「会計ソフトを選ぶときはどういったことに注目すればいいの?」
「会計ソフトにはどのような種類があるの?」
会社のお金の動きを把握するために会計ソフトを導入しようとしている方の中には、一体どの会計ソフトを選べば良いのか検討がつかない方も多いのではないでしょうか。
実は会計ソフトにはいくつか種類があるので何でも良いというわけではなく、自分のニーズに合ったものを選ぶ必要があるのです。
本記事では、会計ソフトとは何なのか、会計ソフトの選ぶポイント、おすすめの会計ソフトを紹介します。
この記事を読めば、ニーズにぴったりの会計ソフトを見つけることができますよ。
会計ソフトとは
会計ソフトとは、入金や出金、振替などの会社のお金の全ての動きを管理して、集計をするソフトウェアです。従来は紙伝票で管理していましたが、正確に管理するには少なくとも簿記の知識が必要で、作業できる人員に制限がかかるだけでなく、人為的ミスが発生する可能性もありました。
会計ソフトを使うことで、数値を入力するだけで自動で仕訳され、会計業務の負担を大幅に軽減することが可能です。人為的ミスの発生確率を最小限に抑えられるだけでなく、パソコン1つで作業できるため、コロナ禍によるテレワークとも相性が良いでしょう。
会計ソフトを導入するだけで業務改善が簡単にできるので、紙媒体でお金を管理している方は会計ソフトに切り替えましょう!
会計ソフトを選ぶときの10のポイント
選ぶときの基準となるように、会計ソフトを選ぶときのポイントを紹介します。主に注目すべき項目は以下の10個です。
- 対応OS
- 導入方法
- 対象事業
- 初期費用
- 月額費用
- 無料トライアル期間
- 利用台数制限
- バージョンアップ
- サポート体制
- アプリ連動
なぜこれらの項目が重要なのかそれぞれ紹介するので、自分のニーズにあわせながらチェックしていきましょう。
(1)対応OS
会計ソフトには対応しているOSが決まっているので、使っているパソコンのOSを確認しておきましょう。Windowsを使用している場合は、さほど気にする必要はありませんが、Macを使っている企業は特に注意が必要です。
Macのパソコンでも対応OSがWindowsのソフトを使えることもありますが、推奨されていないOSで使用すると故障の原因になります。Macを使っている企業は、Macに対応しているソフトを使いましょう。
(2)導入方法
会計ソフトには、導入方法にインストール型とクラウド型の2つのパターンがあります。
- インストール型:自社で用意したサーバーにパッケージ商品、もしくはダウンロードしてソフトをインストールするタイプ
- クラウド型:自社でサーバーを用意する必要はなく、システム会社に料金を払ってサービスを利用するタイプ
インストール型は、商品を購入するために初期費用はかかりますが、一度インストールしてしまえば、追加で料金を払う必要はありません。しかし、ソフトをバージョンアップする際に、手動で行う必要があり、商品によっては更新料として別途費用が発生することがあります。データの管理も徹底する必要があり、データの消失や流出する危険性があることは頭に入れておきましょう。
一方、クラウド型は、自社サーバーやソフトウェアなどのシステム環境を整える必要はないので、初期費用はほとんどかかりません。また、システムや金額に不満がある場合は解約することもでき、定期的なバージョンアップやメンテナンスも必要ないので、パソコン初心者にとって使い勝手は良いです。データもクラウド上に保存されるので、ハードウェアに障害が発生してもデータが消える心配はありません。デメリットとしては、サービス利用料を払う必要があり、定期的に運用コストが発生します。
どちらのタイプにもメリット、デメリットがあるので、どちらが自社にとって都合が良いのか判断して導入方法を決めましょう。
(3)対象事業
対象事業によって必要な機能が異なるので、自社のニーズに対応しているか判断する必要があります。特に、会計ソフトに必要な機能で差が出るのは企業規模です。
個人事業主や零細企業、中小企業など、従業員数が少ない場合は、必要最低限の機能で会計業務を進行できますが、大企業や複数事業を営んでいる経営者は、部門別管理や連結決算など特殊な機能が必要になります。必ずどの事業向けの商品なのか確認しておきましょう。
(4)初期費用
初期費用にどのくらいかかるのかも確認しておくことをおすすめします。一般的に、初期費用が必要なのはパッケージ型やオンプレミス型などのインストール型の商品ですが、サービスによってはクラウド型の商品でも初期コストが発生する場合があるので、注意しておきましょう。
クラウド型サービスを検討していて、なるべく初期投資にコストを割きたくない場合は、初期費用の有無でサービスを決めるのも有効です。
(5)月額費用
主にクラウド型サービスを利用する場合ですが、運用コストにどのくらいかかるのか確認しておきましょう。月額費用が高ければその分機能性も充実していますが、必要以上の機能が搭載されており、無駄なコストになる可能性があります。
一方で、あまりにも運用コストが安い場合は、最低限の機能性に抑えられていることが多く、企業規模や導入目的によっては必要な機能が搭載されていない場合が考えられるでしょう。一概に、高い安いで決めるのではなく、あくまで予算内かどうかで判断することをおすすめします。
(6)無料トライアル
無料トライアルの有無は必須のチェック項目です。会計ソフトのほとんどが有償サービスなので、少なくともコストが発生します。クラウド型サービスは解約すれば、運用コストの無駄使いを避けることはできますが、インストール型の商品は購入後、運用を止めたからといって初期投資分を回収することはできません。
支払ったコストが無駄にならないように、無料トライアルを利用して、自社の目的を達成できるツールなのか判断してから本格的に導入しましょう。
(7)利用台数制限
業務フローを作るときに影響するので、利用台数制限も重要です。インストール型商品であれば何台までインストールできるのか、クラウド型であれば、1ライセンスで何人までユーザー登録できるのかなど、何人までサービスを利用できるのか調べておくことをおすすめします。スルーされがちですが、大事な項目なので忘れずに確認しておきましょう。
(8)バージョンアップ
ソフトのバージョンアップの方法も調べておきましょう。バージョンアップは、インストール型は手動で行い、クラウド型は自動で行われるのが一般的です。上記で述べたように、インストール型の場合は別料金が発生する可能性があるので、インストール型の導入を検討している方は、別料金の発生の有無を確認しておくことをおすすめします。導入タイプと合わせて確認しておくと良いでしょう。
(9)サポート体制
どのサービスを利用するか判断するときに、サポート体制で決めるのもおすすめです。会計ソフトを初めて導入する方の多くは、専門的な知識を持っていない、もしくは使い方が分からないことが予想されます。
何かトラブルや不明な点が発覚したときに、早急に対応できるシステムがある方が安心して利用できるので、パソコンに疎い方や経理経験がない方は電話やチャットなどのリアルタイムサポートがある商品を選びましょう。
(10)アプリ連動
アプリ連動ができるソフトがあれば、経理状況の確認に便利です。必ずしも必要な機能ではありませんが、スマホやタブレットからアクセスできれば、欲しい情報を好きなときに確認することができます。
全ての条件が同じで判断基準がない場合は、パソコンが手元にない場合でも使える操作性で選びましょう。
経理初心者におすすめの会計ソフト27選
経理業務をしたことがない方でも簡単に扱える会計ソフトを27商品厳選して紹介します。一見同じようなソフトでも、財務会計に強いのか管理会計に強いのかなどそれぞれに特徴があるものです。
会計ソフトを選ぶ10個のポイントのアンサーもまとめているので、どの会計ソフトを導入するのか検討してみてください!
勘定奉行クラウド【株式会社オービックビジネスコンサルタント】
いつもの業務をより速く、簡単に行うことを実現した会計ソフトで、導入企業によっては年間480時間の事務作業の削減に成功しています。
専門家ライセンスにより顧問の税理士とデータを共有することができるので、連携効率の向上により無駄なやり取りの削減が可能です。
顧問の専門家を採用している企業は導入を検討してみてはいかがでしょうか。
- 対応OS
- Windows
- 導入方法
- クラウド型
- 対象事業
- 個人事業主/法人
- 初期費用
- 50000
- 利用料金
- 160,000~
- 無料トライアル期間
- ○(30日間)
- 利用台数制限
- 要問い合わせ
- バージョンアップ方法
- 自動
- サポート体制
- ○(電話)
- アプリ連動
- 要問い合わせ
SuperStream-NX【スーパーストリーム株式会社】
これまでの導入実績から得たノウハウと最新のテクノロジーを融合して開発されました。
25年以上の市場調査によって、ユーザーの声に耳を傾けてつくられているので、充実した機能を備えています。
最新の技術に触れながら会計業務を行いたい方は導入してみましょう。
- 対応OS
- Windows
- 導入方法
- オンプレミス型・クラウド型
- 対象事業
- 個人事業主/法人
- 初期費用
- 要問い合わせ
- 利用料金
- 要問い合わせ
- 無料トライアル期間
- ○(期間は要問い合わせ)
- 利用台数制限
- 要問い合わせ
- バージョンアップ方法
- クラウド型:自動 オンプレミス型:手動
- サポート体制
- ○(問い合わせフォーム)
- アプリ連動
- ○
ジョブルポ【アーバン・コーポレーション株式会社】
シンプルな機能で初心者でも使いやすい設計になっています。
明細の自動仕訳、集計表や決算書類自動作成、申告処理の自動化の必要最低限の機能に抑えられているので、使い方でひどく混乱することはないでしょう。
月額980円(税抜)とコストを抑えられるので、試しに導入を検討している方におすすめの会計ソフトです。
- 対応OS
- Windows/Mac
- 導入方法
- クラウド型
- 対象事業
- 個人事業主
- 初期費用
- 無料
- 利用料金
- 980
- 無料トライアル期間
- ○(30日間)
- 利用台数制限
- 要問い合わせ
- バージョンアップ方法
- 自動
- サポート体制
- ○(電話、問い合わせフォーム)
- アプリ連動
- 要問い合わせ
クラウド円簿【株式会社円簿インターネットサービス】
クラウド会計ソフトの中では珍しい無料のサービスで、無料にもかかわらず取引の仕訳や集計、決算書の作成まで必要な一連の作業ができます。
消費税法改正にも対応しており、青色申告もできるので、お試しとして使うには打ってつけのサービスです。
いきなり会計ソフトを購入することに抵抗がある方は、使い方を把握する意味でも試しに使ってみてください。
- 対応OS
- Windows/Mac
- 導入方法
- クラウド型
- 対象事業
- 個人事業主/法人
- 初期費用
- 無料
- 利用料金
- 0
- 無料トライアル期間
- -
- 利用台数制限
- ×
- バージョンアップ方法
- 自動
- サポート体制
- ○(問い合わせフォーム)
- アプリ連動
- ×
かんたんクラウド会計【株式会社ミロク情報サービス】
小規模事業者向けのクラウドサービスで、初期費用やインストールは不要です。
価格帯もリーズナブルで、会計ソフトを初めて使う人でも簡単に操作できる設計になっており、レシート画像から情報を入力することができるので、細かい作業をする必要はありません。
操作性も簡単なので、オフィスや出張先、自宅など場所を問わずに作業をしたい方に推奨できるサービスです。
- 対応OS
- Windows/Mac/iOS/Android
- 導入方法
- クラウド型
- 対象事業
- 個人事業主/法人
- 初期費用
- 無料
- 利用料金
- 1800
- 無料トライアル期間
- ○(3カ月間)
- 利用台数制限
- 3人(1アカウント)
- バージョンアップ方法
- 自動
- サポート体制
- ○(問い合わせフォーム)
- アプリ連動
- ○
魔法陣会計クラウド【株式会社ハンド】
インターネット環境があれば場所を選ばずに使える会計クラウドサービスです。
複数人でデータを共有することができるので、離れた場所にいても同じデータを同時に編集することができます。
複数事業を営んでいる方でも1つのデータで一元管理できるので、特に複数事業を運営している個人事業主におすすめの商品です。
- 対応OS
- Windows
- 導入方法
- クラウド型
- 対象事業
- 個人事業主/法人
- 初期費用
- 要問い合わせ
- 利用料金
- 要問い合わせ
- 無料トライアル期間
- ○(21年6月末まで無料)
- 利用台数制限
- 要問い合わせ
- バージョンアップ方法
- 自動
- サポート体制
- ○(問い合わせフォーム)
- アプリ連動
- ×
MJSかんたん!シリーズ【株式会社ミロク情報サービス】
小規模な事業所向けの業務アプリケーションソフトで、パソコンに疎い方でも簡単に導入することが可能です。
手書きの記帳に慣れている方でも違和感なく操作できる設計になっており、きめ細かい設定ができるので使いやすさも実感できます。
多様な集計資料や分析機能が備わっているので、初心者でも会計ソフトを使いこなしたい方に嬉しい商品です。
- 対応OS
- Windows
- 導入方法
- オンプレミス型
- 対象事業
- 個人事業主/法人
- 初期費用
- 要問い合わせ
- 利用料金
- 要問い合わせ
- 無料トライアル期間
- ○(体験版利用)
- 利用台数制限
- 要問い合わせ
- バージョンアップ方法
- 手動
- サポート体制
- ○(電話、問い合わせフォーム)
- アプリ連動
- ×
わくわく財務会計【株式会社コラボ】
小規模事業者向けの、経理の一連の作業がスムーズになるように設計された会計ソフトです。
熟練者も使いやすい設計になっているので、作業に慣れた後でも機能性を堪能することができます。
なるべく手間をかけずに決算までの処理をしたい方や専任の経理担当者がいない事業者は導入を検討してみてください。
- 対応OS
- Windows
- 導入方法
- パッケージ型
- 対象事業
- 個人事業主/法人
- 初期費用
- -
- 利用料金
- ダウンロード版:16,500円(税込) パッケージ版:22,000円(税込)
- 無料トライアル期間
- ○(体験版利用)
- 利用台数制限
- 要問い合わせ
- バージョンアップ方法
- 手動
- サポート体制
- ○(問い合わせフォーム)
- アプリ連動
- ×
ツカエル会計【ビズソフト株式会社】
パッケージ型の会計ソフトで、法人の帳簿つけから試算表の確認、法人の決算まで1つのソフトで完結します。
他のソフトウェアからスムーズに移行することができるので、乗り換えも簡単です。
無料版でテスト導入することができるので、クラウドサービスを利用することに不安な企業は試しに使ってみてはいかがでしょうか。
- 対応OS
- Windows
- 導入方法
- パッケージ型
- 対象事業
- 法人
- 初期費用
- -
- 利用料金
- ダウンロード版:15,000 パッケージ版:28,000
- 無料トライアル期間
- ○(30日間)
- 利用台数制限
- 要問い合わせ
- バージョンアップ方法
- 手動
- サポート体制
- ○(電話、問い合わせフォーム)
- アプリ連動
- ×
最後に
会計ソフトを導入することで、業務の効率化を図ることができます。商品を選ぶときは、導入タイプや対象事業、運用コストなど自社のニーズに対応していることを確認することが重要です。
今回紹介した27の会計ソフトを参考に、自社に合ったサービスを導入して業務の効率化を実現しましょう。