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税理士の顧問料の相場はどのくらい?経理処理の方法についても紹介

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公開日: 2020.12.22
更新日: 2021.03.23

企業経営には、さまざまな税金の支払いがつきものです。税金の処理は、種類によって納付期限や計算方法が異なるため決して簡単とは言えません。

税務で困ったときに頼れるのが税金の専門家である「税理士」です。そこで、企業が税理士に支払う顧問料の相場はどの程度なのか、また、顧問料はどのように経理処理するのかについて解説します。

目次
目次

税理士とは

税理士とは、税理士試験に合格し、税理士登録を行い、なおかつ税理士会に入会した人のことです。税務署に一定年数以上勤務した人なども、税理士として登録できます。税務に対する専門知識を有し、クライアントが規定された納税義務を果たせるようにサポートするのが仕事です。

なお、税理士制度が発足した当時は、税理士ではなく「税務代理士」と呼称されていました。このことからも、税理士の役割が「税務を代理で行うこと」であることが分かるでしょう。

税理士がしてくれること

税理士は、以下の仕事を通して企業や個人の税務・会計のサポートを行います。

  • 確定申告や納税、e-TAXの送信などの「税務代理業務」
  • 税務署の決定に疑問・不服がある際の「税務申立て代理業務」
  • 確定申告書や相続税申告書などの「税務書類作成業務」
  • 税金についての疑問・悩みに答える「税務相談業務」
  • 会計帳簿の記入などの「会計業務」
  • 税務関連の訴訟における「補佐人業務」

企業内で作成する計算書類の信頼性を高めるため、税理士を「会計参与」に任命することも可能です。その場合、会計参与として企業の取締役とともに計算書類の作成に関わります。

法人と個人による税理士事務所のちがい

税理士事務所には、個人と法人の二つの形態があります。個人経営の事務所を「税理士事務所」、法人経営の事務所を「税理士法人」と呼び分けることが一般的です。

税理士事務所では、一人の税理士が所長になり、個人事業主として代表を務めます。所長以外のスタッフは税理士資格を持つ人がいることもありますが、まったくいなくても問題にはなりません。代表の税理士が死亡したときには事務所自体が廃業になり、営業を続けられなくなります。

一方、税理士法人は二人以上の税理士が共同で運営する形態です。大きな特徴は支店展開が可能な点で、営業所を増やしていくことができます。また、税理士法人では代表の税理士が亡くなったとしても、法人組織であるため法人自体は廃業されません。

かかる税金についても異なります。税理士事務所では所長が個人として所得税を納めますが、税理士法人では会社として法人税を納めるのです。

このように大きく異なる税理士事務所と税理士法人ですが、仕事内容に関して違いはありません。いずれも税務・会計に関わる業務を行います。

税理士の顧問料はどうやって決まるのか 

税理士に顧問になってもらうと、顧問料を毎月支払うことになります。顧問料は依頼する企業や個人事業主の取引金額(売上高)によって決まることが一般的です。

契約する際は、顧問料に含まれる基本業務について確認することが重要となります。顧問料に含まれない業務が多いと、臨時費用や追加料金が発生するため税理士への毎月の報酬額にばらつきが多くなったり、顧問料に含まれる業務が多い料金体系よりも割高になったりすることも。

例えば記帳代行などの会計業務や試算表作成、月次レポートの作成など、依頼主側へ出向く必要のない業務については顧問料に含まれていることが多いです。

しかし、依頼主を訪問する場合は「出張料」の名目で追加料金が発生したり、確定申告や年末調整といった年に一度の業務については「申告料(決算料)」として別途料金が発生したりすることがあります。

税理士顧問料の相場とは

売上高で顧問料が決まる料金体系の税理士事務所・税理士法人に依頼する場合、顧問料の相場は以下の通りになります。

  • 依頼主の年商が1,000万円未満:月額1万円~
  • 年商1,000万円以上5,000万円未満:月額1.5万円~
  • 年商5,000万円以上1億円未満:月額2万円~
  • 年商1億円以上5億円未満:月額3万円~
  • 年商5億円以上10億円未満:月額4万円~

また、出張料は1回5,000円~10,000円が相場です。出張した際に、従業員や役員向けの講義をしてもらうときは、講義料として5万円~10万円ほどが加算されることもあるでしょう。

その他にも、個人事業主の確定申告に関しては10万円~20万円程度、法人の年末調整に関しては対象となる社員一人あたり1,000円~2,000円程度を請求されます。

税理士への依頼が必要になるとき

会計業務を滞りなくできている企業・個人事業主の場合、普段は税理士に顧問委託する必要性を感じないかもしれません。しかし、以下のケースにおいて、税理士への依頼が必要になることがあります。

単発で税理士への依頼が必要になるとき

  • 年末調整
  • 確定申告
  • 税務関連の相談があるとき
  • 税務署に申立てがあるとき

税理士は税務の専門家ですから、税金関係の処理業務が多いときに依頼したいという企業・個人事業主は少なくありません。年末調整や確定申告の時期になると、税理士のサポートが必要になるでしょう。

また、税務署の決定に不服がある場合や疑問がある場合も、税理士に相談してから対応することが望ましいです。税理士を代理人に指名して代わりに税務署に行ってもらうなら、スムーズに問題解決が目指せるでしょう。

しかし、単発ではなく顧問契約を結び恒常的に税理士のサポートを受けるほうが良い場合もあります。例えば普段から税理士のサポートを受けることで、節税対策を行うことができるでしょう。

また、経理や会計業務の負担が増えてきたときも、税理士のサポートを受けることで他の業務に専念しやすくなります。

一般的に売上高が1,000万円を超えた時点で、税理士と顧問契約を結ぶ企業・個人事業主が多いです。その理由としては、売上高が増えたことで経理・会計業務が増えることや節税対策が必要になることが挙げられます。

また、売上高が1,000万円を超えると課税事業者として消費税の納税が必要になり、税務がさらに増大することも理由のひとつと言えるでしょう。

 税理士の顧問料に含まれるものとは

税理士と顧問契約を結ぶと、毎月顧問料を支払うことになります。顧問料は基本料ともいえるべき報酬で、業務を依頼しない場合でも毎月支払わなくてはなりません。ここでは、顧問料の中身や顧問料以外で発生する費用について解説します。

毎月の顧問料の中身は監査

確定申告や年末調整等で忙しい時期を除き、税理士は普段何をすることで顧問料という名の報酬を受け取っているのか疑問に思う方も多いのではないでしょうか。

実際のところ、一度も依頼主の元へ税理士が来ない場合もあり、どのような業務をしているのか依頼主が把握しているケースは多くはないかもしれません。

しかし、依頼主の元へ訪問しなくても、通常、顧問税理士は顧問料に見合う業務を行っています。確定申告等の特別な業務がないときでも「監査」を行い、依頼主の利益のために働いているのです。

なお、この場合の「監査」とは、一般的に会計士が行う会計監査とは異なり、内部的な監査を意味します。顧問税理士が行う監査の内容は以下の通りです。

  • 会計資料や会計記録が正確か確認する
  • 会計資料や会計記録に違法な部分がないか確認する
  • 業績を月別・年別に比較し、改善案を提出する
  • 経理に修正すべき点がないか確認する
  • 会計・業績の月次レポートを作成する

その他にも、監査の結果問題点が発見された場合は、改善のために指導をすることもあります。このような会計・経理・税務に関わる幅広い業務を毎月適切に顧問税理士が行うことで、年末調整や確定申告がスムーズに進み、税務署からの指導や追徴課税を回避できるでしょう。

申告料は月次顧問料の6カ月分

毎月の顧問料以外にかかる費用として、出張料や申告料、講義料などがあります。このうち出張料は顧問料に含まれることがあり、講義料は講義自体を依頼しない場合もあるでしょう。

しかし、確定申告や年末調整をしない個人事業主・企業はないため、申告料は必ずかかってくる費用と言えます。申告料は依頼する税理士事務所・税理士法人によっても異なりますが、月次顧問料の6カ月分が相場です。

税理士によっては3カ月分と低く抑えていることもありますが、6カ月分を超えることは滅多にありません。そのため、月次顧問料の6カ月分を超える申告料を請求する税理士事務所・税理士法人は割高と考えることができるでしょう。

1カ月の顧問料の相場は取引金額

「税理士の顧問料はどうやって決まるのか」の章でも触れましたが、顧問料の相場は依頼主の取引金額によって決まることが一般的です。そのため、事業規模が大きくなり取引金額も大きくなると、顧問料も高くなります。

取引金額が増えると税務や会計業務も増えますから、当然のことと言えるでしょう。

税務調査があれば臨時費用も発生する

税務署から税務調査が入るという連絡を受けたときは、顧問税理士に立ち会ってもらうと調査がスムーズに進みます。しかし、税務調査は不定期に実施されるため、税務調査に立ち会ってもらうための費用は、基本の顧問料には含まれていません。

依頼する税理士にもよりますが、通常3万円~5万円の臨時費用が請求されます。

顧問料の経理処理の方法は?

税理士に支払う顧問料は、「専門家報酬」として扱われます。専門家報酬はどのように経理処理をすれば良いのでしょうか。

専門家報酬は管理諸費で処理

専門家報酬は、「管理諸費」として仕訳をします。企業・個人事業主の普通預金から専門家報酬が引き落とされた場合、借方には「管理諸費〇円〇月〇日」、貸方には「普通預金〇円〇月〇日」と記入しましょう。

なお、顧問料以外に発生する税理士への報酬も、すべて「専門家報酬」として扱うため、「管理諸費」として仕訳をします。仕訳に記載するときに「管理諸費(3月分税理士顧問料)〇円〇月〇日」 や「管理諸費(税務調査立ち合い料)〇円〇月〇日」と詳しく書いておくなら、後で見返しやすくなるでしょう。

仕訳帳に備考欄がある場合には「管理諸費〇円〇月〇日 税務調査立ち合い料」と記入することもできます。

顧問料に源泉所得税は発生する? 

税理士個人に業務を依頼する場合、税理士の顧問料や臨時費用から所得税を源泉徴収する必要があります。源泉所得税は100万円以下の顧問料や臨時費用に関しては10.21%、100万円を超える部分に関しては20.42%で計算することが可能です。

例えば税理士に支払う報酬が10万円の場合なら、源泉所得税は10万円×10.21%=10,210円となります。また、報酬が150万円とすると源泉所得税は100万円×10.21%+50万円×20.42%=204,200円です。

税理士個人に顧問料として10万円を支払う契約においては、源泉所得税は10,210円発生するので実際には89,790円を支払います。12月20日に顧問料を支払った場合、仕訳帳の借方には「管理諸費100,000円12月20日」、貸方には「普通預金(顧問料)89,790円12月20日」「預り金(源泉所得税)10,210円12月20日」と記載できるでしょう。

この際、消費税の取り扱いに注意が必要です。基本的に源泉所得税の対象は、消費税を含む顧問料の金額になります。ただし、請求書などに顧問料の金額と消費税の金額が分けて記載されている場合は、顧問料の金額だけを源泉所得税の対象とすることが可能です。

例えば顧問料が10万円で消費税が1万円の場合には、源泉所得税は10,210円のため、実際の支払額は99,790円となります。仕訳帳の借方には「管理諸費100,000円12月20日」「仮払消費税等10,000円12月20日」、貸方には「普通預金(顧問料)99,790円12月20日」「預り金(源泉所得税)10,210円12月20日」と記載できるでしょう。

一方、税理士法人に業務を依頼する場合は、税理士の顧問料や臨時費用から所得税を源泉徴収する必要はありません。契約時に決定した報酬をそのまま支払います。

顧問料が10万円の場合なら、仕訳帳の借方には「管理諸費100,000円12月20日」、貸方には「普通預金(顧問料)100,000円12月20日」と記載できるでしょう。

最後に

税理士の顧問料は依頼する税理士や税理士法人によって異なりますが、おおよその相場があるので大きく異なることはあまりありません。しかし、割安だと思って依頼すると、顧問料に含まれる業務が少なく、返って割高になることもあります。

顧問税理士を依頼する際には顧問料に含まれる業務内容や、申告料や出張料についても確認しておきましょう。また、料金だけでなく税理士個人との相性も大切です。信頼できる人物なのか、話しやすいのかも考慮に入れ、長く付き合える税理士を選ぶようにしましょう。