最近、音楽界において“feat.XX(名前)”という表記を良く目にするようになりました。「feat.」は、ご存じの通り「featuring」の省略形で、読み方は「フィーチャリング」。辞書によると、「特定の人物・事柄などを特色として際立たせること」とありますが、音楽界では客演の意味で使用されていますよね。すなわち、アーティストが別のアーティストとタッグを組んで楽曲を提供するときに使われたりしています。
“With”と表現される単なる共演ではなく、A feat.Bの場合、“Aから依頼を受けてBが共演する”っていう感覚でしょうか。語意からすると、Bを引き立たせるような感覚にもなりますが、私はA→B、B→A相互に作用し合って、ひとつの素晴らしい表現活動を行っていると捉えているのですね。単なる共演“With”ではなく、作用し合っているところに「フィーチャリング」の意味があるのではないかと、そんな解釈だったりします。
この「feat.」って言葉を目にするたびに、それってまさに私の立ち位置だなって思うのですね。「feat.Akihiro Ito」。私はインタビュアー、MC、Podcasterなど様々な肩書きを名乗り、多くの方々のお話を聞いたりファシったり、対談相手になったりしていますが、これらの活動に共通しているのはすべて、“相手を引き立て、その発信をサポートする”点にあります。その方の内面に潜む価値を引っ張り出して、わかりやすく発信できるようにするのが私の役割です。
情報は重要ですが、中にはフェイクだったりコピペを繰り返して劣化したものもあります。直接、しかるべき人から聞いた、正しく、根拠のある情報をわかりやすいかたちで情報化。私はジャーナリストではないので、あくまでフラットな目線で、自分の思想や主張を交えることなく客観的に伝えていきます。発信者にとっても受信者にとっても必要不可欠な媒介として、価値ある情報を流通しようと心がけています。
本来だったら、世に出ないかもしれない情報を流通させることで、遠くの誰かの心に火がつくかもしれない、そこから新しい可能性が生まれるかもしれない。私が世の中に貢献できるとしたらは、こんな“feat.な役割”をまっとうすることでしかありません。これからも「feat.Akihiro Ito」のコンテンツをもっともっと増やしていければと思っています。