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カンパニー制とは社内組織に権限を持たせる仕組み。メリットやデメリットを解説

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公開日: 2021.05.14
更新日: 2021.06.16

カンパニー制とは、社内の個々の事業に権限を持たせる企業のひとつの在り方です。迅速な意思決定ができる反面、カンパニー同士のつながりが希薄になるなどの弊害を生み出すことも。本記事では、カンパニー制の基本的知識からメリット、デメリットについて解説します。

目次
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カンパニー制とは?詳しく解説

カンパニー制とは、社内にあるそれぞれの事業に権限を持たせ、独立した会社のように扱う仕組みのことです。似た形態に持ち株会社や事業部制がありますが、これらの仕組みとは異なります。ここでは、カンパニー制についての基礎的な内容について説明しましょう。

カンパニー制の意味とは

カンパニー制とは、それぞれの事業をまるで独立した会社のように扱うひとつの企業の在り方です。本社から「ヒト・モノ・カネ」の権限を与えられ、一個の会社のような責任を負い事業展開を図ります。それぞれが独自の責任で経営判断を行い迅速にかつ柔軟に実行することで、本来期待される利益を追求することが可能となるのです。

それぞれリーダーとして執行役員が置かれ、事業そのものだけでなく人事や予算などについても自分たちで管理します。

持ち株会社や事業部制とは異なる

カンパニー制は、事業部制や持ち株会社とは異なります。

事業部制は事業運営に必要な権限は与えられていますが、完全独立型ではありません。人事や予算などについては本社の管理下に置かれており、重要な意思決定の際には、本社の意向や判断を仰ぐ必要があります。そのため、意思決定までのスピードが落ちる、また柔軟な対応がすぐに実行に移せないといったデメリットが生じるのです。

持ち株会社とは、株式を所有することで事業を支配・統括する企業の在り方のことを言います。一般的に〇〇ホールディングスと呼ばれる形態です。法的に別会社となるため、例えばグループ内で他の事業が巨額な損失を出したとしても影響を受けることはありません。

一方、カンパニー制は、独立した会社のように権限を与えられていますが、会計上、法律上はあくまでも同じ法人として扱われます。

カンパニー制の3つのメリット

カンパニー制には3つのメリットがあります。責任の所在が明確であること、迅速な事業展開が可能なこと、次世代のリーダーを育成できることの3つです。日本の名だたる企業が導入したことで注目されているカンパニー制ですが、従来の企業の在り方と比べてどういったメリットがあるのか説明します。

1.責任の所在が明確になる

カンパニー制のメリットのひとつは、責任の所在が明確になることです。カンパニーごとにリーダーが配置されるため、誰がどの責任を負っているのかがはっきりします。逆に言えば、それぞれのリーダーは、自分の果たすべき仕事内容がよりクリアになり集中できるということです。

2.柔軟かつ迅速に事業を展開できる

カンパニーをひとつの会社として機動させることで、柔軟かつ迅速な事業展開を行えます。意思決定を必要とする度に本社の意向を聞く必要はなく、すぐにGOサインを出すことができるのです。

昨今の消費者の動向やニーズの変化は、従来になくスピーディー。タイミングを逃さず、迅速に決定し行動できる体質は、今の時代に必要不可欠です。

3.次世代のリーダーが育成される

カンパニー制は、次世代のリーダーを育成するために適した仕組みといえるでしょう。なぜならリーダーは、自己責任で事業戦略や経営資源の配分などを考え決定し行動するという、一会社の経営者的視点を必要とするからです。企業内の一部署で負っていた責任とは全く異なる経験を積むことになるため、企業の次のリーダーとして相応しい人材を育てるのに役立ちます。

カンパニー制の3つのデメリット

カンパニー制には、メリットだけでなくデメリットもあります。部門の重複によりコストがかかること、企業内のつながりが希薄になること、不正や隠蔽が起こりやすいことの3つです。

日本ではソニーがカンパニー制をいち早く導入し、その後もトヨタ自動車などが続きましたが、導入したNECや富士ゼロックスでは途中で廃止しています。カンパニー制には様々な弊害もあり、すべての企業に適した仕組みとは言えないでしょう。

1.部門が重複するためコストがかかる

カンパニー制はそれぞれの事業で「ヒト・モノ・カネ」を管理するため、重複する部分が発生しコストが余計にかかります。従来の企業のように集約しまとめて管理することで、カットできる部分もあるでしょう。コストをかけてでも導入する価値があるかどうかを見極める必要があります。

2.企業内のつながりが希薄になる

カンパニー制では、企業内の横のつながりが希薄になります。異なる事業間の交流が減ることで、情報共有が必然と少なくなり、大企業ならではのメリットであるシナジー効果を得られにくくなるのです。さらに、カンパニーと本社とのつながりも弱まる可能性があるため注意が必要でしょう。

3.不正や隠蔽が起こりやすくなる

カンパニー制は、大きな権限を渡すことで独立性が高まりますが、反面、カンパニーに不都合な情報や不正会計処理などの隠蔽が起こりやすくなります。

カンパニー制では、どのカンパニーがどのくらいの収益をあげたのかが明白になります。言い換えると、結果を出せない場合もはっきりするということです。結果至上主義に陥ると、情報が隠蔽されやすくなるため、透明性の確保が欠かせません。

最後に

カンパニー制とは、事業ごとに大きな権限を委譲し、ひとつの会社のように扱う企業の仕組みです。現代のスピーディーな消費者行動に迅速に対応することが可能ですが、反面、不正や隠蔽が起こりがちといったいくつかのデメリットも生じます。やみくもに新しい仕組みを取り入れるのではなく、導入する際には、自社に適しているかどうかをよく考える必要があるでしょう。