「チラシデザインを依頼したいが、どのような手順で行えば良いのか分からない」
初めてチラシをデザイン事務所に依頼して制作する際は、手順を事前にシミレーションしておくことがおすすめです。
手順がわからないと依頼してから戸惑ってしまったり、手順に囚われて先方との意思疎通が叶わない可能性があります。依頼段階でのつまずきを防ぐためにも事前のシミュレーションは非常に重要です。
今回はチラシデザインの依頼ステップと依頼先別のメリット・デメリット、そしてチラシデザインを依頼する前に自社で検討しておくべきことを紹介します。
この記事を読めば初めてのチラシ制作の依頼もスムーズに行えるでしょう!
1.チラシデザインの依頼ステップ
会社選びに入る前に、あらかじめどのようなデザインに仕上げたいかを内部で検討しておきましょう。
依頼する前にターゲットを選定しイメージを想定しておくことで、スムーズに依頼が進みます。
- 依頼するチラシの目的・訴求したいユーザー層を決める
- デザインを依頼するにあたり理想のイメージ図を作る
- チラシデザインを依頼できる会社を探す
- 複数社に見積もりを取る
- 打ち合わせを行う
- 初稿を確認し修正依頼を行う
- 完成したチラシを印刷する
イメージに近いチラシが仕上がるよう、妥協することなく会社選定、その後のデザイン検討を進めましょう。それでは1つずつ説明していきます。
(1)依頼するチラシの目的・訴求したいユーザー層を決める
まずチラシ制作にあたって、自社で依頼するチラシの目的や訴求したいユーザー層を決めましょう。
何を伝えたいのか、誰に伝えるのかを明確にしないとマーケティング部門の担当者にリサーチから任せることになり、別途費用が発生するからです。また先方がマーケティング担当を探して外注した場合は外注費用を負担しなければいけません。
自社でチラシの訴求ポイントとユーザー層を伝えれば、プランニングの段階を省いてデザインを始められるので人件費を削減できます。
(2)デザインを依頼するにあたり理想のイメージ図を作る
デザイナーと理想のチラシのイメージを共有するために、自社内でイメージ図を作成しておきましょう。スケッチブックにラフに書いた図でも良いですし、パワーポイントなどにアウトラインを引くだけでも構いません。
描いているチラシのイメージが相違すると修正が増えてしまい、追加費用がかかってしまいます。度重なる修正ややり直しレベルの修正依頼を出した場合は、先方への依頼自体が難しくなることもあります。
言葉のみで完璧なイメージを共有するのは困難なので、図やイメージを用いてデザイナーに理想のチラシ像を伝えましょう。
(3)チラシデザインを依頼できる会社を探す
自社で理想のチラシのイメージが固まった段階でチラシデザインができる会社を探しましょう。
チラシ制作のイメージを固めてから探すことで、要望に全て応えられるデザイン会社を探しやすくなります。
反対にデザインのイメージを決めていないと、デザイン会社選び自体に時間がかかり、納期がギリギリになって特急料金を請求されることもあります。
例えば若者向けのデザインが得意な事務所を選びたい、反対にコストを抑えてシンプルなチラシを作れる会社が良いなど方針を決めてデザイン会社を探しましょう。
(4)複数社に見積もりを取る
何社かチラシ制作ができる会社を見つけたら、複数社に見積もりをとって予算感を検討してください。
相場は5〜10万円程度ですが、デザイン事務所や印刷会社によっては価格に差があります。
後から「あっちの会社の方が安かったのに」と思っても遅いので、事前に予算とクオリティが合致する会社を複数社候補を出しておくべきです。
複数の会社から見積もりを出してもらい比較し、また検討段階であると伝えると割引価格を提示してくる事務所もあり、相対的にコストを安くすることにもつながるでしょう。
(5)打ち合わせを行う
チラシ制作を依頼する会社が決まったら打ち合わせを行いましょう。
事前に用意しておいたイメージ図やアウトラインを見せ、また自社で検討したマーケティング戦略も説明します。
打ち合わせを綿密に行うことで修正の回数を減らし、イメージを共有して理想のチラシを早く作ることができます。
(6)初稿を確認し修正依頼を行う
デザイナーから初稿が提出されたら内容を確認し、修正してもらいたい場合はリストアップして相手に要望を伝えてください。
大体のデザイン事務所は2回までの修正は無料なので、遠慮なく要望を伝えましょう。
可能なら2回で修正を抑えることで、追加料金の発生も防げます。
(7)完成したチラシを印刷する
デザインが完成したら印刷会社に回して、紙媒体に印刷を行ってチラシが完成します。
デザイン会社によっては印刷事務所の手配までしてくれる場合がありますが、料金に含まれていない場合は自社で印刷会社を探しましょう。
印刷会社に初めから依頼をしている場合は、印刷まで一気に行うことができます。
2.チラシデザインの依頼先別メリットとデメリット
チラシデザインは大きく3つの依頼先がありますが、初めて依頼する場合や納得のいくデザインを妥協なく作り上げたい場合は、デザイン会社に依頼することをおすすめします。
その他、デザイン会社を含め以下の3つの依頼先があります。
- デザイン会社にチラシデザインを依頼する
- 印刷会社にチラシデザインを依頼する
- 個人にチラシデザインを依頼する
会社や組織に依頼する場合と個人に依頼する場合とで、メリットデメリットが大きく異なってきます。
自社のリソースや成果物に求める期待値によって依頼先を選定しましょう。
(1)デザイン会社にチラシデザインを依頼する
チラシ制作の依頼先で一般的なのは、デザイン会社でしょう。
グラフィックデザイン全般を請け負う会社で、チラシ制作だけでなく名刺やショップカードなど別の媒体のデザインも請け負っています。
いわばデザインの専門家なので価格は少々高めですが、デザイン性が求められるフライヤーなどの依頼に適しているでしょう。
#1:メリット
デザイン会社にチラシ制作を依頼するときめ細かい対応が期待できます。
例えばカメラマンを手配してくれたり、チラシに載せるコピーライターも在籍しているため一貫して依頼できるのがメリットです。
チーム単位での仕事が可能なので、急ぎの仕事にも対応してくれます。複数のデザイナーを抱えているため、イメージを共有できない場合は担当者の変更にも対応してくれるのがメリットです。
自社で別途コピーライターやカメラマンの外注が不要で、手間を省いてクオリティの高いチラシを作れます。
#2:デメリット
デザイン会社のデメリットは費用が高額になりやすいことです。
チーム単位でチラシの制作を請け負うため、人件費が高額になります。
チラシ制作の相場は5〜10万円ですが、事務所によっては10万円を超えるケースもあるので費用の見積もりは必須でしょう。
(2)印刷会社にチラシデザインを依頼する
チラシ制作は印刷会社に一括して任せる事もできます。デザイン事務所よりもコストは低いので、費用を抑えてチラシ制作をしたい会社に適しています。
#1:メリット
印刷会社にチラシ制作を依頼するメリットは、プリント費用まで全て込みの金額になっており一括依頼でコストを抑えられる点です。
3〜7万円程度の相場感でチラシ制作を依頼できるため、一般的なチラシ制作よりも10〜20%程度の費用を節約できます。
#2:デメリット
印刷会社はデザイナーを抱えているわけではないため、おしゃれなチラシを作ってもらいたい場合には適していません。
テキスト主体のスーパーのチラシのようなものなど、簡単なデザインしか受け付けてもらえないことがあります。
(3)個人にチラシデザインを依頼する
フリーランスのグラフィックデザイナーにチラシのデザインを依頼する事もできます。デザインの仕事で独立をしているため、一度繋がりができればチラシ以外にも依頼が可能な場合もあります。
#1:メリット
フリーランスのデザイナーにチラシ制作を依頼するメリットは、費用が安く済むことです。
デザイン事務所のようにチーム単位で活動しているわけでないため、比較的費用を安く設定しています。
デザイン費用の相場は3〜5万円程度で、修正に関しても柔軟に3回まで無料など安めの設定が多いです。会社の規定なども特にないため、時間帯に融通が効き、柔軟に対応してくれる人が多いのもメリットと言えます。
#2:デメリット
個人にチラシ制作を依頼する場合はクラウドソーシングサイトでデザイナーを探す手間がかかります。またクラウドソーシングサイトへの依頼の手数料が別途必要です。
大体デザイン費用総額の20%程度を追加するため、6,000〜12,000円程度かかります。
また個人のデザイナーのため、いい加減な人も中にはおり、修正回数が多いと投げ出してしまったり、納期を守らない人がいるのは難点。クラウドソーシングサイト上の評価を検討して、信頼できるデザイナーを探す必要があります。
3.チラシデザインを依頼する前に自社で決めておきたい4つのこと
納得のいくデザインを仕上げるためには、社内でどれだけ完成図をイメージできていたかがポイントになります。
性別、年齢だけでなく、より詳細にペルソナ設計を組むことで、理想のチラシデザインに近づけることができるでしょう。
- 誰に向けてどんな目的でチラシを作るのか
- 理想のチラシデザインはどんなものか
- 自社で用意できる素材や画像はあるか
- アフターフォローは必要か
この4つの項目を決めておくことで、チラシ制作を依頼する会社のデザイナーが仕事に着手しやすくなり、また費用を抑えることにもつながります。
(1)誰に向けてどんな目的でチラシを作るのか
チラシ制作を決めたら、誰に向けてどんな目的でチラシを作るのかを自社で協議しましょう。
例えば新店舗のPRのためにポスティングを行うのであれば、チラシのサイズはB5〜A4の大きさが適切、さらにターゲットが主婦と絞り込めればデザインにどんな色使いをすれば良いかなどのイメージが決めやすくなります。
ゴールの設定が曖昧だと訴求力が弱くなり、結局のところチラシの集客効果を最大限に発揮できませんし、何を伝えたいのかわからない散漫なチラシになるでしょう。
またデザイン事務所にマーケティングリサーチから依頼すると、マーケティング担当の人件費を負担することになるので別途費用がかかります。
費用削減とチラシの集客効果を高めるためにも、自社でマーケティングの戦略は立てておきましょう。
(2)理想のチラシのデザインはどんなものか
チラシ制作にあたって理想のチラシのデザインやイメージも検討しておきましょう。例えば自社の中では共通したイメージを持っていたとしても、デザイナーに言葉だけで細部まで伝えることはできません。
全く検討外れのデザインが出てくると大幅な修正が必要になってしまい、別途追加費用がかかる可能性も出てきます。
自社内でイメージを作っておかないと、初稿を見ても明確な修正点すら分からず妥協してしまい、結果的に思った通りの集客効果が得られないこともあるでしょう。
理想のチラシを見つけて提示したり、スケッチや図を作れる場合はイメージを作成してデザイナーに視覚的に伝える工夫をしましょう。
(3)自社で用意できる素材や画像はあるか
チラシのデザインに利用できる素材や商品・店舗画像がある場合は、事前に用意しておきましょう。
一から商品の画像や店舗の写真を撮影するとなると、カメラマンの手配や撮影機材のレンタル、そしてスタジオの利用料もクライアントが負担することになります。
チラシデザインの費用に加えて追加になるので、自社で用意できる素材を提供して使ってもらった方が費用を抑えられるのです。
(4)アフターフォローは必要か
大規模なデザイン事務所などは、チラシの反響や問い合わせ対応までアフターフォローがついている所もあります。
マーケティングやチラシの反響への対応が自社でできるか、別会社に依頼するか考えてみましょう。別途依頼するよりもチラシ制作の会社に一括依頼した方が割安で済む事もあります。
どの範囲までチラシ制作の事務所に依頼するのかも検討しておきましょう。
最後に
初めてのチラシ制作をスムーズかつイメージ通りに行うために、自社で協議できることや提供できる素材は用意しておき、コストを抑えてイメージ通りのチラシを作りましょう。
またチラシ制作先によってはコストを抑えたり、マーケティングを依頼できるなどのメリットがあります。それぞれのメリットを考えて複数の会社に見積もりを頼み、自社の要望に全て答えられるチラシ制作の会社を見つけて依頼してください!