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会社理念とは?経営理念との違いや必要性、浸透させる方法を解説

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公開日: 2021.05.15
更新日: 2021.06.16

会社理念とは、会社の存在意義や在り方を示した言葉です。目標や活動方針を表す経営理念と異なり会社の根本的な考え方を示すもので、企業イメージの向上などに役立ちます。

この記事では、会社理念が必要な理由や作り方、社員に浸透させる方法について紹介しましょう。

目次
目次

会社理念とは?

ここでは、会社理念の意味を説明し、経営理念との違いやビジョンとの関係について紹介します。

会社の目的や存在意義を示すもの

会社理念とは、会社が存在している理由や目的を表した言葉です。人や社会に対してどのような価値を提供し、貢献するかを示しています。具体的には、次のような内容が明文化されたものです。

  • 何のために存在しているのか
  • どのような未来像を描いているか
  • どのような強みを持つか
  • 人や社会に対しどのように貢献するか

会社によって「企業理念」や「ミッション」という呼び方をされていますが、会社の目的や存在意義を表すという点では変わりありません。

経営理念との違い

会社理念と混同しやすい言葉に「経営理念」があります。会社の価値観や目的を表すという点で似ていますが、その意味は違うものです。

経営理念は経営を推し進めるうえでの目的や行動方針で、時間の経過とともに変わる可能性があります。一方、会社理念は不変の価値観や存在理由、会社の根本的な在り方を表すため、変わることがありません

ビジョンとの関係

会社理念はビジョンとも明確な違いがあります。会社の根本的な目的を表す会社理念は、具体的な目標であるビジョンの土台となるものです。ビジョンは会社理念に基づき一定の期間を設けて策定され、時代に合わせて変わります。

会社理念もビジョンも、掲げて認知されることで終わりというわけではありません。社員一人ひとりの「行動」にまで浸透させ、業務に反映させていくことが大切です。

会社理念の必要性4つ

今日、多くの会社が会社理念を掲げています。事業の運営にとって会社理念は、必要不可欠ともいえるでしょう。ここでは、会社理念が必要な理由を4つ紹介します。

1.社員に共通の価値観ができる

会社理念によって会社の存在理由を明らかにすることで、社員に共通の価値観や判断基準を与えます。仕事で行うべきことが明確になり、業務の優先順位もつけやすくなるでしょう。意思決定も早くなり、パフォーマンスが向上します。

社員が共通の価値観を持つことは、同じ目的を持つ仲間としての一体感も生み出すでしょう。協力体制が強くなって仕事の能率が上がり、生産性も向上します。

2.社員のモチベーションが高まる

会社理念の浸透により、仕事の目的は明確になります。目指す方向性が明らかになることで仕事へのモチベーションも高まるでしょう。その結果、社員の定着率も良くなります。積極的に仕事に取り組むことにより業績もアップし、会社の成長が促進されるのもメリットです。

3.会社のブランド力が上がる

社員全員に会社理念が浸透すると統一のとれた行動や言動をすることができ、顧客や取引先からの信頼が厚くなります。企業イメージが良くなり、会社のブランド力も上がるでしょう。イメージアップは売上の向上につながるだけでなく、優秀な人材が集まるというメリットもあります。

4.企業文化を形成できる

会社理念は企業文化の形成にも役立ちます。企業文化とは社員が共有する会社の価値観や信条、規範のことです。長い時間をかけ、実績などを積み上げる過程で培われます。

さらに企業文化は、社員にとって業務遂行の行動規範ともなるものです。会社理念を掲げて社員に浸透させることで、企業文化の形成がスムーズになるでしょう。

理想的な会社理念の条件3つ

会社理念が社員に共通する価値となり様々な効果を発揮するには、いくつかの条件があります。理想的な会社理念を作るための条件を紹介しましょう。

1.わかりやすくシンプルなこと

会社理念はただ作ればいいというものではなく、社員が理解し、行動に反映するまでに落とし込めるものでなければなりません。そのためには、わかりやすくシンプルであることが必要です。

会社の存在理由や根本目的、価値観を端的に表現し、一貫性のある内容にしましょう。企業理念の文言に矛盾がないだけでなく、経営理念など他の理念とも内容が一貫していることが大切です。

2.共感できること

会社理念は共感できる内容であることも重要です。会社の成長につながるような文言があれば社員のモチベーションが高まり、共感が得られるでしょう。社会貢献につながる内容が含まれていれば、顧客や取引先など対外的にも幅広く共感が得られます。

3.イメージしやすいこと

わかりにくい内容の会社理念はイメージしづらく、社員の行動にまで落とし込むことができません。短いフレーズのなかでどのような価値観や目的を持つのか、イメージしやすい内容であることが必要です

会社理念の作り方

会社理念は経営者が単独で作る、経営層が話し合って作る、社員も参加して作るといったパターンがあります。それぞれの方法について見ていきましょう。

経営層が作る

企業理念は会社の価値観や存在理由、目的であるため、創業者が会社を創業するに至った想いが反映されます。その意味では創業者である経営者が単独で作るのも理に適っているでしょう。

しかし、一人で作るのは客観的な意見を得られないため、独善的になりやすいのがデメリットです。社員や外部からの共感を得られるかどうかのチェックが必要になるでしょう。

独善的になるデメリットを避けるため、経営層が話し合って作る方法もあります。ただし、この場合も社員の考えが反映されない以上、共感が得られる経営理念が作れるとは限りません。

社員とともに作る

一番理想的なのは、社員とともに作る方法です。経営側の視点だけでなく現場の意見も踏まえ、様々な角度から作ることができます

社員の意見がしっかり反映されるためには、どのような意見も自由に言える社内環境も必要です。全社員が参加して作り上げた会社理念は共感が得られ、浸透しやすいものになるでしょう。

会社理念を浸透させる方法

十分考えて作られた会社理念でも、社員に浸透しなければ意味がありません。会社理念に関する調査では、「社員に浸透しているとあまり思わない」「浸透していない」という回答が合わせて半数を超えています。会社理念を浸透させるには、積極的な取り組みが必要といえるでしょう。

参考:HRプロ「企業理念浸透に関するアンケート調査

1.経営者から定期的に発信する

会社理念を浸透させるためには、経営者から社員に対し積極的に発信することが必要です。朝礼や全体会議など発信の機会を設け、定期的に発信するとよいでしょう。影響力が大きい経営者や経営層が旗振り役になることで、高い効果が期待できます。

さらに、経営層自ら会社理念に沿った行動を行い、規範となることも大切です。発信をするだけで会社理念に沿った行動をしていないのであれば、社員の共感も得られないでしょう。

2.社内報を活用する

そもそも会社理念に接する機会がなければ、社員に浸透させることはできません。まず会社理念の存在を周知させるための施策が必要。そのためには、社内報を活用するのもひとつの方法です。

社内報は定期的に発行されるため社員の目に触れることが多く、周知に役立ちます。「経営者のコラムとして会社理念の説明を掲載する」「理念に沿った行動をしている社員を紹介する」など、積極的に活用するとよいでしょう。他にも、「会社理念をまとめた冊子を作って配布する」「社内ポータルサイトに掲載する」などの方法があります。

3.人事評価に取り入れる

会社理念を知るだけでなく、それに沿った行動ができなければなりません。そのために有効なのが、人事評価の導入です。会社理念に基づき部署ごとに具体的な行動指針を決め、人事評価制度へつなげます。会社理念に基づいた行動を昇格や昇進の審査項目に追加すれば、社員の自主的な行動を促すことができるでしょう

4.研修に取り入れる

会社理念を研修プログラムに取り入れるという方法もあります。新人研修で会社理念を学ぶ機会を設ければ、新入社員は早い段階で会社の価値観を知ることができ、どのような働き方やが求められるかを理解しやすいでしょう。仕事へのモチベーションが上がり、会社の定着率も高くなります。

現場で会社理念に沿った行動ができるように指導するリーダーも必要です。業務の意思決定で判断に迷った場合、上司は会社理念に基づいた決定ができなければなりません。そのためには、リーダー育成研修などで会社理念を取り入れるとよいでしょう。

会社理念の事例

大手企業の多くでは様々な会社理念が掲げられ、社員の行動規範となっています。参考にしたい会社理念の事例を4つ紹介しましょう。

ANAグループ

国内最大手の航空会社ANAを中心とするANAグループは、次のような会社理念を掲げています。

「安心と信頼を基礎に、世界をつなぐ心の翼で夢にあふれる未来に貢献します」

引用:ANAグループ

ANAグループは創業から60年以上にわたり培ってきたブランド力や企業文化を基礎に、グループの相乗効果と総合力で成長を続けている会社です。 経済的・社会的価値を創出し、顧客や取引先などステークホルダーの期待に応えるという決意が会社理念に込められています。

また、人々を安全に運ぶことを使命とする事業であるため、「安心と信頼」を最優先に押し出しているのが特徴です。

Google

世界一の検索サービスを提供するGoogle社の会社理念は、次の通りです。

「Googleの使命は、世界中の情報を整理し、世界中の人がアクセスできて使えるようにすることです」

引用:Google

Googleは常にユーザーの利便性を第一に考えており、ユーザーに焦点を絞れば他のものはすべてあとからついてくるという信念を持ちます。さらに、世界にはまだまだ情報が溢れており、世界中のあらゆる情報を検索ユーザーに提供するために開発を続けるというスタンスです。Googleの会社理念には、そのような会社の想いが端的に表現されています

トヨタ自動車

日本の大手自動車メーカーであるトヨタが掲げる会社理念は、7つの項目で示されています。要約したものを紹介しましょう。

  1. オープンでフェアな企業活動を通じて国際社会から信頼される会社を目指す
  2. 各国、各地域の文化や慣習を尊重し、地域に根ざした企業活動を通じて社会に貢献する
  3. クリーンで安全な商品を提供し、住みよい地球と豊かな社会づくりに取り組む
  4. 様々な分野での最先端技術の研究と開発に努め、顧客のニーズに努める
  5. 労使間に信頼関係を築き、個人の創造力とチームワークを高める企業風土を作る
  6. グローバルで革新的な経営を行い、社会と調和して成長する
  7. 開かれた取引関係により研究と創造に努め、共存共栄を実現する

参考:トヨタ

トヨタは「企業を取り巻く環境が大きく変化しているときこそ、確固とした理念を持つことが重要」という認識に立ち、1992年に「基本理念」という名称で会社理念を策定しました。世界で活躍する企業らしく国際社会からの信頼を目指し、社会への貢献という決意が込められた会社理念になっています。

Amazon

世界各国でWeb通販サイトを運営するAmazonの会社理念は、次の通りです。

「地球上で最もお客様を大切にする企業になること」

引用:Amazon

Amazonは、まだ「インターネット専門の小売店」が成功するとは信じられていなかった1995年、webマーケットの限りない可能性を信じ、ゼロから事業を立ち上げました。世界最大の河川アマゾンから名づけられた社名の通り、あらゆるものが流通する場へと挑戦を続けてる会社です。

ネット専業の優位性を活かして幅広い商品やサービスを扱い、圧倒的なスピードで品揃えを拡張し続けています。その会社理念は、顧客第一主義を表現したシンプルな内容が特徴です。

最後に

会社理念は会社の価値観や存在理由など、根本的な在り方を示すものです。会社理念を社員に浸透させることで行動基準になり、モチベーションアップにつながるでしょう。さらに会社のブランド力向上など、様々なメリットが得られます。全社員に深く浸透させるには、経営側の積極的な努力も欠かせません。会社をアピールして社員の行動規範にもなる、理想的な会社理念をぜひ作ってみてください。