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心理的安全性とは何か?作り方や会社にもたらすメリットを紹介

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公開日: 2021.02.27
更新日: 2021.02.27

心理的安全性とは、企業や組織において一人ひとりの社員やメンバーが何かを発言することに対し、心配や恐れのない状態を表す言葉です。心理的安全性は会社や組織に多くの良い効果をもたらすとされており、実際に心理的安全性を高める取り組みを行っている会社は多く、成果をあげているところも少なくありません。

本記事では、その効果や高める方法、取り組む際の注意点などを詳しく紹介します。

目次
目次

心理的安全性とは?

まずは、心理的安全性がどういったものであるか、その言葉が注目されるようになった背景を見ていきましょう。

グーグル社が重要性を発言

心理的安全性とは、会社や組織の中で社員やメンバーが何を発言してもチームや上司などに拒絶される心配や恐れがなく、安心して行動できる心理状態のことです。2015年、米国グーグル社が「生産性を高めるためには、心理的安全性を高める必要がある」と発言して以来、多くの企業から注目を集めました。

同社ではどのような会社がより生産性が高い働き方をしているのか調査を実施した結果、心理的安全性の高い会社が最も生産性に良い影響を与えていることを発見したのです

同社の発言が注目を集めたのは、テクノロジーの急速な進化により、生産性の高い働き方が求められているという背景もあります。

日本では、農林水産省が提言した「食品製造業における労働力不足克服ビジョン」や金融庁の「金融行政のこれまでの実践と今後の方針」において心理学安全性という言葉が使われています。

エドモンドソンが提唱

心理的安全性を最初に提唱したのは、ハーバード大学のエイミー・エドモンドソン教授です。教授は心理的安全性について、「通常なら嫌われたり関係が破綻したりする恐れがある場合でも、発言や指摘をすることを問題としない」と説明します。

つまり、会社や組織において社員やメンバーが「上司にこれを言ったら怒られるのではないか」と恐れたり、「会議などで発言するのは恥ずかしい」と感じたりせず、何を発言しても大丈夫と安心している状態こそが心理的安全性が保たれている状態といえるでしょう。

心理的安全性が低い場合の弊害

会社やチームにおける心理的安全性が低い場合、社員やメンバーが発言しようとする際に様々な弊害が引き起こされます。その結果として質問ができず、ミスを隠そうとして自発的な発言を避けるため、第三者が重要な指摘をできなくなってしまうのです。

会社がこれからの社会で生き抜くためには、イノベーションや生産性の向上が求められます。新しいことを生み出すための活発な議論をするためには、自由に発言できる環境でなければなりません。たとえ会社の伝統を否定するような発言をしても拒絶されず、評価が下がらない風土づくりが必要です。

社員が多くの不安を抱えているままでは、そのような環境作りは難しいでしょう。

心理的安全性が職場にもたらす3つの効果

心理的安全性を高めることで、職場には様々な効果がもたらされます。ここでは、会社にとってどのようなメリットがあるのかを紹介します。

1.生産性が向上する

心理的安全性が高いと社員やメンバーには不安がなく、自然体で仕事に集中できます。集中により社員が本来持つ強みを思う存分発揮でき、業務の生産性が向上するでしょう。同僚とも自由に意見を交換し合えるため、新しいアイデアが生まれやすくなります。

2.優秀な人材が定着する

安心して働けることで、社員やメンバーには仕事へのやりがいが生まれます。自分の能力を活かしながら仕事ができるため、この会社でずっと働きたいと思うようになるでしょう。優秀な人材が定着するようになり、離職率の低下にも繋がります。

3.課題の早期発見と解決が得られる

心理的安全性が高い社員やメンバーは、現状をより良くしようという前向きな姿勢に変わります。新しいことには積極的に取り組み、困難な問題にもポジティブに立ち向かえるようになるでしょう。

また、社員やメンバーは発言することに恐れがないため、上司には必要なことをすべて報告します。何か問題があれば相談し、失敗しても隠そうとしませんすべてがオープンであるため、課題の早期発見と迅速な解決に繋がります。

心理的安全性を測定する方法

職場の心理的安全性を高めるために必要なのは、まずどこに課題があるかを知ることです。そのために有効な測定方法があります。

7つの質問で課題を見つける

心理的安全性を提唱したエドモンドソン教授は、社員に次の7つの質問をすることで課題を見つけることができるとしています。

  1. 社内でミスを起こすと、よく批判をされる
  2. 同僚と課題やネガティブなことを言い合うことができる
  3. 同僚は異質なものを受け入れない傾向にある
  4. 社内でリスクが考えられるアクションを取っても安心感がある
  5. 同僚に助けを求めづらい
  6. 社内に自分を騙すような社員はいない
  7. 現在の社内で業務を進める際、自分の能力が発揮されていると感じる

回答の傾向を見て社内の状態を改善 

社員に7つの質問をして肯定的な回答の方が多かった場合、心理的安全性が高いといえるでしょう。一方、否定的な回答が多かった場合は心理的安全性が低いと考えていいかもしれません。

測定結果が低い場合は、この後の項目で説明する「高める方法」を試してみるとよいでしょう。

心理的安全性を作り高める方法と注意点

心理的安全性を作り高める方法として、8つのアクションが提示されています。それを説明し、心理的安全性を高める際の注意点も合わせて紹介しましょう。

会社ですぐにできる8つのアクション

心理的安全性を作り高めるためには、心理的安全性が低い場合に起こる4つの不安を取り除かなければなりません。そのためには、次の8つのアクションを試みるとよいでしょう。

1.発言する機会を平等に与える

社員が自分の意見を自由に発言できる機会を提供します。優秀な社員の意見だけを重視するのではなく、すべての社員の意見を尊重するように努めましょう。

2.協力し合うように促す

社員には競争するのではなく、互いに協力するように促します。各人が持つスキルを発揮して、協力し合う部署を作りましょう。それぞれが行う業務の内容を可視化して情報を共有することも、信頼関係を保ち協力し合うために大切です。

3.前向きになる

課題やトラブルに対し否定的な反応は避けましょう。社員は失敗を恐れ、前向きに仕事ができなくなります。起きてしまったことを責めるのではなく、改善策を提案しましょう。どうしたらよりよくできるかを問いかけ、ともに解決していきます。上司を含めた社員全員が前向きに取り組むことが、心理的安全性を高める秘訣です。

4.部下を尊重する

上司は部下の存在や意見を尊重しなければなりません。それぞれの価値観を承認し、意見を否定せずに支えることが大切です。自分は会社に必要な人間だという認識を与えることで、部下に安心感が生まれます。

5.1対1のミーティングを行う

上司と部下が1対1で定期的にミーティングを行います。業務の不安だけでなく、今後やってみたい仕事や人間関係、雑談も交えながら交流を深めてください。定期的なミーティングで上司はフィードバックを行い、部下の成長を促します。部下は自分の仕事を定期的に反省する機会を作り、学習するというサイクルができるでしょう。

6.部署全体で新人をサポートする

新卒や中途に関わらず、新入社員は新しい環境に慣れるまで心配や不安を持ちます。そんな新入社員を部署全体でサポートしてください。教育の体制を整え、年齢の近い若手社員1名をフォローに付ける「メンター制度」を導入するという方法もあります。いつでも気軽に悩みを相談できる存在がいれば、不安も自ずと解消していくでしょう。

7.評価方法を見直す

これまでの評価方法を変えるのも効果的です。ミスによる減点方式やランク付けをやめ、成果に対する加点方式にする、数値や記号を使わずに定期的なミーティングの場で評価を行うといった方法があります。

8.風通しをよくする

上下関係のはっきりした日本の組織形態は、閉鎖的な雰囲気を作りがちです。心理的安全性を高めるためには、上層部と社員が対等にコミュニケーションできる風通しのよい環境作りが必要になります。役職や年齢に関係なく活発に意見交換を行い、互いに信頼し合って同じ目標に向かう土壌を作りましょう。

「ぬるま湯」にならないよう注意

心理的安全性を高める目的は、ただ居心地のよい「ぬるま湯」の環境を作ることではありません。社内の緊張を和らげることで「楽ができる」と感じ、成長や目標に対する意欲が低下してしまう社員も現れます。

上司は部下に遠慮して、仕事の裁量を部下に一任するのは避けましょう。社員に指示や指導を行う立場であることに変わりはありません。馴れ合いにならないよう、上司は各社員に適切な責任や目標を与え、全体で目標達成を目指す雰囲気作りを行うことが大切です

最後に

心理的安全性の確保は会社の生産性を向上させ、課題をすばやく解決できることがメリットです。社員は仕事へのモチベーションが高まり、優秀な人材が定着します。

ただし、方法を間違ってしまうと馴れ合いが生じ、逆に生産性を下げる結果にもつながりかねません。社員に責任や目標を与えながら、上手に心理的安全性を高めていきましょう。