「リモートアクセスサービスを導入したいが、基準がよく分からず自社に合うサービスが見つからない」
「セキュリティ面が不安で、在宅ワーク環境を作ることに踏み切れない」
感染症対策や働き方改革の一環でテレワークの推進が行われていますが、セキュリティや環境変化での効率低下を理由に踏み切れない方も多いでしょう。
しかしリモートアクセスサービスを利用すれば、会社PCを遠隔操作する感覚で作業ができます。
今回はおすすめのリモートアクセスサービスを15個選定し、選び方も解説。この記事を読めば、作業効率を下げず安全にリモートワークを導入できるサービスが見つかります。
リモートアクセスサービスとは
リモートアクセスサービスとは、会社のPCを遠隔操作して環境を変えずに作業できる様にするサービスです。自宅やカフェなどでノートPCを用いると、作業環境が違うので効率が低下しがちですよね。
しかしリモートアクセスサービスを使えば、会社デスクトップやアプリケーションをそのまま操作できます。セキュリティ対策も施されているため、特別なセキュリティ施策を別途行う必要もありません。
リモートアクセスサービスを導入することで、現場に負担をかけることなくテレワーク推進が可能です。
リモートアクセスサービスの10個の選び方
リモートアクセスサービスを選ぶ時に注目すべき10個のポイントを紹介します。
機能面やコストを自社の要望と照らし合わせることで、適切なサービスを選ぶことができるでしょう。
- 初期費用
- 料金
- 無料トライアル
- 対応OS
- 導入形態
- 接続方法
- セキュリティ
- 対象従業員規模
- 社外端末データの自動削除機能
- 他アプリとの連携
それでは1つずつ解説していきます。
(1)初期費用
リモートアクセスサービスを選ぶ時は初期費用を確認しましょう。クラウド形式のサービスは初期費用が無料、または安価なものが多いですが、ハードウェアを設置する場合は工事費用や環境構築に費用がかかります。
どの程度の予算感かを事前に決めておき、予算に合う物を選びましょう。
(2)料金
リモートアクセスサービスを選ぶ時は料金を確認しましょう。”定額制”、または”従量課金制”のサービスが一般的です。
従業員規模が大きくリモートアクセスの頻度が高い場合は定額制を、リモートワークは限定的である場合は従量課金制の方が安価で済むことがあります。自社のテレワークの回数や従業員数に応じて、料金形態を確認しましょう。
(3)無料トライアル
リモートアクセスサービスを選ぶ時は、無料トライアルの有無を確認しましょう。社外から利用する際に使用方法が煩雑だと、アクセスするのに一苦労という事象が起こり得ます。
そのため事前に現場で一度トライアルを使ってみて、作業効率に影響がないか、操作性を確認する必要があるでしょう。
(4)対応OS
リモートアクセスサービスを選定する際は、対応OSもチェックしてください。自社のOSに適合していないサービスを選ぶと、正常に動作せずに無駄なお金を払うことになってしまうからです。
リモートアクセスサービスのHPにて動作環境を確認するか、担当者に自社OSを伝えて確認してもらいましょう。
(5)導入形態
リモートアクセスサービスを選ぶ時は導入携帯も重要です。ハードウェアを設置するオンプレミス、または導入が容易なクラウド形式が一般的です。オンプレミスは導入費用が高めですが、自社でのカスタムが容易。
反対にクラウドは導入ハードルが非常に低くて安価ですが、カスタマイズ性は低くなります。
(6)接続方法
リモートアクセスサービスを選ぶ時は接続方法も確認してください。接続方法は主に4つ、”VPN方式”、”画面転送方式”、”セキュアブラウザ方式”、”API方式”があります。
”VPN方式”は既存のルーターを活かしてリモート接続を可能にする方法で、設定が簡単です。”画面転送方式”は、ネットワーク構築の手間がなくオフィス環境と全く同じ画面を利用して作業ができる方法。
”セキュアブラウザ方式”は、スマホやタブレットからの接続に適した方式です。”API方式”とは、クラウドサーバに提供されるアプリへアクセス、業務を行う形式のこと。
社内外に関わらずスムーズに業務遂行が可能です。それぞれのメリットを踏まえて、接続方式もチェックしましょう。
(7)セキュリティ
リモートアクセスサービスを選ぶ際はセキュリティの内容をも確認しましょう。社外で顧客データや機密情報を扱うことにはリスクがあるため、セキュリティ対策は必須。
会社ごとにセキュリティの方式が異なります。例えばログインの際に2段階認証を行う、ワンタイムパスワードの発行があるなどリスクが低く運用できるリモートアクセスサービスを選んでください。
(8)対象従業員規模
リモートアクセスサービスを選ぶ時は対象従業員規模を確認しておきましょう。従業員が1,000名以上だと別途料金がかかる、またはアクセスが重くなるなどの不具合がでる場合があります。
適正な従業員数の目安を担当者に聞き、規模感があっているサービスを選んでください。
(9)社外端末データの自動削除機能
リモートアクセスサービスを選ぶ際は、社外端末データの自動削除機能を確認しておきましょう。ノートPCやタブレットなどの紛失時のリスクを下げるためです。
端末から自動でデータが削除されれば、万が一端末を無くしてしまっても情報漏洩することがなくなります。意識的に削除を行うのは人為的ミスを誘発する可能性があるため、自動削除機能があると安心です。
(10)他アプリとの連携
リモートアクセスサービスを選ぶ時は他アプリとの連携も確認しましょう。API連携を自社に導入している場合、リモートアクセスサービスを経由するとアプリが利用できないこともあります。
自社導入ツールを把握しておき、見積もりや相談の際に連携可能かどうかを確かめておきましょう。
おすすめのリモートアクセスサービス15選
おすすめのリモートアクセスサービスを15個ご紹介します。先程の選定ポイントを元にして選んでいますので、自社の目的や予算と適合する物を探しやすくなるでしょう。
magicconnect【NTTテクノクロス株式会社】
magicconnectは、ソフトウェアを ダウンロードするだけで使用できるリモートアクセスサービスです。別端末で使用したい場合はUSBにソフトウェアをダウンロードすれば、どこでも作業が可能になります。多要素認証やファイル転送禁止機能がついていて、外部に情報漏洩しないような設計です。
- 初期費用
- USB端末:10,000〜 端末認証型:10,000〜 モバイル:5,000〜
- 料金
- USB端末:18,000 端末認証型:18,000 モバイル:12,000
- 無料トライアル
- ◯
- 対応OS
- Windows/Mac/iOS/Android
- 導入形態
- ソフトウェア
- 接続方法
- Windows/Mac/iOS/Android
- セキュリティ
- 多要素認証 ファイル転送禁止方式
- 対象従業員規模
- 制限なし
- 社外端末のデータ自動削除機能
- ◯
- 他アプリとの連携
- 要問い合わせ
CACHATTO【e-Janネットワークス株式会社】
CACHATTはその名の通り、社内に機器を接続するだけで簡単に利用できるリモートアクセスサービスです。クラウド型とオンプレミス型が選べるので、自社のニーズに合わせて解体を選べます。社外端末の自動削除機能搭載で安心してリモートワークを導入できます。
- 初期費用
- 要問い合わせ
- 料金
- 要問い合わせ
- 無料トライアル
- ◯
- 対応OS
- Windows/Mac/iOS/Android
- 導入形態
- クラウド/オンプレミス
- 接続方法
- 要問い合わせ
- セキュリティ
- 生体認証 端末認証
- 対象従業員規模
- 制限なし
- 社外端末のデータ自動削除機能
- ◯
- 他アプリとの連携
- ◯ ・Microsoft 365 ・Salesforce
Citrix Workspace【Citrix Systems Inc.】
Citrix Workspaceは、世界的なIT企業Citrix社の提供するリモートアクセスサービスで、全世界で40万社以上の実績があります。ネット上に仮想ワークスペースを構築するため、安全性が高く導入が非常に簡単です。また従来の企業アプリとの連携も可能なので、作業効率にも影響しません。
- 初期費用
- 要問い合わせ
- 料金
- 要問い合わせ
- 無料トライアル
- ◯
- 対応OS
- Windows/Mac/iOS/Android
- 導入形態
- クラウド
- 接続方法
- API方式
- セキュリティ
- シングルサインイン
- 対象従業員規模
- 制限なし
- 社外端末のデータ自動削除機能
- ◯
- 他アプリとの連携
- ◯ ・Microsoft 365
ISL Online【株式会社オーシャンブリッジ】
ISL Onlineは日本では2,000社以上の導入実績があるリモートアクセスサービスです。オンプレミスとクラウドを選べ、ライセンスを購入すればWeb会議やワンタイム接続など様々な機能を利用できます。接続数単位でのライセンス購入が可能なため、コストをなるべく抑えることができるでしょう。
- 初期費用
- 要問い合わせ
- 料金
- ISL Online プリペイドクーポン(500分):50,000 ISL Online パブリッククラウド 基本 1年契約:150,000
- 無料トライアル
- ◯
- 対応OS
- Windows/Mac/iOS/Android
- 導入形態
- クラウド/オンプレミス
- 接続方法
- 要問い合わせ
- セキュリティ
- 2段階認証 通信暗号化 独自プロコトルによるハッキング防止
- 対象従業員規模
- 制限なし
- 社外端末のデータ自動削除機能
- ×
- 他アプリとの連携
- ×
OneOffice スマートコネクト【株式会社TOKAIコミュニケーションズ】
OneOffice スマートコネクトは、完全従量課金制のリモートアクセスサービスです。小規模企業やテレワークのテスト段階の企業におすすめ。モバイル端末上にデータを残さない仕様なので、社外での作業時も安心です。万が一端末を紛失した際の情報漏洩リスクを下げられます。
- 初期費用
- 3000
- 料金
- 100〜
- 無料トライアル
- 要問い合わせ
- 対応OS
- Windows/Mac/iOS/Android
- 導入形態
- ソフトウェア
- 接続方法
- 画面転送方式
- セキュリティ
- 多段階認証 通信暗号化
- 対象従業員規模
- 制限なし
- 社外端末のデータ自動削除機能
- ◯
- 他アプリとの連携
- ◯
IIJ GIOリモートアクセスサービス/タイプA【株式会社インターネットイニシアティブ】
IJ GIOリモートアクセスサービス/タイプAは、クラウド型のリモートアクセスサービスです。多段階認証を用いた通信環境で、セキュリティ面も堅固です。また時間帯や曜日によって通信制御をかけるなど、カスタマイズ性の高い管理ができます。
- 初期費用
- ※100セッション・300ユーザーの場合 210,000~
- 料金
- ※100セッション・300ユーザーの場合 82,800〜
- 無料トライアル
- 要問い合わせ
- 対応OS
- Windows/Mac/iOS/Android
- 導入形態
- クラウド
- 接続方法
- 要問い合わせ
- セキュリティ
- 2段階認証 通信暗号化 独自プロコトルによるハッキング防止
- 対象従業員規模
- 制限なし
- 社外端末のデータ自動削除機能
- ◯
- 他アプリとの連携
- ×
RemoteView【RSUPPORT 株式会社】
RemoteViewは日本国内で30万社以上が導入しているリモートアクセスサービスです。ユーザーと端末を個別で管理するため、効率的かつ安全なリモート環境を設定できます。また通信の暗号化を用いているため、万が一のハッキングリスクにも備えることができるでしょう。
- 初期費用
- 要問い合わせ
- 料金
- Standard:1,100(月) Enterprise:12,000(年) RemotWOL:36,000(年/1台)
- 無料トライアル
- ◯
- 対応OS
- Windows/Mac/iOS/Android
- 導入形態
- クラウド
- 接続方法
- VPN方式
- セキュリティ
- 2段階認証 通信暗号化 ログ管理
- 対象従業員規模
- 制限なし
- 社外端末のデータ自動削除機能
- ◯
- 他アプリとの連携
- 要問い合わせ
moconavi【株式会社レコモット】
moconaviは、モバイルアプリケーション管理市場で数年連続No.1を獲得しているリモートアクセスサービスです。Microsoft Office365やストレージ、クラウドサービスとの連携が可能なので自社既存業務にスムーズに応用できます。ブラウジングの際の履歴が一切残らないため、個人情報や社内機密漏洩対策も可能です。
- 初期費用
- 要問い合わせ
- 料金
- 要問い合わせ
- 無料トライアル
- ◯
- 対応OS
- Windows/Mac/iOS/Android
- 導入形態
- クラウド/オンプレミス
- 接続方法
- セキュアブラウザ
- セキュリティ
- シングルサインオン 通信暗号化
- 対象従業員規模
- 制限なし
- 社外端末のデータ自動削除機能
- ×
- 他アプリとの連携
- ◯ ・Microsoft 365 ・sansan ・Box
splashtop【スプラッシュトップ株式会社】
splashtopはPCにソフトウェアをインストールするだけで手軽に利用できるリモートアクセスサービスです。UIがシンプルで分かりやすく、操作が簡単なのも魅了。ネット通信は暗号化されており、アクセスログのモニタリングも可能なため外部だけでなく内部への情報漏洩対策ができるでしょう。
- 初期費用
- 要問い合わせ
- 料金
- 要問い合わせ
- 無料トライアル
- 要問い合わせ
- 対応OS
- Windows/Mac/iOS/Android
- 導入形態
- ソフトウェア
- 接続方法
- VPN方式
- セキュリティ
- 2段階認証 端末認証 シングルサインオン ファイル転送の無効化 ログ記録・モニタリング
- 対象従業員規模
- 制限なし
- 社外端末のデータ自動削除機能
- ◯
- 他アプリとの連携
- 要問い合わせ
SWANStor【エリアビイジャパン株式会社】
SWANStorは既存ネットワークの設定変更なく導入できるリモートアクセスサービスです。国内で28,000本以上の導入実績があります。セキュリティ面が心配な方は、ニーズに合わせたオプションを追加可能。また端末を選ばずアクセスできるため、テレワークのみならず営業職が外からPCへアクセスする際にも便利です。
- 初期費用
- 要問い合わせ
- 料金
- 要問い合わせ
- 無料トライアル
- 要問い合わせ
- 対応OS
- Windows/Mac/iOS/Android
- 導入形態
- ソフトウェア
- 接続方法
- API方式
- セキュリティ
- シングルサインオン パスワードロック ログ記録・モニタリング セッションタイムアウト
- 対象従業員規模
- 制限なし
- 社外端末のデータ自動削除機能
- ×
- 他アプリとの連携
- 要問い合わせ
どこでもデスクトップ【ドコデモ株式会】
どこでもデスクトップは、ログインのみで起動するリモートアクセスサービスです。リモートアクセス機能の他管理者のための労働時間管理もついています。ネット上に仮想のワークスペースを作って作業する方式のため、セキュリティ性が高く、安心。ローカルネットワークにデータをDLできない仕様のため、データ漏洩リスクが限りなく低くなります。
- 初期費用
- 要問い合わせ
- 料金
- エントリー:100 スタンダード:150 クリエイティブ:220
- 無料トライアル
- 要問い合わせ
- 対応OS
- Windows/Mac/iOS/Android
- 導入形態
- クラウド
- 接続方法
- VPN方式
- セキュリティ
- 要問い合わせ
- 対象従業員規模
- 制限なし
- 社外端末のデータ自動削除機能
- ×
- 他アプリとの連携
- 要問い合わせ
Master`s One【株式会社エヌ・ティ・ティピー・シーコミュニケーションズ】
Master`s Oneはあらゆる端末から社内PCにアクセスできるリモートアクセスサービスです。万が一紛失や盗難があった際は、遠隔でファイル・データを削除することができます。スマートフォンからのアクセスなどが多い企業におすすめのサービスです。
- 初期費用
- 要問い合わせ
- 料金
- 要問い合わせ
- 無料トライアル
- 要問い合わせ
- 対応OS
- Windows/Mac/iOS/Android
- 導入形態
- オンプレミス
- 接続方法
- API方式
- セキュリティ
- 要問い合わせ
- 対象従業員規模
- 制限なし
- 社外端末のデータ自動削除機能
- ×
- 他アプリとの連携
- 要問い合わせ
最後に
今回は安全で便利なリモートアクセスサービスを15個ご紹介しました。テレワーク推進に当たり、安全な接続と利便性は欠かせない要素です。リモートワークサービスを使用すれば、簡単に自宅や社外での仕事をこなせます。
社内のPCの画面をそのまま使用できるため、現場に負担をかけずに作業を行うことができるでしょう。記事内で紹介した基準を元にして、ニーズに合うリモートアクセスサービスを選んでください。