企業価値と広告効果が上がる広報戦略とは?準備内容と手順を紹介

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自社の商品や事業内容について、漠然と宣伝をしているだけでは思うような広告効果は得られません。広報活動をするときは、きちんと順序立てて戦略的に行う必要があるのです。

企業価値と広告効果を上げる広報戦略とは何か、具体的にどのように進めていけばよいのかについて解説します。

目次
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広報戦略とは

広報戦略とは、企業が知ってもらいたい情報を、多くの人々や特定の層に認知してもらうため、計画的に行う広報活動のことです。

具体的には、自社の商品を広く知ってもらうために行う広報の戦略、また、自社の事業内容を株主や投資家、就職・転職を検討している方に知ってもらうための広報の戦略などが該当します。

ただ、「知ってもらう」だけならば、綿密な戦略は必要ないかもしれません。しかし、きちんと戦略を立てて広報活動をすることで、ターゲットとなる層に直接アピールできたり、単に知るのではなく「良いイメージ」を抱いてもらうことができるようになったりします。

また、企業や商品に良いイメージを抱いた人が、進んで他の人にも広報活動をしてくれる可能性もあるでしょう。1の広報が10、100を生み出すためにも、戦略的な広報活動が必要になるのです。

さらに、広報活動には、企業のファンを増やす意味もあります。広報を通して企業のことが好きになったなら、新しい商品を発売しても、「この企業が好きだから」という理由で手に取ってくれる可能性があるでしょう。

また、似たような商品が選択肢としてある場合にも、「この企業のものだから買おう」というように自発的に意思決定してくれるかもしれません。企業のファンになると、商品やサービスだけで企業とつながるのではなく、株主になったり社員になったりという形で企業とのつながりを求めてくれることもあります。

つまり、広報活動をすることによって、新たな企業の戦力となる資金・人材を生み出すことにも発展する可能性があるのです。

広報戦略が重要な理由

良い企業になるために地道な努力を重ねることは大切なことです。

しかし、どんなに良い企業・商品・サービス等であっても、誰も知らないならば存在すら危うくなってしまいます。そのために必要となるのが広報戦略ですが、次の3つの理由により、広報戦略は単に必要なだけではなく企業において非常に重要な役割を果たしていると言えるでしょう。

ステークホルダーとの関係強化 

株式会社は株主が出資しているからこそ成り立っています。また、株主を含めた取引相手や従業員、顧客などの様々な関係者=ステークホルダーが支持しているからこそ、存在しているのです。ステークホルダーが「この企業に未来はない」と判断するならば、株価は急落し、場合によっては倒産することにもなりかねません。

つまり、ステークホルダーに「良い企業」「良い商品・サービスを生み出している」と広報することは、企業存続のために不可欠なことといえます。戦略的な広報活動を通して、ステークホルダーとの関係を強化していくようにしましょう。

新たな顧客の開拓

ステークホルダーとの関係を強化することも大切なことですが、新たな顧客に企業の魅力をアピールすることも大切です。今まで企業を知らなかった方やあまり興味を持っていなかった方にも、広報戦略を通して働きかけ、企業や企業が生み出す商品・サービスに興味を持ってもらいましょう。

新たなファンになってもらえるならば、企業の顧客となって商品購入につながることもありますし、株主として企業に投資をするかもしれません。また、企業に就職したいと考え、企業の戦力となって一緒に働く可能性もあるでしょう。企業が飛躍するためにも、新たな顧客の開拓は欠かせないことといえるのです。

企業価値の向上

企業価値が高くなると企業に対するイメージが良くなり、他社と似たような商品・サービスであっても「選ばれる存在」になることができます。企業価値を高めるのも広報戦略によるところが大きいのです。

広報活動によって一貫性のある情報を継続して発信していくことで企業と顧客の間に信頼関係が生まれ、企業イメージがよくなり、最終的には選ばれる存在、勧めたくなる存在になるでしょう。

WEBを活用した広報戦略のメリット

広報の手段には、様々な種類があります。新聞や雑誌などの紙媒体で広報することもできますし、テレビコマーシャルを通して広報することも可能です。

しかし、近年はインターネットを通した広報戦略に着手する企業が増えてきました。WEBを活用することには、他の媒体による広報活動と比べて次の2つのメリットがあります。

広告費のコストダウンを実現

広報活動は、企業が存続していくために不可欠な活動です。しかし、大切な活動だからといって、多額の費用をかけることが常に正しいとは限りません。費用対効果が得られない可能性があるだけでなく、広告費を捻出するために商品やサービスの値上げが必要になったり、場合によっては人員削減や拠点の整理などが必要になったりすることもあるでしょう。

そこで登場するのがWEBを活用した広報戦略です。視聴ごとにコストが発生する仕組みのものが多いので低予算で始めることができ、無駄な費用がかからず高効率に広報活動が行えます。

しかも、メディアで宣伝する際には秒単位で巨額の費用が発生しますが、インターネット広告なら再生・閲覧数に応じた費用なので広告の規模や目標数によって予算の調節が可能です。また、メディアや雑誌などでの広報活動では、ターゲットとなる人々が本当に企業広告を見たのか分からないという不安点があります。

一方、インターネット広告なら、例えば動画配信の場合は、閲覧者数によって費用が発生するため、広告費が無駄になりにくいでしょう。さらに閲覧者数を把握できるというメリットもあります。コストを抑えて広告効果を得たい場合には、WEBの活用は避けては通れないと言えるのです。

顧客の反応を見ながら柔軟に戦略を変更できる

WEB広告の良いところとして、簡単に修正できるという点を挙げられます。紙媒体での広告では、あまり評判を得られなかったとしても差し替えることは実質不可能です。

また、テレビコマーシャルの場合は、一度の放映で数百万単位の人が視聴するため、効果を得られないコマーシャルや不評のコマーシャルである場合はネガティブなインパクトを与えてしまいます。差し替えるためにはまた莫大なコストがかかり、しかも差し替えたとしても以前のコマーシャルを打ち消すような効果を得られない可能性があるでしょう。

一方、WEBを通した広告ならば、何百万人という人が同時に閲覧することはないため、他の媒体よりも低リスクで広報活動を行えます。SNSやメッセージ機能などで顧客の反応を見ながら広告を調整していくこともでき、「広告しながら広告を作っていく」ことが可能です。

広報戦略を立てる前の準備

企業のイメージを左右するといっても過言ではない広報戦略。

WEBを活用すれば、顧客の反応によって柔軟に調整することが可能ですが、何の準備もしないで適当な広告を流すことはおすすめできません。広告効果を上げるためには、きちんと準備をして広報戦略を立てていく必要があるのです。広報戦略を立てる前にしておくべき準備を4つ紹介しますので、必ず実施した上で戦略を立てていきましょう。

具体的な数値を入れたゴールを設定

広報活動によってどのような目的を達成したいのか、具体的な数値を決めてゴールを設定します。例えば自社の公式サイトの閲覧数を10倍にしたい、Googleなどの検索エンジンによる検索数を50倍にしたい、商品の売り上げを2倍にしたいなど、調査可能な目標を立てておきましょう。

「企業として好感度を上げたい」といった漠然とした目標では、広告効果の評価が難しく、目的を達成したのかどうかがあいまいになってしまいます。反対に調査可能かつ具体的な数字による目標があると、広報活動に携わるスタッフの士気も上がり、到達したときに達成感を得られるでしょう。

多くの人が広報に携われるシステム作り

広報戦略を特定のスタッフだけが担当すると、担当者しか分からない広報システムができあがってしまいます。WEBを活用して調整しやすい状態にしたとしても、スタッフがごくわずかに限られているなら、消費者の反応を読めずに広告に反映できない恐れもあるでしょう。

スタッフや部署を超えてオープンな環境で広報活動を行うことで、ものの見方に偏りが生じにくく、誰からも好感を持たれる広告が育ちやすくなります。広報システムも多くのスタッフで共有し、優れたアイデアを出し合える環境にしておきましょう。

広報活動が特定の人に集中する弊害とは

特定のスタッフだけが広報に関わることで、広告そのものが偏りを持ってしまう可能性があります。一元的・差別的なものの見方で表現をしてしまい、かえって企業イメージを損なってしまうかもしれません。

また、トラブルが起こったときに修正作業に時間がかかってしまうことも、特定のスタッフだけが広報活動に関わる弊害の一つです。広報活動は企業にとって重要なことですから、特定の人に任せるのではなく、企業全体のプロジェクトとして位置付けるようにしましょう。

戦略に幅を持たせる

どんな広報戦略が最善なのかは、始めてみるまで分かりません。戦略を一つに絞るのではなく、プランB、C、Dとできるだけ多くのプランを想定しておくようにしましょう。

もちろん、たくさんのプランを立てていても、広報活動を始めた後で別の最善案が見つかることもあります。臨機応変に対応し、より良い広報活動を進めていきましょう。

認知度調査も広報戦略に織り込む

広報戦略は、一方的に企業から発信することだけを意味しているのではありません。広報活動を行ったことでどの程度企業や商品、サービスの認知度が上がったのか、適宜調査をする必要もあります。広報戦略に認知度調査も練り込み、有意義な広報活動を行っていきましょう。

広報戦略の立て方

広報戦略を立てる前の準備活動がすべて終わったら、いよいよ広報戦略を立てていきます。広報戦略は、次の6つのステップで進めていきましょう。

1現状把握

最初に取り組むことは「現状把握」です。現在、株主や取引相手、顧客、従業員から、企業やサービス・商品はどのように理解されているでしょうか。また、どのような希望や要望を持たれているでしょうか。現状を把握することで問題点や課題が見えてくるので、入念に調査をしてみましょう。

2目指す形を明確にしたフレームワーク作成

広報活動によって解決したい課題を明確にしたら、次は目指す目標に向けたフレームワークを作成します。フレームワークの手法にはいくつかありますが、使いやすいものとして「4P分析」を活用することができるでしょう。

4PとはProduct(どのような商品か)、Price(どの程度の価格で販売するか)、Place(流通方法はどうするか)、Promotion(どのように宣伝するか)のことで、この4つを明確にすることで具体的なフレームワークが決まります。

商品・サービス以外の広報戦略を立てるときは「4C分析」を利用しましょう。4CとはCustomer Value(顧客にとってどのような価値があるか)、Cost(どの程度の経費がかかるか)、Convenience(顧客にとって利便性は高いか)、Communication(どのように意思伝達するか)のことで、この4つを明確にすることで企業価値などの数値化しにくいものの広報戦略を立てることが可能になります。

3広報手段とプランの選定

フレームワークが決まったら、次は広報手段とプランの選定です。ターゲット層の目に触れやすい手段は何か、そして、どのような経路で誘導するのかなどを決定していきます。もちろん経路は一つだけでは不十分です。いくつもの経路を作成し、取りこぼしのないようにプランを練っていきます。

4発信情報の選定と企画書作成

広報手段とプランを決めたら、現状把握によって得られた課題を解決する情報を選び、どのような形で発信するか企画書を作成します。企画書を作成した後で、携わるスタッフや他部署のスタッフにも提示し、幅広い意見を取り入れて最終的な形を完成していきましょう。

5倫理的観点からのチェック

WEBを使った広報活動が炎上してしまうケースが昨今増えています。様々な理由がありますが、やはり多様性に配慮していない広告が炎上しやすく、企業イメージを大きく損なう傾向にあると言えるでしょう。最終段階で必ず倫理的観点からチェックをし、誰が見ても傷つかない内容に仕上げる必要があります。

6評価

広告を一度掲載したら終わり……というわけではありません。定期的に検索数や閲覧数、滞在時間などを調べ、どのような変化が見られているかの評価が不可欠です。また、評価を活かして広告を改善し、さらなる効果を得る足掛かりにしていきます。

最後に

広報活動は、むやみやたらに行っても時間と費用の無駄になることがあります。綿密な準備段階を経て正しい順番で戦略を立てていくことで、広告効果を高めていきましょう。

また、広報戦略を立てて広報を実施したら終わりではありません。広報活動は継続することが何よりも大切です。継続して情報を発信し続けることにより、企業への信頼性が高まり企業価値の向上へとつながっていきます。評価と修正を繰り返し、さらなる高みを目指しましょう。

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