“オールジャンル”のキャスティングであらゆるニーズに対応する株式会社エイスリー 

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業界では異例の“総合”キャスティングサービスで急伸する株式会社エイスリー。

これまでのキャスティングの概念を打ち破り、芸能人だけではなくYouTuberやインフルエンサー、アスリート、文化人などあらゆるジャンルのキャスティングを1本化。 

さらにはエンタメ特化型総合人材サービスやM&A仲介サービス、タレントのセカンドキャリア支援にも乗り出し、大きな話題となっています。

今回はそんな注目の企業・エイスリーの代表取締役山本直樹氏(以下敬称略)に、総合キャスティング事業を展開するに至った経緯やサービスの詳細についてお話を伺いました。


目次
目次

1.サービスの展開に至った経緯

株式会社エイスリー 代表取締役 山本 直樹 氏

読者モデルブロガーとの出逢いから「生き物の総合商社」へ

――サービスの展開に至った経緯について教えてください。

山本:10年ほど前に読者モデルブロガーを紹介してもらう機会があったのですが、その方がブログだけで多額の収入を得ていたんです。

私は以前、ホリプロのマネージャーをやっていました。

売ろうとしても売れない方たちが多い中、突然現れた読者モデルブロガーのような、芸能事務所に所属していない方がそんなに稼いでいると聞いた時にものすごい衝撃を受けたんです。それで当時の読者モデルブロガーたちに声をかけてリスト化したら、企業からの需要が非常にありました。

インフルエンサーマーケティングの本当にスタートの頃でした。


当時はまだ数人で会社をやっていたのですが、それだけでかなりの収益がありました。

ですがブロガーの業界自体がまだそれほど管理されていない時期だったので、いろいろなトラブルが起き始めリスクの高さが浮き彫りになってきたんです。

その頃には企業にとっての“人の価値”というものが、もともと自分が持っていた常識を越えて変化していくのだろうなと感じ始めていました。

こういった世界が今後どんどん広がっていくんじゃないか、そういう人を全部扱える会社になれば便利になるんじゃないか。そう考えて、ブロガー特化からオールジャンルを扱う形になっていきました。

「生き物の総合商社」みたいな形になっていくとお客さんも便利になるんじゃないかと考え、そこからコツコツ広げてきたという感じです。


――「生き物の総合商社」という例えの他にも総合キャスティング事業を様々な表現でわかりやすく例えていらっしゃいますよね?

山本:家電量販店戦略と例えていた時期もあります(笑)。

ああいったお店にはオールジャンルの電化製品が置いてありますよね。

1階には最新のスマホが並べられていて、でも他の階に行けば電球や冷蔵庫もある。

キャスティング会社も同じで、動物、芸能人、YouTuber。全部そろえているところがあれば相談が増えるんじゃないかと考えたんです。

13の専門ユニットがクライアント様の課題を解決


――イベントや企画に芸能人を起用したいとなった時に広告代理店がキャスティングも請け負うのかと思っていたのですが、そういうものとはまた違うのでしょうか?

山本:大きな広告展開やCMは大きな代理店がやることが多いと思います。

最初からいきなり大手に突撃するのは難しいですよね。

ですので地方の企業や一般の方々、学校なども含めて、相談しやすい場所を作ろうというところからスタートしました。

当時はどこの会社もそのようなことをやっていなかったんです。

おそらく地方の企業が何かイベントをやろうとなった時、芸能事務所に電話するか、地元の代理店に連絡するかだったと思います。

でもネットで検索したら弊社が「気軽に呼べますよ」「当日もついて行きますよ」と書いている親しみのある雰囲気のホームページが出てくる。そういったものを作ったことで、案件のお問い合せをいただくようになりました


変化する時代に合わせ、各分野に強いチームを編成

――若手の社員さんが多く活躍していらっしゃいますが、みなさんの力を信じてドーンと任せている感じがします。


山本:
そうですね、あえて放任しています

例えば声優やYouTuberについて聞かれても、年齢と共に自分ではわからないことがどうしても出てくるじゃないですか。

総合キャスティング会社として、競合他社よりも、そしてお客様よりも詳しい場所にしようとすると、自分がしゃしゃり出るよりは詳しい人に任せた方が絶対にいいですよね。

1970年代のアーティストの案件がきたらそれだけはできるかもしれないですけれど(笑)。

それ以外は無理かもしれないですね。

それぐらい今は難しい時代になったと思います。

昔は一般のユーザーもメディアも代理店の認識もだいたい共通の有名人で成り立っていましたよね。メディアもテレビ・ラジオ・雑誌だけで今よりは種類が限られていたように思います。

でも今はそうではない。

急激に変わっていく時代にどうあるべきかと考えたら、やはりいろいろな世代でいろいろな何かを好きという人間を集めて、彼らに任せる方がいいだろうと考えたんです。


――例えばYouTuberなど、その分野に強いスタッフがそろっているのですか?

山本:超強いです。何を言っているんだかさっぱりわからないです。私は「エガちゃんねる」しか観ないので(笑)。

面接の時にもちろん人柄も見るのですが、各キャスティング専門チームが「この辺のことにもう少し詳しい人がほしい」という感じで採用を考え、話を聞いたりします。

もともとみんなが最高の知識を持っているわけではないのですが、好き×専門チームに入るとそれでまた鍛えられて専門家のようになっていくんです。


――福利厚生でR-1ドリンクを支給されているのはユニークですね。

山本:社員の発案だったと思います。

私は過去に、「てもみん」の無料チケットを毎月配っていましたね。それは私が「てもみん」が大好きだからなんですけれど(笑)。

ただマッサージが苦手で使わない人もいるので、ちょっと不公平じゃないかという声が上がりやめてしまったんです。

福利厚生はみんないろいろと考えてくれているので、これからも様々な形でやっていきたいですね。


常にお客様寄りの企業でありたい

――クライアントや芸能事務所と信頼関係を築くために心掛けていることはありますか?

山本:新たな会社を、そして新たなサービスを作るために“業界外”の人を起用して、フレッシュな、相談しやすい場所にすると決め、あえて素人集団を採用しました。

いかにも業界人っぽい人が電話に出てしまうと近寄りがたいと思われる方もいるので、業界外で何かしら好きなジャンルがあって、コミュニケーション能力が高い人を採っていこうと考えたんです。

ルート作りは元マネージャーとしてやり方だけを教えて、後は社員が自分たちで考えて動いてくれたという感じですね。

当初は案件も少なかったので、ひとつひとつをコツコツやっていきました。

オンライン集客とか、他の会社がやっていなかったようなところで手を打っていき、次第に相談が増え、ノウハウもできてクライアントや事務所を紹介して頂けるようになっていきました。


――キャスティングをする上で大切にしていることはなんですか?

山本:どうしても芸能事務所などはそれなりのご要望があるので、そちらに寄りがちになってしまうんです。

「事務所さんがこう言っているので難しいです」というのが起こりやすい世界だと思うのですが、やはりお金を出してくださる、課題を持っていらっしゃるお客様の方に少しでも寄る、真ん中よりはちょっと寄るという想いを忘れないようにしています。そうでなければ新しくキャスティングサービスを作る意味がありません。

結局、芸能事務所側の代弁者であれば、直接連絡すればいいという話になってしまいますからね。


――エイスリーでは総合キャスティング事業の他も、元芸能人のセカンドキャリア支援やエンタメ業界特化型の総合人材、M&Aなども手掛けていますね?

山本:ずっとこの業界にいるので何をしたら楽しいか、何をしたら支援できるのかを常に考えている部分があります。

セカンドキャリアについては、やはりマネージャー時代の経験からですね。

例えば10代から芸能界に入って10年経って卒業する時に、アルバイトすらした事なく社会に出るというのは大変なことだなとずっと気にしていたんです。アスリートの世界ではセカンドキャリア支援への取り組みも見られますが、芸能の世界ではまだありません。

今手掛けていることはお世話になった業界への恩返しという側面もありますが、変化に合わせて自分の会社も成長していきたいというビジネス視点もあります。ですから支援というだけではなく、そこはビジネスチャンスとも捉えてやっていこうと考えています。


2.Withコロナをどう生きていきたいか

コロナをチャンスと捉え、攻めの姿勢に

――コロナで会社が受けた影響やそのリカバリー方法について聞かせてください。

山本:イベントの案件はなくなりましたね。

ただデジタルマーケティングやインフルエンサーマーケティングなど、もともと伸びている分野がありました。

コロナでリアルなイベントがなくなったところで、様々な企画・プロモーションがオンライン上で行われるようになり、そちらの案件が一気に増えたんです。

イベントがゼロになったことで人事異動をし、デジタル寄りの人材を増やしてリアルは最小限にしました。

結果、全体的に案件数が伸び、そのまま成長できたという感じです。


――現状に合わせ、すぐにチームを再編成したんですね?

山本:需要が全体的に減ったのではなく、増えたものと減ったものとがあるので、そこで最適化したというイメージです。

逆に競合他社は焦っていると思ったので、チャンスと捉えて採用もしやすいかなと思いました。

他社が抑えればうちは採りやすくなる。採用もあえて強化したり、コロナ中に新しいフロアも借りたり、アフターコロナの時に元気よく一番に飛び出せる会社になれるよう、コロナ中は逆に攻めた方がいいんじゃないかと考えたんです。


――Withコロナ、アフターコロナという言葉が出てきましたが、社長はこれからどう世の中が変わっていくと思いますか? 

山本:イベントはハイブリッド型になるなど、その辺りは変わるでしょうね。

プロモーションについては、デジタルマーケティングの分野はもともと伸びていましたし、コロナ云々で強い意識の変化はさほどありません。

ただリアルな世界の反動はもちろんあると思うので、イベントのキャスティングチームは少し人員を戻して、その分野で収益が減った分をアフターコロナで取り返したいとは考えています。

キャスティングに関しては少し競合が増えたなという印象を持っています。

エイスリーがベンチマークされ始めたなと感じているので、サービスの向上やジャンルを更に広げる、データを武装するなど、コロナとは関係ないところで強化しないといけないと考えています。


3.最後にお客様に向けてメッセージをお願いします

キャスティングに関わるすべての雑事に対応します

――PITTALABの読者にメッセージをお願いできますか?

山本:ほんの少しでもいいので、相談したいことを投げてもらえればと思っています。

そこからあらゆる有名人、著名人のルートを使い、「こういう方がいいんじゃないですか」「こういう方はこれぐらいの金額するんですよ」「こういう契約の仕方がありますよ」「こういう使い方がありますよ」など、ご提案できるのが大きな強みです。


――YouTubeでの企画のように個人がお願いしてもいいんですか?

山本:与信などはありますが可能です。

例えばAMEMIYAさんの動画でもありましたが、個人の披露宴の仕事も多くあります。

学園祭実行委員会や団体などもそうですね。前もってご相談頂ければ、何かしらハマる方をご提案できると思います。

(YouTube :【AMEMIYA】オンライン捧げる歌はじめました【お父さんお母さんありがとう。】)

山本:そしてイベントだと「本当に当日来てくれるのか?」「楽屋どうしたらいいんだろう?」「弁当はどうすれば?」等いろいろ疑問や不安があると思いますが、弊社がイベントに同行し、対応しますので安心してください。

広告であれば、「衣装はどうする?」「うちは建設会社だけどこのタレントさん、ハチマキしてくれるかな?」とか(笑)。

そういうことも全部調整します。

イベントが決まっているのにタレントが不祥事を起こし、芸能ニュースを騒がせることがあっても大丈夫です。

弊社がリカバリーする手法を持っているので、安心してすべてをお任せ頂ければと思います。


株式会社エイスリー


斉藤 ボタン[取材・文] /明石 滉斗 [撮影] / PITTALAB[編集] 取材日:2022年3月11日

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