財務で利用できるROSとは?他の指標との違いも含めて詳細解説!

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ROSとは「売上高経常利益率」のことで、売上高に占める経常利益の割合を示す指標です。ROSを活用することで、自社の業績を他社と比較できます。本記事ではこのROSの意味や計算式から、メリットや役割、他の指標との違いを解説していきます。

目次
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ROSとは

まず、ROSの意味と計算式について確認していきましょう。

売上高経常利益率のこと

ROSとは「Rate of Sales」の頭文字をとった略語で、売上高経常利益率を意味します。

経常利益とは、企業が行っている事業のすべてから得られた利益のこと。具体的には、本業の利益に、金融商品の売買や事業売却で得られた利益などを加えた利益を指します。

ROSはこの経常利益が、全体の売上高をどれだけ占めているか割合で示した指標で、売上高経営利益率のこと。つまり、ROSの数値が高いほど、企業が安定して利益を得ているということです。

ROSの計算式

ROSの計算式は下記の通りです。

ROS(売上高経常利益率)=経常利益÷売上高×100

計算式で使用する経常利益・売上高の数値は、企業が公表している損益計算書で確認することができます。

実際にROSの計算を具体例を使って確認してみましょう。

  • 経常利益:3,000万円
  • 売上高:5,000万円

ROS=3,000万円÷5,000万円×100=60%

Excelなどであらかじめ計算式を組んでおけば、数値を入力するだけでROSを算出することが可能です。財務や会計業務などでROSを利用する際はぜひ試してみてください。

ROSを利用するメリット

ROSを利用するメリットは、以下の2点です。

1.会社の経営状態を大まかに把握できる

多くの企業は本業以外の事業でも利益を得ています。特定の事業の業績を確認しても、会社全体の業績が上向いているかまでは分かりません。前述した通り、ROSには本業の他の利益も含まれるため、ROSを用いることで企業全体の利益率を把握することができます。

2.算出が簡単

計算式自体は足し算と掛け算、割り算で構成されているため、覚えてしまえば、専門知識がなくても簡単にROSを算出できます。

ROSが果たす役割

ROSが果たす役割として、下記の2つが挙げられます。

それぞれ詳細を確認していきましょう。

自社業績の年度ごとの比較

ROSを利用することで、自社業績を年度ごとに比較することが可能です。今年の業績が過去の業績と比べて良くなっているかどうか、経常利益の観点から把握することができます。

ROSの数値が大幅に悪化している場合は、たとえ営業利益の数値が高くても注意しなければいけません。何が原因でROSが下がっているのか、分析する必要があります。

同業他社の業績との比較

同業他社と自社の業績を比較する際にも役立ちます。同じ業種の場合、ROSは同水準であるケースが多いですが、他社よりもROSが高い場合は自社に何かしらの強みがある可能性が高いです。

例えば、同じ製造業のA社・B社のROSが下記の数値であるとします。

  • A社:80%
  • B社:60%

この場合、A社の方がROSが高く、経常利益の割合が高いことが分かります。A社の経常利益の内訳を確認すると「営業利益」が全体の90%でした。この場合、A社はB社よりも本業で利益を上げる力が高いといえるでしょう。

ROSと混同しやすい指標3つ

ROSと混同しやすい指標として、下記の3つの指標が挙げられます。

それぞれ詳細を確認していきましょう。

1. ROE

ROEとは「Return on Equity」の略で、日本語で「自己資本利益比率」のこと。株主資本における純利益の割合を示す指標で、数値が高いほど株式資本を無駄なく活用できている状態です。

ROEの計算式:純利益÷株主資本

RORの数値は高いほど良いという見方が一般的です。ただし、「負債の増加」によって株主資本が減少して、結果的にROEが上がってしまうこともあります。ROEを活用する際は、株主資本に加えて負債の数値まで把握するようにしましょう。

2. ROI

ROIとは「Return on Investment」の略で、日本語で「投資利益率」のこと。どれだけ効率よく投資を純利益に還元できているかを示す指標です。

ROIの計算式:純利益÷投資額×100

ROIが100%よりも低い数値になると、投資額が純利益を上回る状態です。有効に投資ができない状態を示すので、自社の投資方針を見直すきっかけになります。

3. ROA

ROAは「Return on Assets」の略で、日本語で「総資産利益率」のこと。総資産に占める純利益の割合を占める指標で、数値が高いほど純利益を多く出せている状態です。

ROAの計算式:純利益÷総資産×100

総資産には負債も含むため、負債を考慮した純利益の比率を把握する際に、ROAが役に立ちます。

最後に

ROSは「売上高経常利益率」のことで、自社の売上高に占める経常利益の割合を把握できます。ROSが高いほど、企業が安定して利益を得ているということです。簡単に数値を計算できるため、意味や目的を理解することが大切でしょう。

自社の過去業績だけでなく、同業他社の業績との比較のために、ROSを上手に活用してください。

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