動画広告は、テレビを見る人が若者を中心に減少し、YouTubeなどの動画配信サービスを視聴する人が増えたことで、需要が年々高まっています。
とはいえ、「動画広告の制作を依頼したいが、どの程度費用が必要なのかわからない」「多くの人に見てもらうために、広告を掲載できる媒体ごとの特色を知りたい」という方は多いのではないでしょうか。
そこで今回は、動画広告にかかる制作費用の相場と、費用を抑えるためのコツについて解説していきます。
記事後半では、広告を配信する際のポイントについてもまとめていますので、動画広告の制作や動画配信における失敗を防ぎたい方は是非最後までご覧ください。
動画広告を作成するのにかかる費用相場一覧
動画広告の制作を依頼すると、いくらかかるのでしょうか。
本項では、動画広告を制作するのにかかる費用の相場を、広告の種類ごとに紹介します。
依頼の見積もりをする前に、相場と大きく離れていないか確認をしておきましょう。
商品・サービス紹介
商品・サービス紹介の動画にかかる費用の相場は10万円〜100万円です。
画像で商品やサービスなどの紹介をするだけのスライドショーであれば、費用を安く抑えることができます。
一方、プロの演者などを雇って制作するのであれば、視聴者の印象に残りやすくなりますが、費用は高額になるでしょう。
安く済ませたいのであれば画像などで紹介するだけで良く、ブランドイメージなどを付加したいのであれば高額になっていきます。
紹介する商品やサービスのイメージをどれだけ強くしたいかに合わせて、依頼先を決めるようにしましょう。
会社紹介
会社紹介の動画にかかる費用の相場は10万円〜200万円です。
会社の風景などを使用したり、社員へのインタビューを行う動画であれば費用はさほどかかりませんが、コンセプトの紹介などでオリジナリティを付与するために素材を使いまわすことができない場合は、高額になっていきます。
紹介に使うものが画像素材だけであれば10万円程度で制作可能ですが、機材などにお金をかける場合やプロの演者などを起用するなど、より良い紹介をしたい場合、200万円近い費用がかかる可能性があることを考えておきましょう。
アットホームな雰囲気などを重視するなら少額でも構いませんが、紹介する会社を大きく見せたい場合などは費用をかける必要があります。
ブランディング動画
ブランディング動画にかかる費用の相場は100万円〜300万円です。
撮影にかかる機材や、撮影する場所、キャスティングをきちんと考え、力を入れる必要があるので、必然的に高額になります。ブランディング動画は製作が難しく、プロに任せることが無難といえます。
せっかく高額な値段を払うのだから、高い技術を持つ会社に任せたいところですよね。そのため、複数の会社から比較するなど、依頼する企業は慎重に選ぶことをおすすめします。
この場合、平均の相場は200万円ほどになります。安く済ませようとすると商品やサービスのイメージを損ねてしまう可能性があるため、注意しましょう。
Web広告用動画
Web広告用動画にかかる費用の相場は10万円〜200万円です。
画像のスライドショーなどで制作する場合は、費用を抑えることが可能で、フリー素材などを使うのであれば、さらに安くできるでしょう。
平均的に20万〜50万円ほどと言われていますが、高額な費用をかけることで、オリジナリティを付与したり、広告を配信する媒体に適したマーケティングを行えたりします。
マニュアル動画
マニュアル動画にかかる費用の相場は20万円〜50万円です。
商品やサービスなどの説明が中心となることが多く、ナレーションが必要になってくる場合もあります。
機材などはあまり必要ではないため、外注せずに自社でできる部分は多い部類です。
イメージなどを挟む必要がなくなった場合、費用は20万円〜30万円まで抑えられるでしょう。
採用動画
採用動画にかかる費用の相場は50万円〜200万円です。
説明することが多く長尺の動画になりやすいため、費用は高額になります。イメージなどを伝えたい場合は、素材を用意するためにさらに費用がかかってくるでしょう。
また、動画内容を社員のインタビューや、勤務の様子などを中心とすることで、費用を抑えられます。動画を視聴する人にとっては現場の生の声が重要となるため、費用以外の面でも自社でできる作業は自社で行うことがおすすめです。
動画広告の費用が決まる要素
動画広告の費用は、「質」をどの程度重視するかによって決定します。
クオリティを追求しすぎると費用は際限なく増していくため、どの部分に力を入れるべきなのか明確にしておきましょう。
費用は主に以下の4つから決まります。
機材費用
撮影に使う機材によってかかる費用は変わります。本格的なクオリティを求めるのであれば、それだけ必要な機材が増えていくでしょう。
一方機材をそれほど必要としない動画広告では、費用を安く済ませることが可能です。しかし質を求めるのであれば、多くの機材が必要になってきます。
必要な機材だけを使うようにすることで無駄を省けるため、製作費を抑えられます。
人件費
制作に関わってくる人数が多いほど、費用が高額になっていきます。大掛かりな撮影が必要な場合は、相応の人数を用意する必要があるでしょう。
人数を用意するだけでなく、プロの演者などを起用する場合は、クオリティの向上は見込めますが、かかる費用はさらに上がります。
こちらも必要な人員を必要なだけ雇うようにして、費用を削減するのがおすすめです。
制作期間
動画を制作するには、短くても1ヶ月、長ければ3ヶ月以上かかる場合もあり、制作期間が長くなるほど費用が高額になる傾向にあります。
企画の段階で「どれだけスムーズに撮影が行えるか」を考慮しスケジュールを組むことが鍵となるため、事前にどのような撮影を行いたいのかを詳細に伝えておきましょう。
スケジュールがうまくいかなければ、制作が伸びて当初より大幅な費用がかかってしまう場合があります。事前準備はしっかりしておくことが大切です。
シナリオ作成
動画を作るための台本は、どれだけ動画の時間が短かったとしても必要です。動画広告はシナリオに沿って制作が行われるため、イメージなども含めて台本を作成しておかなければなりません。
イメージなどが固まっていないと、動画広告の目的が曖昧になり、視聴するユーザーにとって何を伝えたいのかよくわからないものになってしまいます。
キャスティングや台詞を考えるだけでなく、「誰をターゲットにするのか」「この動画の目的は何か」など、事前にできるだけ詳細な情報をまとめ、外注先に伝えるようにしましょう。
動画広告の制作費用を抑えるためには?
制作を全て依頼して質を求めればそれだけ費用がかかってしまうため、自社で作業を行うなど、工夫することで費用を安く済ませられます。
動画制作の費用を抑える方法は以下の4つになります。
1つの会社に絞らず、複数社を検討する
依頼をする会社は1つだけに絞らず、複数の会社から検討するようにしましょう。制作会社によっては、同じような制作であっても値段が異なる場合があります。
複数の会社を比較することで、相場についての理解も深まるため、同じ仕事を頼むとしても費用を抑えて発注できます。
また、広告代理店を挟まずに直接企業に依頼した方が手数料がかからないため、結果的に安く済ませられることも覚えておきましょう。
自社でできる作業は自社で行う
作業を全て外注すると、値段が高額になってしまいます。プロに依頼するメリットとしてはクオリティが補償されることが挙げられますが、自社でできる作業は自社で行い、なるべく費用を抑えられるようにしてみましょう。
また、自社で作業をすることで、社員の今まで知らなかった能力を発掘できるかもしれません。
会社案内の動画などであれば、インタビューなどは社員が行い、自社の映像を使うことができます。安く済ませるために、自社でできる箇所はないかを検討してみてください。
作業工程を分割して制作を依頼する
自社でできる箇所を把握したら、動画作成の工程を分割し、自社でカバーできない範囲を依頼するようにしましょう。自社で行える範囲が広いほど、製作費を抑えることができます。
企画から編集まで全てを依頼すると費用が高くなるため、シナリオ作成などの企画については自社で行ったり、素材にフリー画像を使用したりすることで安く済ませられるでしょう。
動画の時間や素材を削減する
動画の時間を短くすることで、費用を減らせます。なぜなら、動画の時間が長くなるほど、使う素材が増えて費用が高くなるからです。
また、短い時間の中でも、画像の素材をできるだけ減らすようにすることで費用を節約できます。
動画の時間は長ければ良いものではなく、むしろ短い時間で視聴者を引き込むことが求められるため、費用の削減にも繋がるカットは必要です。
動画の時間を短くすれば、入れるべき情報を短い時間に詰め込むことになり、動画のクオリティの向上も見込めます。
動画広告の単価
動画広告の料金を決める体系は主に3つあります。
- CPV(1再生あたりにかかる費用)
- CPM(1000回表示されることでかかる費用)
- CPC(1クリックあたりにかかる費用)
1つずつ解説します。
CPV(Cost Per View)
CPVとは、動画広告が1回再生されるごとにかかる費用のことです。
「再生される」の定義は媒体によって異なり、○○秒以上視聴すると費用が発生する、最後まで視聴されて初めて費用が発生するなど、様々です。
そのため、費用を抑えるためにも、興味のあるユーザーに見てもらうためにも、広告を載せる媒体はしっかりと選ぶ必要があります。
視聴者が一定の時間動画広告を見ることになるため、他よりも注目される確率は高くなります。数より質に適した料金体系と言えるでしょう。
CPM(Cost Per Mille)
CPMとは、動画広告が1000回表示されるごとにかかる費用のことです。
再生回数ではなく、どれだけ広告がユーザーのデバイスの画面に表示されたかで費用が発生します。
動画が視聴されたかどうかは関係なく費用が発生する仕組みのため、インプレッション数(広告が表示される回数)が増えたとしても狙ったターゲットに広告が行くとは限らず、コンバージョン数(成果に繋がる回数)が増えるとは言い切れません。
CPVとは逆に、質より数に適した料金体系になります。
CPC(Cost Per Click)
さいごに、CPCは、動画広告へのリンクを1クリックするごとにかかる費用のことです。
広告を載せた会社が狙ったリンクへユーザーを飛ばすことで、商品やサービスへの成約を促すのが主な目的です。
商品やサービスへの誘導を目的としたリンクがどの程度の確率でアクセスされたかは、どれだけ視聴者に興味を持ってもらえたかの重要なデータとなります。
媒体別の広告掲載にかかる費用相場
動画広告を掲載する費用については、支払う広告費をオークション形式で決める「入札型」といわれるものが多く、はっきりとした費用は分かりづらくなっています。
しかし、各メディアと料金体系によってある程度の広告掲載にかかる費用はわかっているため、適切な広告の載せ方によって費用を抑えることが可能です。
以下に、主要な広告の掲載が可能なメディアの相場を紹介します。
媒体によって、広告費用が発生するか発生しないかの定義が異なるため、費用を安く済ませるためにも知っておきましょう。
YouTube
「YouTube」は、日本だけでも6500万人が利用している、圧倒的なユーザー数を誇る動画配信サービスです。(※2022年4月25日時点)
ユーザーの質も様々であり、広い年齢層の人に広告を見てもらえることが期待できます。
動画広告の料金体系はいくつかあり、数秒経つと広告をスキップできるタイプ(インストリーム広告)や、6秒以下の動画で最後まで視聴しないと動画が再開されないもの(バンパー広告)などがあります。
他には、検索結果や関連動画に紐づけられた広告が出るタイプ(TrueViewディスカバリー広)など、種類は豊富です。
インストリーム広告はCPVまたはCPM、バンパー広告はCPMです。また、検索結果などに表示される広告はCPCになるため、先ほど述べた3つの料金体系全てに当てはまります。
費用は1再生につき0.3円〜20円です。CPV、CPM、CPCなどのそれぞれのタイプによって費用が異なるので、自分の予算に応じて動画広告の料金体系を選ぶと良いでしょう。
若者を中心に人気の「Instagram」は、画像や動画などの媒体と相性の良いSNSです。
特に、女性層をターゲットとした商品やサービスの動画広告と相性が良いと言えるでしょう。
動画広告はCPV、CPM、CPCの3つに加えて、アプリのインストールによって発生するタイプがあります。
アプリがインストールされることによる直接的な成果は大きいため、かかる費用は他の料金体系と比べると高めに設定されていることが多くなっています。
CPVは4円〜7円程度、CPMは1円程度、CPCは40円〜100円程度、アプリのインストールで発生する費用は1つにつき100円〜150円になります。
「Twitter」は手軽に発信できることが魅力のSNSです。国内ではYouTubeに次ぐユーザー数を誇ります。
動画広告は、Twitterのタイムライン上に自動的に表示され、「動画の50%以上の表示された状態で6秒以上経過」「動画全体が表示された状態で3秒以上経過」などの条件を満たすと費用がかかるようになる仕組みです。
動画広告は、YouTubeとは異なりスクロールでいつでも飛ばすことが可能で、表示される回数は多くなりますが、興味のある層以外から注目されることは期待できません。
しかし、ユーザーの検索履歴などを参照に動画広告が自動的に選ばれるため、興味のある層にはそのジャンルの広告が届きやすくなっています。適切な広告を選んで載せることができれば、コンバージョン数の上昇が期待できるでしょう。
料金体系はCPVで、1再生につき40円〜100円です。
「Facebook」は実名を登録する必要があるため、ビジネスで使用しやすいSNSといわれています。
YouTubeやTwitterと比較するとユーザー数は少ないですが、その分濃いユーザーを取り込むことができます。
動画広告のタイプは、10秒以上の動画を視聴した際に費用がかかるCPVと、1000回表示されるごとに費用がかかるCPMの2通りの料金体系があります。
ビジネス目的で使うユーザーが多いため、娯楽目的で使うユーザーが多いYouTubeなどと比べると動画広告の離脱率が低く、成果に繋がりやすい点が魅力です。CPVは1再生で100円〜150円、CPMは1000回の表示で500〜2000円の費用がかかる計算になります。
動画の広告制作・配信で失敗しないためのポイント
動画広告を制作し、メディアに掲載しても、成果が出ないのでは意味がありません。
配信後に改善を進めていくことも大切ですが、事前の準備でできることがあれば、製作費を抑えるという意味でもきちんと情報を集めて準備をしておくべきでしょう。
ここでは、動画の広告制作・配信で押さえておくべきポイントを4つ紹介します。
動画広告を作成する目的やターゲットを決めておく
動画広告を制作する前に、「目指す先は何なのか」「誰をターゲットにするか」を明確にすることは非常に重要です。
作成する目的が明確でないと、何を伝えたいのかわからない広告となり、視聴するユーザーに響かない動画となってしまいます。
また、ターゲット先によって制作する動画の構成などを考える必要があるため、ゴールを決めておかないと、せっかくお金をかけて動画広告を作っても成果に繋がりません。
そこで、制作する広告がどのような媒体に適しているかも織り込んで制作を行うことで、より大きな効果が得られます。
動画広告の制作に入る前に、事前準備はしっかりとしておきましょう。
広告の掲載媒体について理解したうえで動画を制作する
YouTubeやTwitterなど、各媒体によって広告が掲載されるタイミングや時間、想定されるユーザーの層などに違いがあることを広告を制作する前に理解しておきましょう。
例えば、YouTubeは広告が再生する一定の時間は他の再生ができない、または広告の再生が終わるまで動画の再生ができない仕様ですが、Twitterなどはスクロールすれば広告を見ずに済みます。
広告を見たくて見る人はほとんどいないことから、短い時間で視聴者を惹きつける魅力的な動画の制作が要求されます。
また、掲載する媒体のターゲット層を見極めることも重要です。「Instagramは女性向けのものが受けやすく、Twitterは若者向けのゲームなどサブカル系が興味を持たれやすい」など、ユーザーの傾向を把握しておきましょう。
動画の制作コストをできる限り削減する
動画広告は、制作をして終わりではありません。その後に広告を掲載する費用についても考えておく必要があります。
そのため、制作にかかるコストについては自社でできる作業は自社で賄うなど、工夫が大切になることを押さえておきましょう。
また、掲載する媒体によって広告にかかる費用も異なるため、紹介する広告、媒体に適した動画の時間にすることで費用を抑えられます。
動画広告を継続して配信するためには、制作費用に加えて、各メディアに掲載していく上でかかる運用コストをなるべく抑えることがポイントです。
動画広告の運用ノウハウを取り入れる
動画広告は配信後に得られた情報を分析することで、改善しやすくなり、より成果が出やすくなります。
また、準備段階でも各媒体の情報などは集められるため、事前に分析を行うことで、改善の段階を省いていけるでしょう。
運用にかかるコストと比較して、外注をした方が結果的に費用が安く済むと予想できるのであれば、依頼を行うべきです。
動画広告は準備段階での情報収集、配信後の分析などのノウハウが欠かせないため、広告の掲載後も改善をしていくと共に、必要であれば外注も検討するようにしましょう。
最後に
今回は、動画広告の制作にかかる費用と安く済ませるコツ、配信する上でのポイントを紹介しました。
制作の段階でターゲットであるユーザーや、目指す先を決めておくことで、費用を安くすませることができ、結果に繋がりやすくなります。また、掲載するメディアによって得られる結果も変わってくることについても紹介しました。
動画制作を成功させ、マーケティングにおいてより良い成果を出していくために、適した掲載媒体を選ぶようにしましょう。動画広告によってマーケティングやブランディング効果を高め、売上アップを目指していくために、ぜひ今回紹介した内容を参考にしてみてください。
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