1.オンラインイベントとは?
オンラインイベントは「インターネット上で開催されるイベント」を意味します。具体的には小規模の交流会から大規模な展示会、エキスポ、カンファレンスまで、オンラインで人を集めておこなう各種イベントを幅広く指す言葉です。また、Webセミナー(ウェビナー)もオンラインイベントの一形式として人気があります。
最近では、Zoomで開催されることが多くなったものの、オンラインイベント専用のツールを使うケースもあります。また、ライブ配信だけでなくオンデマンド配信などさまざまな形態が出てきています。
(1)オンラインイベントのメリット
生の臨場感が得られるリアルイベントが戻りつつあるものの、近年ではハイブリッドイベントという、リアルとオンラインの同時開催のイベントが急増しています。
理由としては、オンラインイベントは「場所や人数の調整が必要ない」「ツールによる効果測定がしやすい」など利便性が高いためです。ここでは、2022年3月に博報堂プロダクツがおこなったアンケート結果を元に、オンラインイベント主催者が感じるメリットを3つ紹介します。
①コストの削減
企画内容にもよりますが、50.5%もの人が従来型イベントと比べて「金銭的・人的コストが下がった」と回答しました。オンラインイベントは会場使用料や設営費、当日配置するスタッフの人件費を抑えられるのがメリットです。そのため、ハイブリッドにしてリアルの来場数は抑えつつもオンラインで配信することが、両方の良い点を捉えています。
②接触回数の増加
次に多かった回答は「参加者との接触回数が増えた(36.5%)」でした。リアルイベントと違い、会場内の移動がないためスムーズに面談や商談ができるというのもオンラインイベントの魅力です。
③新規リードの獲得
オンラインイベントなら開催場所による参加のハードルがなくなります。リアルイベントでは参加できなかった遠方の潜在顧客とも接触でき、新規リードの獲得が可能です。実際に36.0%の人が「今まで接触したことがない⽅にアプローチできた」と手応えを感じています。
(2)オンラインイベントのデメリット
リアルイベントの強みは対面でのやり取りができることです。特に展示会においては、画面越しよりも目の前で見てもらうほうが製品の魅力が伝わります。ここでは、同じく博報堂プロダクツのアンケート結果に基づいて、オンラインイベントのデメリットを3つ説明します。
①コミュニケーションが取りにくい
一方向になりやすい配信型のオンラインイベントだと、顧客の表情や感情が読み取れずに意思疎通がうまくいかないケースがあります。「参加者とのコミュニケーションが取りづらい」と感じた人が60.3%と最も多いことから、Web上の面談や商談の場を設けるといった双方向型のオンラインイベントを企画するのが望ましいです。
②製品・サービスの価値が伝わりにくい
実際に製品に触れたり使ってみたりすることで、顧客が安心して成約できるという側面があります。「製品・サービスのリアリティ感、クオリティが伝わりづらい(41.3%)」という率直な回答は、体験に勝るセールスがないことを如実に表しているともいえるでしょう。
③顧客態度が変わりにくい
コミュニケーションが足りず、製品・サービスの価値を十分に伝えることもできなければ、顧客の購買行動はなかなか起こりません。アンケートでは34.3%が「イベント後の態度変容につながりづらい」と答え、オンラインイベントだけで成約につなげるのは難しいと感じています。
2.オンラインイベント企画の成功事例
オンラインイベントの企画を始める前に、これまでの成功事例を知っておくことが重要です。成功事例に共通するポイントを押さえておけば、顧客ニーズから大きくはずれてしまうのを防げるためです。ここでは、オンラインでおこなわれた「社内向けイベント」「社外向けイベント(B to B、B to C)」「採用イベント」の成功事例を紹介します。
(1)社内向けオンラインイベント
株式会社トーコンは、2022年4月11日に「メタバース」を使用した社員総会を実施しました。メタバースとは、アバター(自分の分身キャラクター)で動き回れる仮想空間のことです。社員170名がリアルタイムで参加し、事業方針の発表や従業員の表彰、レクリエーションなどがおこなわれました。開催後のアンケート結果は「とても良かった(68%)」「良かった(30%)」と好評で、大成功のオンラインイベントとなりました。
メタバース全社総会 参加者の声(匿名アンケート 回答数:137名)
引用元:メタバース(仮想空間)で社内イベントを開催しました!-株式会社トーコン
(2)社外向けオンラインイベント(B to B)
DMMオンライン展示会は、業界・テーマごとに企画されているオンラインイベント事業です。2020年10月の立ち上げから2022年1月までの短期間で来場者数はのべ4万人を超えています。2022年4月20日~22日には「教育総合.オンライン展示会 vol.3」「不動産×テクノロジー EXPO vol.2」「建築・土木×テクノロジー EXPO」「安全衛生改善 EXPO vol.2」「防災&BCP EXPO vol.2」が同時開催されました。
業種ごとの課題を抱えた事業者が多数参加するため、オンラインで効率的なマッチングが図れるイベントです。参加者の中には「効率よく商談につながってコストパフォーマンスが良かった」という感想もありました。
https://twitter.com/pomurinko1192/status/1517717569347612672?ref_src=twsrc%5Etfw
(3)社外向けオンラインイベント(B to C)
「カメラと写真映像のワールドプレミアショー」と銘打ったCP+2022(2022年4月22~27日開催)は、リアル会場とオンラインでハイブリッド開催をする予定でした。直前にオミクロン株の流行があり、やむを得ずリアル会場の開催を中止します。しかし、オンラインイベントのみになったとはいえ、出展企業が趣向を凝らしたコンテンツを無事に参加者へ届けることができました。
各コンテンツは特設ページや出展企業の公式サイトに一定期間アーカイブされており、参加者に再訪問してもらうことでリレーションシップの継続に成功しています。
https://twitter.com/T120LTS04/status/1521497134608039936?ref_src=twsrc%5Etfw
(3)採用オンラインイベント
登録者数48万7246人(2022年3月1日時点)のリクナビが企画する「合同WEBセミナーLIVE」は、全国の新卒生を対象としたオンライン合同企業説明会です。
企業セミナーや就活お悩み相談コーナーでは、参加学生がチャットを通じてリアルタイムに会話できます。セミナー当日に都合が合わなくても、後から見逃し配信で視聴することも可能です。場所や時間にとらわれないため、学生と採用企業の接触機会を増やせます。
https://twitter.com/Tars_an/status/1509779237859098627?ref_src=twsrc%5Etfw
3.オンラインイベントを成功させるコツは?
オンラインイベントを成功させるには、参加者のニーズに沿った企画をするのが大前提ですが、他にも押さえておくべきコツがあります。オンラインイベント成功のコツを「社内向けイベント」「社外向けイベント」「採用イベント」に分けて解説します。
(1)社内向けイベントの場合
社内向けイベントの企画では、以下の項目が満たせているかチェックしましょう。
1.全員が参加しやすい企画にする
各部署の繁忙期を避けたり、家事や育児を妨げない時間帯に開催したりするといった配慮が必要です。なるべく多くの社員が参加できるタイミングを選びます。
2.イベントの目的が参加者と共有する
「社員同士の交流を図る」「新規事業立ち上げのための研修会」など、何のためのイベントなのかを具体的に設定し、事前に参加者に伝えて目的を共有しておきましょう。
3.社員が主役になるコンテンツを含める
主催者側から一方的に配信するだけでは、参加社員が受け身になってしまって活気のあるイベントになりません。社員が主役になれるコンテンツ、例えば表彰式やレクリエーション、役員との懇談などをイベント内容に含めると効果的です。
(2)社外向けイベントの場合
オンラインイベントを社外に対して企画するときは、B to B、B to C 共通で次の点を押さえましょう。
1.KPI(数値目標)を設定する
2.ターゲットまたはペルソナを明確にする
3.カスタマージャーニーを設計する
4.参加忘れがないようリマインドを送る
5.配信安定のために有線回線を使う
さらに次に挙げる項目を意識すれば、オンラインイベントをもっと成功させやすくなるはずです。
①B to B イベント
・より多くの参加が見込めるように繁忙期や週明け・週末の開催を避ける
・名刺交換や個別面談ができるオンラインイベントツールを使う
・合同展示会などでは接触機会が増えるような回遊施策を講じる
②B to C イベント
・参加しやすい平日夕方以降か土日祝日に開催する
・告知情報は見やすくて理解しやすいものにする
・SNSなどで拡散されるような施策をうつ
(3)採用イベントの場合
採用イベントでは「応募者との接点をできるだけ増やすこと」「インターンシップへの導線を企画に盛り込む」ことが成功のコツです。そのための具体策を紹介します。
1.過去の採用事例や業務内容の情報を提供する
応募者の多くは実際の仕事内容や求める人材像を知りたいと思っています。オンラインイベントをおこなう際は、入社後のイメージが持てるような情報提供をおこないましょう。
2.配信済みコンテンツをアーカイブ視聴できるようにする
学業やアルバイトで時間が合わない、あるいは他社の説明会と重なってリアルタイムで参加できない学生もいます。開催後にも接点をつくれるように、配信済みコンテンツを視聴できる環境を整えましょう。
3.アンケート回答やメルマガ登録を促す
参加者の率直な意見は今後の採用イベントを成功させるヒントになります。また、メルマガの登録を促してステップメールを受け取ってもらうようにすることで、インターン応募率や内定承諾率を高められます。
4.まとめ
アフターコロナでもオンラインイベントは、今後もニーズの高いイベント形態として裾野を広げていくことが予想されます。イベントを企画するときは、ハイブリッド開催を第一選択とする企業がますます増えていくことでしょう。
オンラインイベントを開催することになったら、メリットとデメリットを熟知したうえで、目的にあった企画づくりをすることが大切です。プレスリリースで成功事例を調べたりSNSの反応をチェックしたりして、情報収集にも努めなくてはなりません。
オンラインイベントを成功させるコツは「参加しやすくて満足感のあるコンテンツづくり」「参加者と良好な関係性を築ける仕組みづくり」の2点に集約できます。アイデアをよく練って、成功のコツを押さえた企画を立ててください。
5.オンラインイベントの企画についてお悩みの場合はストラーツへ
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ストラーツはリアル×オンラインのハイブリッドイベントも得意とし、イベントのプロが安価で全力サポートいたします。