「パッケージデザイン制作を依頼するには何から始めたらいいの?」
「パッケージデザイン制作の依頼先を決めるときに注意点は何?」
社内でイメージが固まっていないままデザインを依頼することに不安を感じている方も多いのではないでしょうか。
本記事では、パッケージデザインを依頼する流れや依頼先の決め方、依頼時の注意点を紹介します。
理想のデザインを仕上げるためには、ターゲットのニーズを明確にしてそれをどうデザインに落とし込むかが重要です。
1.パッケージデザイン制作を依頼する流れ5ステップ
パッケージデザインは、デザインのターゲット選定、依頼企業選定、デザインの決定と印刷の大きく3つの流れで進みます。
より詳細に記載すると以下の手順になります。
- 依頼するパッケージの目的・訴求したいユーザー層を決める
- 企業が求めるパッケージのイメージ図を作る
- 自社が求めるパッケージデザインを制作できる会社を探す
- ダミーを確認し修正依頼を行う
- デザインが完成したら印刷会社に回して完成
いきなりデザインに落とし込むのではなく、1番と2番の工程でできる限りデザインの方向性を検討しておくことが重要です。
(1)依頼するパッケージの目的・訴求したいユーザー層を決める
まず、パッケージデザイン制作の依頼をする前に、依頼するパッケージの目的や訴求したいユーザー層を決めましょう。
たとえば、パッケージの目的は以下のようなものがあります。
- 商品の品質を最大限維持したい
- 消費者に手に取ってもらえるように商品の魅力を存分にアピールしたい
- 少しでも多くの商品を売り場に並べたい
また、訴求したいユーザーを決めるとは、誰をターゲットにパッケージデザインを作るのか明確にすることで、「10~20代の女性」や「30代のサラリーマン」など商品を誰に向けて売りたいのか考えましょう。
パッケージの目的や訴求対象によってデザインのテイストが変わるので、この2つの項目だけでも決めておくとパッケージデザインの方向性が決まり、デザイナーの作業量を削減することが可能です。
パッケージの目的や訴求したいユーザー層などの企画から丸投げするとデザイン制作の作業時間が増え、マーケティング部門の担当者が出てくれば自ずと費用は高くなります。
パッケージデザイン制作コストの削減にもつながるので、事前に決めておくとよいでしょう。
(2)企業が求めるパッケージのイメージ図を作る
企業が求めるパッケージのイメージ図を作っておきましょう。
商品にはそれぞれ企業の想いが込められているはずです。
パッケージで商品のどのように表現したいのか、理想のデザインをある程度イメージして、パワポなどで図として残しておくと、デザイナーとのイメージの共有がしやすくなります。
打ち合わせの段階で、具体的に要望を伝えておくと、出来上がりのイメージのずれを防ぐことができ、修正の回数を減らすことが可能です。
修正の回数が減れば、費用だけでなく納期を縮めることもできるため、スムーズに取引を進められるでしょう。
(3)自社が求めるパッケージデザインを制作できる会社を探す
自社が求めるパッケージデザインを制作できる会社を探します。
企業ごとにデザイン会社に対して重視したいポイントはさまざまでしょう。
たとえば、依頼者のニーズには以下のようなものがあります。
- ブランディングに強い
- サポート体制がしっかりしている
- 実績が豊富でお客様からの評価が高い
- 価格が相場より安い
- デザイナーのスキルが高くクリエイティブの完成度が高い
これらのように、デザイン会社を選ぶ基準を設けておくと、自社が何を重要視しているのか把握でき、ニーズに対応してくれそうな会社を選ぶときの判断材料にすることが可能です。
なお、同じデザインでも会社によって、納品期間や費用が変わってくるので、2~3社に見積もりを依頼することをおすすめします。
見積もり時に印刷まで担ってくれるかまで確認しておくと、効率良く製品化することができます。
(4)ダミーを確認し修正依頼を行う
契約後、依頼先がダミー(試作)を提出するので、確認し修正点があれば細かく要望を伝えましょう。
ほとんど一発でデザイン案が通ることはなく、数回修正を行うのは一般的なので、気になる点があれば遠慮なく伝えてください。
2回目くらいまでの修正は無料であることが多いですが、見積もり時に何回まで無料で修正できるのか確認しておきましょう。
なお、修正依頼を行うときは、「〜な感じ」という曖昧な表現は避けて、「文字の色を黒から赤に変えて欲しい」のように具体的に伝えると、修正回数を少なくすることができます。
(5)デザインが完成したら印刷会社に回して完成
デザインが完成したら印刷会社に回して製品化しましょう。
デザイン会社が印刷まで行ってくれる場合もあれば、データを受け取り別途印刷会社に依頼する場合もあります。
別の印刷会社に依頼する場合はトータルの費用が高くなる可能性があるので、なるべく企画、デザイン、印刷までを一貫して行ってくれるデザイン会社に依頼しましょう。
2.パッケージデザイン制作の依頼先を決める3つのポイント
デザインを依頼する際は、価格だけで比較するのではなく、以下の3つのポイントを抑えた上で選定しましょう。
- 専門分野
- サポート体制
- 担当者の人柄
なお、上記3つのポイントは会社や組織だけではなく、個人のフリーランスにも言えることです。
初めて依頼する方は、サポート体制や価格を考慮するとパッケージデザインの専門会社がおすすめです。
逆に、価格は人によりますが、フリーランスにお願いすると融通が効きやすく、またクオリティの高い成果物が期待できます。
(1)専門分野
パッケージデザイン専門会社には、得意としているジャンルがあります。
食品に強い会社や化粧品を主に担当してきた会社など、会社のHPを見れば、どのジャンルをたくさん制作してきたのか把握することが可能です。
たとえば、お菓子のパッケージを依頼したいのであれば、化粧品のパッケージをたくさん制作してきた会社よりも、お菓子に特化してパッケージを作ってきた会社の方が、成功体験も多く、論理的にアイデアを考えられるため、後者の会社に依頼した方がパッケージデザインの質が高くなるでしょう。
依頼したい商品のジャンルを多く取り扱っている会社かどうかチェックしておくことをおすすめします。
(2)サポート体制
サポート体制が充実している会社の方が、スムーズに納得のいく取引をしてくれる可能性が高いです。
たとえば、デザイン制作後の無料修正の回数やリモートでの打ち合わせなど、納得がいくまでデザインを考えてくれて、スケジュールの調整がしやすい会社であれば、ストレスなくスムーズにやり取りを進められるでしょう。
パッケージデザインの質も大事ですが、デザインが完成するまでのサポートや完成した後のフォローも取引をする上で重要です。
(3)担当者の人柄
パッケージデザイン制作の依頼は長期に渡る付き合いになる可能性があるため、担当者の人柄も要チェックです。
担当者の人柄次第で、取引の質が大きく変わります。
しっかり依頼者側の意見を真摯に受け止め尊重してくれる人であれば、要望を伝えやすくなり気分よく打ち合わせを行えますし、信頼もできるようになるでしょう。
将来的に別のパッケージデザインを依頼する可能性もあるため、デザイン会社とは良好な関係を築けるように、担当者の様子で依頼先を決めるのもおすすめです。
3.パッケージデザイン制作の取引を成功させるための3つのポイント
依頼する際は、専門分野かどうか、サポート体制は充実しているか、担当者はコミュニケーションが取りやすい人か、の3点が重要であることを伝えました。
納得のいくデザインを制作するためには、上記3点を抑えた上で、まずはデザイナーの選定が肝となります。
上述したように、会社や組織に依頼するのか、フリーランスに依頼するのかで価格だけでなく、成果が大きく異なってくるので慎重に選定しましょう。
- どのデザイナーに依頼するのか決める
- デザインを依頼する上で何を重要視するのか明確にする
- パッケージをどの材質にするのか決める
デザイナーが決定すれば、後は想定しているターゲットに配慮したデザインをパッケージに落とし込むフェーズになります。
それぞれ解説するので、依頼する際の参考にしてください。
(1)どのデザイナーに依頼するのか決める
パッケージデザイン制作をどのデザイナーに依頼するのか決めましょう。
個人事業主やフリーランスに依頼するのか、パッケージデザイン専門会社に依頼するのかなど、ニーズに合わせて依頼先を決めることで、納得のいく取引ができるようになります。
たとえば、安く短納期で依頼したいのであれば、クラウドソーシングでフリーランスを探すのも一つの手です。
対して質やサポート体制の保証を求めるのであれば、法人化している会社を選ぶのが効果的です。
依頼先を絞るために重要な項目なので、フリーランスなのかデザイン事務所なのか、どの業態を利用するのか明確にしておきましょう。
(2)デザインを依頼する上で何を重要視するのか明確にする
デザインを依頼する上で何を重要視したいのか明確にしておきましょう。
最も納得して取引を進めるには、一番優先しているポイントをデザイン会社が押さえているかか重要です。
たとえば、自社の一番のニーズが「オリジナル性が高く他の商品との差別化ができるもの」であれば、企画力やブランディング力のレベルが高くなければ、自社の要望に応えることは難しいでしょう。
コストやブランディング力、サポート体制など、依頼先を選ぶ上で何をポイントにするのか決めることをおすすめします。
(3)パッケージをどの材質にするのか決める
パッケージをどの材質にするのか決めておくと、デザイナーが完成パッケージのイメージをしやすくなり、打ち合わせがスムーズになるでしょう。
ダンボールやビニール、和紙など使う材質によって、パッケージのデザインは大きく変わります。
イメージ図を作ったり、サンプルとして類似した商品パッケージを持参したりすると、よりイメージの共有が簡単になります。
4.パッケージデザイン制作を依頼するときの2つの注意点
パッケージデザインの制作を進める際、完成したパッケージをどのようにマーケティングに活かすのかなど、デザインが完成する前にある程度検討しておく必要があります。
その他に、依頼する際に見落としがちな以下の2点は注意しておきましょう。
- パッケージ制作後の計画も立てておく
- 最初からデザインに妥協しない
パッケージデザインを依頼するときに、これらの点を意識しておかなければ、後悔する可能性が高いです。
妥協ないデザインを完成させるために、これまで解説したポイントを踏まえつつ注意点も抑えておきましょう。
(1)パッケージ制作後の計画も立てておく
パッケージデザインを制作した後の流れまで考えておく必要があります。
自社でパッケージを製品化することは難しいので、他の印刷会社にデータを渡して依頼するのか、デザインを制作した会社に引き続き依頼するのか決めておきましょう。
パッケージ制作後の計画を立てておけば、依頼先を決めるときの基準にもなるのでおすすめです。
(2)最初からデザインに妥協しない
パッケージデザインを作るときは最初から妥協するのはやめましょう。
デザイン会社からデザインを提案されても、すぐにOKの返事をせずに、売り場に並べた状況をイメージして、商品の魅力を存分に伝えられていると判断してから製品化の工程に移ってください。
繰り返し修正すると費用はかかるかもしれませんが、製品化後、デザインに後悔して作り直すと却って費用がかかります。
納得のいくデザインができるまで修正してもらいましょう。
最後に
パッケージデザインを依頼するときは、事前に準備をしてから打ち合わせに臨むことで、有意義な取引ができるようになります。
依頼先に何を一番望むのか明確にし、ニーズに対応してくれそうな依頼先を選ぶことが重要です。
今回紹介した依頼時のポイントを意識して、納得のいくパッケージデザインを制作してもらいましょう。