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KPIとは?KGIとの関係や設定方法などをわかりやすく解説

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公開日: 2021.04.28
更新日: 2021.06.16

KPIとは、事業運営における目標達成に向けた指標です。成果や成果を生み出すプロセスを数値で測り、目標達成を目指します。目標に向けた社員の意思統一を図りたい経営者は、試しているとよいでしょう。

本記事では、KPIを設定するメリットや手順について紹介します。

目次
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KPIとは?

KPIとは、「Key Performance Indicator」の頭文字をとった言葉です。その意味や、KGI・KSFとの関係について紹介します。

ビジネスで目標を達成するための指標

KPIは、ビジネスのプロセスで目標を達成するための指標です。その設定は、現状を分析して課題や強みを見いだすことから始まります。

自社の課題や強みを把握することで、目標に向けてやるべきことが明らかになるでしょう。目標は具体的な数値で設定されるためチームで共有でき、目標に向けて統一のとれた行動が可能になります。

KGIやKSFとの関係性

KPIの設定に欠かせないのが、KGI(Key Goal Indicator)やKSF(Key Success Factor)です。KPIは目標を実現するプロセスを数値化する手法ですが、KGIは最終目標を具体的な数値にした指標です。まずKGIを先に作り、それに向けたKPIが具体的に策定されます。

例えば、KGIとして「今年度の売上は5,000万円を達成する」「成約件数500件を目指す」といった具体的な指標を設定するとしましょう。それに向け、「今月の売上は300万円で、40件の成約を目標にする」という具体的な数値で目標を設定するのがKPIです。

KSFは主要成功要因と呼ばれ、目標を実現するために必要な条件を示す指標です。KPIを設定するためには、KSFの存在が欠かせません。KSFを構成するのは、市場の動向や競合などの外部要因と、自社の強みなどの内部要因の2つです。

外部要因は外部環境を分析することで明らかになり、内部要因は内部環境の分析で把握します。KSFの分析により、KPIの具体的な数字の設定が可能です。KSFは市場の変化や技術の進化などに合わせて日々変わるもので、それに合わせてKPIも変えていく必要があるでしょう。

KPIを設定する3つのメリット

KPIを設定することで様々なメリットがありますが、代表的な3つについて見ていきましょう。

1.共通の指標を得て意思統一が図れる

KPIでプロセスの目標を明らかにすることで共通の指標が得られ、チームの意思統一が図れます。目標を達成するためにいつまでに何をどのくらい行えばいいのかが可視化され、効率的な行動ができるでしょう。具体的な目標はメンバーのモチベーションを高め、チーム全体のパフォーマンスも向上します。

2.作業が効率化され生産性が高まる

KPIではやるべきことを明確にするとともに、優先順位をつけて計画を立てることが大切です。優先度の高い仕事に集中でき、作業が効率的に進むでしょう。業務の効率化は、生産性の向上にもつながります。

3.会社が成長するためのサイクルができる

KPIの進捗状況を確認することで、経営状況が把握できます。プロセスのなかで成果が出ていないところがある場合、すぐに原因を分析して対処することも可能です。成果が出ている場合は、さらに成果を上げるための戦略も立てられるでしょう。

KPI設定の手順5つ

KPI設定を行う手順は、大きく5つの工程に分けられます。順に説明しましょう。

1.まずKGIを設定する

まず行うのが、最終目標になるKGIの設定です。事業やプロジェクトで実現するべき売上高や利益率、販売数といった目標で、数ヶ月〜数年の期間を設定します。

設定のポイントは、具体的で実現可能な数値であることです。KPIはゴールであるKGIを達成するための手段であり、具体的なKGIを設定することで、それに向けた整合性のあるKPIが設定できます。

2.KGIとのギャップを確認する

KGIを設定したら、KGIと現状とのギャップを確認しなければなりません。目標を設定する時、現状と目標の間には必ずギャップが存在するからです。目標とのギャップがどれくらいあるのかを把握し、そのギャップは埋めることが可能かどうかもしっかり見極めなければなりません。

実現可能なギャップであることを確認したら、KGI達成に向けた戦略の策定を行います。ギャップを埋めて目標を実現するために必要なことを数値化する作業です。

そのために、成功要因であるKSFの分析・抽出を行います。現状分析をして問題解決策を探り、的確なKSFを見極めなければなりません。

現状分析には、3c分析やPEST分析といったフレームワークが便利です。3c分析は、「顧客・市場」「競合」「自社」を洗い出し、内部環境と外部環境を分析する手法です。

PEST分析では「政治的要因」「経済的要因」「社会的要因」「技術的要因」という環境要因を洗い出し、自社を取り巻くマクロ環境を分析します。これらフレームワークの利用で、より正確な分析が可能になり、目標達成に効果的なKPIが設定できるでしょう。

3.実現可能性のあるKPIを設定する

KGIの設定とKSFの絞り込みが完了したら、KPIを具体的な数値で設定します。KPIの設定では、SMARTの法則を使うのが便利です。

SMARTの法則では、次の5点にフォーカスを当てます。

  • Specific(明確性):誰がみてもわかる明確な指標を設定する
  • Measurable(測定可能) : 具体的な数値で進捗度を測定できるようにする
  • Achievable(達成可能) :達成可能な目標を設定する
  • Relevant(関連性) :KGIや他のKPIと強く関連させる
  • Time-bound(期限設定): 目標の達成に期限を設ける

「明確性」のポイントは、誰が見てもわかりやすく、同じように解釈できることです。人によって解釈が異なる、曖昧でわかりにくい目標では、メンバーが共有して行動をともにすることはできません。さらに「測定可能」で具体的に数値化することで、課題の早期発見ができます。

「達成可能」は、メンバーのモチベーションを高めるために大切です。また、KPIは小さな目標を達成しながら最終目標であるKGIに到達することを目的としています。そのため、KGIだけでなく、上層にあるKPIと密接な「関連性」がなければなりません。

業務を効率的に進めるためにはKPIの「期限設定」も大切です。期限の設定がないとつい後回しにしてしまう可能性があり、KGIの達成を難しくしてしまいます。KPIごとに実現可能な期限を考え、設定していきましょう。

4.各担当者の責任を明確にする

KPIを設定したら、各担当者の役割や責任を明確にします。責任の所在がはっきりしない場合、自分がしなければ誰かがやるだろうと他人を頼ることにもなりかねません。

誰もがそう思っていたら、結局誰もやらないという結果になるでしょう。それぞれが自分の仕事に責任を持つことで主体的な行動が生まれ、早い目標達成を可能にします。

5.PDCAを回して進捗状況を管理する

KPIを実行する際は、PDCAを回しながら進捗を管理します。PDCAとは、計画・実行・評価・改善の4つを繰り返し、業務を改善しながら進める方法です。

設定されたKPIの数値は、市場の動向や従業員の行動、顧客の状況、競争相手の動きなどによって変わっていきます。変化に合わせながらKPIを見直しつつPDCAを回し、KGIの達成を目指しましょう。

KPI設定のために押さえたいポイント

KPIの設定に成功してKGIを確実に達成するためには、押さえておきたいポイントがあります。

適したフレームワークを活用する

KPIの設定ではフレームワークの活用が効果的で、特に便利なのはKPIツリーです。KGIを頂点に、それに向けたいくつものKPIをツリー構造に配置することで全体が可視化できます。KGIの要素をいくつかのKPIに分け、ツリー構造にしていきましょう。

例えばKGIを「年間の売上1,000万円」と設定する場合、それを一番上に配置し、その下に「月の売上100万円」「成約10年」といったKPIのツリーをつなげていきます。

最終目標であるKGIを達成するために、KPIそれぞれがどのように達成されるべきか考え、ツリー構造で視覚化します。 KPIに設定した数値の積み重ねがKGIの達成につながるよう、配置しましょう。

誰でも対応できるようにする

KPIを実行する作業は誰でも対応できるよう、手順や内容をまとめたマニュアルを作成しましょう。担当者が休暇を取った場合、KPIがストップしてしまうのでは目標を達成できません。担当者が不在でも常にKPIを実行できるよう、業務手順を細かく記載したマニュアルの用意が必要です。

KPIの設定はシンプルにする

KPIの設定は、できる限りシンプルにすることが大切です。誰が見ても理解できる目標設定でなければなりません。多くの要素が盛り込まれた複雑な目標では、その実行に多くの時間と労力が必要となります。

また、複雑な設定は評価基準も複雑になり、業務効率を悪くして生産性の低下にもつながりやすいでしょう。KGIの達成は困難になります。このような事態を避けるためにも、KPIは最終目標まで一貫した、シンプルでわかりやすい設定にすることを意識してください。

「見える化」する

KPIは業務の流れを「見える化」することで、より効率的になります。「見える化」とは、グラフや表などの図を用いて、業務を誰が見てもわかるようにすることです。

フレームワークのKPIツリーも「見える化」に役立つでしょう。「見える化」で業務の流れが明らかになることで問題点も見つけやすくなり、早い改善が可能です。

達成度を評価できるシステムを作る

KPIを実行する社員のモチベーションを保つためには、KPIの達成度を評価するシステムが必要です。進捗状況に応じ、成果や活動を評価する体系化されたシステムを作りましょう。

設定した目標と実際の数値を比較し、「目標を達成した」「もう少しで達成できる」「目標にまったく届いていない」といった段階的でわかりやすい評価基準が理想的です。評価はメンバー全員で共有し、目標を達成できていない場合は対策を立てるなど改善していきましょう。

KPIが活躍する4つの場面

KPIは業種や仕事内容によって、設定する指標は異なります。ここでは、特にKPIが重視される4つの場面を例にKPIの設定を紹介しましょう。

1.Webマーケティング 

Webマーケティングで重視されるKPIは、次の通りです。

  • 新規顧客訪問数
  • リピート率
  • 顧客単価
  • 顧客満足度
  • 直帰率
  • Webサイトの認知度
  • アクセス数(訪問数)
  • Webサイト滞在時間
  • CVRの改善
  • 広告種類別訪問客数
  • 平均購入単価
  • 検索エンジン流入件数

Webマーケティングで KGIを設定する場合、具体的な月間売上高の数値を設定します。そのためには、「訪問者数の増加」「CVRの改善」「顧客単価を上げる」といったKPIの設定が考えられるでしょう。

それぞれに具体的な数値を設定し、さらにこれらKPIを達成するためのKPIを作っていきます。例えば「訪問者数の増加」に対しては、「検索エンジンや広告からの流入数を増やす」などのKPIが考えられるでしょう。

2.営業活動

営業活動で重視されるKPIは、次のようなものがあげられます。

  • 成約が見込める営業機会数
  • 見込み客の成約率
  • 営業案件数
  • 顧客単価
  • 受注期間
  • アポイント件数
  • 成約率
  • リピート率
  • 平均受注単価
  • 個人営業売上高

営業活動のKGIでは、売上高や新規契約の獲得を具体的な数値で設定します。そのKGIに向け、「成約が見込める営業機会数」や「見込み客の成約率」「顧客単価の引き上げ」などをKPIとして設定するのが一般的です。営業機会数の達成には、「アポイント件数」や「営業案件数を増やす」などのKPIを設定することになるでしょう。

3.システム開発

システム開発の工程で必要になるのは、次のようなKPIです。

  • エラー件数
  • テスト終了レポート件数
  • 標準化率

システム開発のKGIとなるのは、「品質確保と納期の遵守」と「顧客のニーズにかなったシステムの開発」です。その達成に向けて「テスト終了レポート件数」をKPIに設定すれば、進捗状況を確認しながら完成度を測る指標になります。

また、「標準化率」や「エラー件数」をKPIにすることで、品質の管理を確保できるでしょう。これにより、納期を守りながら、必要な品質を備えたシステムの開発が可能になります。

4.製造業

製造業では、次のようなKPIを設定します。

  • 総合設備効率
  • 稼働率
  • 不良率
  • ライン編成効率
  • 出来高工数
  • 事故発生件数
  • 度数率

製造業では生産性を向上させるため、KPIの設定は重要です。製造現場の業務にKPIを設定して「見える化」すると、安全性を確保した効率的な作業が実現します。

具体的な利益をKGIに設定した場合、効率的に生産するために必要なKPIは「総合設備効率」「稼働率」「ライン編成効率」です。不良品の発生を防止するためには、「不良率」や「出来高工数」もKPIに設定する必要があります。安全性確保のためには、「事故発生件数」や「度数率」を KPIにすることも大切です。

KPI設定時の注意点

KPIの設定は業務に多くのメリットをもたらしますが、設定方法を間違えると本来の効果が得られません。ここでは、KPI設定時に注意したいことを紹介します。

KPIの設定が多すぎる

KPIの設定が多すぎる場合、目標達成が難しくなります。KPIの設定では、KGIの達成に向けて優先順位を決め、効率的に作業を行うことが必要です。しかし、KPIを絞らず複数の要素を抽出して盛り込むと、どれを優先して取り組むべきかがわからなくなるでしょう。

プロセスや数字ばかりに注目しない

KPIのプロセスや数字ばかりに注目していると、本来の目標達成ができなくなる可能性もあります。KPIの遂行自体が目的化し、数字の管理やツールの導入などに力を入れてしまうのです。

その結果、資料作りや集計などの作業に時間をとられ、行うべき業務がおろそかになる恐れがあります。KPI本来の目的を見失うことにもなりません。KPIは、あくまでKGIを達成するプロセスだということを忘れないようにしましょう。

最後に

KPIは目標達成に向けてやるべきことを明らかにし、チームの意思統一を図る方法です。目標が明確になることで、社員のモチベーションも高まります。メリットの多いKPIですが、正しい手順で適切に設定を行わないと本来の効果が得られません。記事も参考に、上手にKPIを設定して事業の目標を達成してください。