Webサイトの流入数が少ないことに悩んでいる方も多いのではないでしょうか。Webサイトの開設直後はなかなかアクセスを集めるのが困難ですが、地道にやるべき施策を積み上げ、長い目でサイト流入を増やしていくことが求められます。
Webサイトの流入数を増やすためには、作業など「工数」をかける方法と広告など「費用」をかける方法があります。
本記事では、Webサイトへの流入を増やす方法をシンプルに分類しています。どのようにアクセスアップを図ってくか考える際に、大まかに方向性の整理ができる内容を目指しています。各手法の具体的な工数や費用相場について確認を進めてみてください。
Webサイトへの流入を増やす方法は大きく2つに分類できる
Webサイトへの流入を増やす方法は、「工数をかける方法」と「広告費用をかける方法」に大別されます。それぞれ詳しく見ていきましょう。
"工数"をかけて流入アップをはかる方法
検索エンジンからのオーガニック集客(SEO)
オーガニック検索とは、検索結果画面に表示される広告以外の検索結果のことです。自然検索とも呼ばれます。
オーガニック検索の表示順位は、SEO対策(検索エンジン最適化)によって高めることができるため、広告費用をかけることなくトラフィックを継続して増やすことが可能です。上位表示によるブランディング効果を期待できるのもメリットの一つ。ただし、SEO施策の効果が現れ、トラフィックが改善するまでに時間がかかるというデメリットがあります。
検索結果の上位表示を目指す主な方法は次の3つです。
1.コンテンツマーケティング(コンテンツSEO)
コンテンツマーケティングとは、ユーザーが求めるコンテンツを提供することで、アクセスを増やし、ユーザーとの関係性を強化するマーケティング手法です。単なる集客だけではなく、注文など成約に結びつくような信頼関係構築を含めた幅広い施策が含まれます。なお、コンテンツSEOとは、高品質な記事を発信して検索結果の上位表示を目指す方法です。コンテンツSEOはコンテンツマーケティングの一部と考えるとわかりやすいでしょう。
2.内部対策
SEOにおける内部対策とは、Webサイトの構造や設計を検索エンジンにとって理解しやすいものに改善し、正しい評価を受ける状態にすることで、オーガニック検索の順位の改善を図り、サイトのアクセスアップを目指す施策です。具体的には、検索ロボットの巡回頻度をあげる「クロール対策」、コンテンツやページのインデックス数を促進する「インデックス対策」があります。
3.外部対策
検索エンジン、特にGoogleにおいては、どれだけ関連性が高く権威のあるWebサイトから被リンクを獲得しているかが、Webサイト評価に大きく寄与します。そのため、適切な外部リンクを獲得するための施策は順位獲得のおける重要施策です。基本的には、質の高いコンテンツを公開・発信することによって、他サイトからの被リンク獲得を狙います。また、インターネット上での口コミなどの言及を指す「サイテーション」を増やすことも重要な外部対策です。ブログやTwitter、FacebookやYouTubeのコメント欄など、オンライン上のあらゆる言及がサイテーションに該当します。
SNSでの投稿による集客
日本でのSNS利用者は8,270万人(普及率82%)に達し、2024年末には8,388万人に拡大すると予測されています。
SNSはプライベートでの利用だけではなく、企業のマーケティング活動にも不可欠な存在となってきています。
そのため、ターゲットが利用しているSNSにてアカウントを開設し、定期的に情報発信を行えば、幅広いユーザーへアプローチできます。また、フォロワーやチャンネル登録者を増やすことで、定期的にリーチできるユーザーを獲得することも可能です。
SNSのユーザー層や特性はそれぞれに異なるため、各SNSの特性やユーザー層を把握したうえで、適切なSNSを選び、マーケティング施策を展開する必要があります。
"広告費用"をかけて流入アップをはかる方法
もっとも即効性のあるWeb広告による集客
コストはかかりますが、もっとも即効性のある方法がWeb広告による集客です。代表的なWeb広告を以下にご紹介します。
1.リスティング広告
GoogleやYahoo!などの検索結果に表示される広告です。検索連動型広告とも呼ばれており、顕在層への訴求効果が高い広告であるため、コンバージョン獲得の期待ができます。費用は出稿するキーワードによって変動し、1クリック(1誘導あたり)の費用は10円~、高額なもので数千円と開きがあります。BtoBの商用キーワードの相場は、1クリック数百円です。
2.ディスプレイ広告
Webサイトの広告枠に掲載する広告です。アドネットワーク広告とも呼ばれます。テキストだけでなく、画像や動画を広告として出稿できるのが特徴です。基本的には認知拡大などブランディングを目的に活用します。また、Webサイトへ再訪させるユーザーリストを集めるための手法としても利用されています。費用は1,000インプレッションあたり10円~数百円が相場です。
3.SNS広告
SNSのプラットフォームを活用した広告です。詳細で精度の高いターゲティングができるため、少ないコストでリーチしたい層に的確に訴求ができます。ただし、各SNSの特性やユーザー層を考慮した広告運用をしなければいけません。費用は、SNSや広告の種類によって大きく異なりますが、1クリックつき1円~数百円が相場となります。
4.アフィリエイト広告
成果報酬型広告のことです。アフィリエイターやメディアパートナーと呼ばれるWebサービス運営者が自身のWebサイトやメール等に広告枠を用意し、その広告を介して問合せや注文などの成果が上がれば費用が発生する仕組みです。成果が発生しない限り費用はかからないため、費用対効果の高い広告です。費用相場は、1コンバージョンにつき100円~数万円と幅があります。成果報酬費用のほか、システム利用料や手数料など、アフィリエイトサービスプロバイダー(ASP)に支払う費用も発生します。
5.動画広告
YouTubeや各SNSに動画で配信される広告です。テキストや画像では伝えられない情報やストーリーを映像で端的に伝えられます。費用相場は動画の形式によって異なりますが、1再生あたり10円から数百円が相場になります。広告費のほかに、動画広告の制作費用も必要です。
どれくらいの工数と費用がかかるのか
検索エンジンからの自然流入、SNSを活用した流入数の増加施策、Web広告の運用では、それぞれ工数と費用感が異なります。詳しく見ていきましょう。
検索エンジンからの自然流入を増やす"コンテンツSEO"の工数と費用感
コンテンツSEOを自社内で行うのであれば、外注費用はかかりません。
WordpressのようなCMSを導入してWebサイトを運営している場合は、キーワードの選定と文章の執筆、入稿作業などに工数がかかります。この業務に精通している人が担当すれば、1記事あたり3〜5時間ほどで公開までの一連の作業を進められます。
外注する場合は、業務範囲や記事内容・ボリュームによって、1記事あたり3〜30万円の費用がかかります。具体的な費用相場については、こちらの記事をご覧ください。
Webライティング単価の相場とは|外注先の選定前に記事の原稿料(値段)をチェックしよう
定期的な投稿、フォロー活動により集客基盤をつくる"SNS運用"の工数と費用感
Webサイトの流入数を増やすためにSNSを活用する場合には、定期的な発信、つまり投稿活動が欠かせません。適切な投稿頻度はSNSによって異なります。また、投稿物がテキストなのか、写真なのか、動画なのかによって、制作準備に要する時間も異なってきます。
SNS | 適切な投稿頻度 | 1回の投稿準備に要する時間 |
---|---|---|
YouTube | 週に1〜2回 | 3時間〜 |
週に3〜7回 | 30分〜1時間 | |
LINE | ||
TikTok | ||
1日に1〜10回 | 10〜30分 |
上記のとおり、効果的な運用をするためには、相応の工数が発生します。
自社でのSNS運用が負担になる場合や、人的リソースが不足しているときは、運用代行会社に依頼するのもひとつの方法です。代行会社への依頼費用相場は、委託内容にもよりますが、月額20万円程度から依頼ができます。
Web広告を自社で運用する場合の工数と費用感
Web広告の種類はさまざまですが、ここではweb広告の代表格、Googleのリスティング広告を配信するまでの工数を紹介します。
1.まずはGoogleアカウントを作成します。すでにアカウントを所有している場合は、新規作成する必要はありません。
2.作成したアカウントでGoogle広告にログインします。
3.「新しいキャンペーンを作成」を選択します。
4.キャンペーン目標を選択します(ここでは「目標を指定せずにキャンペーンを作成する」を選択)
5.キャンペーンタイプで「検索」を選択します。
6.キャンペーンで目標とする成果を「ウェブサイトへのアクセス」にします。
7.単価を設定します。クリック単価を上げれば広告掲載の機会が増えますが、コストも増加します。費用対効果のバランスは、リスティング広告を運用しながら調整していくといいでしょう。
8.キャンペーンの各種設定をします。
9.キーワードを入力します。
10.広告を作成します。プレビューで作成した広告がどのように表示されるのかを必ず確認しておきましょう。
11.予算を設定してキャンペーンの確認をしたら完了です。
「100個程度のキーワード、1つの広告文」というような最小限のスタートであれば、15分程度で広告出稿までの作業は完了します。そのため最短即日の広告配信も可能です。ただし、広告素材の外注が必要な場合は、すぐのスタートができません。
ただし、定期的にキーワードごとの入札単価を変更したり、新たなキーワードを追加したり、広告分を変更したりといった最適化に向けた運用をしない限りは、広告パフォーマンスの改善は見込めません。運用業務の時間をだれが1日にどれくらい確保できそうか検討しておく必要があります。
なお、リスティング広告を専門の運用会社に委託する際は、広告費の15〜20%を運用代行手数料として支払うケースが一般的です。
集客資産をつくる手法としておすすめなコンテンツSEO
コーポレートサイトやオウンドメディアでサイト流入を定常的に増やすには、コンテンツマーケティング(コンテンツSEO)が有効です。主なメリットを詳しく見ていきましょう。
【メリット1】記事が検索上位を維持すれば、追加費用なく集客ができる
作成した記事が検索上位を維持すれば、集客効果も持続します。記事コンテンツを外注した際は、はじめに制作費がかかりますが、リライトなどの変更作業を依頼しなければ、追加の費用は発生しません。
対して、Web広告は即効性がありますが、継続的に運用の改善を図る必要があります。なぜなら、競合他社も常に運用改善に取り組むからです。もちろん、広告を出稿する限り費用が発生します。そのため、場合によっては、高品質なコンテンツ制作を外注する方が、Web広告を継続的に利用するより費用対効果が高くなることがあります。
【メリット2】多数のアクセスを集めなくてもリードを獲得できる
Webサイトの開設間もない時期に、難易度の高いキーワードで上位表示させるのは困難です。しかし、難易度および検索需要がそこまで高くないキーワードの中から、見込み客のニーズに合致したキーワードを選定しSEO対策を成功させることができれば、見込み客の流入とコンバージョンの獲得が期待できます。
Webサイト流入を増やすには、工数もしくは広告費用をかける必要がある
Webサイトの流入数を増やすには、一定の工数もしくは費用が必要になります。
いずれの手法にせよ、社内の人材で効率的な運用ができるのであれば、社内完結によるスモールスタートもひとつの方法でしょう。見込み客の獲得に有効なチャネルを検討して、適切な施策を展開するようにしてください。
即効性を求める場合は、Web広告の利用が効果的です。ただし、中長期的には広告費用がかさむため、オーガニック集客を恒常的に増やすコンテンツの制作も検討してみてください。