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デザイン思考とは?他の思考方法との違いや効果、実施の手順を解説

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公開日: 2021.05.30
更新日: 2021.06.01

「デザイン思考」という言葉を目にすることがありますが、具体的にはどのような思考方法なのでしょうか。また、デザイン思考と比較して使用される言葉に「システム思考」や「アート思考」があります。

それぞれの違いやデザイン思考によって期待できる効果について見ていきましょう。

目次
目次

デザイン思考とはどんな考え方か

デザイン思考とは、デザイナーがデザインを考えるときに用いる思考法を指します。つまり、デザイナーの方々が日々実施しているプロセスをデザイン以外の分野に応用したものがデザイン思考です。

例えばデザイナーは依頼を受けたときに「どうすれば顧客の満足度を高められるか」をまず考え、前例や固定観念を取り除いた妥当な方法で顧客の期待に応えるデザインを生み出していきます。

クオリティの高いデザインを生み出すにはクリエイティブな才能も必要ですが、それ以上に、顧客の気持ちを分析し、気持ちに寄り添うアイデアを出すことが求められるでしょう。デザイン思考では、顧客ファーストの考え方をデザイン以外の分野でも活かします。

システム思考との違いとは

システム思考とは、物事を系統立てて考えることです。例えばハサミは物を切る道具ですが、システム思考を活かしてハサミの構造に注目すれば、物を挟んで固定することにも使えるということに気付くでしょう。

ハサミの「物を挟んで固定する」という機能を活用すれば、一人で縄を編むときなどにハサミを用いることができます。

このように固定観念にとらわれるのではなく、物事の機能や構造などを系統立てて分析し、新たな気付きを得るのがシステム思考です。一方、デザイン思考は物事の機能や構造ではなく「顧客の満足度」を起点として考えます。

出来上がったものに対して顧客の満足度が低いときは、何度も繰り返して提案することで顧客の理想に近づけていく考え方です。

アート思考との違い

デザイナーの考え方をベースとするデザイン思考とは異なり、アート思考はアーティスト(芸術家)の考え方を基にした思考法です。

アーティストは顧客(作品を観る人や購入する人)の依頼を受けてアートに反映させることもありますが、基本的には自分の考え方や感じ方を作品に反映します。アート思考も「自己の満足度・自己表現」を起点とするため、デザイン思考とは真逆の考え方と言えるでしょう。

デザイン思考で期待できる3つの効果

物を製作すると、物の機能や構造、工夫点にとらわれてしまい、「顧客が本当に満足しているのか」という点がおろそかになることがあります。デザイン思考を用いて顧客起点で考えることで、次の3つの効果を得られるようになるでしょう。

1.新しいニーズに気付ける

「顧客が何を求めているか」、そして「顧客が何を評価しているか」を分析することで、新たなニーズに気付けることがあります。

例えば、マチが広くて手提げの部分が長めの折り畳み式のカバンを開発したとしましょう。思ったよりも人気が出たため、さらにマチが広いものや生地が丈夫で厚いものなどを販売したところ、売上が大幅に減ったとします。

これは顧客が本当に求めているものを探っていなかったこと、つまりデザイン思考をおろそかにしたことが敗因だと考えられるでしょう。

顧客はカバンのデザイン性ではなく、「マチが広くて手提げ部分も長いのに、折り畳んで持ち運べること」に魅力を感じて購入していたのかもしれません。新しいニーズに気付くことができれば、例えばより生地を薄くして持ち運びやすいように改良すれば、さらに売上が上がる可能性があります。

デザイン思考を活用して、固定観念を取り払い、何が顧客に求められているのかを見抜く必要があるでしょう。

2.チームの結束力を強化できる

デザイン思考を実現するためには、顧客ニーズの分析を丁寧に行い、実際に試作品を作成して、何度も市場に受け入れられるのかテストしてみる必要があります。

もちろんこのすべての過程を一人で実施することは難しいため、チームで行動していくことになるでしょう。同じ目的で試行錯誤を繰り返すことで、チームの結束力は高まります。

3.思考法の習得で次回の問題解決が早くなる

デザイン思考を習得していないときは、ニーズの分析や試作品を使った市場調査などに手間取ることでしょう。しかし、デザイン思考をしっかりと身につければ、次回からは分析・調査がスムーズに実施でき、問題解決までの時間も短縮できるようになります。

デザイン思考の実施手順

デザイン思考はデザイナーから生まれた思考法ですが、特にクリエイティブな才能を必要としない考え方です。次の5つの手順に沿って実施するだけで完成しますので、ぜひ実践してみましょう。

1.ペルソナを設定しニーズを把握・共感する

まず対象となる人物(ペルソナ)を設定します。例えばお菓子を販売するときなら、どのような購買層を想定しているのかを明らかにしましょう。

中高生の女子をペルソナとするならば、女子中高生がお菓子に対してどのようなニーズを持っているのか考えていきます。通学途中で食べるのなら「手につきにくい」「カバンの中でつぶれにくい」「こぼれにくい」などのニーズが考えられるでしょう。

そして、探り当てたニーズに共感し、実際に自分自身が「手につきにくくてつぶれにくく、こぼれにくいお菓子が欲しい」と主観的に思考していきます。

2.隠れたニーズを発見し定義する

「手につきにくくてつぶれにくく、こぼれにくいお菓子」を求めているのがペルソナではなく、開発者自身(=自分)とするならば、隠れたニーズにも気付けるようになります。

「個包装にすると衛生的だが、ゴミが増えて困る」「一粒が小さすぎると、何度も食べなくてはいけないので手間がかかる」といった小さな事柄に気付くかもしれません。

隠れたニーズに気付くと、商品開発の要点にも「個包装以外」「一粒の大きさは小さすぎず大きすぎず」など新たなポイントが加えられていきます。

3.フレームワークを用いて問題解決を可視化

問題解決のために何を考えるべきかをチーム全体で共有するために、「フレームワーク」を用いることができます。

フレームワークとは枠組みのこと。フレームワークにおいては例えばメンバー各自が実施した事柄を「収集」と「確認」「変更」「検証」という風に枠を設けて区分けできるでしょう。

女子中高生の意見を収集したら「収集」の枠組みに記し、「個包装が良いか、まとめて袋に入れるのが良いか」についての調査を実施したら「確認」の部分に記すなどして、入手した情報がどの段階にあるのか一目で分かるように整理します。

4.試作品(プロトタイプ)を作成する

集めた情報を元に試作品(プロトタイプ)を作成します。実際に作ったお菓子を食べ、自分が女子中高生ならばどう思うかメンバー内で本音を話し合いましょう。

「少し小さい」「こぼれないのは良いが味が薄い」「こんなに量は要らないので、価格が安いほうが良い」などの声が集まるかもしれません。

声を反映させたプロトタイプを何度か作成して手直しを進め、より満足度の高い商品を完成していきましょう。

5.市場でテストする

試作品によって高い満足度を得られたら、実際に市場でペルソナを対象にテストをします。メンバー内とは異なる反応を得られた場合は、必要に応じて修正し、再テスト、再々テストを実施していきましょう。

最後に

デザイン思考は顧客起点の考え方です。顧客のニーズに合わせるため、売上に結び付きやすいというメリットもあります。記事も参考に、ぜひデザイン思考を身につけてください。きっと、顧客満足度を高められるはずです。