「タクシー広告にはどのような種類があるの?」
「タクシー広告を出すにはどのくらいの費用がかかるの?」
交通広告の利用を検討している方の中には、タクシー広告について調べている方もいるのではないでしょうか。
タクシー広告には、いくつもの種類があり、目的や予算によって使い分けることが大切です。
本記事では、タクシー広告の種類や費用相場、メリット・デメリットについて紹介します。
この記事を読めば、タクシー広告に関する基本的な知識は身に付くので、ぜひ最後までご覧ください。
1.タクシー広告とは
そもそもタクシー広告とは、交通広告の1つで、タクシーの車両に掲示する広告のことです。
タクシーの利用者だけでなく、後方の走行車や歩行者に対しての宣伝効果も期待できます。
そのため、多くの人に対してリーチできるのが特徴です。
基本的には、商品・サービスの周知や企業のブランディングがメインで利用されています。
近年はデジタルサイネージが主流になりつつありますが、ステッカーやリーフレットの広告も人気が高いです。
広告の種類によってアプローチできる層が変わるので、誰を対象にプロモーションしたいのか検討してみましょう。
2.タクシー広告の種類
タクシー広告には主に4パターンの種類があります。
タクシー広告を出す際は、これらの種類を押さえておきましょう。
各種類ごとに特徴を紹介するので、どのタクシー広告を利用するのか検討してみてください。
(1)動画広告
タクシー広告の中で近年主流になりつつあるのがデジタルサイネージ(タブレットで動画を流すシステム)による動画広告です。
運転席・助手席のヘッドレストの後方に設置したタブレットで、動画広告を流すことができます。
株式会社CARTA HOLDINGSの調査によれば、タクシーを含む交通広告のデジタルサイネージの市場規模は358億円で、全体の50%以上を占めているのです。
2026年にはいまよりも約2倍の市場規模になるといわれており、タクシー広告においてデジタルサイネージがメインになる可能性が高いでしょう。
ちなみに、現在のタクシー広告のデジタルサイネージでは、主に以下の2つのメディアが展開されています。
メディアごとの特徴を説明するので、どんなサービスがあるのかチェックしておきましょう。
#1:GROWTH
GROWTHは、東京23区内で走行している一部のタクシーで放送されているメディアです。
月間800万人以上の人がGROWTHを設置しているタクシーを利用しており、GROWTHを介して広告を出すことで、都内のタクシー利用者の約45%にリーチできるといわれています。
2022年10月からメディアのリニューアルが行われ、従来よりも156%大きくなった新型のデジタルサイネージを導入しているので、今後さらに普及するでしょう。
#2:Tokyo Prime
Tokyo Primeは、全国のタクシー会社に導入されているメディアです。
東京をはじめ、大阪や札幌、福岡など、全国の主要都市を中心に展開されています。
2023年10月までの契約時点で、デジタルサイネージの導入台数は67,000台を突破し、月間リーチ数は3350万人です。
広告の審査基準が厳しく、圧倒的なブランディング効果を得られます。
(2)リーフレット広告
リーフレット広告は、運転席・助手席の背面にリーフレットを設置して、乗客に宣伝する方法で、アドケースともいわれます。
乗客の視線に入りやすい位置に設置しているため、訴求効果が高く、興味を持ってもらえる可能性が高いです。
気軽に手に取ることができ、乗車中じっくりと読めるので、デザインや構成を工夫すれば、最後まで目を通してもらえる可能性があるでしょう。
また、持って帰ることができるため、チラシとしての効果も期待できます。
他の種類に比べると費用も安く、紙媒体の広告も十分効果を得られるので、チラシ感覚で宣伝したいときに利用してみましょう。
(3)ステッカー広告
ステッカー広告は乗客以外の人に対してリーチできるので、タクシー広告の中でも人気があります。
貼る位置によって効果や費用が変わるので、少なくとも以下の4種類は押さえておくべきです。
タクシーの車両をイメージしながら、どのステッカー広告が一番目的を達成しやすいか検討してみましょう。
#1:ドアステッカー
ドアステッカーは、車両のドアの内側に貼る広告です。
基本的には、窓の下に貼られることになりますが、丁度乗客の視線の高さに位置するため、乗り降りの際に自然と視界に入るようになっています。
主に乗客を対象にした広告なので、外部から見ることができません。
タクシーの周囲の走行車や歩行者に対しては、リーチできないので注意が必要です。
また、サイズ感は小さい方なので、インパクトのある宣伝になる可能性は低いと言えます。
ある程度知名度のある商品やサービスの認知拡大を目的に利用するのがおすすめです。
#2:アイキャッチステッカー
アイキャッチステッカーは、運転席の後方に設置されている防犯ボードに貼る広告です。
乗客が前を向いているときに自然と視界に入る位置なので、リーフレット広告のように訴求効果が高い傾向があります。
ドアステッカーに比べると設置できる面も広いため、メッセージ性のあるインパクトが強い広告を掲載することが可能です。
ただし、アイキャッチステッカーも乗客を対象にした広告なので、車外に対する宣伝効果はありません。
#3:サイドウィンドウステッカー
サイドウインドウステッカーは、窓の外に貼る広告です。
乗客の乗車時だけでなく、タクシー周辺の走行車や歩行者の目に触れる点が、ドアステッカーやアイキャッチステッカーとは異なります。
たとえば、信号待ちで隣車線にいる車両の搭乗者に対して訴求することが可能です。
なお、貼れるステッカーのサイズは小さいため、大きなインパクトを残すことは難しいでしょう。
#4:リアウィンドウステッカー
リアウィンドウステッカーは、リアウインドウ(車両の後ろの窓)に貼る広告です。
後方の車両の運転手や助手席の搭乗者に対して訴求効果があります。
ちなみに、乗客に関しては乗降車時にリアウインドウを見ない限り、乗客の視界に入ることはありません。
(4)ラッピング
ラッピングは、車体のドア全体に貼り付ける広告です。
4面のドア全てに広告を貼ることができるので、周囲の車両や歩行者に対してインパクトを残すことができます。
無地の車両が走行している中、全面をラッピングした車両が通過するとかなり目立つことができ、多くの人の注目を集めることが可能です。
記憶に残りやすく、訴求効果が高いため、イベントやキャンペーンの周知、ブランディング等で利用される傾向があります。
競合との差別化を図る上で効果的なので、プロモーションを強化したいときに活用しましょう。
ちなみに、後方のドアだけに広告を貼るボディステッカーという方法もあります。
ラッピングに比べると控え目な印象になりますが、通常のステッカー広告よりも掲載免責は広く、訴求効果も十分高いため、予算が厳しい場合は、ラッピングではなくボディステッカーを検討してみましょう。
3.タクシー広告の費用相場
タクシー広告の費用相場について以下の表にまとめました。
広告の種類 | 掲載媒体・箇所 | 費用相場 |
動画広告 | GROWTH | 450万~650万円/週 |
動画広告 | Tokyo Prime | 490万~1500万円/週 |
リーフレット広告 | - | 3,000円~/月 |
ステッカー広告 | ドアステッカー | 1,000円~/月 |
ステッカー広告 | アイキャッチステッカー | 1,500円~/月 |
ステッカー広告 | サイドウィンドウステッカー | 1,000円~/月 |
ステッカー広告 | リアウィンドウステッカー | 3,500円~/月 |
ラッピング | 35,000円~/月 | |
ボディステッカー | 10,000円~/月 |
動画広告以外は、リーズナブルな価格設定になっているのが一般的です。
ラッピングも掲載期間が長い割に価格も低めなので、選択肢の1つに入れてみてはいかがでしょうか。
なお、上記の価格はあくまで目安なため、詳しい料金に関してはタクシー会社に見積を依頼しましょう。
4.タクシー広告のメリット
タクシー広告を利用することで、いくつものメリットがあります。
主なメリットは以下の3つです。
順に説明するので、他の交通広告と比べながら、タクシー広告を利用するか検討してみましょう。
(1)乗車時間の長さが広告時間になる
乗客向けの広告の場合、乗車時間が宣伝時間になるため、しっかりと認識してもらうことができます。
タクシーの平均時間は10~20分程度といわれており、広告の内容を把握するには十分な時間です。
タクシーの中は、個室のようなプライベート空間のようなものなので、乗客もリラックスすることができ、落ち着いて広告の内容を見てもらえます。
(2)視認性が高い
タクシー広告は、基本的には視認性が高い位置にあるため、見てもらいやすい傾向があります。
特に乗客の視線の先にある動画広告やリーフレット広告、アイキャッチステッカーは注目が集まりやすいです。
視認性が高いほど、記憶にも残りやすいので、高い宣伝効果が期待できるでしょう。
(3)ターゲット層を絞れる
タクシー広告の特徴として、ターゲット層を絞りやすいことが挙げられます。
他の公共交通機関に比べると運賃が高いので、主にタクシーの乗客は、経営層や富裕層、旅行客が多いです。
そのため、高単価商品やサービスの広告と相性が良い傾向があります。
また、ラッピングであれば周囲の走行車や周辺住民に対して訴求効果があるので、イベントやキャンペーンなどのプロモーションに最適です。
タクシー広告の種類によってリーチできる層が変わるため、目的に応じて使い分けられる点が魅力と言えます。
5.タクシー広告のデメリット
タクシー広告を利用する上で、押さえておくべきポイントがいくつかあります。
主な注意点は以下の4つです。
順に説明するので、これらの課題を把握した上でタクシー広告を利用しましょう。
(1)動画広告のコストが高め
タクシー広告は、交通広告の中でも全体的に費用は安めですが、動画広告に関してはコストがかかります。
今回紹介したデジタルサイネージのメディアの費用相場は、どれも数百万円を越えてくるだけでなく、掲載期間も週単位での契約なので短めです。
長期にわたってプロモーションを行いたい場合は、動画広告を利用するとかなりの費用がかかるので、ラッピング等を活用した方が費用帯効果は高まります。
ステッカー広告に関しては、月単位での契約でも数千円程度なので、特にコスト面で心配する必要はないでしょう。
動画広告を利用する場合のみ、予算と相談して契約内容を決めることをおすすめします。
(2)リーチ数が少ない
タクシー広告は、交通広告の中でも特にリーチ数が少ないのがデメリットです。
乗客を対象にした広告の場合、一度の乗車でリーチできる人数は2~3名程度なので、電車広告やバス広告に比べると、アプローチできる幅が狭くなります。
リアウィンドウステッカーやラッピング等で周囲にリーチすることはできるものの、必ずしも注目されるわけではありません。
また、ラッピングは目立つとは言え、歩行者が目にする時間はほんの数秒なので、軽く流されてしまう可能性がある点は押さえておきましょう。
(3)費用対効果を把握しにくい
タクシー広告による効果をデータとして集計することが難しいため、費用対効果を把握しにくい傾向があります。
ネット広告のように直接リアクションがあるわけではなく、目に見える成果がないので、どのくらいの効果があるのか、数値化することが困難です。
ただし、コストがかかる動画広告は、費用対効果が重視されるため、もし具体的な宣伝効果を知りたい場合は、利用客のアンケート等で来店や購入動機を直接調査してみましょう。
(4)契約期間に制限がかかる場合がある
タクシー広告は、契約期間に制限がかかる場合があります。
特に動画広告は競争が激しく、出稿を希望する競合他社が多いです。
長期間契約したくても断られることがあるので、複数のタクシー会社に見積を依頼する際に、契約期間に関する情報を集めるようにしましょう。
最後に
タクシー広告にはいくつもの種類があり、どの方法を選ぶかによってアプローチできる層が変わります。
乗客を対象にしたい場合は、動画広告やリーフレット広告、アイキャッチステッカー広告がおすすめです。
車外の人にリーチしたい場合は、リアウィンドウステッカー広告やラッピングが適しています。
動画広告やラッピングに関しては、リーフレット広告やステッカー広告に比べると費用が高いので、予算と相談しながらどの方法を利用するか検討してみましょう。