取材人数 年間500人のプロ・インタビュアーが語る「Withコロナ時代におけるリモート・インタビュー&コミュニケーション術」

株式会社エーアイプロダクション
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この新型コロナの影響により、直接訪問取材を生業としている取材ライターやカメラマンもご多分に漏れず、大きな打撃を受けています。プロ・インタビュアーとして年間500人以上もの方々のお話をうかがってきた私、伊藤秋廣も、当初は相次ぐ案件キャンセルなどに苦しんでいましたが、ビジネスパートナーの助言もあって早い段階でリモート・インタビューに切り替えることに。


お客様にアピールしてきた効果もあってか、順調にオファーをいただくようになって、今では、ありがたいことにほぼ毎日、リモートでインタビューをさせていただくようになりました。その体験の中から、私なりに気づいたことをまとめておこうと思います。


リモート・インタビューの特徴


大前提としての話ですが、まずは取材という性質上、基本、一回しかチャンスがない。失敗できない仕事であるのは間違いなく、さらに限られた時間ですべて聞ききらなくてはなりません。これは従来の対面取材と一緒ですね。


さらに、それに加えて、「相手がプライベートな空間にいる」「機器や通信状態など環境面に左右されやすい」という問題もあります。家族やペットが乱入問題とかピンポーン!インターフォン問題とか、まあ、可愛いものですが、通信断続問題はなかなかつらい。だから、お互いに集中しづらいですよね。


インタビューが中断しちゃったら、やはりリカバリが重要ですね。「いやー、参りましたね~」とか「リモートならではですねー」とか言って笑い話にすると、ちょっとした共犯意識?同じ失敗しちゃった同士のシンパシーみたいなもので意外と距離が縮まります。あとは複数の手立てを用意しておくのも良いかと。ZOOM落ちたら、速攻でチャットしてGoogle Meetとか、Wherebyに切り替えたり。とにかく何があっても動じないことですね。再度繋がったら、「さっきはここまで話しましたよね」と、何事もなかったかのように始めちゃう。


他にもリモートならではのやりづらさはありますよね。例えば、「場の空気が読みづらい」「相手の顔色が読みづらい」とか、相手が在宅勤務のビジネスマンだったら、「朝から晩までリモート会議続きで飽き飽き」問題とか、もしかしたら退屈しちゃってフラストレーションがたまっているかもしれません。


だからこそ、僕みたいな“楽しいインタビュー”を標榜する「インタビュー芸人」の出番だったりします(笑)。僕が目指す理想のインタビューというか、基本スタイルは、楽しませて、夢中にさせて乗せてしゃべらせるというものです。そして最後に「楽しかった。思わず本音をしゃべっちゃった」と言わしめる、そこがゴールだったりします。このスタイルが、実はリモートの課題を解決しうるのかもしれないと、そう思ったりするんですね。


自宅で話している相手に集中してもらう工夫


先ほども述べたように、プライベート空間では集中できないのですよ。じゃあ、基本に立ち返って、相手を集中させるためにはどうしたらいいかを考える。まずは、話し相手である僕に関心や興味を持ってもらって、その状態を維持するしかないという結論に達します。


だって関心のない相手になんて話をしたくないですよね。ましてやずっと同じようなシチュエーションで変化のない画面越しに多少のやりづらさやストレスを感じながら会議をしているわけですから、インタビューなんて受けたくないって思うかもしれません。


だから、つかみが重要だったりします。第一印象、このモニター上の画面構成の中でできうる限りのアイデアを詰め込んで差別化をはかる。まずは背景。背景用画像をDLして使う人も多いですが、結構センスが問われるし、背景とのとけ込み方が不自然で、なんか違和感を覚えちゃう。普通にカーテンとか、部屋のドアとかっていうのも、なんかビジネス感が表現できない。そこで僕が用意したのが記者会見用の格子柄ボード。オンラインの印刷屋さんに頼んで1万円くらいで刷ってもらって、ホームセンターに売っているプラボードに張り付けて作りました。これ、けっこう利きます。なんかそれっぽいというか、ちゃんとした取材っぽく見えるじゃないですか。


もちろん服装もスーツですね。リモートだからカジュアルっていうのは、緊張感が足らないしプロっぽくない。あとはでっかい名刺も用意。拡大コピーしてA4サイズにしたんですけど、これがけっこう受ける。話のきっかけを作ることができるんですね。もっといえば、“リモート・インタビューに慣れているインタビュアー”なのだという印象を相手に与えることができます。


もちろん、他のアプローチ法もありますんで、安心してください(笑)。記者会見ボードを作る前は、ちょっとプライベートな顔が見え隠れする作戦をとっていました。例えば、背景に自分の家族の写真をさりげなく入れたり、書籍や絵画とか、モニター画面の中に自分の人間性を表現する仕掛けを入れるんですね。家族と一緒に写っている写真は、“いい人”っぽいイメージを与える小道具としては最適ですよね。


まあ、言ってみればお互いに家で話している状態に近いではないですか。オフィシャルとプライベートの中間点で会うような感覚というか、仲良くできるチャンスではあるのですが、それでもわきまえなきゃいけないことってあると思うのですよね。


要するに、自分の家に相手を入れても良いですが、勝手に相手の家に入り込んではいけないと思うのですよ。これはリアルの場でも同じで、僕は自分のことはめちゃしゃべりますが、ずけずけと相手のことは聞きません。向こうがプライベートなことを話してきたら、スルーしないでちゃんと受け止めて会話をつないでいきます。


まあ、リモートだと相手の家の中が見えてしまいますから、ついつい余計なコメントをしがちですが、こっちからアプローチはしません。心の距離は詰めるように努力をしますが、ちゃんとどこかで線を引くことが大事かなと。相手の領地=自宅に入りすぎると、ふと相手は我に返って冷めてしまいます。そうなると集中力は落ちて、そこからゲームオーバーへの道、一直線に。どこら辺が境界線なのか、しっかり意識しながら会話をするのは鉄則ですよね。


そんなこんなで、相手のハートをつかんで、関心をたぐり寄せたら、それをどのように継続させるか。その辺の工夫については、次回のお楽しみと言うことで。

(続く)

この記事を執筆した会社

企業名
株式会社エーアイプロダクション
住所
東京都葛飾区堀切7-26-10
設立年月
令和元年5月
代表者
伊藤 朋広
事業内容
1.各種出版物の企画、編集、取材、撮影及び執筆 2.ウェブコンテンツの企画、編集、取材、撮影及び執筆 3.コンテンツ制作に関するキャスティング業務及び広告代理店業務 4.各種専門家及びクリエイターのマネジメント業務 5.イベントの運営及び司会進行 6.コミュニケーション教育 7.海外雑貨の情報発信及び輸入販売 8.地方創生のためのメディアコンテンツの企画、制作及びコンサルティング

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