょう
参考:特許庁ホームページ

弁理士を利用した場合の費用

意匠の登録出願に必要な書類、特に図面の作成には専門知識やスキルを必要とする場合があります。また、実体審査の結果が拒絶判定の場合、意見書・補正書を作成するにあたり専門家からのアドバイスがあると心強いです。

このような場合、弁理士を利用することになりますが、気になるのは費用の問題です。日本弁理士会が実施した、「弁理士費用(報酬)アンケート」から紹介します。

・出願手数料:104,125円
・謝金:63,562円
 (いずれも平均値、図面2枚・特徴記載あり・物品の説明ありの場合)

弁理士を利用した場合、約17万円ほどの費用が必要になるのが相場のようです。自ら作成した場合の工数などと比較して判断すると良いでしょう。

意匠登録されてから権利が存続する期間

あなたのデザインが意匠登録されても、その権利は有限です。法改正により出願日により存続期限が異なります

・2020年4月1日以降の出願:出願の日から最長25年
・2007年4月1日以降の出願:登録の日から最長20年
・2007年3月31日以前の出願:登録の日から最長15年

存続期間の開始日について、2020年4月1日以降の出願から、従来の登録日から「出願日」に変更になっているので注意しましょう。また、意匠権の継続は登録料を支払い続けることが前提となります。

ちなみに特許の存続期間は、出願の日から最長20年です。意匠権の方が5年ほど長く権利主張できることになります。

意匠登録の活用事例・最新情報

ここでは、意匠登録の意外な活用事例・最新情報をご紹介します。意匠登録を行う業種といえば、アパレルや家電など「物品」のデザインでなくてはならないと思い込んでおられる方は多いのではないでしょうか。

意匠登録は「工業用利用可能性がある」ことが前提ですが、出願できる商品は多岐にわたります。

手作りスイーツや内装デザインも出願可能

あまり知られていませんが、意匠権は食べ物、容器や建築業界の内装デザインなど固体の物品でなくても出願可能です。食べ物はチョコレートやケーキ、個人の手作りスイーツでも量産できるものならOKですし、食品パッケージなどもオリジナルデザインであれば対象となります。

内装デザインは意匠権が認められる審査に時間は要しますが、登録が認められれば同業他社が同じデザインを使えなくなるため、大きな出願メリットが期待できるでしょう。

IT業界必見!画像デザインが新たに適用に

2019年5月、130年ぶりに意匠法の大幅改正が成立しました(2020年4月1日施行)。IT・デジタル化がすすむ現代において、デザインの知的財産権をもはや物品だけに限定することは困難だと判断されたからです。改正内容は意匠権が「webデザイン」「画像デザイン」にも適用されるようになったという点。

ただし、既に公開されているものは登録対象とならないため、webデザインの意匠権を取得するには企画と同時並行で出願手続きを視野にいれましょう。

最後に

今回は意匠登録のメリット・デメリット、活用事例と意匠登録の最新情報と共にお話しました。まとめますと、意匠登録を行うメリットは次の3つです。

  • 模倣品を抑制し、市場で優位に立てる
  • 費用が安価で権利化が早く、保護期間も長い
  • 会社の信頼度が上がる

意匠登録の唯一といえるデメリットは、認められる権利範囲の狭さが挙げられます。意匠権は物品に限らず食べ物から内装デザインなど、身近のあらゆるものが出願可能です。

そして、2019年の大幅改正以降はwebデザインや画像デザインなどweb関連のデザインにも適用されるようになり、ますます活用の範囲が広がりました。自社が考案・製作したデザインが意匠登録可能か迷われる方は、意匠登録出願のプロである弁理士にぜひ一度相談してみてください。


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