クリティカルシンキングとはどんな考え方?メリットや実践手順について

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クリティカルシンキング(critical thinking)とはどのような考え方を指しているのでしょうか。この記事ではクリティカルシンキングで何を批判するのか、批判することでどのようなメリットを得られるのか詳しく紹介します。また習得するための手順についても具体的に解説しますので、ぜひ実践してください。

目次
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クリティカルシンキングとは何?

クリティカルシンキングとは、批判的でありつつ論理的に考えることです。シンプルに言えば「情報を鵜呑みにせずに常に自分で真偽を判断する」ことを指します。

例えば、何かの事象を見たときや聞いたときに、「それは間違っているだろう」と批判的に決めつけるのではなく、「これは本当に正しいのだろうか」と真偽を一度疑ってから捉えることがクリティカルシンキングです。

ロジカルシンキングとの違い

ロジカルシンキング(logical thinking)とは論理的に考えることです。クリティカルシンキングのように「本当だろうか」といった疑いの視点を持つのではなく、かといって情報を鵜呑みにするのではなく、単に事実は事実として認識し、思考に飛躍がないように注意をして論理的に組み立てて考えていきます。

クリティカルシンキングはロジカルシンキングに批判的な視点を加えた考え方です。一方、ロジカルシンキングは物事を検証するというクリティカルシンキングの考え方も含まれています。捉え方が異なるため、ロジカルシンキングとクリティカルシンキングのどちらが優れているかを比較することはできません。

ビジネスや看護に活用される思考の鍛え方

クリティカルシンキングはビジネスにおいても広く使われる思考法です。クリティカルシンキングを徹底して習得することで、間違った情報や印象操作には左右されずに、物事の本質を理解しやすくなります。

また、看護領域においてもクリティカルシンキングは活用される思考法です。患者さんにどのような看護を提供するかは、患者さんの検査結果や主訴(「痛い」「眠れない」などの患者さんの主な訴え)、症状の客観的な評価などから決定していきます。しかし、情報を分析するうえで看護師や医師の「思い込み」があると、正しい看護計画を立てることができません。

クリティカルシンキングを用いて与えられた情報の真偽を検証しつつ、必要によっては自分自身でも情報を取得することで、患者さんにより良い看護を提供していくことができるでしょう。

クリティカルシンキングの3つのメリット

物事を検証するときや判断するときにクリティカルシンキングを用いることで、いくつかメリットを得られます。その中でも特筆すべきメリットについて見ていきましょう。

1.問題解決方法や本質が見えやすくなる

与えられた情報を鵜呑みにしてしまうと、問題の本質に気付きにくくなることがあります。情報提供者による思い込みが含まれている可能性や、情報そのものが間違っていることもあるでしょう。

しかし、常に情報を「これは本当に正しいだろうか」と批判的にみる習慣をつけておくならば、情報提供者による思い込みや情報の間違いに気付きやすくなります。

例えばお菓子メーカーで新発売のお菓子が予想以上の売上を得たとしましょう。「売上」という情報だけを鵜呑みにしてしまうと、「このお菓子は人気があるんだ」「味が良いのだろう」という短絡的な結論に結びついてしまうかもしれません。

そこでクリティカルシンキングを用いて「なぜ売上が良かったのか」と批判的に事実を分析することで、「宣伝に出演しているタレントの高感度の高さ」や「発売に合わせて小売店で安売りをした」などの事実が浮かび上がることもあります。

また、問題解決の方法もクリティカルシンキングによって見つかることがあるでしょう。例えば隣の家の犬がいつも鳴いていて、在宅勤務の邪魔になっているとします。「鳴いている」という現象にだけ注目すると解決方法は見えませんが、「なぜ鳴いているのか」と批判的に分析すれば、「家の中に入りたがっている」という事実にたどりつけるかもしれません。

2.漏れや重複に気付きやすくなる

クリティカルシンキングでは情報を検証することから始めるため、原因分析をする際に「漏れ」や「重複」があれば気付きやすくなります。漏れや重複に気付くと、情報の根拠となった事柄に矛盾や論理的な誤りがあることも見抜きやすくなるでしょう。

3.新たな視点が生まれ思考を深められる

情報を分析して検証する過程において、新たな視点が生まれることがあります。例えば先程の犬の例ならば、特に水曜日に犬の鳴き声が大きくなっているということに気付くかもしれません。水曜日は隣家の主人が家にいる日で、犬にとっては「家にいるなら遊んで!」という思いで鳴いているということに気付けるでしょう。

このようにクリティカルシンキングでは事象を一つひとつ分析し、それぞれに矛盾点がないか丁寧に調べていきます。情報を鵜呑みにしていて気付けなかった視点に気付けるようになり、分析の過程で思考を深めることにもつながるでしょう。

クリティカルシンキングの実践手順

クリティカルシンキングの思考法が身につくと、物事の本質をつかみやすくなり、問題解決方法や新たな気付きを得やすくなります。クリティカルシンキングを実践する4つの手順を紹介するので、ぜひ新たな考え方の習慣として習得してください。

1.目標・目的を明確に定める

単に情報を分析するだけでは、新たな気付きや問題解決につながらないことがあります。クリティカルシンキングを実践するためには、最初に目標や目的を明確に定めることが大切です。

先程の犬の例ならば、目標は「犬が鳴いている理由を知る」ということになります。目的は「犬があまり鳴かないようにしてほしい」と設定できるでしょう。

2.現状を調べる

目標や目的を明確にしたうえで、次は現状を詳しく調べていきます。

偏見や思い込みがないかチェック

現状を調べるときには一つひとつの事象において「偏見」や「思い込み」がないかチェックしていきましょう。犬が鳴いている理由を勝手に「お腹が空いているから」だと思い込んでしまうと、判断を誤ることがあります。

鳴いている理由を勝手に決めつけるのではなく、冷静に現状を調べることで、物事の本質や問題点を明らかにしていきましょう。

3.解決すべきポイントを決める

現状分析を丁寧に行うことで、目標・目的を到達するためには何が問題になっているのかが分かるようになってきています。

犬が水曜日に鳴いているという事実に気付くことで、「水曜日のお隣さんの行動を見返す必要がある」というポイントに気付けるようになるでしょう。

4.解決のための具体的方法を探す

解決すべきポイントが分かれば、もう一息です。問題解決のためにどのような方法を選択できるのか、具体的な方法を探していきましょう。

解決すべきポイントが「水曜日の行動」にあるということに気付いた時点で、「そういえば、水曜日はお隣さんの車がそのまま置いてあるなあ。会社の休みが水曜日なのかもしれない」と察することができるかもしれません。また、お隣さんに「水曜日は会社がお休みなんですか?」と直接尋ねることもできるでしょう。

水曜日に会社が休みであることを突き止めたら、あとは問題解決のための具体的方法を探します。「水曜日はできれば早い時間帯にお散歩に行ってもらう」「水曜日は家の中で犬が過ごせるようにする」などの方法を提案することで、水曜日の鳴き声問題が解決できるかもしれません。

最後に

クリティカルシンキングとは単に物事を批判的にみる考え方ではなく、物事を鵜呑みにしないで一つひとつ自分の目で検証していく考え方です。現状を分析して事実に気付くためにも、普段から「それは本当だろうか」と考える習慣を身につけていきましょう。

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