中立なファシリテーターとは?司会との違いと役割について詳しく解説

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ファシリテーターとは、会議などの話し合いで進行を円滑に行い、結論をまとめる役割をする人です。参加者の意見を引き出し、最終結論に導きます。

本記事では、ファシリテーターの役割や必要なスキルについて紹介しますので、 ぜひ参考にしてみてください。

目次
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ファシリテーターとは?

ファシリテーターと似たような役割に司会やネゴシエーター、モデレーターがあります。それぞれどのような違いがあるのか確認し、ファシリテーターの役割を明らかにしていきましょう。ファシリテーターが求められる背景も紹介します。

司会やネゴシエーターとの違い

司会は、会議などの開始から終了までの時間管理をしながら進行することが大きな役割です。この点はファシリテーターも同じですが、ファシリテーターの役割はそれだけではなく参加者に発言を促して話をまとめたり、ゴールへ導いたりすることも担います。司会は、基本的にはここまで踏み込まないため、この点が2つの役割の違いといえるでしょう。

一方、ネゴシエーターとは交渉人とも呼ばれる、利害の衝突が起きやすい場面で調整を図りながら合意へと導く役割を担う人です。ファシリテーターが会議で進行などを担うのに対し、ネゴシエーターは商談など、立場や利害が異なる相手と何かを取り決めるための交渉を行います。両者は活躍する場面が異なるというのが大きな違いです。

ファシリテーターが中立的な立場で会議を進行するのに対し、ネゴシエーターは自社の利益のため、その交渉力により相手に働きかけて目的を達成します。

モデレーターとはどう違う?

モデレーターもファシリテーターと役割が似ており、混同されやすいでしょう。モデレーターはファシリテーターと同じく会議などの進行役を務め、意見をまとめるという点で共通しています。

しかし、ファシリテーターは参加者が話しやすい雰囲気を作るなど会議の質を高めるために働き、結論をまとめるのに対し、モデレーターは第三者として司会進行を務め、議論の内容には深入りしないというのが異なる部分です。ファシリテーターは主張を一切行わず、会議全体を調整する役割を担います。

ファシリテーターが求められる背景

ファシリテーターが会議などの場面で求められるのは、司会が行う進行のみでは参加者の自発的な発言や議論の発展が難しいからです。十分な議論ができないため結論を得られず、時間切れになるという問題があります。

ファシリテーターは議論が適切に行える場を作り、参加者の意見を引き出して議論を活発にすることが可能です。時間管理も行い、参加者によって絞りこまれた内容を最終結論へと導きます。このような働きで、司会だけでは不十分な部分を補い、会議を円滑に進めることができるのです。

ファシリテーターの役割は4つ

会議においてファシリテーターが果たす役割は、主に次の4つです。

1.中立な場を作る

ファシリテーターが第一に行うのは、誰でも公平に意見が言える中立な場を作ることです。まず、事前にアジェンダを配布し、参加者が必要な準備ができるようにしておきます。

また、発言が苦手な人がいる場合、全員に紙を配って意見を書いてもらうのも一つの方法です。積極的に発言できない人も、これなら自分のアイデアを提出できます。

中立な場を作るためには、ルールを設定することも重要です。「意見を出している人を批判しない」「話を遮らない」「反対意見を出す場合は代替案も提示する」といったルールを設け、遵守させるよう務めます。特定の人の独壇場にならないように注意し、ルールに反する状況があれば正していくのも役割の一つです。

2.話しやすい雰囲気にして意見を引き出す

会議に入る前に参加者の緊張をほぐし、話しやすい雰囲気にするのもファシリテーターの仕事です。自己紹介やゲームなどで緊張を和らげるアイスブレイクという手法を用いるのもよいでしょう。

積極的に参加者とコミュニケーションをとることで、参加者同士の距離が縮まり、自然体で意見を出し合える場を作ることができます。

3.新しい視点を提案する

ファシリテーターは、参加者から積極的に意見を引き出さなければなりません。参加者の意見を深めるような問いかけをしたり、意見が行き詰まったときは新しい視点を提案したりすることで議論が活発化します。

4.意見を整理してまとめる

常に時間の管理を行い、タイミングを図って意見を整理することもファシリテーターの役割。その際は、発言内容をホワイトボードに書いて可視化し、整理するのもいいでしょう。ただし、結論をまとめるのはあくまで参加者が主導です。ファシリテーターはそれに向けて参加者の意見を引き出し、新しい視点を提案するなどのサポートをします。

ファシリテーターに必要な2つのスキル

ファシリテーターの役割をうまく行うために、必要とされるスキルがあります。

1.場をコントロールするスキル

ファシリテーターには会議の事前準備を行い、場をコントロールするスキルが必要です。会議の目的を設定して参加者を集め、論点は何かを洗い出します。

発言しやすい場の雰囲気を作り、ルールに反する状況は調整しなければなりません。自分の主張や意見などは出さず、特定の意見に偏った場合は方向修正します

中立的な立場から、全員が発言しやすい場を作るスキルも要求されるでしょう。さらに限られた時間の中で結論をまとめるため、時間を効率的に使えるスキルも必要です

2.情報を整理して合意を形成するスキル

ファシリテーターにはまず参加者の意見をしっかり聞くことが求められます。適切な結論が得られるよう、話の論点を明らかにしなければなりません。そのためには参加者から引き出した意見の中から必要な情報を割り出し、整理するスキルが必要です。論理的に結論をまとめ、合意を形成します。

合意とは、決定には納得しており否定的な感情を抱く参加者がいない状態です。ファシリテーターは情報を整理して合意を形成することが求められており、常に参加者全員に配慮しなければなりません。多数派と異なる意見にも気を配り、全員にとって望ましい結論が得られるように努めます。

ファシリテーターが注意したいこと

ファシリテーターとしての特に注意したいこともあります。特に次の2点に気をつけてください。

主役になろうとしないこと

ファシリテーターに求められるのは、あくまでも中立であることです。役割は会議の進行役であって、主役は参加者ということを忘れてはなりません。当事者意識を持つこともありますが、その観点に立つとファシリテーターの役割ができなくなります。意見が対立して結論にたどり着けないという場面であっても、サポート役に徹して会議の進行に集中することが大切です。

自分で決めようとしないこと

会議を進行する中では「結論を急ぎたい」「特定の人の意見に同調する」といった感覚を抱くことがあるかもしれません。しかし、進行役という立場を忘れず、自分で決めてはファシリテーターの役割を果たせなくなります。決定するのはあくまで参加者であることを忘れずに、ファシリテーターはそれをサポートして最終結論をまとめることが大切です。

最後に

ファシリテーターは会議を円滑に進めるために必要な存在です。参加者の意見を引き出し議論を活発化させ、的確に結論をまとめます。「会議でなかなか結論が得られない」という悩みがある場合は、社内でファシリテーターの育成を検討してみるのもよいでしょう。

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