「電子契約書ツールを使えば印紙代がかからないって本当?」
「様々な電子契約書ツールがある中でどれを選べばいいかわからない」
と疑問をお持ちではないでしょうか。電子契約書はオンライン上で契約締結を行うことができ、これまでの紙の契約書で必要とされてきた印紙代がかからないだけでなく、迅速に契約締結できることから急速に広まっています。
そこで今回は電子契約書ツールの選び方やおすすめのツールを30個紹介します。この記事を読んで、自社に最適な電子契約書ツールを選びましょう。
電子契約書とは
電子契約書とは、従来の紙の契約書に代わり、オンラインで契約をやり取りするサービスのことです。従来の契約の取り交わしでは記名押印の形が一般的でしたが、暗号技術の発展により電子契約書が法的に認められるようになりました。
テレワークの影響やビジネスの場で浸透してきたこともあり、急速にサービスが広がっています。
そこで、今回は数ある電子契約書ツールの中からどれを選べばよいか、どのようなサービスがあるかピックアップしました。予算や要件に応じて、自社に合ったツールを見つけられるよう、ご紹介します。
電子契約書ツールの選び方
まず押さえたいのは電子契約書ツールの選び方です。今や電子契約書ツールは数多くあり、どれもが似たようなサービスに見えてしまいますが、機能がツール毎に異なります。
電子契約書ツールを選ぶ際は、以下の10のポイントに注目しましょう。
- 料金
- 初期費用
- 無料トライアル
- 最低契約期間
- 対象従業員規模
- テンプレートの有無
- 閲覧権限設定
- アラート機能
- 他社サービスとの連携
- タイムスタンプの有無
要件が定まっていない場合も、まずはチェックしてみてください。
(1)料金
1つ目の観点は料金です。社内で導入を検討する際には予算内で進めることが求められるので、想定の料金が予算の範囲内か最初に押さえるようにしましょう。
電子契約書ツールはユーザー数や利用量につき課金されるケースが多いため、自社内で利用する数がどれぐらいになるか押さえておくとスムーズです。
(2)初期費用
2つ目の観点は初期費用です。ユーザー数が多くなるほど、ツールの導入費用として初期費用がかかるようになるのが一般的です。
逆に、ユーザー数が少ない場合は初期費用自体はかからず、ユーザーごとの料金で済む場合があるため、トータルのコストは安く済みます。自社の利用のケースに応じて初期費用がかかるかどうか合わせて押さえましょう。
(3)無料トライアル
3つ目の観点は無料トライアルがあるかどうかです。現在の契約の取り交わしが紙の契約書で運用されている場合、新たに電子契約書ツールを導入すると社内で慣れるまでに時間がかかることが想定されます。
そこで、無料トライアル期間があれば、現行の紙運用がそのまま電子契約書に置き換えることができるのか、現行の業務課題は解決されそうか、実際にツールを触ってみて判断することができます。
(4)最低契約期間
4つ目の観点は最低契約期間があるかどうかです。企業間の契約では最低契約期間が設けられるケースがあります。最低契約期間がある場合、その契約期間中は解約したくてもコストが発生することになりますので、料金や初期費用に影響を及ぼします。
サービス自体に最低契約期間があるかどうか、またその期間は交渉可能かどうかチェックしましょう。
(5)対象従業員規模
5つ目の観点は対象従業員規模です。多数の従業員が利用する場合には、上長の承認やワークフローといった組織ならではの必要となる機能が求められます。
利用を検討しているツールの対象従業員規模が大きい場合には、上記の観点を踏まえてツールが開発されているケースが多いため、運用もそこまで煩雑にならないと想定されます。
(6)テンプレートの有無
6つ目の観点はテンプレートの有無です。法務担当者がいない場合は、社内に契約書のひな型が無いケースもありますが、Webで見つかる契約書のひな型は正当性が担保されているかどうかわからないこともあります。
そこで、電子契約書ツールによく利用されるテンプレートがあれば、安心して契約を取り交わすことができます。
(7)閲覧権限設定
7つ目の観点は閲覧権限設定があるかどうかです。取引金額が大きくなったり、秘密保持が求められる契約の取り交わしでは、閲覧できる社員をプロジェクト関係者に限定するなど、ユーザーごとに閲覧可能・不可能を切り替える必要があります。
閲覧権限設定があれば、スムーズに出し分けを切り替えることができるので、そのような要件があれば閲覧権限設定の有無についても押さえるようにしましょう。
(8)アラート機能
8つ目の観点はアラート機能です。契約の取り交わしでは各条文の確認で時間を要することが多く、チェックする契約書が多くなればなるほど埋もれてしまう可能性もあります。
ですが、アラート機能があればまだ契約が終わっていない契約書についても埋もれることなく教えてくれるので、抜け漏れを防ぐことができます。
(9)他社サービスとの連携
9つ目の観点は他社サービスとの連携が可能かどうかです。契約書は業務委託や受注など仕事の始めに取り交わされることがほとんどで、契約の取り交わしを皮切りにその後の業務が開始されます。
他社サービスとの連携ができれば、例えば見積書作成から契約取り交わし・伝票への記載を一元的に管理することができ、営業データや経理データを横断して業務を管理することができます。
(10)タイムスタンプの有無
10個目の観点はタイムスタンプの有無です。契約においてはいつ署名がなされたのか、いつ承認されたかなど時間が重要視されます。
タイムスタンプ機能があればいつどのような行動がとられたのか後から追跡できるので、万が一訴訟に発展した際にも安心して証拠材料をそろえることができます。安全に取引を続けるためにも、タイムスタンプがあるかどうか押さえるようにしましょう。
おすすめ電子契約書ツール30選
続いておすすめの電子契約書ツールを30件ご紹介します。電子契約書ツールは数多くありますが、先ほどの選び方で見てみると微妙にその特徴が異なります。
数多くある中から自社に合ったツールを選ぶため、比較軸に注目しながら読み進めてくださいね。
ドキュサイン【ドキュサイン・ジャパン株式会社】
ドキュサイン・ジャパン株式会社のドキュサインは、国内のみならずグローバルに利用されているサービスです。43言語で署名でき、13言語で送信可能。
業務管理システムとも連携が可能なので、法務部門を超えて様々な部門との業務連携もスムーズに実装することができます。
- 料金
- Personal: 1,635 Standard: 4,360 Business Pro: 6,540 ※3月時点
- 初期費用
- 無料
- 無料トライアル
- 〇(期間は要問い合わせ)
- 最低契約期間
- 要問い合わせ
- 対象従業員規模
- 全てに対応
- テンプレートの有無
- ○
- 閲覧権限設定
- ○
- アラート機能
- ○
- 他社サービスとの連携
- ○: Salesforce、Workday、SAP等の業務管理システムと連携
- タイムスタンプの有無
- ○
Adobe Sign【アドビ システムズ 株式会社】
アドビシステムズ株式会社のAdobe Signは、これまで80億件以上の取引実績があり、そのどれもが法的拘束力があるものとして安全に取引を進めることができます。
PDFの作成・編集から契約締結に至るまで1つのツールで完結するのも大きなメリットです。
- 料金
- Adobe Acrobat Pro DC(電子サイン機能付き): 2,948 Adobe Sign小規模企業版: 4,270 ※全て税込
- 初期費用
- 無料
- 無料トライアル
- ○: 7日間
- 最低契約期間
- ×
- 対象従業員規模
- 全てに対応
- テンプレートの有無
- 要問い合わせ
- 閲覧権限設定
- ○
- アラート機能
- ○
- 他社サービスとの連携
- ○: MicrosoftやSalesforce等と連携可能
- タイムスタンプの有無
- ○
NINJA SIGN【株式会社サイトビジット】
株式会社サイトビジットのNINJA SIGNは、テンプレート登録機能が用意されており、NDAや業務委託など用途に応じたテンプレートを登録することができ、効率的に契約業務を進めることが可能です。
また、月々の料金がかからないFreeプランでも基本的な契約取り交わしを行うことができるので、スモールスタートしたいという場合にもおすすめです。
- 料金
- Free: 無料 Light: 4,980 Light Plus: 19,800 Pro: 50,000 Pro Plus: 120,000 ※全て税抜
- 初期費用
- 無料
- 無料トライアル
- ○
- 最低契約期間
- 要問い合わせ
- 対象従業員規模
- 全てに対応
- テンプレートの有無
- ○
- 閲覧権限設定
- ○
- アラート機能
- ○
- 他社サービスとの連携
- ○: API開発が必要
- タイムスタンプの有無
- ○
リーテックスデジタル契約【リーテックス株式会社】
リーテックス株式会社のリーテックスデジタル契約は、第三者のなりすまし防止機能や厳重な本人確認登録を行っており、セキュリティーの堅牢さには定評があります。
電子契約書の中でもセキュリティーをより重視したいときに検討したいサービスです。
- 料金
- エントリー: 無料/月 スタンダード: 1万 スタンダードPlus: 3万 プレミアム: 10万 エンタープライズ: 別途見積 ※全て税抜
- 初期費用
- 無料
- 無料トライアル
- ○
- 最低契約期間
- 要問い合わせ
- 対象従業員規模
- 全てに対応
- テンプレートの有無
- 要問い合わせ
- 閲覧権限設定
- ○
- アラート機能
- ○
- 他社サービスとの連携
- 要問い合わせ
- タイムスタンプの有無
- ○
BtoBプラットフォーム 契約書【株式会社インフォマート】
株式会社インフォマートのBtoBプラットフォーム契約書は、最大5社間の電子契約締結ができ、複数社にまたがる契約の際もスムーズに取り交わすことができます。
50万社以上の導入実績もあるため、取引先の印象を気にする場合も安心して導入できるのも特徴です。
- 料金
- フリープラン: 無料 シルバープラン: 10,000 ゴールドプラン: 30,000 ※全て税抜
- 初期費用
- 無料
- 無料トライアル
- ○
- 最低契約期間
- 要問い合わせ
- 対象従業員規模
- 全てに対応
- テンプレートの有無
- ×
- 閲覧権限設定
- ○
- アラート機能
- ○
- 他社サービスとの連携
- ○:API開発が必要、別途費用発生。
- タイムスタンプの有無
- ○
クラウドサイン【弁護士ドットコム株式会社】
弁護士ドットコム株式会社のクラウドサインは、日本の法律に特化した弁護士監修の電子契約書ツールであり、業界内の草分け的な存在です。
無料お試しでも十分な機能を使うことができるので、社内運用で慣れてから取引先戸の契約にも使うといったケースでも活用できます。
- 料金
- Standard: 10,000 Standard Plus: 20,000 Business: 100,000 ※全て税抜
- 初期費用
- 無料
- 無料トライアル
- ○
- 最低契約期間
- ×
- 対象従業員規模
- 全てに対応
- テンプレートの有無
- ○
- 閲覧権限設定
- ○
- アラート機能
- ○
- 他社サービスとの連携
- ○: Web API
- タイムスタンプの有無
- ○
WAN-Sign【株式会社ワンビシアーカイブズ】
株式会社ワンビシアーカイブズのWAN-Signは、電子契約のみならず書面契約も登録・一元管理することができます。取引先が求める契約のレベルに応じて柔軟に利用することが可能。
また、電子契約も気軽なメール認証と電子証明書を利用した厳格な契約形式を選べるので、様々なケースの締結にも対応可能です。
- 料金
- 【実印版】締結料: 300 【認印版】送信料: 100 文書電子データ管理料: 10,000 ※全て税抜
- 初期費用
- 実印版利用の場合、8,000
- 無料トライアル
- ○
- 最低契約期間
- 要問い合わせ
- 対象従業員規模
- 全てに対応
- テンプレートの有無
- 要問い合わせ
- 閲覧権限設定
- ○
- アラート機能
- 要問い合わせ
- 他社サービスとの連携
- ○: 別途見積
- タイムスタンプの有無
- ○
LegalForce【株式会社LegalForce】
株式会社LegalForceのLegalForceは、契約書に潜むリスクをAIが即座に洗い出し、取引先から受領した契約書のリスクを素早く把握することができます。
また、契約書のひな型も常に最新の事例が搭載されているので、契約書のひな型が自社に無い場合も安心です。
- 料金
- 要問い合わせ: 利用人数や業務内容で変動
- 初期費用
- 要問い合わせ: 利用人数や業務内容で変動
- 無料トライアル
- 要問い合わせ: 利用人数や業務内容で変動
- 最低契約期間
- 要問い合わせ
- 対象従業員規模
- 全てに対応
- テンプレートの有無
- ○
- 閲覧権限設定
- 要問い合わせ
- アラート機能
- 要問い合わせ
- 他社サービスとの連携
- ○
- タイムスタンプの有無
- 要問い合わせ
かんたん電子契約 for クラウド【セイコーソリューションズ株式会社】
セイコーソリューションズ株式会社のかんたん電子契約 for クラウドは、複数の契約当事者間の契約締結に強みを持ち、最大30名までの電子署名ができます。
取引の契約のみならず、取締役会議事録など、多人数の承認を必要とするケースでも利用できます。
- 料金
- 無料トライアル版:無料 スタンダード版: 10,000 ※税抜
- 初期費用
- アカウント発行費: 500
- 無料トライアル
- ○
- 最低契約期間
- ×
- 対象従業員規模
- 全てに対応
- テンプレートの有無
- ×
- 閲覧権限設定
- ○
- アラート機能
- 要問い合わせ
- 他社サービスとの連携
- ○
- タイムスタンプの有無
- ○
paperlogic【ペーパーロジック株式会社】
ペーパーロジック株式会社のpeperlogicは、電子契約書ツールとしてのサービスのみならず、バックオフィスのDXコンサルティングもサービスとして提供しています。
バックオフィス業務の改善を目指したいと考える方にとっておすすめです。
- 料金
- 月25契約まで: 20,000 月50契約まで: 35,000 月75契約まで: 50,000 月100契約まで: 65,000 ※全て税抜
- 初期費用
- 無料
- 無料トライアル
- ×
- 最低契約期間
- 要問い合わせ
- 対象従業員規模
- 全てに対応
- テンプレートの有無
- ×
- 閲覧権限設定
- 要問い合わせ
- アラート機能
- 要問い合わせ
- 他社サービスとの連携
- ×
- タイムスタンプの有無
- ○
GMOサイン【GMOグローバルサイン・ホールディングス株式会社】
GMOグローバルサイン・ホールディングス株式会社のGMOサインは、様々なオンラインサービスを提供するGMOインターネットグループに所属する会社で、契約にかかるワークフローをそのまま電子化することを目指して作られたツールです。
バックオフィス業務全体の効率化が期待できるので、ぜひご覧ください。
- 料金
- お試しフリープラン: 無料 契約印&実印プラン: 9,680 ※税抜
- 初期費用
- セキュリティー・内部統制パック: 55,000 本人確認パック: 110,000 ※オプション利用時
- 無料トライアル
- ○
- 最低契約期間
- ×
- 対象従業員規模
- 全てに対応
- テンプレートの有無
- ○
- 閲覧権限設定
- ○
- アラート機能
- ○
- 他社サービスとの連携
- ○: API開発が必要
- タイムスタンプの有無
- ○
hubble【株式会社Hubble】
株式会社Hubbleのhubbleは、Microsoft Wordさえあれば直感的に使いやすいUIを取り入れており、導入後の運用もスムーズに進むことが期待できます。
導入後すぐに法務部や営業部全体でストレスなく使いたいと考える方におすすめです。
- 料金
- Free Plan: 無料 Team Plan: 80,000 Professional Plan: 150,000 ※全て税抜
- 初期費用
- 無料
- 無料トライアル
- ○
- 最低契約期間
- ×
- 対象従業員規模
- 大企業~中小企業
- テンプレートの有無
- ×
- 閲覧権限設定
- ○
- アラート機能
- ○
- 他社サービスとの連携
- ○
- タイムスタンプの有無
- ○
CECTRUST-Light【株式会社コンストラクション・イーシー・ドットコム】
株式会社コンストラクション・イーシー・ドットコムのCECTRUST-Lightは、2002年からサービス提供を開始しており、電子契約書ツールの中では歴史のあるツールと言えます。
安定運用約20年で、導入実績は4,000社にのぼります。
契約書の締結のみならず見積書、納品書、検収書など案件にかかわる文書を全て原本として管理できるサービスのため、ぜひ一度ホームページを見てくださいね。
- 料金
- 要問い合わせ
- 初期費用
- 要問い合わせ
- 無料トライアル
- 要問い合わせ
- 最低契約期間
- 要問い合わせ
- 対象従業員規模
- 大企業向け
- テンプレートの有無
- ×
- 閲覧権限設定
- ○
- アラート機能
- ○
- 他社サービスとの連携
- 要問い合わせ
- タイムスタンプの有無
- ○
Zoho Sign【ゾーホージャパン株式会社】
ゾーホージャパン株式会社のZoho Signは、様々な外部ツールに対してREST APIを用いて簡単に操作することができ、社内のシステム連携を検討している企業にとって見逃せないツール。
また、豊富な機能にかかわらずユーザーあたりの月額料金が比較的安いのも着目するべきポイントです。
- 料金
- スタンダード: 1,440 プロフェッショナル: 2,160 エンタープライズ: 2,880
- 初期費用
- 無料
- 無料トライアル
- ○
- 最低契約期間
- ×
- 対象従業員規模
- 全てに対応
- テンプレートの有無
- ○
- 閲覧権限設定
- ○
- アラート機能
- ○
- 他社サービスとの連携
- ○: API開発が必要
- タイムスタンプの有無
- ○
最後に
ここまで電子契約書ツールの選び方やおすすめ電子契約書を30個紹介しました。印紙代がかからない契約ツールとして注目を浴びた分、現在は数多くの電子契約書ツールが存在します。
数多くのツールから選ぶためには、社内の要件を洗い出したうえで、自社に合ったツールを選ぶようにしましょう。