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フレックスタイム制とは何か簡単に解説!導入で社員の離職も防げる?

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公開日: 2021.02.27
更新日: 2021.02.27

フレックスタイム制は出社や退社の時間を労働者が柔軟に決定できる制度です。優秀な人材を確保するなどのメリットがありますが、導入する際にはしっかり仕組みを理解しなければなりません。

本記事ではフレックスタイム制の仕組みについて説明し、メリット・デメリットや導入する際のポイントについて紹介します。

目次
目次

フレックスタイム制の特徴と仕組み

フレックスタイム制とは、出社や退社の時間を柔軟に調整できる制度です。出勤の自由度が高くなるため労働者にとっては働きやすくなります。その具体的な特徴や仕組みについて、詳しく見てみましょう。

生活と仕事のバランスをとる働き方

フレックスタイム制は出退勤時間を自分の都合で調整することで、プライベートな時間と仕事のバランスが取れる働き方。子育てをしている人でも働きやすく、平日に用事がある場合に仕事を休まずに済むなど、労働者にとってメリットの多い制度です。

フレキシブルタイムとコアタイムを設定

フレックスタイム制は、1日の労働時間の中でフレキシブルタイムとコアタイムを設定します。

フレキシブルタイムとは、出退勤する時間を自由に選べる時間帯です。コアタイムは、1日の中で必ず勤務しなければいけない時間帯になります。コアタイムを設けるのは任意で、すべての時間帯をフレキシブルタイムにすることも可能です

フレックスタイム制のメリット

フレックスタイム制は労働者にとっても、会社にとってもメリットの多い制度です。ここでは、代表的なメリットを紹介しましょう。

多様で柔軟な働き方ができる

1日の限られた時間を労働者が自由に配分できるため、多様で柔軟な働き方ができるのが大きなメリットです。

定時で働いていると平日の日中しか開いていない役所の手続きなどは、休みを取らなければなりません。フレックスタイム制なら出退勤時間を自分の都合で調整し、休みを取らずに用事が済みます。通勤ラッシュを避けることもできるでしょう。

効率的な時間配分で残業を減らせる

フレックスタイム制の導入で、仕事の効率も上がります。仕事の量は毎日一定ではないことも多く、忙しい日もあれば、すぐに片付いてしまう日もあるでしょう。

定時出勤だと、忙しい日には残業し、手が空いてしまったら会社にいなければなりません。しかし、フレックスタイム制なら仕事の少ない日は早く退社して、その分の時間を忙しい日に回せるのです。

効率的な配分で不必要な残業時間を減らせるため、会社の生産性の向上にもつながるでしょう

フレックスタイム制のデメリット

メリットの多いフレックスタイム制ですが、デメリットの側面も知っておかなければなりません。

導入できる職種が限られる

フレックスタイム制は、「取引先など外部との連絡が多い」「他の部署との連携が必要」といった会社には不向きです。すぐに連絡を取りたいのに社員が出社していないというのでは、業務に支障を及ぼします。このような会社は、すべての社員が定時に在社していなければなりません。

そのため、フレックスタイム制を導入しやすいのは事務職やエンジニアなど、仕事が細分化されている、自分のペースで業務を進めやすいといった仕事に限られやすくなります。

この問題点は、前述したコアタイムを設けることで改善することができるでしょう。すでにある制度を、最大限活用することも大切です。

社員同士のコミュニケーションが難しくなることも

フレックスタイム制では各社員がそれぞれ違う時間帯で仕事を行うため、社員同士のコミュニケーションが少なくなります。

会議や打ち合わせをする場合でも、調整に手間がかかるでしょう。情報の共有が難しくなり、すばやいフィードバックができないのもデメリットです。問題解決に時間がかかり、トラブルの原因にもなります。

このような事態を回避するには、必要な時はすぐに連絡が取れる体制を作るなどの工夫をしてみるとよいでしょう

導入する場合のポイントと注意点

フレックスタイム制は労働基準法に規定されており、導入は基本的なルールに沿って行わなければなりません。こでは導入のために必要なことや押さえておきたいポイント、注意点について紹介します。

就業規則等に記載する

導入する際は、就業規則もしくはそれに準ずるものに、出退勤の時間の設定は従業員が決定することを記載する必要があります。

また、制度の適用について従業員がいつでも確認できるよう、就業規則等の内容を周知することが必要です。就業規則に記載しているものの、従業員がその存在を知らない、閲覧方法がわからないというのでは周知になりません。

周知は書面で行う必要があり書面のコピーを従業員に渡す方法もありますが、イントラネットにアップロードし、従業員がいつでもアクセス・閲覧できるようにする方法もあります。

参考:厚生労働省「フレックスタイム制 のわかりやすい解説 & 導入の手引き」

労使協定の締結が必要

就業規則等への記載とともに、労使協定の締結も必要です。労使間で合意があっても、労使協定の締結がなければ導入はできません。

労使協定とは従業員と使用者との間で交わされるもので、労働組合があるときはその労働組合、ない場合は従業員の過半数を代表する者が締結を行います

ここからは定められている事項について、詳しく解説しましょう。

参考:厚生労働省「フレックスタイム制 のわかりやすい解説 & 導入の手引き」

対象になる労働者を明確にする

対象となる労働者の範囲は明確にしなければなりません。設定は自由に設定できます。

「全従業員」でも「制作部職員」でもよく、「Sさん、Tさん」と個別に設定することも問題ありません。労使間で十分な話し合いが行われ、労働者の範囲を明確に定めることが大切です

参考:厚生労働省「フレックスタイム制 のわかりやすい解説 & 導入の手引き」

清算期間と期間内の総労働時間を決める

従業員が労働すべき期間のことを、清算期間といいます。2019年の法改正で上限が1か月から3か月へ延長されました。改正の目的は、少子高齢化に伴う生産年齢人口の減少や、働く人のニーズが多様化していることに対応することです。調整期間が長くなることで、より自由な働き方が可能になりました。

清算期間の起算日も同時に定めなければなりません。繁忙期や閑散期など、月ごとに差がある場合は、定める期間について労使間でよく話し合うことが大切です。 清算期間は3か月だとしても、1か月ごとに働いた時間を従業員へ通知しなければなりません。それに合わせ、清算期間内の総労働時間も定める必要があります。

参考:厚生労働省「フレックスタイム制 のわかりやすい解説 & 導入の手引き」

標準となる1日の労働時間を決める

標準となる1日の労働時間は、年次有給休暇の算定基礎となります。年次有給休暇清算期間における所定労働時間を、期間中の働いた日数で割った時間を基準に定めるのが一般的です

対象従業員が年次有給休暇を取得した場合、その日について標準となる1日の労働時間を労働したものと取り扱います。

参考:厚生労働省「フレックスタイム制 のわかりやすい解説 & 導入の手引き」

残業時間と残業代の考え方に注意

時間外労働の捉え方も通常の労働時間とは異なります。法定労働時間は1日8時間・週40時間ですが、フレックスタイム制では法定の時間以上働いていても、ただちに残業になるわけではありません。

毎日の労働時間は、清算期間内で定めた所定労働時間内であれば、従業員が自由に設定できるため、残業となるのは清算期間における所定労働時間を超えた場合です。3か月以内の清算期間を終えた時点で、所定労働時間を超えた分を残業代として精算してください。

所定労働時間の計算は、1週間の法定労働時間(40時間) × (清算期間の暦日数 ÷ 7日)の計算式で求めます。

法定労働時間には、週の法定労働時間が40時間から44時間に伸びる特例措置があり、対象は次の業種で、従業員の人数が常時10人未満の事業場です。

  • 商業
  • 映画・演劇業
  • 保険・衛生業
  • 接客・娯楽業

こちらに当てはまるか場合は44時間で計算しましょう。

清算期間を通じて所定労働時間を超えて労働させる場合は、36協定を締結しなければなりません。36協定は残業をする場合に必要な労使協定です。そこで定めるフレックスタイムの時間外労働は「1日」の延長時間についてではなく、「1か月」「1年」の基準で定めます。 

また、フレキシブルタイムを自由に設定できるため、決められた総労働時間よりも実働時間が短くなることも。所定労働時間に達しなかった時間は次の月に持ち越すこともできますが、会社の義務ではありません。不足した時間分の賃金をカットすることもできます。

使用者も労働時間の管理を行うこと

フレックスタイム制は通常と異なり「定時」がないため、従業員に高い自己管理が求められます。時間の管理が苦手な従業員の場合、働き方がルーズになる恐れもあるでしょう。円滑な業務を行うためには従業員が自己管理を徹底するだけでなく、使用者も労働時間を管理しなければなりません。

タイムレコーダーで毎日の出退勤時間を管理するほか、従業員にも月ごとの勤務記録を提出させます。毎日の出退勤予定が確認できるよう社内のホワイトボードに書き込む、スケジュール管理アプリを使うなどの方法を検討するなど、時間管理を徹底して行うのがよいでしょう。

おすすめは勤怠管理システムの導入です。労働時間や年次有給休暇の自動集計が可能で、スマホ等を使うことでどこからでもリアルタイムに打刻できます。タイムカードは集計や数値入力作業が必要ですが、勤怠管理システムならそれら作業をすべて自動化して業務効率を上げ、人的ミスも減らせます。

厚生労働省の手引きを参照

フレックスタイム制を初めて導入しようと考えている会社は、詳しい内容が案内されている厚生労働省の手引きを参照してみてください。導入の手順や改正点、Q&Aなどがわかりやすく掲載されています

相談窓口の案内もあり、経営上の悩みも相談が可能です。労働時間管理のノウハウなどが相談できる「働き方改革 推進支援センター」や、人手不足への対応など経営上の課題について専門家が対応する「よろず支援拠点」などが掲載されています。

参考:厚生労働省「フレックスタイム制 のわかりやすい解説 & 導入の手引き」

最後に

フレックスタイム制は労働者が仕事と生活のバランスを調整して働きやすくなるだけでなく、会社にとっても離職を防いで人材不足を解消できる便利な制度です。効率よく働けることで、生産性のアップにもつながるでしょう。記事も参考に、ぜひフレックスタイム制を検討してみてください。