論理的思考力とは、物事の因果関係を整理して考える能力です。
複雑に絡み合う問題を整理して解決に導く思考力で、身につければ業務を効率よくこなせます。
本記事では、論理的思考力がもたらすメリットや効果的な鍛え方について紹介しましょう。
論理的思考力とは筋道を立てて考えること
論理的思考力は現状の問題を整理してシンプルにし、筋を通して考えることです。
この思考力がない人には、どのような特徴があるのでしょうか?
論理的思考力がない人の特徴
論理的思考力がある人は仕事を順序立てて整理する力があり、納期までに完成させるのが得意です。
ゴールまでに必要な日数と仕事のつながりを考え、段取りを組み立てます。
一方、論理的思考力がない場合、仕事の段取りが悪く、必要な仕事を納期までに完了できないのが特徴です。
この思考力がないと様々な問題を整理できないため、話が長くなることも特徴ひとつ。
なかなか結論に辿り着かず、何を言いたいのかわかりません。
また、一つのことにとらわれて全体像が把握できず、問題を解決しづらいという側面もあります。
さらに、現在行っていることを起点に成果を積み上げようとするため、目標を達成できるかどうかは場当たり的です。
たまたま成果を出せてもなぜ成功したかを説明できず、次も同じく成果を出せるとは限りません。
論理的思考力の重要性を伝える3つのメリット
論理的思考力にはいくつものメリットがあり、メリットを知ることで論理的思考力が重要であることがわかります。
ここでは、論理的思考力によって得られる3つのメリットについて紹介しましょう。
1.伝える力が身につくこと
論理的思考力は様々な情報から必要なものを選びだし、整理できる能力です。
筋道を立てて一貫性のある話ができ、相手にわかりやすく伝えることができます。
会議やプレゼンテーションでも必要な、伝える力が身につくでしょう。
2.問題を早く解決できること
論理的思考力があると問題が早く解決します。
問題を解決する流れを一言でいうと「問題点を見つけて現状を分析し、原因を特定して解決策を考える」ということです。
物事を体系的に考えられる論理的思考力は、この流れを的確に捉えて実践できるため、早い解決に導きます。
3.コミュニケーション力が上がること
論理的思考力があればコミュニケーション力も上がります。
コミュニケーション力には「聴く力」と「伝える力」が必要ですが、論理的思考力はこのどちらも備えているからです。
論理的思考力がある人は、相手の話を論理的に整理して理解する「聴く力」があります。
さらに、物事を俯瞰して捉えることができるため、会話の中から相手の気持ちや立場、状況も正確に把握できるでしょう。
また、筋道立てたわかりやすい話ができる「伝える力」もあり、この2つの力によって高いコミュニケーション力を発揮するのです。
論理的思考力を鍛える3つのやり方
論理的思考力は、誰もが鍛えることで身につけることができます。
簡単にできる3つの方法を紹介しましょう。
1.具体的に話す
まずは、具体的に話すことを意識するようにしましょう。
普段の会話で抽象的な表現を使っていないか注意してみてください。
よく使われる抽象的な表現は、次の4つです。
- かなり
- もう少し
- 早めに
- できるだけ
どれも抽象度が高く、人によって捉える内容が異なります。
あと30分のつもりで「もう少し待って」と伝えても、5分と考える人、1時間と考える人など様々でしょう。
また、「今できることを一生懸命努力し、精一杯頑張ります」と伝えた場合、具体的にどう頑張って何を達成するのかがわかりません。
この場合は、誰がいつどこでどのような行動をして何を達成するのかまで具体化し、相手に映像としてイメージできるように話してみてください。
2.結論から述べる
話は結論から述べることを意識します。
論理的思考力についてよくわからない人は、結論から話すようにするだけでも違うでしょう。
結論から話すということは、一言でわかりやすく説明する必要があるため、簡単なことではありません。
結論を簡潔にまとめようとすることが、頭の中を整理する練習になるため、論理的思考力が自然に鍛えられていくでしょう。
3.結論についての根拠を明らかにする
結論を話したら、次はその根拠を明らかにします。
なぜその結論になったのかを深く掘り下げてください。
そして、根拠は複数考えましょう。
複数考える作業自体が、論理的思考力を鍛えることになるからです。
考えがまとまらない時は紙に書き、思考を可視化することでうまくまとまるようになります。
根拠をさらに掘り下げ、「なぜその根拠なのか?」を書き足していくのもおすすめです。
論理的思考力を鍛えられるおすすめの本4選
前述したような論理的思考力の鍛え方もありますが、ここでは論理的思考力を鍛える際におすすめの本を紹介します。
短時間から取り組めるのもや新入社員向けのもの、パズルゲーム形式のものなど様々な本を紹介しているので、自分に合いそうなものがあれば手にとってみてください。
3分間チャレンジ 小学生でもできる 論理的思考力ドリル
本書の特徴として、全ての問題の次ページに2つのヒントがついているため、答えに辿り着くための思考の仕方のサポートがある点です。
まずは自力で考え、答えに辿り着けそうにない時はヒントを見て思考を進めることができるため、「答えがわからないからすぐに答えを見る」という事がなく、できるだけ自分で考えることができます。
また、ゲーム感覚で論理的思考力を習得できるのも特徴の一つで、「面白い!楽しい!」という気持ちが脳をさらにレベルアップしてくれます。
5分で論理的思考力ドリル
本書は、5分で楽しく手軽に論理的思考力を身につけられるドリルになっています。
近年では、子どもだけでなく、大人のビジネスの場でも、自ら考え結論を導き出す力は必要不可欠な時代になっています。そんな中、楽しく手軽に学べる本書は魅力的です。
また、本書のデザインはデザイン界の巨匠、寄藤文平氏が行っており、遊び心のある柔らかな世界観で表現されているため、「論理的思考力」という一見堅苦しく難しい題材でありながら親しみやすく、楽しく学べるデザインになっています。
本書は、レパートリーも豊富で、「ちょっとやさしめ」や「ちょっとむずかしめ」も用意されているため自分のレベルに合わせて論理的思考力をつけていくことが可能です。
入社1年目から差がつく ロジカル・シンキング練習帳
本書は、とても分かりやすく論理的思考力(ロジカル・シンキング)について解説しており、入門書と言っても過言ではない本となっています。
考える際にすぐに使える20個の技術を詳しく解説していく中で、徐々に難易度の上がる問題を解いていく仕様になっているため、自然と論理的思考力が身につけることができるでしょう。
「思考がなかなか進まない」
「自分の伝えたい内容や相手が求めていることをうまく伝えられない」
「根拠のある数字を提示することが苦手」
などの悩みを抱えている人におすすめの本となっています。
論理的思考力を鍛えるための50のパズル
本書は、ビジネスパーソンに必要な論理的思考を鍛えるパズルが50個あり、パズルを解く中で論理力や判断力を自然に身につけることができます。
様々なシチュエーションでただ「考える」だけでなく「きちんと考える」ことができるようになるためには、論理的思考力は必要不可欠です。
本書では、解答に辿り着くための思考のプロセスについて詳しく丁寧に解説しているので、「きちんと考える」ことを理解しながら論理的思考力を習得できる本になっています。
最後に
論理的思考力は仕事の効率を高め、早い問題解決ができるスキルです。
身につければコミュニケーション力も高くなり、業務が円滑に進むでしょう。
社員が論理的思考力を身につけることで業績アップにもつながるため、ぜひ人材教育に取り入れてみてください。