「グラフィックデザインを依頼したいが、どの程度の予算が必要か分からない。」
「なるべく予算を抑えてショップカードのデザインを頼みたい、何か良い方法は?」
グラフィックデザインの依頼料は依頼する会社やデザイナーによって違い、どの価格が適正か分かり辛いですよね。
しかしグラフィックデザインの相場と内訳を詳細に理解しておかないと、無駄な予算をかけることになってしまいます。
そこで今回はグラフィックデザインの相場と内訳を媒体別にご紹介し、なるべく予算を抑えるためのコツも解説。
この記事を読めばグラフィックデザインの媒体別の相場が理解でき、また適正価格で依頼を受けてくれる優良なデザイン会社を見つけられるようになります!
1.グラフィックデザインの相場と内訳
グラフィックデザインと一概に言っても依頼をする媒体によって相場が違い、また細かく内訳が決まっているものです。
そのため、この章ではグラフィックデザインはどのような媒体を指すのかを説明します。
また制作物のプランニングやデザイン費用など、費用の内訳はどのように設定されることが多いか、以下の通り解説します。
- グラフィックデザインの媒体別相場
- グラフィックデザインの費用内訳
まずは媒体ごとの相場と内訳を理解し、節約できる部分がないか検討する際の参考にしてください。
(1)グラフィックデザインの媒体別相場
グラフィックデザインの媒体別相場を一覧表にして紹介します。
媒体 | 料金相場 |
名刺・ショップカードなど | 1〜3万円 |
フライヤー | 5〜10万円 |
ポスター | 10〜25万円 |
ロゴデザイン | 10〜30万円 |
HP制作等 | 40〜100万円以上 |
予算は作成を依頼する媒体が紙媒体なのか、WEBサイトなのかなど作って欲しいデザインの対象によって変わります。
- 名刺・ショップカード
- フライヤー
- ポスター
- ロゴデザイン
- HP制作等
ここでは、代表的なグラフィックデザインの5つの媒体について、実際依頼する際にどのような相場感になるか解説します。
#1:名刺・ショップカード
名刺・ショップカードのデザインを依頼する相場は1〜3万円程度です。
媒体自体が小さめのサイズで印刷面積が少ないため、デザインのコストが低く、また後ほど説明をする内訳の中の印刷費用が安く済むのが特徴です。
名刺やショップカードの場合は最近はインターネットにも豊富で無料なテンプレートが用意されています。コストを抑えたい方は無料テンプレートを利用し、自社の情報に書き換えるだけでもデザイン性の高いショップカードや名刺を作れるので予算を抑えたい場合は検討してみてください。
グラフィックデザイナーと事前の打ち合わせや企画費用もかからないので、もっとも安く依頼ができる媒体と言えます。
#2:フライヤー
フライヤー、つまりチラシのデザインを依頼する場合は、5〜10万円です。店舗集客・宣伝の際によく使われる媒体ですが、チラシも1枚に自社情報を凝縮し・また画像よりもテキストが占める割合が多いことから比較的安価な媒体と言えます。
サイズ | 片面 | 両面 |
A4サイズ | 35,000〜50,000円 | 70,000〜100,000円 |
A3サイズ | 40,000〜55,000円 | 80,000〜110,000円 |
ポスティングなどに使われることが多いA4サイズのチラシは片面で35,000円程度から、両面の場合は70,000円から作成できます。
サイズが大きくデザインが複雑になるほど料金がかかるのが一般的です。
チラシは店舗情報や電話番号、QRコードなどテキストを主体とした情報が多く、万が一情報に間違いがあった場合などは修正・印刷し直しなどの追加コストがかかるケースもあります。
チラシやフライヤーなど紙媒体のグラフィックデザイン料の相場は5〜10万円程度で、媒体の大きさ・グラフィックの多さによって変動すると覚えておきましょう。
#3:ポスター
ポスターのデザインを依頼する場合は10〜25万円程度が相場になります。ポスターサイズの媒体はまず紙面が大きく、テキストよりもグラフィックの占める割合が大きいためデザイン料と印刷料が高額です。
さらにポスターの作成には別途撮影費用が追加されることが多く、スタジオ費用・カメラマン・モデルの人件費、スタジオやロケーション撮影の場合は遠征費など全てクライアントが負担します。
また印刷の仕上がりを左右する印刷機・色味の調整などの校正を何度もした場合は追加料金がかかる可能性もあります。
一般的なポスターサイズのA1・B1の大きなサイズのポスター制作を依頼する場合は、10〜25万円の予算を確保しておきましょう。
#4:ロゴデザイン
ロゴデザインを依頼する場合は、10〜30万円の費用を確保しておきましょう。
ロゴデザインはクライアントの象徴とも言えるもののため、打ち合わせの回数が複数回に渡る上に色指定・拡大縮小における縦横比の調整など細かい作業が多いためデザイン費用が高額になります。
さらに一度作成したロゴデザインはその後も二次利用されることが多いため、ロイヤリティ(特許・商標権・著作権などの使用料)があらかじめ上乗せされているケースがほとんどです。
そのためロゴデザインは高額になりやすく、10〜30万円とかなり幅広い金額設定になっています。
#5:HP制作等
HP制作等のデザインを依頼する場合は40〜100万円以上が相場です。
細かいデザインの調整や色味の相談を何度も重ね、修正作業も積み重なるため費用はかなり高額になります。
大体10ページ程度のWEBページの制作あたりの値段相場なので、コンテンツが増えた場合は100万円以上の費用が必要になることもあります。
WEBサイトなどのHP制作のグラフィックデザインを依頼する場合は40〜100万円程度、事業規模やサイト規模によっても価格が上下すると認識しておきましょう。
(2)グラフィックデザインの費用内訳
グラフィックデザインの費用内訳は、制作物の方向性を検討するプランニング費用や、それらを実際にデザインに起こすデザイン費用など、以下の通り4つの費用が発生します。
- プランニング費用
- デザイン費用
- 修正費用
- 印刷費用
グラフィックデザインはデザインに起こす際にかかってくる人件費が大半です。
さらに細かく分類すると以上の4つの工程にかかる人件費・諸費用を請求されていきます。
#1:プランニング費用
プランニング費用とはデザイナーに依頼をするにあたり、どのようなデザインにするかをリサーチしてもらい、制作物のデザインの方向性を決める費用のことです。
名刺やショップカード、テキストメインのチラシの場合はプランニング費用が少額、またはかからないことが多いでしょう。
また自社で制作物のデザインのイメージが固まっていればこの工程は省略し、費用削減が可能です。
しかし競合他社のリサーチなどからデザイナーに依頼した場合は、プランニング費用が高額になります。
#2:デザイン費用
デザイン費用とは媒体のデザイン、つまりテキストや画像の配置・色味などを決めてもらう作業にかかる費用のことです。
デザイナーの人件費がメインで、画像や情報、サイズが大きく時間がかかるものほどデザイン費用が高額になります。
#3:修正費用
修正費用とはデザイナーが提出してきた制作物をチェックし、クライアントから「この色味を調整して欲しい」「テキストの位置を調整して」などと依頼をかける際に発生する費用です。
大体のデザイン会社では初稿に対して1〜2度の修正は無料で行いますが、回数が増えると追加料金がかかります。
相場としてデザイン費用の20〜40%がかかることが多いです。
例えば名刺・ショップカードの作成を依頼し、デザイン費用が3万円の場合は1回の修正で6,000〜12,000円の費用がかかります。
事前の打ち合わせが足りず修正が増えたり、後から要望を追加すると費用が嵩む原因になります。
#4:印刷費用
印刷費用とは出来上がった制作物を紙媒体などにプリントする作業で、印刷会社に対して支払われます。
依頼するデザイン会社が印刷会社の手配まで代行する場合は、料金に含まれていることが多いです。
目安ですが名刺程度の印刷物で1枚10円程度、チラシなどA4・A3程度の大きさになると1枚あたり150円の費用が相場です。
またカラー・白黒によっても価格が変動します。
2.グラフィックデザインのコストを抑える5つのコツ
先ほど紹介したグラフィックデザインの費用相場を見て高いと感じた方は、以下の方法を取ることでデザイン費用を抑えることができます。
- 自社内でデザインを用意できるか検討する
- 提供できる素材・画像を用意する
- 事前の打ち合わせで要望を具体的に伝える
- 複数のグラフィックデザイナーから見積もりを取る
- 個人のデザイナーと直接契約をする
コストを抑えるコツは自社内で用意できるものは最低限用意して、デザイナーの負担を軽減することです。
素材を準備することは、具体的にデザインに落とし込んだときのイメージがわき、より良いデザインに仕上げることに繋がります。
コストを抑えるために実践できるものは、ぜひ取り入れてみてください。
(1)自社内でデザインを用意できるか検討する
プランニング費用・デザイン費用を節約するために、自社内でデザインを用意できるか検討してみましょう。
グラフィックデザインの費用の80%は人件費であり、デザイナーの作業時間が減ればそれだけ金額は抑えられるのです。
リサーチ費用やデザインを考案する時間自体を減らせばそれだけコストが減ります。
事前に自社で調査を行って「このようなイメージで作って欲しい」と言う例を提示すれば、デザイン費用・プランニング費用を節約できるでしょう。
(2)提供できる素材・画像を用意する
自社で可能な限りデザインに使用できる素材や写真を用意することで、デザイン費用や撮影費用を節約できます。
例えばチラシ作成の場合は商品写真を用意して渡す、そうすればプランニング費用が不要になるため、その分のコストがカットできるのです。
ポスター撮影の際なども、素材や画像が用意できれば撮影部分が最小限で済み、スタジオレンタル代やカメラマン・モデルの人件費を抑えられるでしょう。
(3)事前の打ち合わせで要望を具体的に伝える
修正を減らすために、デザイナーやデザイン会社との事前の打ち合わせではできるだけ具体的に要望やイメージを伝えておきましょう。
デザイン提出後に全くイメージが異なっていることが判明すると、大幅な修正が必要になり費用がかさみます。
おすすめの方法はまずは自社内でデザインをスケッチやパワーポイントにまとめておき、視覚的にデザイン担当へ伝えることです。
デザインの方向性がクライアントとデザイナーで一致しているほど修正が少なくなり、所定の無料修正費用の範囲内で抑えることができます。
(4)複数のグラフィックデザイナーから見積もりを取る
デザインを依頼する場合は複数のデザイナーやデザイン会社を検討し、見積もりをとって比較検討しましょう。
特にポスターやロゴ制作、WEBサイトなどはデザイン事務所やデザイナーによって単価設定が大きく異なるため、10倍も費用に差が出たケースがあります。
なるべく自社と相性が良く、納得のいく品質のデザインを作ってもらう企業を検討するためにも、複数の会社から見積もりを取り、その中から予算とクオリティに納得のいくデザイナーを選びましょう。
(5)個人のデザイナーと直接契約する
全体的な費用を抑えたいのであれば、デザイン事務所ではなく個人のグラフィックデザイナーと契約をするのも手段の1つです。
クラウドソーシングサイトにはフリーランスのデザイナーが多く在籍しています。
デザイン事務所はチームで制作を行うためデザイン費用が高額になりがちですが、フリーランスの場合は個人で仕事を受けるため修正の無料回数が多く、デザイン料自体を安く設定している場合も多いです。
デザイナー事務所に拘らず、クラウドソーシングで個人のデザイナーへグラフィックデザインを依頼して費用を抑えることもできます。
3.グラフィックデザインを依頼する企業の相場が適切か確認する方法
グラフィックデザインを依頼する際は、相場感と費用内訳をより詳細に把握しておくことがポイントです。
相場を把握しておくことで、クライアントを精査する中で適正な判断を下すことが可能になります。
また、あらかじめ費用内訳を提示してもらい理解しておくと、当初予定していた予算を超えることなく、納得のいく取引ができます。
- JAGDAの相場表を参考にする
- 内訳を全て提示してもらう
- 納期の短縮等のオプションをチェックする
グラフィックデザインの相場と費用内訳を理解し、求めているクリエイティブを予算内で作り上げてくれる企業を選定しましょう。
(1)JAGDAの相場表を参考にする
グラフィックデザインを依頼する際、適正な価格かを判断するために、JAGDAの相場表を参考にしましょう。
JAGDAでは、デザインの項目によって目安となる価格が明記されています。
依頼企業が提示している費用が、相場と比べたときに適正か判断するために一度目を通しておくことをおすすめします。
(2)内訳を全て提示してもらう
今後制作するにあたって必要になる費用の内訳を全て提示してもらいましょう。
デザイン会社によっては、デザイン制作だけの費用の場合もあれば、企画やデザイン制作、印刷まで全ての費用が含まれている場合があります。
提示してきた費用が、果たしてどこまで対応してくれるのかを判断するため必ず内訳を提示してもらいましょう。
(3)納期の短縮等のオプションをチェックする
内訳を提示してもらった際、例えば納期を調整してくれるかなど、もし追加でかかってくる費用があれば、依頼するタイミングで聞いておきましょう。
デザイン会社によって、別途サービス料が発生するオプションを設けている場合があります。
たとえば、相場より高くても、納期の短縮や修正の回数などのサービスが含まれていれば、別途料金が発生しないことを考えると適正な価格と判断できるケースもあります。
依頼する際は、追加でかかってくる費用がないか確認した上で、制作物をより成果の高いものに仕上げるために、オプション等があるか確認しましょう。
最後に
今回はグラフィックデザインの料金相場を媒体別・内訳にご紹介しました。
グラフィックデザインは媒体や印刷物の大きさによって費用が上下するので、依頼の際の費用感の参考にしてください。
グラフィックデザインの費用のメインは人件費なので、制作時間を短縮する努力をクライアント側がすることでコストを抑えることができます。
記事の中で紹介した4つのコツを活用し、デザインを用意しておく・なるべく明確にイメージを伝える・自社で可能な限り素材を用意する、複数社見積もりを取る、個人のデザイナーも検討してみてください。
グラフィックデザインは自社の集客、そして企業イメージを決めるのに欠かせない要素。納得のいくクオリティと費用で納得のいく成果物を作成できるデザイナーを見つけ、自社売り上げや認知の向上に役立てましょう!