社会保険とは社会保障制度のひとつ。会社の加入が原則なワケとは

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社会保険とは、国民生活におけるリスクに備える社会保障制度のひとつです。条件に当てはまると会社には加入義務があり、経営者や役員、正規雇用職員などは加入しなければなりません。

本記事では、社会保険の内容や仕組み、会社が加入する意義について紹介します。

目次
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社会保険とは

会社経営に際しては、社会保険についての十分な理解が必要です。ここでは、社会保険の理念や種類など、基本的なことを確認しておきましょう。

社会保険の理念は相互扶助

社会保険とは、国民生活の様々なリスクに備えるために加入する公的な保険制度です。国や地方公共団体などの公的機関が運営し、加入者が支払う保険料や国庫負担金などで運営されています。

お互いに助け合うという相互扶助の理念に基づいており、加入が任意である民間の保険とは異なり、要件に該当すれば必ず加入しなければなりません。個人レベルでは万一の備えとして加入していても、全体で見れば一人ひとりが互いに支え合う仕組みになっています。

5つの社会保険について

社会保険は一般的な広義の意味と会社が加入する社会保険を、次の5種類です。

  • 医療保険
  • 年金保険
  • 介護保険
  • 雇用保険
  • 労災保険

このうち医療保険、年金保険、介護保険は、加入年齢に達したときには誰もが加入しなければなりません。雇用保険と労災保険は会社が加入する保険です。

社会保険の目的と仕組み

社会保険の内容は、広い意味の社会保険と、会社で加入する狭義の社会保険に分けられます。ここでは、社会保険の目的と仕組みについて見ていきましょう。

社会保険の目的

国民には、日本国憲法第25条1項で「健康で文化的な最低限度の生活」が保障されています。社会保険は、その国民生活を様々なリスクから守ることが目的です。各保険ごとに、次のようなリスクを想定しています。

  • 医療保険:病気や怪我
  • 年金保険:老後に必要な生活費の不足
  • 介護保険:介護が必要になる生活
  • 雇用保険:失業
  • 労災保険:仕事中の事故

これらのリスクを避けるため、一定の要件に該当する国民はすべて保険に入らなければなりません。

社会保険の仕組み

社会保険の意味には広義と狭義があり、広義の意味は、会社に勤めている人が加入する「被用者保険」と、会社に属さない人などが加入する「一般国民保険」に分けられます。

狭義の意味は、被用者保険のうち「健康保険」「介護保険」「厚生年金保険」の3つです。「雇用保険」と「労災保険」は労働保険と呼ばれ、企業などに雇用されている従業員のみに適用される保険です。

狭義のうち「健康保険」「厚生年金保険」「介護保険(40歳以上)」「雇用保険」は従業員の給与から差し引かれますが、「健康保険」と「厚生年金保険」の保険料は会社が半額を負担します。「労災保険」の保険料は経営者が負担するもので、従業員に支払いの義務はありません。

社会保険料は原則として翌月の給与から差し引きます。保険料をいったん預かり、給与から控除した分と会社が負担する分を合わせて年金事務所や労働局など所定の納付先に納めるという流れです。

ちなみに、会社が負担する分の勘定科目は「法定福利費」となり、従業員の給与から控除した分は「預かり金」として処理します。

企業が社会保険に加入する意義

会社は設立と同時に社会保険に加入しなければなりません。ここでは、会社が社会保険に加入する意義や加入対象になる従業員の違いについて紹介します。

会社設立時に社会保険への加入が原則

狭義の社会保険である「健康保険」「厚生年金保険」については、会社の加入義務によって次の2つに分けられています。

  • 強制適用事業所
  • 任意適用事業所

任意適用事業所となるのは、従業員が常時5人未満の個人事業所です。5人以上であってもサービス業の一部(クリーニング業、飲食店、ビル清掃業等)や農業、漁業等は加入が任意とされています。

それ以外の会社は、すべて強制適用事業所です。法人を設立した場合は、経営者のみの会社も必ず加入しなければなりません。

強制適用事業所に該当する会社は、設立後に「健康保険・厚生年金保険新規適用届」を会社所在地を管轄する年金事務所へ提出します。

リスクに備えるためにも加入は必須

任意適用事業所には社会保険の加入義務はありませんが、リスクに備えるという社会保険の目的からは、できるだけ加入すべきといえるでしょう。また、新たな従業員を募集する場合、社会保険を完備しているかどうかは重視される事項です。社会保険を備えていない会社は信用されづらく、優秀な人材が集まらない可能性もあります

ちなみに、強制適用事業所に該当するにも関わらず届け出をしない場合、6か月以下の懲役、または50万円以下の罰金という罰則が課せられるため注意が必要です。それだけでなく、会社の義務を果たしていないことは社会的信頼を失うことにもなるでしょう。会社を設立して条件に該当する場合は、迅速な手続きが必要です。

従業員の社会保険加入について

会社に勤めている人で加入の対象になるのは、経営者と役員、正規雇用社員です。また、パート・アルバイトでも次のいずれかに該当する場合は加入することになります。

  1. 週の労働時間及び労働日数が正社員の4分の3以上ある
  2. 週20時間以上勤務でも一定の要件に当てはまる場合

2については、近年法改正で適用が拡大された部分です。これまで、社会保険に入る対象になるのは週の労働時間が30時間以上という条件があり、短い時間で働く人は加入できない時期がありました。しかし、パート、アルバイトの増加に伴い、平成28年10月1日から以下の要件に該当すれば加入対象になると変更されています。

  • 所定労働時間20時間以上
  • 月額賃金が8.8万円以上
  • 1年以上の雇用を予定する
  • 学生は除外
  • 従業員501人以上の会社

また、平成29年4月からはさらに、従業員501人以下の会社でも労使間の合意がある場合は加入対象にできるようになりました。さらに、社会保険の適用は今後も拡大していく予定です。2022年10月からは従業員数101人~500人の企業で働くパート・アルバイトが対象になり、2024年10月からはさらに従業員数51人~100人の企業が対象になります。

さらに、加入要件のひとつである「1年以上の雇用を予定する」という要件は、働き方の多様化や実務上の取扱いなどに鑑みて、撤廃される予定です。その後も適用範囲は拡大するかもしれないため、法改正の動きには注意しておきましょう。

最後に

社会保険は社会保障のひとつであり、生活の様々なリスクに備える目的があります。ほとんどの会社に加入の義務があり、法人を設立した会社は適用届の提出が必要です。社員をリスクから守るためにも、社会保険の手続きは早めに済ませておきましょう。

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