「連結会計システムを選ぶ際のポイントは?」
「子会社が海外を拠点としているため、多言語に対応したシステムを導入したい」
グループ企業などは連結会計システムが必要となってきますが、煩雑な作業のため、様々な機能が付いているシステムを選定する必要があります。
この記事では、連結会計システムを選ぶ際の10個のポイントと、おすすめの連結会計システム30選を紹介しています。ぜひあなたの会社に合った連結会計システムを導入しましょう。
連結会計システムとは
連結会計システムは、複数の会社の会計を行う際に必要になるシステムのことです。複数の会社の会計を同時に行うため、データ収集やレポーティング、場合によっては多言語他通貨に対応しているかの確認が必要となります。
今回紹介している10個の連結会計システムの中には、海外に支社を持つ企業にも対応できる多言語対応のシステムもあるので、ぜひご覧ください。次章では、連結会計システムの選び方について詳しく説明します。
連結会計システム(会計ソフト)の選び方
選ぶときの基準となるように、連結会計システムを選ぶときのポイントを紹介します。主に注目すべき項目は以下の10個です。
なぜこれらの項目が重要なのかそれぞれ紹介するので、自分のニーズにあわせながらチェックしていきましょう。
(1)対応OS
連結会計システムには対応しているOSが決まっているので、使っているパソコンのOSを確認しておきましょう。Windowsを使用している場合は、さほど気にする必要はありませんが、Macを使っている企業は特に注意が必要です。
Macのパソコンでも対応OSがWindowsのソフトを使えることもありますが、推奨されていないOSで使用すると故障の原因になります。Macを使っている企業は、Macに対応しているソフトを使いましょう。
(2)導入方法
連結会計システムには、導入方法にインストール型とクラウド型の2つのパターンがあります。
- インストール型:自社で用意したサーバーにパッケージ商品、もしくはダウンロードしてソフトをインストールするタイプ
- クラウド型:自社でサーバーを用意する必要はなく、システム会社に料金を払ってサービスを利用するタイプ
インストール型は、商品を購入するために初期費用はかかりますが、一度インストールしてしまえば、追加で料金を払う必要はありません。しかし、ソフトをバージョンアップする際に、手動で行う必要があり、商品によっては更新料として別途費用が発生することがあります。データの管理も徹底する必要があり、データの消失や流出する危険性があることは頭に入れておきましょう。
一方、クラウド型は、自社サーバーやソフトウェアなどのシステム環境を整える必要はないので、初期費用はほとんどかかりません。また、システムや金額に不満がある場合は解約することもでき、定期的なバージョンアップやメンテナンスも必要ないので、パソコン初心者にとって使い勝手は良いです。データもクラウド上に保存されるので、ハードウェアに障害が発生してもデータが消える心配はありません。デメリットとしては、サービス利用料を払う必要があり、定期的に運用コストが発生します。
どちらのタイプにもメリット、デメリットがあるので、どちらが自社にとって都合が良いのか判断して導入方法を決めましょう。
(3)対象事業
対象事業によって必要な機能が異なるので、自社のニーズに対応しているか判断する必要があります。特に、連結会計システムに必要な機能で差が出るのは企業規模です。
個人事業主や零細企業、中小企業など、従業員数が少ない場合は、必要最低限の機能で会計業務を進行できますが、大企業や複数事業を営んでいる経営者は、部門別管理や連結決算など特殊な機能が必要になります。必ずどの事業向けの商品なのか確認しておきましょう。
(4)初期費用
初期費用にどのくらいかかるのかも確認しておくことをおすすめします。一般的に、初期費用が必要なのはパッケージ型やオンプレミス型などのインストール型の商品ですが、サービスによってはクラウド型の商品でも初期コストが発生する場合があるので、注意しておきましょう。
クラウド型サービスを検討していて、なるべく初期投資にコストを割きたくない場合は、初期費用の有無でサービスを決めるのも有効です。
(5)月額費用
主にクラウド型サービスを利用する場合ですが、運用コストにどのくらいかかるのか確認しておきましょう。月額費用が高ければその分機能性も充実していますが、必要以上の機能が搭載されており、無駄なコストになる可能性があります。
一方で、あまりにも運用コストが安い場合は、最低限の機能性に抑えられていることが多く、企業規模や導入目的によっては必要な機能が搭載されていない場合が考えられるでしょう。一概に、高い安いで決めるのではなく、あくまで予算内かどうかで判断することをおすすめします。
(6)無料トライアル期間
無料トライアルの有無は必須のチェック項目です。連結会計システムのほとんどが有償サービスなので、少なくともコストが発生します。クラウド型サービスは解約すれば、運用コストの無駄使いを避けることはできますが、インストール型の商品は購入後、運用を止めたからといって初期投資分を回収することはできません。
支払ったコストが無駄にならないように、無料トライアルを利用して、自社の目的を達成できるツールなのか判断してから本格的に導入しましょう。
(7)利用台数制限
業務フローを作るときに影響するので、利用台数制限も重要です。インストール型商品であれば何台までインストールできるのか、クラウド型であれば、1ライセンスで何人までユーザー登録できるのかなど、何人までサービスを利用できるのか調べておくことをおすすめします。スルーされがちですが、大事な項目なので忘れずに確認しておきましょう。
(8)バージョンアップ方法
ソフトのバージョンアップの方法も調べておきましょう。バージョンアップは、インストール型は手動で行い、クラウド型は自動で行われるのが一般的です。上記で述べたように、インストール型の場合は別料金が発生する可能性があるので、インストール型の導入を検討している方は、別料金の発生の有無を確認しておくことをおすすめします。導入タイプと合わせて確認しておくと良いでしょう。
(9)サポート体制
どのサービスを利用するか判断するときに、サポート体制で決めるのもおすすめです。連結会計システムを初めて導入する方の多くは、専門的な知識を持っていない、もしくは使い方が分からないことが予想されます。
何かトラブルや不明な点が発覚したときに、早急に対応できるシステムがある方が安心して利用できるので、パソコンに疎い方や経理経験がない方は電話やチャットなどのリアルタイムサポートがある商品を選びましょう。
(10)アプリ連動
アプリ連動ができるソフトがあれば、経理状況の確認に便利です。必ずしも必要な機能ではありませんが、スマホやタブレットからアクセスできれば、欲しい情報を好きなときに確認することができます。
全ての条件が同じで判断基準がない場合は、パソコンが手元にない場合でも使える操作性で選びましょう。
おすすめの連結会計システム10選
おすすめの連結会計システムを10選紹介します。それでは順に見ていきます。
MoneyForwardクラウド連結会計【株式会社マネーフォワード】
ピュアクラウドでグループの経営をリアルタイムに把握。AIの活用で非効率やミスが一挙に解消できる。
既存の会計システムのまま導入が可能。海外子会社に向けた機能も充実しており、グループの変化や急成長に広く対応。
高いハードルを下げてはじめての方でもスタートできるサポート体制・直感的なデザイン
「グループ経営で未来を創る、やさしい連結会計」をコンセプトに、先端のAI・クラウドテクノロジーにてグループ経営をサポートします。直感的なデザインと手厚いサポートにより、最短1ヶ月以内で運用可能な圧倒的なスピード感は、これまで導入ハードルが高かった連結決算システムとは一線を画します。また、属人化しやすい連結決算業務を標準化できる仕組みのため、作業の分担・共有に適しているのも特長です。
- 対応OS
- Mac/Windows
- 導入方法
- クラウド型
- 対象事業
- 中小企業〜中堅企業/IPO準備企業/上場企業
- 初期費用
- お問い合わせください
- 利用料金
- お問い合わせください
- 無料トライアル期間
- ×
- 利用台数制限
- 制限なし
- バージョンアップ方法
- クラウドにて追加料金なく自動でバージョンアップ
- サポート体制
- ○(問い合わせフォーム、サポートサイト)
- アプリ連動
- -
BizForecast FC【プライマル株式会社】
拡張性の高いマスタ構造
企業様の実態に合わせた柔軟な価格体系
高品質のコンサルティングとサポート
BizForecastシリーズにおける、BizForecastFCは、「情報収集」、「報告」及び「集計・加工」の各プロセスでの機能を、連結決算・連結会計に適用したモジュールです。BizForecastシリーズのコンセプトである "活Excel" を基盤としており、便利な入力インターフェース、柔軟で使い勝手の良い分析機能といったExcelの長所を生かしつつ、情報共有や情報保全面においてExcelのデメリットを解消するシステムとなります。
BizForecast FCが選ばれる理由の一つは、「データ収集」「連結(集計・消去)処理」「レポーティング」の3つの業務を一連の連結業務と考え、シームレスな連結会計業務ができることです。また、多様なユーザーそれぞれに適した機能・アウトプットの提供が可能です。
大手監査法人やコンサルティングファーム出身の経験豊富なコンサルタントと会計リテラシーの高い技術者が一体となって、システム導入及び保守フェーズのサポートを担当しており、安心してお使いいただけます。
- 対応OS
- Windows
- 導入方法
- クラウド、パッケージ型
- 対象事業
- -
- 初期費用
- -
- 利用料金
- -
- 無料トライアル期間
- ×
- 利用台数制限
- -
- バージョンアップ方法
- 手動
- サポート体制
- ○(問い合わせフォーム、専用webサイト)
- アプリ連動
- ×(システム連携は可)
eCA-DRIVER
eCA-DRIVERは、子会社のレポーティング・パッケージ収集機能から連結処理および連結財務諸表の作成までの連結決算に必要な機能を搭載しているパッケージシステムです。
500社以上の企業グループへの導入実績があり、サポート体制も充実しています。
- 対応OS
- WIndows 11 Enterprise/Pro/Home Windows 10 Enterprise/Pro/Home Windows 8.1 Enterprise/Pro/(従来のHome) ※32ビット、64ビットに対応
- 導入方法
- パッケージ型
- 対象事業
- -
- 初期費用
- -
- 利用料金
- -
- 無料トライアル期間
- ×
- 利用台数制限
- -
- バージョンアップ方法
- -
- サポート体制
- 〇(トータルサポート)
- アプリ連動
- 〇(PRONEXUS WORKS、決算報告エクスプレス)
BTrex連結会計【株式会社ビジネストラスト】
BTrex連結会計は、パッケージソフトの枠を超えた次世代型の連結会計システムとして、累計850グループの実績を誇るシステムです。
優れた検証性と安心のサポート体制、快適な操作性で連結決算業務のさらなる早期化・効率化を目指すことが可能です。料金など、ぜひご相談ください。
- 対応OS
- Microsoft Windows Server 2016 Standard Edtion [64-bit (x64)] Microsoft Windows Server 2019 Standard Edtion [64-bit (x64)] ※Active Directoryへの参加が必要
- 導入方法
- パッケージ型
- 対象事業
- -
- 初期費用
- -
- 利用料金
- -
- 無料トライアル期間
- ×
- 利用台数制限
- -
- バージョンアップ方法
- -
- サポート体制
- 〇(コンサルティング)
- アプリ連動
- -
Board Finacial Consolidation【BOARD Japan株式会社】
Board Finacial Consolidationは、正確なグループ報告、迅速な決算処理、完全な財務管理を単一のプラットフォームで実現します。
時間のかかるこれまでのような連結プロセスのマニュアル作業を不要にし、専用に設計された単一のソリューションでの法令に遵守した経営情報の統合を可能にします。
複数の通貨を容易に換算する機能も付いているので、通貨レベルでの会社間突合にもおすすめです。
- 対応OS
- -
- 導入方法
- クラウド型 オンプレミス型
- 対象事業
- -
- 初期費用
- -
- 利用料金
- -
- 無料トライアル期間
- 〇
- 利用台数制限
- -
- バージョンアップ方法
- -
- サポート体制
- -
- アプリ連動
- -
最後に
今回は複数の企業に渡る会計をサポートする、連結会計システムについてご紹介しました。海外にも支社がある企業などは多言語に対応しているかなどを確認しましょう。
また、連結会計を行う際に重要なデータ収集やレポーティング機能など、今回紹介した10個の選定軸を考慮した上で、連結会計システムを導入しましょう。ぜひ今回紹介した15選を参考にしてください。