「CMOって何だろう?」「CMOってどんなことをする人なの?」などといった疑問をお持ちではありませんか?この記事では、「CMOの基本情報」「CMOの仕事内容」などについて分かりやすく解説していきます。
CMOの意味と基本情報
CMOとは、マーケティング部門の長として経営に関わる役職者のことを指します。単に経営に関わるだけではなく、マーケティング戦略を立案し、実行していくことがCMOの主な仕事です。
CEO・CFO・CTO・CIOとCMOの違い
CMOと似た略語に、CEO・CFO・CTO・CIOなどがあるのはご存じでしょうか。これらは同じ管理系職種を指すのですが、意味合いは全く異なりますので、以下にて確認しておきましょう。
CMO(チーフマーケティングオフィサー)……最高マーケティング責任者。企業のマーケティング戦略を立案・実行する役割を担う
CEO(チーフエグゼクティブオフィサー)……最高経営責任者。企業の経営戦略や経営方針などについて最終決定を行う役割を担う
CFO(チーフファイナンシャルオフィサー)……最高財務責任者。企業の財務管理をするだけでなく、財務戦略を立案・実行する役割を担う
CTO(チーフテクニカルオフィサー)……最高技術責任者。企業の技術戦略の立案・実行、および研究開発の統括を担う
CIO(チーフインフォメーションオフィサー)……最高情報責任者。IT技術を用い、社内の業務・情報を最適化する役割を担う
CMOに求められるスキルとは?
CMOに求められるスキルは下記の通りです。
- 経営者と同じ目線をもつことができる経験とスキル
- 時間や人材などのリソースを余すことなく活用できる柔軟な思考
- 企業と顧客の関係性を理解し、改善していくことのできる力
また、CMOは、製造・販売・現場など、活躍する場所が特定の部署に限られていません。そのため、様々な分野の知見をもち、多様な考え方や価値観に対応する柔軟性も同時に求められます。
CMOの年収相場は?
CMOはまだ日本では珍しい役職であるため、年収の相場がハッキリしていません。しかし管理職ということもありますので、最低でも800万円クラスの年収が想定されます。というのも、役職ではないマーケターの年収が500万円~600万円クラスであるからです。
CMOはマーケターを管理する立場にありますから、1,500万円~2,000万円の年収でも妥当性はあります。
CMOがこなす3つの仕事内容
以下では、CMOがこなす3つの仕事内容について、
- マーケティング部門
- 経営に関する仕事内容
- 会社全体に対する仕事内容
の3つに分け、詳しく解説していきます。
マーケティング部門での仕事内容
マーケティング部門では、企業で実行しているマーケティング戦略を統合したり、会社全体のブランディングイメージを統一させたりすることが主な仕事内容になります。
日本企業はそれぞれの現場が独立して動く「現場主義」に徹していることが多く、マーケティング戦略をうまく反映できていないケースが多いのが現状です。
そこでCMOが中心となり、マーケターやマーケティング戦略を統括することで、企業全体に統一感が生まれ、戦略そのものが強固なものになっていきます。
経営に関する仕事内容
経営に関する仕事では、マーケティングを企業経営に反映させることが主な仕事になります。
たとえば、どのようなマーケティング戦略を立て、実行していくのかを経営者に説明することも責務の一つです。経営者サイドがマーケティングの内容や重要性を理解していないケースも多いため、「経営とマーケティングの融合」を図ることも仕事の一つであるといえます。
会社全体に対する仕事内容
会社内におけるCMOの重要性も年々上がっています。これは、顧客と自社が属する市場との関係性に重点をおいて事業を運営していく「カスタマーセントリック(顧客中心主義)」が現代社会に浸透し始めているからです。CMOは顧客や市場といった外的環境との窓口になる役割を担っているため、社内での重要度はこれからも、ますます大きくなっていくでしょう。
また、会社全体に対する役割の一つに、部署の垣根を超え、連携するための指揮官になるという仕事もあります。具体的には、製造・商品開発・サポートデスクなどに対する指南役となることで、顧客に最大限の価値を提供するために必要な役割を果たすのです。
今後の日本企業にCMOが必要とされる理由
今後の日本企業にCMOが必要とされる理由は、「マーケティングの重要性が高まっているから」という理由に他なりません。
現代の日本は、少子高齢化などの影響から、市場の規模がどんどん小さくなっており、かつての「経済大国」という肩書きも風化している現状にあります。そのため、これからの日本企業は日本国内だけに捉われることなく、海外に目を向けたグローバルな視点が重要になってくるのです。
ただ、海外へ向けて事業展開を行うとなると、必然的に優秀なマーケターが必要になってきます。そこで、マーケターを統括し、部署の垣根を超えて指揮をとるCMOの存在に絶対的な需要が生まれるのです。
まだ日本にCMOが浸透していないのはなぜ?
日本には良くも悪くも「モノづくりの精神」が根強く残っています。これを少しネガティブに言い換えると、「良いモノさえ作れば自然に売れる」という考え方が根付いてしまっているのです。そのため、本来必要とされる流通網を形成する存在(マーケター)がいまだに認められていないという現状があります。
そして、現代社会では、ITやSNSが拡大しているため、サービス提供までの販路が煩雑化している状況です。良いモノを作ったからと言って簡単には売れなくなっています。だからこそ、現代の特異な市場や顧客の潜在的なニーズを的確に認知することのできるCMOの存在が必要なのです。
最後に
CMOは、今後ますます企業になくてはならない存在になっていきます。それは営業活動全般において、マーケティング戦略がなくてはならないものであるからです。
特に、流通経路が多様化している昨今の市場では、経営者の視点をもっているマーケターが高いパフォーマンスを発揮します。今後、自社の将来を見据えてCMOを迎え入れる企業はどんどん増えていくでしょう。