中間決算とは、会社の年間収支をとりまとめる決算報告のうち、年度の中間地点で実施する決算のことです。多くの企業では年1回の本決算に加え、半期での決算を行います。本記事ではその他決算との内容や時期の違い、中間決算の必要性などについて見ていきましょう。
中間決算とは?
そもそも「決算」とは企業の年間収入・支出を計算し、利益や損失を決算書としてまとめる一連の作業を指します。中間決算とは事業年度の中間時に行われる決算であり、現状の業績や企業の経営課題を明らかにする上で重要です。一般的な株式会社に義務化されているのは1年に1度の「本決算」のみですが、上場企業の場合は中間決算の実施も法的に義務付けられています。中間決算と他決算との違い
会社の収支を計算することで経営状況を明確にする「決算」ですが、算出する期間の区切りごとに4つの種類があります。
- 本決算
- 中間決算
- 四半期決算
- 月時決算
各決算の詳細について説明します。
本決算
本決算とは1年間の全取引の収支・業績を取りまとめ、年度末の最後に決算書を作成する作業のことです。多くの会社では4月1日から、3月31日までを事業年度として扱います。この場合、本決算の公表は4月下旬から5月中にかけての実施が一般的です。
本決算はその年度の業績結果と次年度の業績予想を発表する機会であり、株価変動にも直結するため全ての決算で最も重要と言っても過言ではありません。
四半期決算
四半期決算とは、3ヶ月毎に業績報告として実施される決算のことです。3月を本決算とする場合、四半期決算は「6月末(第1四半期決算)」「9月末(中間決算)」「12月末(第3四半期決算)」「3月末(本決算)」の年間計4回行われます。
実施の目的としては中間決算と同様、より定期的な業績報告や経営課題の洗い出し・改善などが挙げられるでしょう。また上場企業では中間決算に加え、四半期決算までが法律上義務化されています。
月次決算
一ヶ月単位で会社の収支をまとめ、経営状況を把握するために行われるのが月次決算です。中間決算や四半期決算とは異なり実施義務はありませんが、企業が自社の経営課題をスピード感を持って把握し、対応する手段として行われます。
特にグループ全体の財務状況を把握しづらい大企業や、これから上場を目指す企業にとって、タイムリーな会社の経営状況を確認できる月次決算は欠かせない項目です。
中間決算はいつやる?義務があるのは?
中間決算のタイミングは、年に1度の本決算の時期から算出が可能です。日本で最も多いとされる3月が決算期の企業であれば、中間決算はそのちょうど6ヶ月後にあたる9月の末に実施。4月~6月までの1期、7月~9月までの2期の数字の累計から決算書を作成します。また法的に義務化されているのは上場企業のみですが、中小企業でも多くの会社が中間決算を報告。主な目的としては自社の経営把握に加え、株主や投資家への配慮が挙げられます。
中間決算の必要性
本決算だけでなく、半期に1度中間決算を実施するのはなぜでしょうか?中間決算の必要性について解説します。
企業が経営戦略を見直し・早期修正が可能
自社の経営状況を的確に把握し迅速に手を打つためには、定期的に会社の財政状況を確認する必要があります。自社の戦略に対しよりスピーディーに軌道修正を行うため、年に1度の本決算に加え、半期で収支を算出することは重要です。
投資家の判断材料となる
会社の業績を短期的に公表することは、株主や投資家に歓迎されます。なぜなら会社の業績結果は、株主や投資家が株の売買を判断する上で重要な判断材料となるためです。すべての会社は年単位での業績予想を発表しますが、中間決算があることで投資家や株主は会社の経営戦略がうまく進行しているかの途中経過を知ることができます。
納税の資金繰りや本決済の負担軽減にもなる
中間決算を実施することで、本決算に向けて納税額を事前に把握し、資金繰りなどの対策を打つことが可能です。決算書は税金額を確定する根拠資料となるため、年に一度の本決算だけで対処すると年度末に大きな負担となります。半期に一度の決算を別に設けることで、税金の支払いや決算書作成の負担を軽減できるでしょう。