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ポストコロナに対応する経費削減とは?具体的な手順や注意点を解説

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公開日: 2020.12.18
更新日: 2021.03.23

新型コロナウイルス感染症が流行している影響で、社会の構造から個人のライフスタイルまで、大きな転換期を迎えています。

企業では経営基盤を強化するために様々な見直しを求められているといえそうです。先行きが不透明な時代に対応する経費削減とはなんなのか、整理しておく必要があるでしょう。

この記事では経費削減を行う上で確認したいポイント、手順、注意点、今後の展望などを解説していきます。

目次
目次

そもそも経費削減とはなんなのか?

経費削減とは何なのかを考えるには、まず経費の定義を明確にする必要があります。そののちに経費削減について解説していきましょう。

どこからどこまで?経費の定義と範囲

経費とは「経常費用」の略語です。使われる分野や場面によって特定の意味を持つことがあり、定義も異なる部分がありますが、企業における経費とは事業を運営するためにかかった費用を表します。

経費として認められるための基準は「売り上げにつながる費用であること」です。こうした明確な基準が定められているのは税法上、経費とそうでないものを分ける必要があるからでしょう。会社に税務署の税務調査が入った場合に、売り上げとの関係をはっきり説明できるものであれば、経費として認められるのです。

業務とは関係のない日用品や趣味の道具の購入代、友人との飲食費などは経費にはなりません。仕事の関係者であると同時に友人である人間との飲食費に関しては、業務に関わることが目的である場合のみ経費と考えられます。

間違えやすいものとして、未使用の事務用品があげられます。まだ使っていない消耗品は売り上げにつながっていないので、経費としては認められません。同様に、仕入れたけれどまだ売れていない余剰在庫も経費にはならないので、注意が必要です。

また、会社における法人税、法人住民税、法人事業税などの税金は、支出ではなく納税分であることから経費として計上することはできません。ただし印紙代、収入印紙は経費となります。また同じ税金であっても個人事業税、固定資産税、不動産取得税、自動車税などは経費として認められているので、注意しましょう。

なぜ経費削減が必要なのか?

企業にとって利益を上げることは会社組織を維持するうえでも、事業を展開していくうえでも、必要不可欠な経済活動といえます。利益を上げる要素として考えられるのは次の2つです。1つ目は売り上げを伸ばすこと、2つ目は経費を削減すること。つまり利益を増やすには収入を伸ばすか、支出を減らすかがポイントになるのです。

現在は、新型コロナウイルス感染症が流行している影響で、社会全体として経済活動が低迷している状況にあります。好調を維持している業界もありますが、その範囲は限られており、売り上げの向上はそう簡単にはのぞめません。そうした状況下で利益を伸ばすためには経費削減が重要なポイントとなるのです。

経費削減のポイントを3つに分類してチェック

経費には様々な種類があります。細かくひとつひとつの項目をチェックすることも必要ですが、全体を見てバランスを取りながら、削減する分野を検討することから始めてみましょう。

経費は大きく次の3つに分けられます。それぞれの削減ポイントを解説しましょう。

オフィスコストの削減ポイント

オフィスコストとはオフィスの環境を整えるためにかかるコストのことです。具体的にはオフィスの賃貸料および管理費、清掃費、複合機のリース代、文房具代、紙代、印刷代などがオフィスコストにあたります。コロナ禍によって、リモートワークが増えている背景があること、世の中全体にペーパーレス化の流れが顕著になっていることから、オフィスコストはもっとも削減しやすい分野といっていいでしょう。

オペレーションコストの削減ポイント

オペレーションコストとは給料などの人件費と物流費のことです。一般的に企業の規模が大きくなればなるほど、オペレーションコストも増加します。希望退職を募る、リストラを行うなど、人員を整理すればコストを下げることもできますが、マイナスの影響が大きくなることが考えられるため、人件費の削減は慎重に検討する必要があるでしょう。

エネルギーコストの削減ポイント

エネルギーコストとは電気代、ガス代、水道代などのライフラインに関するコストです。かつては節約の余地が少なかったのですが、電力会社やガス会社の自由化によって多くの料金プランが登場し、エネルギー使用の選択肢が増えたため、コスト削減の余地が広がりました。

使用していないエリアの電気を消す、省エネのLEDライトに切り替える、節水型のトイレを導入するなど、地道な努力が求められるのがこのエネルギーコストです。毎月一定の金額がかかるので、ライフラインの費用を抑えることができれば、着実な削減ポイントになるでしょう。

この他にも通常の業務でのコストとして、交通費、出張費、通信費などがあります。交通費と出張費はリモートワークやオンライン会議の増加によって、削減が見込める項目となりました。通信費も大手通信企業から様々なサービスが提供されており、プランの変更を実行することで、コスト削減が可能になる場合もあるでしょう。

経費削減の具体的な手順と方法

経費削減をスムーズに進めていくためには事前の準備や入念な検討作業が必要になります。経費削減を急ぎすぎることで、問題が生じる可能性も少なくありません。経費削減を行う上では社内での理解を得ながら、着実に進めてくことが求められるのです。ここでは経費削減の手順と方法を解説しましょう。

現状の費目別経費を把握する

経費削減を検討するうえでまず取り組まなければならないのは、現状の経費の把握です。部署別、分野別に見るところからスタートし、最終的には細かい項目別にチェックしていきましょう。可能な限り分解して細かく確認することがポイントです。

まずは項目別、品目別にチェックし、どの程度の削減が可能なのか、どれくらいの金額の削減になるのか、そしてまた削減した場合に業務に支障は生じないのか、綿密にシミュレーションして分析します。削減した場合の効果がどれくらい見込めるのか、削減後の予測も忘れずに立てておきましょう。

注意すべきは削減案をそれぞれの部署内だけで完結させないことです。複数の部署で重なっている設備、プロセスやシステムなどがある場合に、部署内だけでは発見することができません。重複しているものを共有できれば、統合もしくは流用することによってコスト削減につながる場合もあるのです。

全体を見ることと細部を見ること、この2つの視点を持つことで、バランスよく経費削減を進めることが可能になります。

経費削減案を作成する

項目別の削減プランが決まったら、経費削減案を作成します。その際に具体的にどれくらいの削減をするのか、明確な数値目標を設定しましょう。経費削減プランは具体的であればあるほど、達成へのモチベーションが上がる効果が期待できるからです。目標として金額だけでなく、達成する期限も設定するといいでしょう。

経費削減案の実行と共有

経費削減案を実行するにあたっては、2つのポイントがあります。特に重要なポイントは定期的な進捗状況の確認です。途中の段階で目標とかけ離れている場合にはプランの実行を加速させる必要があります。達成が不可能であると判断したならば、削減案そのものに修正を加える必要があるでしょう。

もうひとつの大きなポイントは経費削減案の共有です。仮に経費削減を実行する部署が限定的であったとしても、全社的に共有していくことが求められます。経費削減は関係部署のみならず、他部署からの理解・協力・連携が必要となる場合もあるからです。

削減の効果の検証と見直し

経費削減案を実行したのちに、結果を検証する作業を忘れずに行なわなければなりません。削減の効果がなかった、事業内容に影響が出たといったケースも考えられるからです。必要に応じて経費削減の方法を見直して改善します。

検証の作業はいくつかの期間に分けるのがポイントです。エネルギーコストの削減などは冷暖房など季節によって左右される場合もあります。1か月、3か月、半年、1年など、可能であれば細かく検証し、反省点や改善すべき点を洗い出しましょう。そして、次に行う経費削減にいかすことが求められるのです。

経費削減における3つの注意点

経費削減はコストを下げることだけを目標にすると、失敗してしまう可能性があります。実行すべき経費削減と実行すべきではない経費削減があるからです。その違いを見極めることが企業を活性化させる経費削減につながります。おもな注意点を解説していきましょう。

社員のモチベーションへの配慮

経費削減でもっとも気をつけなければならないのは社員のモチベーションへの配慮です。社員の理解と共感がなければ、経費削減を進めていくのは難しくなります。

過度な経費削減によって業務に支障が出た場合には、社員のモチベーションの低下につながる可能性があるでしょう。

社員の理解や同意の得られない給料カットは企業の運営に支障をきたすケースも考えられます。給料をカットする場合には社長や取締役といった会社の上層部から順に減額するなど、不公平感をなくす配慮が必要でしょう。

もっとも配慮しなければならないのは、リストラなどの人員整理です。人員整理は辞める社員にとってダメージが大きいだけでなく、残った社員の負担が増える、仕事の効率が低下するなどの悪循環をもたらす場合もあります。人員整理は経費削減の最後の手段という認識を持っておくとよいでしょう。

削減の妥当性と影響を慎重に検討

経費を削減することが会社の円滑な運営の妨げとなってしまっては本末転倒です。経費削減が売り上げ、生産力、競争力、サービスなどの低下を招いてしまったとしたら、それは間違った方向の削減ということになります。

経費削減によって経営を効率化して、収益をアップさせることが最大の目的です。逆の結果を招かないためには、経費削減が妥当なものであるかどうか、慎重に検討することが求められます。

組織全体で行うのが原則

経費削減を行ううえで重要なのは会社全体で行うことです。全社をあげて取り組むことで、経費削減への意識を社員間で共有し、高め合うことが期待できます。消耗品の節約、電気のこまめな消灯など、全社員が声をかけあうことで、地道な努力が実を結ぶ確率が高くなるのです。

コロナ禍によって加速する経費削減

新型コロナウイルス感染症の流行の影響により、経済全体が低迷しており、経費削減はさらに注目されています。コロナ禍における経費削減の流れについて、解説しましょう。

リモート会議とテレワーク増加の影響

2020年4月から5月にかけて発令された緊急事態宣言によって、会社員のテレワークの割合が一気に増加し、リモート会議も数多く行なわれるようになりました。その傾向は緊急事態宣言が解除されたのちも継続しています。

こうした働き方の変化が、会社における経費削減のあり方の見直しにもつながっているといってよいでしょう。たとえば、リモート会議は画面上で資料を共有できるため、紙で資料を用意する必要がなくなり印刷代の削減に効果的です。またテレワークによって、社員は通勤にさく時間を減らすことができ、会社としても交通費を減らすことができます。

コロナ禍がもたらすスリム化とは

社員の出勤をシフト制に移行する取り組みを行なっている会社も多数あり、今後オフィススペースの縮小の動きが顕著になることが予測されます。

会議室の数の削減、食堂の閉鎖など、オフィスをスリム化することによって、オフィスの賃貸料はもとより、管理費、維持費、エネルギーコストなど、様々な経費を減らすことができるでしょう。

ただし、オフィスの縮小や移転などには短期的にはコストがかかるので、注意が必要です。

スリム化の動きはそれだけではありません。複合機のリース代、紙代、印刷代、通信費など、これまでは当然とされていた経費の見直しもさらに進むことが予想されます。ペーパーレス化、デジタル化の流れもこうした企業のスリム化をさらに加速させることになるでしょう。

最後に

会社を人に例えるならば、経費削減とは肉体を強化して、脂肪過多の体から筋肉質の体へと改造していくことに似ています。不必要なものを減らし、必要なものはキープし強化していくことによって、会社の体力強化を行なっているようなものだからです。

コロナ禍は経済界産業界に大きなダメージを与えました。しかし会社をスリム化するうえでの大きなきっかけとしてとらえることもできます。経費削減とは後ろ向きの取り組みではなく、将来へ向けての積極的な取り組みにもなり得るのです。この記事を参考にして、経費削減を検討してください。