ガバナンスとはどういう意味?コンプライアンスとの違いを簡単に解説

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「ガバナンス」とは主に企業に対して使われる言葉で、健全運営のための指針や管理体制を指します。具体的には何を指しているのか、また、ガバナンスを確立することで得られるメリットについても見ていきましょう。

目次
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ガバナンスとは何か?具体例3つを紹介

ガバナンス(governance)とは統治することや管理することを指す英語で、日本では企業を運営するための指針や管理体制の意味で使われることが多いです。具体的な例も紹介しつつ、詳しく説明します。

ガバナンスとは

日本でガバナンスという言葉は、主に企業が企業自身で定める運営指針や管理体制を指すことが一般的です。ガバナンスを強化することで、企業内で不正が起こりにくくなり、情報の流出などの不祥事を未然に防ぐことも可能になります。

ガバナンスの具体例 

具体的には企業はどのような運営指針や管理体制を構築できるのでしょうか。ガバナンスを具体化するうえで不可欠な3つの要素を紹介します。

1.指示系統を明確にする組織作り

企業が保有する情報を守り、不正が起こりにくくするためには、指示系統を明確にする必要があります。誰から誰に指示が行くのかが明確になっていると、万が一情報が流出した場合でも、どの部署、あるいはどの人が流出に関わったのかが一目瞭然になるでしょう。

すぐに流出した部署・人物が特定できるとなると、情報の扱い方も慎重になります。不注意から流出してしまうことを回避できるだけでなく、意図的に流出する状況を抑止する力にもなるでしょう。

2.内部統制部門の設置

指示系統を明確にするだけでは、社内の不正をすべて管理することはできません。特定の部署に属さない内部統制部門を設置し、社内から客観的にトラブルを監視することが必要です。

また、場合によっては外部の機関に社内監査を依頼することもできます。社内の人間では気付きにくいポイント、例えば不正が生じやすい業務プロセスなどに気付けることもあるでしょう。

3.リスクマネジメント部門の設置

内部統制部門を設置しても、すべての不正を未然に防げるとは限りません。不正が起こってしまったとき、また、情報流出などの異常事態が発生したときに備えて、リスクマネジメント部門を設置しておくことができるでしょう。

リスクマネジメント部門では、万が一のトラブルが起こったときに被害を最小限に抑える方法と、会社の信頼をできるだけ損なわないで対処する方法を構築していきます。また、日頃から経営陣と密に連絡を取り合い、トラブルの原因がないか、トラブル対策として社員に周知することはないかを話し合うこともリスクマネジメント部門の業務の一環です。

ガバナンスと混同されがちな言葉の違いを解説

ガバナンスという概念は2000年代になってから広まったため、正しく意味を理解しないで使われることも少なくありません。ガバナンスと混同されて使われることがある「コンプライアンス」と「リスクマネジメント」、「内部監査」の違いについて見ていきましょう。

コンプライアンス

コンプライアンスとは、企業による法令順守を指す言葉です。国や自治体の法令を遵守することだけでなく、社内での規定や業界のルール、社会的常識、企業としての社会的責任を守ることも含まれます。

一方、ガバナンスとは社内規範を守るための指針です。つまり、ガバナンスによってコンプライアンスは維持されているということがいえるでしょう。

リスクマネジメント

リスクマネジメントとは、危機管理の手法のことです。インターネットの普及により、目に見えるつながりだけでなく、ネットを通したつながりや情報拡散にも注意を払う必要が生じてきました。リスクマネジメントにおいても、従来のリスクに加え、ネット社会を生きるうえでの危機管理が求められるようになっています。

一方、ガバナンスは企業内の管理・運営指針です。ガバナンスを実施するうえで、万が一のことが起こったときに備えるリスクマネジメントは欠かせない要素といえるでしょう。

内部監査

内部監査とは、特定の部署や個人に属さず企業内にありつつも第三者的視点で経営活動を監視しサポートすること、あるいはその部門を指します。コンプライアンスを維持するためにも、あるいはガバナンスを実施するためにも、不可欠な過程・部門といえるでしょう。

ガバナンスを確立する5つのメリット

ガバナンスを確立することで、企業内外に影響を与える大きなメリットを得られます。特に大きな5つのメリットについて見ていきましょう。

1.株主に安心感を与える

ガバナンスを実施していることで、株主に安心感を与えることが可能です。例えば、企業価値が下落すると株価が下落することもあるため、企業価値の下落は株主各自の資産が減ることを意味します。しかし、ガバナンスを実施している会社は不祥事が起こりにくいため、株主はある程度安心して株式を保有することができるでしょう。

また、ガバナンスを実施していることが企業価値を押し上げれば、株価が長期にわたって安定した上昇を示し、株主の資産を増やすことにもなります。すでに株式を保有している人に安心感を与えるだけでなく、これから投資を検討している人にとっても魅力的な企業となるでしょう。

2.企業内の不正を回避できる

ガバナンスを実施することで指示系統が明確になり、内部監査が機能すれば、企業内で不正が起こることを未然に回避できるようになります。企業内で不正が行われるようになると、組織の腐敗や不正会計などが横行し、ひいては企業の寿命を縮めることにもなりかねません。ガバナンスの徹底で不正を回避するならば、長期的に継続できる企業体を構築することができるでしょう。

3.社会的信頼性の向上につながる

ガバナンスの徹底により、企業の社会的信頼性を向上することにもなります。不正を行わず、法令や倫理を守る企業として周知されることになるでしょう。不正や情報流出などが起こると、今まで築いてきた社会的信頼性が一瞬で崩れてしまいます。信頼性の高い企業として認識されるためにも、ガバナンスを徹底し、不正を起こさないことが大切です。

4.企業の可視化・透明化

ガバナンスを徹底することで、企業の指示系統が明確になり、万が一トラブルが起こっても内部監査が機能して、原因を短時間で突き止めることが可能になります。企業体制の可視化・透明化が進み、より信頼される企業として評価されることになるでしょう。

5.優秀な人材確保につながる

社会的信頼性が高い企業は、経営が安定しているため、就職・転職を考えている人にとっても魅力的です。優秀な人材が集まりやすくなり、さらに企業としての成長が見込めるでしょう。

また、ガバナンスの徹底により企業の可視化・透明化が進んでいれば、社員一人ひとりの業績も正しく評価されるようになります。能力のある人が公正に評価される土壌ができているので、さらに優秀な人材が集まるでしょう。

最後に

ガバナンスは健全に企業を運営するために欠かせない指針や管理体制のことです。ガバナンスを徹底することで、企業の社会的信頼性が高まり、株主からも就職・転職希望者からも魅力的な企業に成長することができます。企業が長期にわたって安定して経営していくためにも欠かせない要素なので、ぜひガバナンスを確立させ、魅力的な企業を構築していきましょう。

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