プロキシサーバーとは、ユーザーとWebサーバーをつなぐシステムです。インターネット上で起こる様々なトラブルに対策ができるなど、多くのメリットがあります。
この記事では、プロキシサーバーの意味やメリット、使う際の注意点について詳しく説明します。
プロキシサーバーとは?
まずは、プロキシサーバーが果たす役割や設定方法について見ていきましょう。
インターネットへのアクセスを代理
「プロキシ」には「代理」という意味があり、プロキシサーバーとはインターネットへのアクセスを代理するシステムです。ユーザーがWebサイトを閲覧するとき、通常はクライアントからWebサイトに直接リクエストを送ってデータを受信します。プロキシサーバーはその間に入り、両者のアクセスを代理するという仕組みです。
プロキシサーバーの設定方法
プロキシサーバーの設定は使用するWebブラウザにより異なり、主なブラウザの設定方法は次の通りです。
- Google Chrome:トップページの右上メニューを開き、「設定」ボタンをクリック、詳細設定を選択する。「システム」をクリックして「パソコンのプロキシ設定を開く」を選び、macの場合は「プロキシサーバのプロトコル」を選択。Windowsの場合は「プロキシサーバを使う」をクリックする。アドレスとポート番号を入力してOKを押す。
- Internet Explorer:ツールメニューの「インターネットオプション」を開き、「接続」タブをクリック。「LANの設定」ボタンを押してアドレスとポート番号を入力する。
- safari:「環境設定」を開いて「詳細」をクリック。プロキシという項目から「設定を変更する」をクリックしてプロキシの設定画面を開く。使用するプロキシのプロトコルを選び、プロキシサーバーのアドレスとポート番号を入力してOKを押す。
それぞれ手順は異なりますが、設定画面でプロキシサーバーのアドレスとポート番号を入力するという作業は共通です。
プロキシサーバーを利用する4つのメリット
プロキシサーバーを利用することで、セキュリティの強化など様々なメリットがあります。ここでは、主なメリットを4つ紹介しましょう。
1.情報の匿名性が保たれる
プロキシサーバーを経由することで、WebサイトにはプロキシサーバーのIPアドレスのみが送信されます。どのパソコンからアクセスしたかわからず、匿名性を保てるのがメリットです。アドレスから個人情報が漏れるというリスクも避けることができます。
2.外部からの不正アクセスを防止できる
プロキシサーバーの利用により、サーバーを経由してアクセスしたパソコンやサイトなど様々なログをサーバー上に残すことができます。こちら側へのアクセスも記録されるため、万が一外部から不正アクセスを受けた場合にも、残されたログなどから対処することが可能です。
3.業務に不要なサイトへのアクセスを禁止できる
プロキシサーバー上にアクセスログが残ることで、社員が業務に関係ないWebサイトにアクセスしていないかのチェックが可能です。さらに、Webサイトへのアクセスを制限するフィルタリングもでき、業務に不要なサイトへのアクセス自体を禁止することもできます。
4.サイト表示が速くなる
プロキシサーバーはアクセスしたサイトのデータを保存する機能があります。頻繁に開くサイトの場合、毎回データを読みに行かずに保存したデータを使うため、サイト表示が速くなるのがメリットです。また、アクセスが集中した場合にも複数の機器にリクエストを振り分ける機能があり、負荷が分散されるため速度が衰える心配もありません。
プロキシサーバーを使う際の注意点
プロキシサーバーはメリットが多いものの、適切に使用しないと安全性が脅かされる可能性もあります。使う際に注意したい点を紹介しましょう。
1.適切に設定する
プロキシサーバーを設定する際は正しいアドレスを入力するなど、適切に行うよう気をつけましょう。アドレスを正しく入力しない場合、別のプロキシを経由して情報漏洩につながる可能性もあります。
2.無料で使えるプロキシサーバーは避ける
使用するプロキシサーバーは信頼できるものかどうか、確認することも大切です。ネット上には無料で利用できるプロキシサーバーもありますが、その中には情報を抜き取ることを目的にするなど、悪意のあるものが存在する可能性があります。
これらを利用した場合、送受信したデータのなかからIDやパスワード、個人情報など、重要な情報が抜き取られるリスクがあるでしょう。
最後に
プロキシサーバーは、外部のネットワークへの通信を中継する役割を果たします。社内のネットワークからインターネットに接続する際、セキュリテイ強化や不要なサイトへのアクセス制限をしたいと考えている会社に最適です。信頼できるプロキシサーバーかどうかも十分確認したうえで、導入してみるとよいでしょう。