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非常勤役員の選任で節税できる?報酬や社会保険加入について解説

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公開日: 2021.03.21
更新日: 2021.03.23

非常勤役員は経営へのアドバイスなど様々な目的で選任されますが、節税対策のために置かれることも。本記事では、どのような節税ができるのかについて紹介し、非常勤役員への役員報酬はどのくらいが妥当か、社会保険の加入義務はあるかなどについても解説します。

目次
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非常勤役員とは?

非常勤役員とは、必要な時だけ出勤する、あるいは出勤せず名目だけの役員のことです。非常勤役員に就任するのは、他の会社の役員や社長の家族など様々で、就任する目的も企業のニーズによって異なります。

定義と常勤役員との違い

非常勤役員の法的な定義はありません。常勤役員との違いは毎日出勤するかしないかという点です。常勤役員の場合は通常、会社で行うべき業務や責任があり、他の社員と同じく毎日出勤して必要な業務を行います。

一方、非常勤役員は会社での業務内容は明確でなく、経営への助言や他分野からのノウハウを提供するだけの場合もあり、様々な目的によって就任となり、家族が就任する場合は、節税が目的という場合も多いでしょう。

非常勤役員の登記が必要な時について

非常勤役員の就任には、登記が必要になる場合があります。必要な場合、不要な場合に分けて見ていきましょう。

新たに非常勤役員を置くときは必要

常勤か非常勤かに関わらず、新たに役員を選任するときには登記が必要です。そのため、非常勤役員を新たに選任する場合には登記をしなければなりません登記は選任の日から2週間以内に行う必要があり、期限を過ぎると罰則を受ける可能性もあるため注意が必要です。

常勤役員が非常勤になるときは不要

すでに常勤として選任されている役員を非常勤に変更する場合、登記は済んでいるため変更により改めて行う必要はありません。常勤か非常勤かの決定は法律に基づくものではなく、定款で任意に決定できるからです。

非常勤役員の社会保険加入について

社会保険の適用がある会社に勤務する正社員は、全員社会保険に加入しなければなりません。常勤の役員も役員報酬が支給されている限り、社会保険に加入する義務があります。一方、非常勤役員の場合、報酬を支払っていない場合は加入の義務はなく、役員報酬の支給がある場合でも直ちに加入しなければならないわけではありません。

勤務実態や業務執行権、報酬額などを総合的に見て、加入義務があるかないかを判断します。一般的に加入義務がないと判断できるのは、登記上の名前だけで役員としての業務を行っていないなど、名目だけの役員である場合です。

非常勤役員の選任でできる3つの節税対策

非常勤役員の選任は、会社の節税対策として行われる場合もあります。非常勤役員を選任することでどのような節税ができるのか、見ていきましょう。

1.役員報酬を支払うことで所得税を減らすこと

家族を非常勤役員にして役員報酬を支払った場合、その報酬は法人の経費として処理できます。月額8万円程度の報酬であれば、非常勤役員である家族に所得税が発生する心配もありません。また、累進課税制度のもとでは所得が高いほど税金も高くなりますが、社長の所得を家族に与えて所得を分散させることで税率を下げ、支払う税金を減らすことも可能です。

妥当な報酬金額とは

法人税法34条では「役員報酬は原則として損金の額に算入(経費に計上)されるが、過大な報酬については損金算入しない」ことが定められています。過大報酬がどの程度の金額になるかを明示した規定がありません。妥当な報酬金額がどのくらいかは、解釈に委ねられ、例では非常勤役員への報酬について争われた事案において、月額5万~15万円程度であれば過大な報酬とは言えないとされています。

2.早めの相続税対策ができること

非常勤役員を選任することで、早めの相続対策もできます。社長が個人で所有している財産が多い場合、死亡後の相続税が多額になる可能性があるでしょう。その対策として、生前に非常勤役員に対し財産を移転するという方法があります。

家族への贈与では贈与税が発生してしまい、多額の税金を支払わなければなりません。非常勤役員である家族に役員報酬として支払うという形にすれば、相続税や贈与税よりも税率が低い所得税と住民税の負担だけで済みます。

3.退職金が経費で落とせること

非常勤役員が役員を退任する際に、退職金を支給することで税金対策ができます。退職金も役員報酬と同様に、法人の経費となるためです。例えば会社の利益が多く出た場合に、退職金を支給し経費として計上することができます。

退職金には「退職所得控除」という所得税の優遇措置もあるため、受け取る非常勤役員にとってもメリットが多いでしょう。 

非常勤役員を選任する際の注意点

家族を非常勤役員にして節税する場合には、注意点もあるので確認しましょう。

勤務実態がなければ役員報酬が認められない

節税のために非常勤役員を置くことは認められていません。業務に従事していない非常勤役員に報酬を支払うのは不自然だからです。例えば税務調査が入った場合に、役員報酬は経費として認められないことも。

つまり報酬を支払う場合は、それに見合う業務を行うことが必要になるということです。また、報酬が発生する場合は社会保険加入も問題になります。金額その他の事情によっては加入義務が発生する場合もあることを把握しておきましょう。

最後に

非常勤役員を置くことで、さまざまな節税対策ができることがわかりました。しかし、非常勤役員を選任する際には登記が必要な場合があったり、注意点があったりなど、よく確認しておくことも大切です。税金対策を考えている方は記事の内容を参考に、正しく非常勤役員を登用してください。