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社労士の顧問料はどれくらい?仕事や費用の相場について

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公開日: 2020.12.22
更新日: 2021.03.23

社会保険の手続きや計算などを請け負う「社労士(社会保険労務士)」と顧問契約を結んでいる企業は少なくありません。社労士の顧問料はどのくらいが相場なのか、また、社労士に依頼できる仕事にはどのようなものがあるのかについて説明します。

そもそも社労士と顧問契約を結ぶべきなのか考える際に知っておきたいメリットやデメリットについても解説しますので、ぜひ参考にしてください。

目次
目次

社労士の仕事内容と役割とは 

社労士とは、社会保険労務士試験に合格し、なおかつ社会保険労務士名簿に登録した人のことを指します。公的年金を扱う国家資格なので、厚生年金や国民年金、また障害年金や遺族年金についての手続きを請け負うことも可能です。

社労士の仕事を規定する社会保険労務士法では、社労士の役割として「労働および社会保険に関する法令の円滑な実施に寄与する」こと、また、「事業の健全な発達と労働者等の福祉の向上に資する」こととしています。社労士の仕事は、労働や社会保険に関する法律を通して、労働者が働きやすい職場を作るためにサポートすることと言えるでしょう。

社労士にお願いできること 

社労士が請け負うことができる仕事は、以下の4つに分類することができます。

  • 就業規則の作成や人事管理を担当する
  • 社会保険に関する手続きを行う
  • 利用できる助成金制度の手続きを行う
  • 労働問題の解決

社労士は、就業規則の作成や評価制度の設計・導入、採用・再雇用制度・退職金制度の構築など、労働者が働きやすい仕組みを作ります。健康保険や厚生年金、雇用保険、労災保険などの手続きも行い、労働者が社会保険制度を利用するサポートも社労士の仕事です。

また、国や自治体で企業支援を目的とした助成金制度を実施することがありますが、通常は企業からの申告がなければ適用されません。社労士は新しい助成金制度の中から企業が利用できるものを選び、企業側が公的支援の恩恵を受けられるように手続きを進めます。

労働問題が起こったときは、社労士が中心となって解決を目指すことも可能です。労働基準監督署や裁判所を通さずに和解する方法を見つけ、労働者と雇用者が円満な関係を結べるようにサポートします。

社労士と顧問契約を結んだほうがよい?

労働や社会保険に関わる幅広い問題に対応してくれる社労士ですが、顧問契約を結ぶ必要があるのでしょうか。社労士に仕事を依頼するメリットとデメリットから考えていきましょう。

メリット

社労士と顧問契約を結ぶことで、企業側には以下のメリットがあります。

  • 給料や社会保険に関わる業務を一任できる
  • 労働者・雇用者ともに安心して働ける
  • 行政機関に提出する書類作成を任せられる

給料や社会保険に関わる業務は複雑で、時間のかかるものです。経営者自身が担当している場合には、他の業務を行う時間を削ることにもなりかねません。社労士と顧問契約を結べば給料や社会保険に関わる業務を一任できるため、経営や営業などに使う時間を増やせるでしょう。

また、すぐに相談できる社労士がいるならば、セクハラやパワハラ、残業代が支払われないなどのトラブルがあったとき、労働者にとってはもちろんのこと、雇用者にとっても心強いものです。裁判等の法的措置を検討することもできますが、時間や費用がかかるので、できれば社労士を通して円満解決を目指したいと考えている労働者・雇用者は少なくありません。

その他にも、企業には、助成金申請等で行政機関に書類を提出する機会は多数あります。労働・社会保険の専門家である社労士に書類作成を一任することで、スムーズに手続きを進められるでしょう。

デメリット

一方、社労士と顧問契約を結ぶことには、以下のデメリットもあります。

  • 顧問料が発生する
  • 理想の社労士と出会うまでに時間がかかることがある

当然のことですが、社労士と顧問契約を結ぶということは相応の報酬が発生します。しかし、顧問契約を結ぶことで、給料や社会保険の計算・手続きを担当したり、行政機関へ提出する書類を何度も書き直したりといった時間・手間を省くことが可能です。契約する前に費用面でどの程度増減するのか計算してみるようにしましょう。

また、社労士はいずれも労働や社会保険の専門家ですが、必ずしもすべての社労士が実務に秀でているわけではありません。仕事に時間がかかったり不正確だったりする社労士に任せてしまうこともあるでしょう。有能だけれど性格が合わないと感じる社労士に当たるかもしれません。一度では理想の社労士と出会えない可能性も念頭に置き、社労士を探す必要があるでしょう。

社労士の顧問料の相場とは

依頼する業務がある度に、社労士に委託してその都度報酬を払うことができます。しかし、業務が多い場合には、顧問契約を結ぶほうがコストを抑えられることもあるでしょう。また、特定の社労士を顧問にすることで、会社の事情や業務内容を理解してもらう時間が省け、仕事をスムーズに進めてもらえるというメリットもあります。

なお、過去には社会保険労務士会が一律に顧問料を決めていることがありました。その名残から、かつての顧問料を参考に顧問料を決めている社労士事務所が少なくありません。そのため、社労士事務所による顧問料の差は少ない傾向にあります。

格安な社労士の顧問料は本当に格安なのか

格安な顧問料を特徴とする社労士事務所も少なくありません。しかし、多くの場合、基本顧問料に含まれている業務が明らかに少なく、ほとんどがオプション扱いになって結局高くついてしまう傾向にあります。また、実務経験が乏しい社労士に担当させることで、顧問料を安く設定している可能性もあるかもしれません。

「格安」という言葉に踊らされず、業務内容や対応、人間性をトータルで判断して顧問社労士を決めるようにしましょう。

社労士との契約、顧問料の目安とは

社労士と顧問契約をする場合、契約料は不要で毎月の顧問料だけ発生する傾向にあります。顧問料は、会社の人員数(事業主、役員、従業員全員を含めた人数)によって決まることが一般的です。人員数が4人以下で2万円~、5~9人で3万円~、10~19人で4万円~、20~29人で5万円~、30~49人で6万円~が相場となります。業種によって顧問料が高くなることもあるため、まずは社労士事務所等で相談してみましょう。

また、依頼する内容を限定することで、顧問料を低く抑えることができます。例えば給料計算と社会保険に関する手続きだけを依頼する場合は、人員数が4人以下で15,000円~、5~9人で2万円~、10~29人で3万円~、30~49人で4万円~と低めに設定されていることが多いです。就業規則を変更する場合や助成金を申請する場合には、別途料金を払って依頼することができるでしょう。

ただし、このように依頼する業務を限定してもらうと、社労士から「就業規則を変更してはどうだろうか」「助成金制度が始まったので申請してはいかがだろうか」といった積極的な提案をしてもらえない可能性があります。どこまで社労士に依頼したいのかを決めてから、顧問契約を結ぶようにしましょう。

社労士の顧問料は専門家報酬である 

社労士へ支払う顧問料は、「社会保険労務士」という国家資格を保有し「社会保険労務士」として登録している専門家に支払う専門家報酬です。社労士に支払う際に注意すべきポイントについて見ていきましょう。

専門家報酬には源泉徴収が必要

社労士個人に専門家報酬として顧問料を支払う場合は、所得税と復興特別所得税を源泉徴収します。顧問料が100万円以下の場合は10.21%、100万円を超える部分に関しては20.42%を源泉所得税として差し引いた形で社労士に渡しましょう。

例えば社労士に支払う専門家報酬が180万円の場合なら、100万円に対しては10.21%の102,100円の源泉所得税、80万円に対しては20.42%の163,360円の源泉所得税が生じるため、合計265,460円を差し引きます。そのため、実際に支払う顧問料は1,534,540円です。

また、顧問料に消費税が設定されている場合には、消費税を除いた元々の顧問料だけに対して源泉徴収を行います。専門家報酬が100万円で消費税が10万円なら、100万円に対する源泉所得税(102,100円)を差し引いて、997,900円を社労士に支払うことができるでしょう。顧問料と消費税を別々に記載していない場合は、そのまま100万円以下に対しては10.21%、100万円を超える部分に対しては20.42%の源泉徴収を行います。

なお、社労士が所属する社労士事務所等の法人に専門家報酬を支払う場合には、源泉徴収する必要はありません。税額計算は報酬を受け取る法人が行うため、契約した報酬額をそのまま支払います。

社労士報酬の会計処理と仕訳 

社労士報酬は「支払報酬」に仕訳し、借方に「支払報酬 〇円 〇月〇日」と記載します。貸方では源泉徴収と分けて記載し、「普通預金 〇円 〇月〇日」「源泉徴収 〇円 〇月〇日」と二段に分けて記載しましょう。

例えば社労士への顧問料が5万円の場合なら、借方には「支払報酬 50,000円 12月20日」と記載し、貸方には「普通預金 44,895円 12月20日」「源泉徴収 5,105円 12月20日」と記載できます。

社労士に報酬を支払った際に生じた源泉所得税は、支払いが生じた翌月の10日までに税務署に納付しなくてはなりません。ただし、給与を支払う人員数が常に10人未満の小規模企業が特例を受けている場合は、年に2回のみ納付(1月~6月分は7月10日まで、7月~12月分は翌年1月20日まで)することになります。

最後に

企業内には社労士に依頼するほうが良い業務が数多くあります。顧問契約を結ぶことで、雇用者も労働者も働きやすくなることも少なくありません。メリットとデメリット、顧問料等を考慮し、企業に合う方法を模索していきましょう。