「メンター」という言葉をご存知でしょうか。ゲームの世界では「導き手」として描かれていますが、会社の中でもメンターが設定されていることがあります。メンターとは具体的にはどのような人のことなのか、また、メンティーとメンターとの関係について紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
メンターとは何をする人?
メンターとは「師匠」や「良い指導者」を表す英語です。しかし、会社でメンターという言葉が使われる場合、「相談できる人」や「支えてくれる人」といった意味合いで語られることもあります。そのため、一方的に指導するというよりは、同じ目線で考え、悩み、解決策を提案する人が「メンター」と言えます。
スピリチュアルでなく精神的成長を促す人
ゲームや小説、また実生活の中でも、メンターという言葉を「スピリチュアルな意味での成長を促す人」といった意味で使うことがあります。主人公に時折接触し、より高い霊的グレードへ進むためのヒントを与えるといった立ち位置に描かれることも多いです。
しかし、会社などで「メンター」という言葉が使われる場合、スピリチュアルな意味はまったくありません。メンターは、トラブルが起こったときに冷静に対処することやまずは関係者に声掛けすることなどの実践的な解決策を提示しつつ、精神的にも成長できるようにサポートします。
メンター制度を導入している企業も多い
「メンター制度」を導入している企業も増えてきました。特にサポートが必要な新入社員に対してメンターを一人配置し、仕事のことやプライベートなことなどを相談できる環境を整えていることも多いです。メンターによって実務的な成長を得るだけでなく、社会人としての精神的な成長を得ることができるでしょう。
メンターの立ち位置
メンターに相談をする人のことを「メンティー」と呼びます。では、会社での「メンター」とは、どのような立ち位置なのでしょうか。3つのポイントから紹介しますので、ぜひ具体的にイメージしてみてください。
指導者ではなく仲間
メンターが指導者としての役割を果たすゲームの世界とは異なり、会社でのメンターは「仲間」です。メンターはメンティーとともに悩み、ともに解決策を考えていきます。
そのため、メンターとして指定された方も、命令口調で話したり、自分の理想に合わせて相手を誘導したりすることがあってはいけません。
メンターもメンティーと成長する
前述の通り、メンターに相談する人は「メンティー」と呼ばれます。新入社員一人ひとりにメンターがつく会社ならば、新入社員がメンティーです。
メンターとメンティーは支配・被支配の関係にあるのではなく、あくまでも仲間なので対等です。メンティーはメンターに相談することで精神的かつ実務的に成長しますが、メンターもメンティーから相談を受けることで精神的に成長し、幅広い価値観に触れていきます。
年齢が離れている場合は?
メンターとメンティーの年齢が離れていると、どうしても年配者が指導者、年少者が被指導者という関係になりがちです。しかし、メンター制度は対等に成長する制度のため、年齢が離れている場合でも対等な仲間としての関係を構築することができます。
「年齢の離れた仲間」、「異なる世代の意見を気軽に聞ける人」という感覚で、メンターとメンティーの関係を築いていきましょう。
メンティーとの関係の築き方
メンターとメンティーがお互いを信頼し、高め合っていける関係を築くためにはどうすれば良いのでしょうか。良好な関係を築くための4つのポイントについて見ていきましょう。
対等さを意識すること
年齢差が大きいときであっても、メンターとメンティーの理想的な関係を築くためには、常に対等さを意識することが大切です。メンターが命令口調で話すならば、知らず知らずのうちにメンターとメンティーの関係が「命令する人」と「命令される人」に変わってしまいます。お互いが丁寧ではありつつも対等さを意識した言葉遣いや態度を心がけるようにしましょう。
また、メンティーが一方的に相談を持ち掛けるのではなく、メンターも気になることがあるときにはメンティーに相談を持ち掛けることができます。世代間のギャップがあるならば、なおさら新たな気付きを得られ、メンターがいることの喜び、メンティーがいることの喜びを感じることができるでしょう。
常に誠実・率直であること
メンターとメンティーが良好な関係を築くためには、お互いが常に誠実であることが大切です。嘘をつくのはもちろん駄目ですし、適当なことを話したり、ましてやメンターやメンティーの個人的な情報を第三者に暴露したりすることは絶対に避けなくてはいけません。
また、率直な意見を言うことも良好な関係を築くために欠かせない要素です。メンティーを傷つけないために嘘をついたり、喜ばせるためのお世辞を言ったりすることは、その場では良くても、今後も続く二人の関係には良い影響を与えません。良くないことは良くないと伝え、お互いが多くの経験を通して学べるようにしましょう。
頻繁にコミュニケーションを取ること
信頼関係を築くためには、頻繁なコミュニケーションも欠かせません。相談事があるときや用事があるときだけでなく、何もないときでもコミュニケーションを取るようにしましょう。まずは顔を見かけたら挨拶すること、日常起こった些細なことなどを雑談として話すことを心がけてください。
自分のことのように喜ぶ・怒る・褒める
お互いが強い絆で結ばれるためにも、相手に良いことがあったときは自分のことのように喜ぶ、相手が良くないことをしたときは自分のことのように怒る、相手が成長したときは自分のことのように褒めることが大切です。お互いが一緒に成長を遂げるには、まずはお互いを自分のことのように感じることから始めましょう。
最後に
メンターとは、相談することができ、また、分からないことを教え、一緒に考えてくれる仲間です。メンター制度が導入されている会社に勤めている方は、メンター制度を最大限に活かすべく、メンターはメンティーと、メンティーはメンターとの良好な関係を築いていきましょう。
メンターとしての役割が終わった後でも、メンティーとの個人的な関係は続きます。良好な関係を築けているならば、人生において不可欠な理解者を得ることにもなるでしょう。