「連結会計システムを選ぶ際のポイントは?」
「子会社が海外を拠点としているため、多言語に対応したシステムを導入したい」
グループ企業などは連結会計システムが必要となってきますが、煩雑な作業のため、様々な機能が付いているシステムを選定する必要があります。
この記事では、連結会計システムを選ぶ際の10個のポイントと、おすすめの連結会計システム9選を紹介しています。ぜひあなたの会社に合った連結会計システムを導入しましょう。
連結会計システムとは
連結会計システムは、複数の会社の会計を行う際に必要になるシステムのことです。複数の会社の会計を同時に行うため、データ収集やレポーティング、場合によっては多言語他通貨に対応しているかの確認が必要となります。
今回紹介している10個の連結会計システムの中には、海外に支社を持つ企業にも対応できる多言語対応のシステムもあるので、ぜひご覧ください。次章では、連結会計システムの選び方について詳しく説明します。
連結会計システム(会計ソフト)の選び方
選ぶときの基準となるように、連結会計システムを選ぶときのポイントを紹介します。主に注目すべき項目は以下の10個です。
なぜこれらの項目が重要なのかそれぞれ紹介するので、自分のニーズにあわせながらチェックしていきましょう。
(1)対応OS
連結会計システムを導入する際は、まず対応OS(オペレーティングシステム)を確認しましょう。多くのシステムはWindowsに対応していますが、Macを使用している企業は注意が必要です。Windows専用のソフトをMacで無理に使用すると、動作不良やトラブルの原因になる可能性があります。
Macユーザーは、Mac対応の連結会計ソフトを選ぶか、クラウド型でOSに依存しないサービスを検討するのが安心です。
(2)導入方法
連結会計システムには、導入方法にインストール型とクラウド型の2つのパターンがあります。
- インストール型:自社で用意したサーバーにパッケージ商品、もしくはダウンロードしてソフトをインストールするタイプ
- クラウド型:自社でサーバーを用意する必要はなく、システム会社に料金を払ってサービスを利用するタイプ
インストール型は、自社のサーバーやPCにソフトウェアをインストールして使用するタイプです。初期費用はかかりますが、導入後は追加費用が発生しにくく、オフライン環境でも利用可能です。ただし、バージョンアップは手動で行う必要があり、更新費用が別途かかる場合もあります。また、データの管理は自社で行うため、セキュリティ対策が重要です。
一方、クラウド型はインターネット経由でサービスを利用するタイプで、自社でサーバーを用意する必要がありません。初期費用が抑えられ、定期的なメンテナンスやバージョンアップも自動で行われるため、ITに詳しくない企業でも安心して導入できます。データはクラウド上に保存されるため、ハードウェア障害によるデータ消失のリスクも低減されます。ただし、月額利用料などの運用コストが継続的に発生します。
どちらのタイプにもメリット、デメリットがあるので、どちらが自社にとって都合が良いのか判断して導入方法を決めましょう。
(3)対象事業
連結会計システムを選ぶ際は、企業規模や事業形態に応じた機能の有無を確認することが重要です。個人事業主や中小企業では、基本的な会計機能で十分な場合が多いですが、大企業や複数事業を展開する企業では、部門別管理や連結決算対応機能が不可欠です。
導入前には、自社の業務に必要な機能が搭載されているかをチェックし、事業規模に最適な連結会計ソフトを選びましょう。
(4)初期費用
初期費用の有無と金額を事前に確認することが重要です。一般的に、インストール型(オンプレミス型)は初期費用が高めですが、クラウド型でも一部サービスでは初期コストが発生する場合があります。
初期投資を抑えたい企業は、初期費用ゼロのクラウド型サービスを検討するのも有効です。導入前に、費用対効果をしっかりと見極めましょう。
(5)月額費用
クラウド型連結会計システムでは、月額利用料が発生します。高機能なサービスほど月額費用も高くなる傾向がありますが、必要以上の機能が搭載されていると、無駄なコストになる可能性もあります。
逆に、月額費用が安すぎる場合は、最低限の機能しか備わっていないこともあるため、企業規模や導入目的に合った機能性を重視して選定することが大切です。
(6)無料トライアル期間
連結会計システムの導入前には、無料トライアルの有無を必ず確認しましょう。ほとんどの連結会計ソフトは有償サービスであるため、実際に使ってみてから契約することで、導入後のミスマッチを防ぐことができます。
特にクラウド型サービスは、契約後でも解約が可能なため、トライアル期間中に機能や操作性を十分に検証することが重要です。インストール型の場合は、購入後の返金が難しいため、初期投資を無駄にしないためにも、事前の試用は必須です。
(7)利用台数制限
連結会計システムを複数人で利用する場合は、利用台数制限やライセンス数の確認が欠かせません。インストール型では、何台のPCにインストールできるか、クラウド型では1ライセンスで何人まで利用可能かなど、業務フローに直結する要素です。
導入後に「想定より少ない人数しか使えない」といったトラブルを避けるためにも、事前に利用可能台数やユーザー数の上限を確認しておきましょう。
(8)バージョンアップ方法
連結会計システムのバージョンアップ方法も、導入前に確認しておくべきポイントです。インストール型では、手動でアップデートを行う必要があり、場合によっては更新費用が別途発生することもあります。一方、クラウド型では自動でアップデートされるため、常に最新の状態で利用できます。
導入後の運用コストや手間を考慮し、アップデートの頻度・方法・費用の有無を事前にチェックしておくと安心です。
(9)サポート体制
初めて連結会計システムを導入する企業にとって、サポート体制の充実度は非常に重要です。操作方法が分からない、トラブルが発生したなどの場面で、電話・チャット・メールなどのリアルタイム対応があると安心して利用できます。
特にITや会計に不慣れな担当者がいる場合は、導入後のサポートが手厚いサービスを選ぶことが成功の鍵となります。
(10)アプリ連動
スマートフォンやタブレットと連携できるアプリ対応の連結会計システムは、外出先でも経理状況を確認できるため、業務効率の向上に役立ちます。必須機能ではありませんが、モバイル対応があることで柔軟な働き方が可能になります。
特に、リモートワークや外部との連携が多い企業では、アプリ連携機能の有無も選定基準の一つとして検討しましょう。
おすすめの連結会計システム9選
おすすめの連結会計システムを9選紹介します。それでは順に見ていきます。
MoneyForwardクラウド連結会計【株式会社マネーフォワード】
ピュアクラウドでグループの経営をリアルタイムに把握。AIの活用で非効率やミスが一挙に解消できる。
既存の会計システムのまま導入が可能。海外子会社に向けた機能も充実しており、グループの変化や急成長に広く対応。
高いハードルを下げてはじめての方でもスタートできるサポート体制・直感的なデザイン
「グループ経営で未来を創る、やさしい連結会計」をコンセプトに、先端のAI・クラウドテクノロジーにてグループ経営をサポートします。直感的なデザインと手厚いサポートにより、最短1ヶ月以内で運用可能な圧倒的なスピード感は、これまで導入ハードルが高かった連結決算システムとは一線を画します。また、属人化しやすい連結決算業務を標準化できる仕組みのため、作業の分担・共有に適しているのも特長です。
- 対応OS
- Mac/Windows
- 導入方法
- クラウド型
- 対象事業
- 中小企業〜中堅企業/IPO準備企業/上場企業
- 初期費用
- お問い合わせください
- 利用料金
- お問い合わせください
- 無料トライアル期間
- ×
- 利用台数制限
- 制限なし
- バージョンアップ方法
- クラウドにて追加料金なく自動でバージョンアップ
- サポート体制
- ○(問い合わせフォーム、サポートサイト)
- アプリ連動
- -
BizForecast FC【プライマル株式会社】
拡張性の高いマスタ構造
企業様の実態に合わせた柔軟な価格体系
高品質のコンサルティングとサポート
BizForecastシリーズにおける、BizForecastFCは、「情報収集」、「報告」及び「集計・加工」の各プロセスでの機能を、連結決算・連結会計に適用したモジュールです。BizForecastシリーズのコンセプトである "活Excel" を基盤としており、便利な入力インターフェース、柔軟で使い勝手の良い分析機能といったExcelの長所を生かしつつ、情報共有や情報保全面においてExcelのデメリットを解消するシステムとなります。
BizForecast FCが選ばれる理由の一つは、「データ収集」「連結(集計・消去)処理」「レポーティング」の3つの業務を一連の連結業務と考え、シームレスな連結会計業務ができることです。また、多様なユーザーそれぞれに適した機能・アウトプットの提供が可能です。
大手監査法人やコンサルティングファーム出身の経験豊富なコンサルタントと会計リテラシーの高い技術者が一体となって、システム導入及び保守フェーズのサポートを担当しており、安心してお使いいただけます。
- 対応OS
- Windows
- 導入方法
- クラウド、パッケージ型
- 対象事業
- -
- 初期費用
- -
- 利用料金
- -
- 無料トライアル期間
- ×
- 利用台数制限
- -
- バージョンアップ方法
- 手動
- サポート体制
- ○(問い合わせフォーム、専用webサイト)
- アプリ連動
- ×(システム連携は可)
eCA-DRIVER
多様な連結決算ニーズに対応
幅広いシステムとのAPI連携にも対応可能
国内、海外に展開している子会社からデータを収集し、仕訳を自動生成
eCA-DRIVERは、子会社のレポーティング・パッケージ収集機能から連結処理および連結財務諸表の作成までの連結決算に必要な機能を搭載しているパッケージシステムです。
600社以上の企業グループへの導入実績があり、サポート体制も充実しています。
国内、海外に展開している子会社から連結決算データを各社の状況に応じて収集し、収集データをもとに仕訳が自動で生成されるため、制度連結をスピーディーに行える点が強みです。
- 対応OS
- WIndows 11 Enterprise/Pro/Home Windows 10 Enterprise/Pro/Home ※32ビット、64ビットに対応
- 導入方法
- クラウド型
- 対象事業
- 上場企業向け
- 初期費用
- 要相談
- 利用料金
- 要相談
- 無料トライアル期間
- 要相談
- 利用台数制限
- 無制限
- バージョンアップ方法
- -
- サポート体制
- 〇(トータルサポート)
- アプリ連動
- 〇(詳細についてはお問い合わせください)
BTrex連結会計【株式会社ビジネストラスト】
公認会計士を含む会計実務家兼システムエンジニアを中心とした完全自社開発体制
公認会計士を中心とする自社コンサルタントによるシステム導入サポート
専任担当及びサポートセンターの両面での支援体制
BTrex連結会計は、パッケージソフトの枠を超えた次世代型の連結会計システムとして、累計1000グループの実績を誇るシステムです。
優れた検証性と安心のサポート体制、快適な操作性で連結決算業務のさらなる早期化・効率化を目指すことが可能です。
会計実務を熟知したエンジニアがシステムの設計及び制作をしているため、メニュー構成等非常に分かりやすくなっており、初めてシステムを利用される方にもおすすめのシステムです。
- 対応OS
- 要問い合わせ
- 導入方法
- パッケージ型
- 対象事業
- 大手企業をはじめ、様々な事業に導入実績あり
- 初期費用
- 要相談
- 利用料金
- 要相談
- 無料トライアル期間
- ○
- 利用台数制限
- 要問い合わせ
- バージョンアップ方法
- 保守サービス等でバージョンアップ可
- サポート体制
- 〇(コンサルティング)
- アプリ連動
- 要問い合わせ
ASPAC-会計【株式会社アスコット】
中小企業・中堅企業向け会計ソフト
使いやすさの徹底追及
お客様の運用目的に即応できる充実した標準機能
ASPAC-会計は、多様なネットワーク環境に対応したパソコン・クライアントサーバ対応システムで、中小・中堅企業から上場企業まで安心して利用できる会計システムです。
会計基本業務から手形管理業務、庶務会計、管理会計、連結決算、セグメント会計、プロジェクト管理、 外貨管理、多通貨会計に至るまでを包含した会計ソフトで、会計業務のIT化を迅速かつ低価格で提供してくれます。
既存システムからもスムーズな移行が可能になっており、ご相談内容次第では短納期かつジャストフィットな導入支援作業を実現してくれるのも強みです。
- 対応OS
- Windows10(Pro)以降
- 導入方法
- インストール型型
- 対象事業
- 中小・中堅企業向け
- 初期費用
- 要相談
- 利用料金
- 要相談
- 無料トライアル期間
- ×
- 利用台数制限
- 要問い合わせ
- バージョンアップ方法
- 自社で対応可(費用発生)
- サポート体制
- ○
- アプリ連動
- 要問い合わせ
OPEN21 SIAS 連結決算支援ソリューション【株式会社ICSパートナーズ
会計情報をもとにしたスピーディーな意思決定を強力に支援
低価格・早期稼働・安定稼働を追求
熟成されたベーシック機能(制度会計)と豊富なサブモジュール
OPEN21 SIAS 連結決算支援ソリューションは、専門ベンダーとして培ってきた業務・開発ノウハウにより、経営活動の結果である仕訳データの投入、集計、開示を堅牢な環境のもと正確かつ迅速に処理します。
OPEN21 SIASは非常に大きなファイル構造になっており、大量に蓄積された会計情報を任意の切り口で集計・加工・グラフ化が行えるBIツールを搭載しているため、企業様の意思決定を強力に支援します。
また、企業様の要望に合わせてデータ入力・問い合わせといったUI・設計機能を提供できるため、低価格・早期稼働・安定稼働が出来るのが強みです。
- 対応OS
- 要問い合わせ
- 導入方法
- クラウド型
- 対象事業
- -
- 初期費用
- 要問い合わせ
- 利用料金
- 要問い合わせ
- 無料トライアル期間
- ×
- 利用台数制限
- 要問い合わせ
- バージョンアップ方法
- 要問い合わせ
- サポート体制
- 〇
- アプリ連動
- 要問い合わせ
iCAS【株式会社インプレス】
監査法人と共同開発したシステム
20年以上の運用実績・ユーザー継続率95%越え
独自のエラーチェック機能搭載
iCASは、優れた子会社情報収集機能、充実したエラーチェック機能などにより、迅速で正確な連結決算処理を実現できるシステムです。
子会社情報を一元管理し、子会社から親会社へのデータ収集が可能となっています。
また、独自のエラーチェック機能により、収集した情報から整合性の取れたデータ作成を実現できます。個別の会計システムとのデータ連携により、無駄な入力作業や転記ミスもなく、個別財務諸表単純合算から連結精算表作成まで、ワンボタン処理を可能としています。
- 対応OS
- Windows10/Windows11
- 導入方法
- クラウド型
- 対象事業
- 様々な企業に対応
- 初期費用
- 要相談
- 利用料金
- 要相談
- 無料トライアル期間
- ×
- 利用台数制限
- 要問い合わせ
- バージョンアップ方法
- 要問い合わせ
- サポート体制
- ○
- アプリ連動
- 要問い合わせ
Curveline【DATAビジネス株式会社】
自由度の高いExcelをそのまま使えるUI
多面的なデータ分析とグラフィカルなBI
Excel連動ワークフローにより、データと業務の一元管理を実現
Curvelineは、Excel業務の人力の部分をシステム化し、人件費を削減するツールです。
予算管理などExcelを使って表計算をしているデータの管理には最適で、普段使っているExcelと同じスタイルの入力画面で操作できるのが大きな強みです。
BI機能も完備しており、業務の整備・改革の部分から相談を受け付けているため、Excelでデータ管理をされている企業様にはおすすめのツールです。
- 対応OS
- 要問い合わせ
- 導入方法
- インストール型
- 対象事業
- -
- 初期費用
- 要相談
- 利用料金
- 要相談
- 無料トライアル期間
- ×
- 利用台数制限
- 要問い合わせ
- バージョンアップ方法
- 要問い合わせ
- サポート体制
- ○
- アプリ連動
- 要問い合わせ
ProActive Finance【SCSK株式会社】
AIによる事務作業の効率化/自動化が可能
業界特有の商習慣にも対応し、業務を効率化
パッケージソフトの「ProActive C4」の導入でより経営層の意思決定を支援
ProActive Financeは会計業務に関する課題をAIを活用しながら効率化するツールになっております。データの入力や分析、突合作業等の業務の自動化をAI(カスタムCopilot、Azure Open AI)により支援し、業務特化生成AIより業務効率化や自動化を実現します。
SCSKにて提供している「ProActive C4」を導入することにより、会計だけでなく、より上流の経営判断の支援も行うことが可能になるため、意思決定まで支援を希望の企業様にはおすすめの企業です。
- 対応OS
- Windows、Mac、iOS、Androidの各種ブラウザ(Chrome, Edge, Safari等)に対応
- 導入方法
- クラウド型
- 対象事業
- 幅広く対応
- 初期費用
- 要問い合わせ
- 利用料金
- 基本料金+ユーザー数による従量課金
- 無料トライアル期間
- ×
- 利用台数制限
- 要問い合わせ
- バージョンアップ方法
- 約3ヵ月に1度の頻度でバージョンアップ
- サポート体制
- ○
- アプリ連動
- 要問い合わせ
最後に
今回は複数の企業に渡る会計をサポートする、連結会計システムについてご紹介しました。海外にも支社がある企業などは多言語に対応しているかなどを確認しましょう。
また、連結会計を行う際に重要なデータ収集やレポーティング機能など、今回紹介した10個の選定軸を考慮した上で、連結会計システムを導入しましょう。ぜひ今回紹介した9選を参考にしてください。
