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人事考課とはどんな制度?効果を出して業績を高めるポイントを解説

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公開日: 2021.02.27
更新日: 2021.02.27

人事考課は賃金設定や昇進を決定する際に必要な制度です。社員の仕事を正しく評価するために、適切な手順で行わなければなりません。

本記事では、人事考課と人事評価の違いや人事考課を行う目的、評価項目、手順などを詳しく紹介します。

目次
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人事考課とは?

人事考課とは、会社や組織における社員やメンバーの能力や勤務態度、業務に対する意欲や貢献度などを評価する制度です。評価の内容は賃金や昇進などに反映されます。人事考課とよく似た制度に人事評価がありますが、ここでは両者の違いや、人事考課の目的について紹介しましょう。

人事評価との違い

人事評価も人事考課と同じく業務や業績について評価を行い、人事査定に反映させる仕組みです。人事考課と人事評価に大きな違いはなく、同じ意味で取り扱っている会社もあります。ただし、一般的に人事評価は人事考課よりは広い概念で活用されており、能力開発や異動配置にも査定結果が利用されています。

人事考課の目的

人事考課は賃金や昇進など待遇の明確な根拠を示すもので、業務内容や上司との関係に左右されず、客観的な評価を行うことを目的としています

具体的な基準により社員やメンバーが目指すべき方向性が明確になり、モチベーションも高まるでしょう。結果として会社への貢献度が上がるため、生産性の向上に繋がります。

また、評価により社員の現状を正しく把握するのも目的の一つです。社員やメンバーに不足しているスキルがある場合は研修などの教育を行うことでスキルの向上を図ります。これにより、より業務に貢献できる人材を育成できるでしょう。

人事考課で評価する3項目

人事考課は公正な評価をするため、主に業績考課、能力考課、情意考課という3つの項目で実施されます。

1.業績考課

目標に対する達成度を評価する項目です。目標達成度が数値化されるため、成果がより客観的に反映されます。結果だけでなく、目的達成に至るプロセスも評価します。

ここでは上司が目標を設定するのではなく、社員やメンバー自らが目標を策定する目標管理制度(MBO)を利用するのが特徴です。ただ与えられた目標を目指すのではなく、自ら目標を立てることで積極性が生まれるでしょう

プロセスも評価するために、最終目標だけでなく中間目標も策定します。たとえば、「1年で契約を50件獲得する」という最終目的を設定した場合、「月に4件獲得する」「月の獲得数を達成するために月の顧客訪問数は30回以上行う」というような中間目標を設定しましょう。最終目標に到達しやすくなります。また、具体的な数値だけでなく、目的達成を通してどのように成長したいかを盛り込んだ目標策定を行わせることも必要です。

目標は簡単に達成できるものではなく、個々の能力に合わせた目標を設定しているかも確認するようにしましょう。

2.能力考課

社員やメンバーの知識や能力に対する評価です。知識や能力は可視化が難しいため、結果を見て判断します。難しい仕事に対する達成度や緊急時の対応方法や結果などを評価するものです

たとえばプロセスが難しい仕事をやり遂げても、一人で対応したのか、誰かと一緒に達成したのかで評価は変わります。そのため、達成した結果だけでなく業務の内容もチェックして評価することが必要です。

3.情意考課

社員やメンバーの仕事への取り組み方や姿勢を評価する項目です。ルールに沿った勤務ができているか、与えられた業務以外にも積極的に取り組んでいるかなどを評価します。他の社員との関係は良好かなど、協調性の側面も評価の対象です。

ほかの項目に比べて主観が入りやすいため、客観的な視点が求められるでしょう。

人事考課の手順

人事考課は4つの手順に沿って行います。それぞれの場面について、行う方法や注意点を紹介しましょう。

1.面談して目標を設定する

社員やメンバーと面談をして、目標設定を行います。話し合いの中では会社や部署、組織の目標を軸に個々の要望を聞き取り、達成可能な目標設定をすることが大切です。

設定の際には、売上のような数値化できる目標とスキルの向上などの数値化できない項目を分けましょう。このとき、努力せず成し遂げられる目標設定ではなく、努力の成果がわかる目標を定めてください。上司やリーダーは、社員やメンバーの過去の成績や能力などを正しく判断し、適切な目標が設定できるように指導しなければなりません。個々が自ら納得できる目標を設定することが重要です。

2.自己評価を行う

評価は上司やリーダーによる評価だけでなく、社員やメンバー自身による自己評価も行います。上からの一方的な評価だけでは、自己評価との間に大きな差がある場合、モチベーションの低下を招く可能性があるからです。

そのため上司やリーダーは社員やメンバーの自己評価も検討材料に含め、誰が評価しても納得のいく根拠が示せる評価を行わなければなりません

3.上司が評価する

上司やリーダーは会社が決めた基準に従い、客観的に評価を行います。したがって、社員やメンバーの優劣を決めるのではなく、主観や先入観の入る余地がない公平な評価を実現しなければなりません

なお、社員やメンバーに評価を伝えるときは、根拠を明確に伝えます。自己評価と食い違いがある場合、理由を説明しなければ納得してもらえず、社員の成長に繋がらないでしょう。

4.フィードバック 

評価を踏まえ、社員やメンバーにフィードバックを行います。人事考課はただ賃金の設定や昇進を決めるためだけに行うわけではありません。評価に対する適切なフォローが重要な意味を持ちます

人事考課を社員やメンバーの成長に繋げるためには、評価によって社員が課題を把握し、課題に対して明確に取り組めるようにすることが必要です。そのためには適切なフィードバックが欠かせません。

フィードバックにより反省点や改善すべき点を振り返り、次の目標や将来の希望について話し合うことが大切です。

適切なフィードバックが行えるよう、次の項目で詳しく説明します。

フィードバックの効果的な書き方

フィードバックは社員の今後に繋がるものであるため、書き方を工夫する必要があるでしょう。ここではフィードバックを効果的に書くためのポイントを、例文とともに紹介します。

具体的なコメントを書く

フィードバックでは具体的に書くことが大切です。抽象的な言葉では評価の内容が相手に正しく伝わりません。数字や実例なども用いて、具体的なコメントを書くようにしてください

例文をいくつか紹介します。

【営業職の例】

契約獲得が前年度比108%と目標に近い数値を達成できたのは賞賛に値する。チームではリーダーとして社員の士気を高め、適切な役割分担をした結果であり、その働きは高く評価できる。ただし、エリア別に見ると獲得件数に格差があるため、今後は地域の事情や客層など事前リサーチをさらに徹底するのが課題と思われる。

【事務職の例】

営業から回された伝票の処理が手際よく、要領よく事務を処理するスキルが突出している。他の社員の信頼が厚い。売上の進捗状況を確認できる表を作成し業務効率を高めたのも評価に値する。業務改善に貢献する能力を多く持つと思われるが、コミュニケーションが苦手なところがあり、社内会議の発言にも消極的である。これまで以上に社員との交流を深め、内勤業務の中心となって社内をもり立ててもらいたい。

【サービス業の例】

職場ではいつも明るくムードメーカーの役割を果たしている。新入社員の指導に積極的に対応しており、安心して任せられる。手が空いたときに周りの掃除をするなど、きめ細かい仕事ぶりで、同僚からも信頼されている。いつも身だしなみをきちんとしており、接客態度が良いとお客様からお褒めの言葉もいただいた。忙しい時間帯にお客様を待たせることがあるが、今後は業務の効率化などを工夫して解消できると期待している。

評価はバランスよく書く

どのような評価であっても、社員のモチベーションを保つ評価でなければなりません。社員がフィードバックを見たときにどのように感じるかを考えて言葉を選びましょう。

プラスとマイナスの評価はバランスよく書き、マイナス評価をした場合でも、プラスの評価で補うことを忘れないでください。どんなに評価が悪い場合でも、最後にプラス評価で締めくくると、社員はこのあとも頑張ろうという意欲が持てるでしょう。

【悪い例】

顧客の要望に応えて売り上げを伸ばした点は評価できるが、顧客への対応が上手くなく、度々クレームを受けている。言動などを改善するため、今後も指導が必要である。上司の指示を守らないなどの課題も多いので、マナー研修の実施を計画している。

【良い例】

高い商品を売ることだけでなく顧客の要望を聞き最適なプランを提供して感謝された。売上は目標の数字に達成し、高く評価できる。ただし、顧客によっては言動が強くなりクレームの原因になることもあるため日々の業務の中で改善してもらいたい。初心にかえるためマナー研修の実施を予定しており、さらに改善できると期待している。

最後に

人事考課は社員の適切な処遇を決定するため、大切な制度です。どのような項目を評価するのか確認し、社員と十分なコミュニケーションをとりながら正しく評価してください。人事考課では特にフィードバックが大切です。社員の今後の成長に繋がるよう、適切なフィードバックを行いましょう。