デッドファイナンスとは?正しい意味・メリット・デメリットを解説

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「デッドファイナンスの正しい意味とは何?」「最近よく耳にする、エクイティファイナンスとはどう違うの?」デッドファイナンスとは、企業が借り入れによる資金調達を行うことです。

今回は、デッドファイナンスの正しい意味、デッドファイナンスを行うメリット、デメリットについても徹底検証します。

目次
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デッドファイナンスとは?正しい意味を紹介

「デッドファイナンス」とは英語の「Debt(借入・負債) Finance(金融)」を組み合わせた言葉で、読んで字の如く、借り入れによる資金調達のことです。デットファイナンスでは株式などの発行を行わず、企業の財政・経営状況をまとめた計算書である財務諸表(バランスシート)の負債部分に増加を伴います。

企業の創業期における資金調達法としては、デッドファイナンスが第一選択肢でしょう。

デッドファイナンスの種類

デッドファイナンスは外部からの借り入れ全てを指すため、知人からの借り入れなどもこれに含みます。ここでは企業のデッドファイナンスで最も代表的な種類を2つ挙げておきましょう。

金融機関からの借入

中小、零細企業におけるデッドファイナンスは、実質的に金融機関からの借り入れを指すことが多く、よく利用される融資商品には以下のようなものがあります。

  • 日本政策金融公庫

「日本政策金融公庫(旧名:国民生活金融公庫)」とは、政府100%出資の政府系金融機関です。中小零細企業、スモールビジネスの個人事業主を主な対象としており、創業支援融資も充実しているためスタートアップ事業者が利用しやすいことで知られています。

  • 制度融資・プロパー融資

「制度融資」とは地元自治体と信用保証協会、銀行などの民間金融機関の3社が協力して行う制度です。自治体が事業者の代わりに融資の保証人となってくれるので融資審査は、さほど厳しくなく数千万~など大きな金額の資金調達が可能となります。

一方、銀行が事業者に直接融資することを「プロパー融資」と呼びます。制度融資と比較すると貸し倒れリスクが100%銀行となるため審査は厳しく、融資実行金額も低めです。

  • ビジネスローン

「ビジネスローン」とは、銀行やノンバンクが事業者を対象にしている融資商品です。プロパー融資と比較すると金利が6.0~18%と高めですが、最短即日実行してくれる場合もあるため、審査と実行が早い点がメリットとなります。

社債の発行

「社債」とは、企業が投資家から資金を募る場合に発行される債権(借用書のようなもの)です。中小零細企業の場合は「少人数私募債」という小人数の投資家から資本を集めて利息を払う方法が主流。しかし、私募債の審査は厳しいため、利用できるのは財務状況が優良な企業に限定されます。

デッドファイナンスのメリット・デメリット

デッドファイナンスによる資金調達には、どのようなメリットとデメリットがあるのか気になるものです。ここでは、デッドファイナンスのメリットとデメリットについて検証してみましょう。

メリット

デッドファイナンスのメリットは次の3点です。

  • 手軽に利用できる融資商品が多い
  • 投資家や第三者にお伺いを立てる必要なし
  • 節税効果もある

デッドファイナンスの一番のメリットは、手軽かつスピーディーに資金調達が可能であることです。投資家や第三者にお伺いをたてることもなく、使用用途も自社の判断のみで行えます。

財務諸表に負債を計上することにはなりますが、節税効果も得られるのも会社にとって大きなメリットとなるでしょう。

デメリット

デッドファイナンスのデメリットは次の3点です。

  • 返済しなくてはならない
  • 審査に通らないと利用できない
  • わずかながら金利による資本コストが発生する

デッドファイナンスのデメリットは返済義務が発生する点です。もちろん審査に通らないと利用できないため、普段から毎月のクレジットカードや携帯電話の支払い状況に気を付けておくことは必須となります。ごくわずかではありますが、金利という資本コストがかかることも予め認識しておきましょう。

デッドファイナンスとエクイティファイナンスの違い

企業が資金調達法を検討する際、デッドファイナンスと共に選択肢として挙げられるのがエクイティファイナンスです。近頃、資金調達用語として見聞きする機会が増えたエクイティファイナンスですが、その意味を正確に把握している方は多くありません。

ここでは、エクイティファイナンスの意味やデッドファイナンスとの違いについて解説していきます。

エクイティファイナンスとは?

「エクイティファイナンス」とは、企業が新たに株式を発行して資金調達する方法のことです。デッドファイナンスの反対語として用いられ、前述の財務諸表(バランスシート)では資本増加として計上されます。

エクイティファイナンスはデッドファイナンスと異なり原則として返済義務は発生しません。しかし、1株あたりの価値は下がるため株主の理解を得ることが必須となり、新株を多く購入した株主が経営に口出しするリスクもあります。

スモールビジネス企業には現実的でない手段

返済義務がなく資本増加が得られる資金調達方法のエクイティファイナンスは、メリットが多そうな気もしますが、デッドファイナンスほど利用が容易ではありません。そもそもエクイティファイナンスは、投資家がいて初めて成り立つ手段です。

一般的には上場を目指す企業、スタートアップでバイアウト(売却)を目的にしている企業に限定されるため、零細企業にとってはあまり現実的でない資金調達法となります。

最後に

今回は、デッドファイナンスの正しい意味、デッドファイナンスを行うメリット、デメリットについて解説しました。まとめると、デッドファイナンスとは借り入れによる資金調達のことです。デッドファイナンスのメリットとデメリットはそれぞれ次のような点があります。

メリット

  • 手軽に利用できる融資商品が多い
  • 投資家や第三者にお伺いを立てる必要なし
  • 節税効果もある

デメリット

  • 返済しなくてはならない
  • 審査に通らないと利用できない
  • わずかながら金利による資本コストが発生する

一方、デッドファイナンスの反対語であるエクイティファイナンスとは、企業が新株を発行して資金調達する方法のことです。しかし、投資家がいて初めて調達可能な方法であるため上場やバイアウトを目指さないスモールビジネス事業者にとっては現実的ではなく、デッドファイナンス一択となります。

デッドファイナンスは、きちんと利用すればデメリットよりもメリットの方が多い資金調達方法です。金利などの資本コストも踏まえ、ぜひ計画的な利用を検討するようにしましょう。

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