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臨時株主総会とは?必要性や手続きの要点をわかりやすく解説

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公開日: 2021.05.24
更新日: 2021.06.16

臨時株主総会とは、決算期毎に開催が義務付けられている定時株主総会以外に、随時開催できる株主総会のことです。期中の役員選任など、中小企業でも開催が必要なシーンは少なくありません。臨時株主総会の基本をピンポイントにお伝えします。

目次
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臨時株主総会の基礎知識 

そもそも株主総会とは、決算の承認や増資といった会社の重要な意思決定事項の承認可否を議論するために、会社の所有者である株主が一堂に集まる会議です。ここでは、臨時株主総会の開催のタイミングと内容、その他の会議との違いについて解説します。

臨時株主総会開催のタイミングと内容

株主総会での承認が必要な意思決定事項は、通常「定時」総会の開催タイミングに合わせ予定されます。役員の改選・選退任が、定時総会の実施日に合わせて行われることが多いのがその代表例です。

臨時株主総会は、定時総会のタイミングに合わない事項が発生した際に開催されます。定款変更や増資のほか、期中の役員選退任や役員報酬変更が、中小企業で多い事項です。

定時総会・取締役会との違い

決算承認のように期毎に必ず発生する事項が「定時総会」で議決される以外は、定時と臨時で議決事項に違いはありません。似かよった用語に「取締役会」がありますが、株主総会とは議決事項が大きく異なります。

取締役とは、会社の業務執行に関する意思決定を行うために、株主によって任命される人です。そのため取締役会での議決事項は、融資や社債発行といった主に業務執行に関する事項になります。

代表取締役の選退任も取締役会で議決できますが、重要事項であるため株主総会でも承認が必要です。なお取締役会の設置には3人以上の取締役が必要で、上場していない限り設置義務もありません。中小企業で多い取締役会非設置会社の場合、取締役会議決事項はすべて株主総会で議決されます。

3つの決議とは

株主総会の決議には、その重要性に応じ承認条件が3種類あります。

  1. 議決権株式数の過半数で承認される「普通決議」
  2. 議決権株式数の2/3超で承認される「特別決議」
  3. 株主数の過半数かつ議決権株式数の2/3超で承認される「特殊決議」

※1,2は議決権あり株式の過半数を有する株主の出席が条件

※3は総会出席に関わらず議決権あり株式を有する全株主が対象

普通決議は決算・役員の承認といった一般的な事項が対象ですが、特別決議は増資・定款変更といったより重要性の高い事項になります。特殊決議は株式公開会社が非公開になるような、著しく既存株主の権利を制限するような事項が対象です。

臨時株主総会の流れ

臨時株主総会の開催が必要になった場合の流れを解説します。

1.開催日と基準日を決定する

臨時株主総会の開催日は、開催が必要な議決事項が発生した時点で、株主への招集通知の期限をふまえて取締役会が、非設置会社では代表取締役が決定します。

基準日とは、総会に招集する株主を確定する日のことです。日々株主が変動する公開会社では基準日をあらかじめ予告しなければなりませんが、株主を常に把握できている非公開会社では基準日の予告は必要ありません。

2.招集通知を出す

公開会社は2週間前、非公開で取締役会設置会社は1週間前が招集通知を出す期限です。取締役会非設置会社は、定款で定めればさらに短縮できます。なお書面・電子投票を行う場合は、すべての会社で2週間前です。

3.臨時株主総会を開催する

株主からの質問への想定問答集や配布資料など、必要性に応じ事前準備しましょう。当日は以下の順で進行します。

  • 開会、総会議長の選任(通常は代表取締役)
  • 議案を上程し、必要に応じ議論
  • 採決、事項毎に定められた決議条件を満たしているか確認
  • 閉会

書面決議と議事録について

中小企業でよく行われる「書面決議」と、つい忘れがちながら重要な「議事録」について解説します。

書面決議があれば株主総会は開催しなくてよい

「みなし決議」とも呼ばれる書面決議は、株主総会を開催しなくても決議されたとみなされる制度で、取締役もしくは株主が提案した議決事項に株主全員が書面で同意することが条件です。

株主全員の同意を前提としているため、適用できない議決事項はありません。株主数がごく少数で株主間での意見相違がほとんどない中小企業には使い勝手がよく、頻繁に利用されています。

議事録はいかなる場合でも必要

中小企業で株主が1人や身内だけの場合、議事録の作成をつい怠ってしまうことは少なくないでしょう。しかし議事録がないと「株主総会決議は記録がなく無効」という指摘に、裁判で反論できなくなります。株主構成が変わる相続でトラブルになったような場合に起きうるケースです。

株主総会・書面決議、いずれの場合でも必ず「議事録」を作成しましょう。

議事録の書き方と保管期間

議事録の記載内容は会社法で定められています。いわゆる5W1Hがわかるよう記載することが基本です。保管期間は法定で10年ですが、トラブルは将来いつ発生するかわからないため、永久保存が望ましいでしょう。

最後に

臨時株主総会は、定期開催ではなくついおろそかに見られがちですが、重要性は定時総会と何ら変わりはありません。上場企業では臨時株主総会の開催自体が株価に影響を与える場合もあります。

将来のトラブルを未然に防止する意味でも、ルールに基づいてきちんと行いましょう。