DAU(Daily Active Users)とは、特定のアプリやWEBサイトにおける、アクティブユーザー数の測定に用いられる指標の1つです。本記事ではアクティブ率の重要指標であるDAUについて、詳細やその他の指標との違い、アクティブ率の算出方法や便利な解析ツールなどもご紹介します。
DAUとは?
ユーザー分析において重要な指標の1つ
DAUとは、オンラインサービスやWEBサイトにおける「1日あたりのアクティブユーザー数」を図るための指標です。オンラインゲームや登録制のECサイトなどにおいて、1日に何人のユーザーが訪問し、実際にサービスを利用したかなどを記録します。
DAUを用いることで「登録したもののサービスを利用していない」休眠ユーザーを除いた、より正確なユーザー数の把握が可能です。ユーザーの質や実質数を見極める上で、DAUは欠かせない指標の1つと言えるでしょう。
DAUの活用方法
DAUを活用することで、アプリやゲームサービスの登録者数ではなく実際に利用しているアクティブユーザーの数が把握できます。そのため登録者数やダウンロード数といった表面的な数値に惑わされず、そのサービスの本当の人気度などを図ることが可能です。
またイベントやキャンペーンの開催、メルマガの配信など各施策ごとにDAU指数を確認することで「どういった打ち手が、どのくらい有効なのか」などを見極めることにも繋がります。結果的に各サービスに応じた、最適な施策を見つけることができるでしょう。
DAU以外の指標
DAUと同じように一定期間のアクティブユーザー数を図る指標として「MAU」と「WAU」があります。それぞれの内容を確認しましょう。
MAU
MAU(Monthly Active Users)はサイトやWEBサービスにおける、一ヶ月単位のアクティブユーザー数を図る指標です。月に数回程度の訪問を想定したWEBサービスやアプリでは、MAUを指標として扱うケースが多く見られます。
WAU
WAU(Weekly Active Users)はサイトやWEBサービスにおける、一週間単位のアクティブユーザー数を図る指標です。平日と土日のアクティブユーザー数を比較分析したいサービスなどは、WAUの指標を用いている場合がよくあります。
DAU率の算出法
DAU率とは、WEBサービスやアプリがどのくらいの頻度で利用されているかという「アクティブさ」を図る指標のことです。DAU率の算出には、DAUに加えてMAU(月間アクティブユーザー数)の指標も使用します。
<計算式>
DAU率
= DAU / MAU
仮にDAUが500、MAUが10000だった場合のDAU率は「500 / 10000」で5%ということになります。
ノイズに注意しよう
DAUを図る時は、指標に影響を及ぼすノイズの存在に注意しましょう。ノイズとは気まぐれにログインする断続的なユーザーや、サービス提供側の広告事情などがもたらす、ユーザーの一時的な増減のことです。
前者をホワイトノイズ、後者をスパイクノイズと言います。ダウ率を算出する際は、ノイズによる影響も加味して正確な分析を行わなければなりません。
サービスでユーザー数を向上させるコツ
とある調査によると、インストール時のアクティブ率を100%としたとき、3日後のアクティブ率は30%まで減少すると言われています。DAUの示すアクティブユーザー数を向上・維持させるには、どのような施策が効果的でしょうか。以下で見ていきましょう。初回時にユーザーへ働きかける
初回アクセス時にユーザーへ与える印象は、その後のサービス継続に大きな影響を与えます。操作性はわかりやすいか、チュートリアルが魅力的かなど「初めて利用するユーザーにとって、今後も使いたいサービスになっているか」を重視した働きかけが重要です。
また動作スピードの早さ・読み込み速度の快適さなども、ユーザーのアクティブ率に大きく関与します。魅力的なサービスも動作が重く操作性にストレスがあれば、残念ながらユーザー離れに繋がるためです。いかに初回時からユーザーの心をつかめるサービスを展開できるかが、その後のDAU率の推移を左右します。
プッシュ通知やメルマガで再訪を促す
登録時から時間をあけるにつれて、徐々にユーザーの起動率は低下していきます。利用者の再訪を促進するためには、定期的なプッシュ通知やメルマガの配信が必要です。この時ただやみくもに通知を送るのではなく、各ユーザーのパーソナリティに合わせた適切な連絡を入れることで、よりアクティブ率向上に大きな成果をもたらせるでしょう。
また通知によってユーザーの関心を集めるだけではなく、継続して利用したいと思えるような魅力的なコンテンツの配信や新機能のリリースにも注力したいところです。せっかくの再訪時に「また定期的に利用しよう」と思ってもらえる、サービスそのものの土台造りも怠らないようにしましょう。
DAUが分析できる便利なツール3選
無料から有料まで、DAU指標を閲覧できるツールには様々な種類があります。DAU の分析で利用したい、便利な3種類のツールについて確認していきましょう。
1.Googleアナリティクス
Googleが提供するアクセス解析ツール「Googleアナリティクス」は、WEBマーケターならまず触ったことがあるだろう定番の分析ツールです。Googleアナリティクスでは、紐付けたWEBサイトのアクティブユーザー数の閲覧が可能。DAUをはじめWAU、MAU(28日間のアクティブユーザー数)も確認できます。
基本的な機能であれば、Googleアカウントの作成で誰でも無料で利用可能。有料サービスに登録することで、より詳細な分析ができるようになります。
2.ptengine
アクセス解析とヒートマップの、両機能を兼ね備えるptengine。無料利用の場合月間3,000PV数まで計測が可能です。個人利用が目的でない限りは、計測可能PV数に制限のない有料版を使用するべきでしょう。操作性がわかりやすく、専門的な知識がなくても使いやすい仕様が魅力です。
3.SimilarWeb
競合サイトの調査ツールとして有名なSimilarWebも、アクセス解析に利用できます。アナリティクスやptengineのように、PVやユーザー数の把握に特化しているわけではありませんが、大まかな数値の測定には活用可能です。無料版と有料版があり、後者であれば最大37ヶ月前までのデータを自由に閲覧することができます。
最後に
DAUは、各メディアやWEBサイトにおける詳細なアクティブユーザー数を把握する上で、欠かすことの出来ない重要指標です。DAUをうまく活用することで、サービスの利用数を向上させるための、最適な打ち手を見極むことができます。
またDAUの測定時には解析を阻害するノイズの存在にも配慮した、正確な数値把握を行わなければなりません。本記事を参考にしながら、DAU指標を活かした最適なマーケティング施策を実施しましょう。