フリーランスのなかには、企業よりもリーズナブルな料金でホームページ作成を請け負うデザイナーやエンジニアが大勢います。
しかし、そのような人材が身近にいるとは限りません。
そこで本記事では、ホームページ作成を依頼できるフリーランスの探し方と、その際の費用の相場をご紹介します。
また、フリーランスならではのメリット・デメリット、依頼する際の注意点についても解説するので、ぜひ参考にしてください
ホームページ作成を依頼できるフリーランスの探し方
フリーランスとは、特定の組織に所属せずに、単発の契約で仕事引き受ける働き方を選んだ人のことです。
ホームページ作成を依頼できるフリーランスは、以下の方法で探せます。
- クラウドソーシングを利用する
- IT系のエージェントサービスを利用する
- SNSで探す
- 人脈や紹介を活用する
それぞれについて、詳しく説明します。
クラウドソーシングを利用する
クラウドソーシングは、インターネットを通じて「仕事を依頼したい人」と「仕事がほしい人」をつなげるサービスの総称です。
言葉の意味としては、群衆(crowd)のなかから、依頼先のフリーランスを調達(sourcing)することだと考えれば理解しやすいでしょう。
クラウドソーシングのサービスは多数ありますが、なかでも以下は有名です。
- ランサーズ
- クラウドワークス
- ココナラ
多くのサービスでは、依頼者が仕事の条件を指定して人材を募集します。
仕事内容や希望条件を入力するためのテンプレートが用意されているので、初めて依頼する際にも迷うことは少ないでしょう。
フリーランスは、対応可能な仕事があれば応募します。条件に納得したフリーランスのみが集まるため、比較的コストを抑えやすいのが特徴です。
ただし、必ずしも条件に合うフリーランスが見つかるとは限りません。また、サービスへの登録は誰でもできるため、人材としてのクオリティには差があります。
IT系エージェントサービスを利用する
エージェントサービスとは、依頼者のニーズに合う人材を、仲介者(エージェント)が紹介するサービスのことです。
“転職のためのもの”というイメージが強いかもしれませんが、フリーランス向けの案件を扱うサービスも多数あります。
ホームページ作成ができるフリーランスを探すのであれば、IT系のサービスを利用するとよいでしょう。以下は、代表的なIT系エージェントサービスです。
- レバテック
- クラウドテック
- クロスデザイナー
エージェントがマッチングを手伝ってくれるため、職種や依頼内容のミスマッチが起こりにくい点がエージェントサービスの特徴です。
ただし、クラウドソーシングと比較すると、仲介手数料が割高になる傾向があります。
また、依頼が確定するまでの連絡は基本的にエージェント経由となるため、フリーランスと直接やり取りするよりもレスポンスが遅れがちになるかもしれません。
なお、同様のご依頼はピッタラボのコンシェルジュ経由でも可能です。
フリーランスよりも企業とのマッチングが中心になりますが、ご予算や目的に応じて最適なホームページ制作会社をご紹介しております。
SNSで探す
SNSで情報発信を行なっているフリーランスであれば、仲介者を通さずに依頼することも可能です。サービス上で直接メッセージを交換できるため、迅速にやり取りできます。
以下は、フリーランスを探せるSNSの代表例です。
- X(旧 Twitter)
情報発信にSNSを活用しているフリーランスの多くは、自身のポートフォリオを公開しています。
依頼先として十分なレベルのスキルを備えているかどうかを、事前に確認しやすいでしょう。
ただし、企業を相手に仕事をした経験がなかったり、急に連絡が取れなくなったりすることもあるようです。
取引先としての信頼性という面では、やや不安があるかもしれません。
人脈や紹介を活用する
取引先や知人から、フリーランスを紹介してもらえるケースもあるでしょう。
その場合は、スキルや得意ジャンル、実際の仕事ぶりなどについて事前に聞いて把握できるため安心感があります。
ただし、トラブルが発生すると、紹介してくれた取引先や知人に迷惑がかかってしまうことがあります。
なお、地元のフリーランスに依頼したい場合は、商工会議所の人脈から探してみる方法もあります。
適した人材が見つかれば、対面での打ち合わせが可能になるうえ、必要に応じて補助金の活用も検討しやすくなるでしょう。
ただし、近くに住んでいる分、ある程度話が進んでしまうと断りにくくなる面もあります。
ホームページ作成を依頼した際の費用相場
ホームページ作成は、依頼するとどれくらいの費用がかかるものでしょうか。ここでは、フリーランスと制作会社に分けて、費用の相場を説明します。
フリーランスのホームページ作成費用の相場は10万円から50万円
ホームページ作成の費用には幅がありますが、フリーランスに依頼する際の目安は10〜50万円ほどです。
作成するページ数が少ない場合は、5万円前後で引き受けてくれるフリーランスもいます。
ひとくちに「ホームページ」と言っても種類はさまざまですが、依頼内容として多いのは「コーポレートサイト」や「サービスサイト」の作成でしょう。
コーポレートサイトとは、企業について広く知ってもらうための会社の公式サイトのことです。
基本となる企業情報のほか、ブランドの紹介や企業理念、採用情報などで構成されます。
サービスサイトは、製品やサービスの情報を発信するWebサイトです。
集客をおもな目的とし、商品の購入につなげるためのホームページのことだと理解すればよいでしょう。
どちらのホームページの制作を依頼するにしても、最終的な品質はフリーランスの能力に左右されます。
まだ駆け出しのフリーランスもいれば、制作会社の優秀なデザイナーやエンジニアがスキルを磨いて独立するケースもあるためです。
費用も依頼先のフリーランスによって大きく異なります。
実績が豊富な専業フリーランスに依頼する場合の費用は、30〜50万円を目安に考えましょう。
一方、兼業(会社員との副業)で経験を積む段階にあるフリーランスは、10万円前後で引き受けてくれることもあります。
ただし、あくまで作成するホームページのページ量や求める機能などによって変わります。
制作会社に依頼した場合の費用は30万円から100万円
ホームページ作成を制作会社に依頼する際の費用は、依頼先によって大きく異なりますが、大手の制作会社の場合、100万円以上はかかることが多いでしょう。
中小規模の制作会社の場合は、30〜100万円ほどの費用が多い傾向がありますが、実際の料金は仕様やページ数、導入するシステムなどによって変わります。
中小規模の制作会社は大手企業に比べると、融通がききやすい面もあり、仕様を調整して費用を抑えるなどの交渉がしやすいかもしれません。
ホームページ作成をフリーランスに依頼するメリット
ホームページ作成をフリーランスに依頼すると、制作会社と比べて以下のようなメリットを得られる可能性があります。
- 費用が安い
- 迅速に連絡がとれる
- 柔軟に対応してもらえる
それぞれについて、詳しく見ていきましょう。
費用が安い
作りたいホームページの内容が同じでも、制作会社よりフリーランスに依頼したほうが費用を抑えやすい傾向があります。
これは、フリーランスがあらゆる作業を個人で行なっているためです。
人件費や、オフィスを維持するための固定費などが企業に比べて少なく、その分抑えた価格で受注できます。
また、実績豊富な専業フリーランスから駆け出しの兼業フリーランスまで、能力や働き方はさまざまです。
その分、費用にも幅があり、予算にあわせて依頼先を選びやすい点もメリットだといえます。
迅速に連絡がとれる
1対1でのコミュニケーションが基本であるため、急いで修正してほしいときなどにすぐ作業者に連絡を取ることができる点もメリットです。
制作会社の場合、依頼者から連絡を受けたあと、社内で対応方法について協議が必要だったり、窓口が営業部であったりすることも多くあります。
制作会社側が外注に委託しているケースもあり、作業者が手を動かすまでに時間を要しがちです。
柔軟に対応してもらえる
フリーランスは、就業時間を自分で決めています。そのため、土日や祝日でも柔軟に対応してもらえるケースが多いでしょう。
また、比較的短い期間で作業を進めてもらえる点もメリットです。
制作会社では複数のスタッフがいくつもの案件を同時に抱えているため進行が遅くなりがちなのに対し、フリーランスは1人で少数の案件に集中しているケースが多く、短期での納品も期待できます。
ホームページ作成をフリーランスに依頼するデメリット
フリーランスは個人であるため、制作会社と比べて以下のような点がデメリットになることがあります。
- スキルレベルによって、ホームページの質に差が生じる
- ホームページ完成後のサポート体制が万全ではない
- 廃業するリスクがある
実際に依頼する前に、どのようなリスクがあるのかを確認しましょう。
スキルレベルによって、ホームページの質に差が生じる
フリーランスの力量には大きな個人差があります。
もちろん制作会社に発注する場合でも、会社によってスキルレベルはまちまちですが、フリーランスのほうがより顕著に差があると考えておきましょう。
フリーランスの場合、ホームページ制作会社に劣らない品質で仕上げてくれる場合もあれば、企業のホームページとしては使えないレベルのものが納品されるケースもあります。
また、ホームページ作成には次のように多数の工程があり、どの工程を依頼するかでも品質に大きな差がでます。
- サイト設計
- デザイン
- コーディング
- 公開
- 運用・保守
すべての工程を請け負うフリーランスもいますが、どの工程が得意かは個人差があります。
例えば本業ではデザイナーとして働くフリーランスの場合、コーディングやサイト設計の経験があまりなく、品質が高くないこともあるでしょう。
常にチームで作業を進める制作会社と比べると、依頼する範囲次第で品質が変わりやすい点もデメリットだといえます。
ホームページ完成後のサポート体制が万全ではない
ホームページは、一度完成すれば終わりではありません。より集客できるように改善すべき点など、あとからでてくる課題もあるためです。
時間が経てば、全体的にデザインを変えてリニューアルしたくなることもあるでしょう。
ホームページ制作会社、フリーランス問わず、こうした完成後の相談は可能ですが、フリーランスは基本的に個人で請け負っているため、制作会社ほど融通がききにくい側面があります。
別の仕事で手一杯になっていると、すぐに対応できないケースがあるため注意しましょう。
廃業するリスクがある
フリーランスには、廃業のリスクが高いというデメリットがあります。
事業の不振や家庭の事情、そのほかの個人的な理由によって仕事を続けられなくなることがあるためです。
個人の意思や事情によって廃業が決まってしまうのは、制作会社などの法人とは大きく異なる点だといえるでしょう。
また、廃業にはいたらなくても、病気やケガによって一時的に仕事ができなくなるケースもあります。
場合によって、進行中のホームページ作成が中断してしまうということゼロではありません。
実際にこのような問題が発生すると、作業を引き継いでくれる依頼先を探さなければならなくなります。
ホームページ作成をフリーランスに依頼する際のポイント
ホームページ作成をフリーランスに依頼する際には、トラブルを避けるためにも注意すると良いポイントがあります。
- ホームページ作成の全工程を行えるか
- 料金体系は明確化
- 十分な実績があるか
それぞれ、詳しく見ていきましょう。
ホームページ作成の全工程を行えるか
前述したとおり、ホームページ作成には「サイト設計」から「運用・保守」まで多数の工程があります。
プロジェクトをスムーズに進行させるなら、これらのすべてを一貫して行なえるフリーランスのほうがよいでしょう。
すべての工程が得意であるフリーランスは多くありませんが、水準以上をすべての工程で行なえるフリーランスであれば、全体の品質も満足しやすいでしょう。
ホームページ作成を依頼する前には、苦手な工程がないか確認しておくのがポイントです。
料金体系は明確か
フリーランスの料金体系は、依頼先によって異なります。ホームページ作成の見積もりを出してもらうときは、見積もりに含まれる作業内容とその内訳を確認しておきましょう。
例えば、一度作成したページの修正作業は、最初の見積もりには含まれていないかもしれません。
また、ホームページを公開したあとの更新作業を引き受けてくれるかどうか、その場合の費用も確認しておくとよいでしょう。
こうした確認を怠ると、いざ修正や更新が必要となったときに、追加料金がかかることが初めて判明し、トラブルに発展することがあります。
しかし、見積もりはあくまで概算であり、想定外のことは意外に起こるものです。別途発生する料金については、気になる点があれば何でも質問して、できる限り明確にしておくことをおすすめします。
なお、ホームページ作成の料金には「ページ単価」と「工数単価」の大きく2つの計算方法があります。
ページ単価とは、「1ページあたりいくら」で費用を計算する方法のことです。ただし、ホームページにはいろいろな長さのページがあるため、A4サイズの原稿に換算してページ数を割り出す場合もあります。
工数単価は、作業の量と単価から費用を計算する方法です。フリーランスの場合は、「1日あたりいくら」のような意味だと考えれば差し支えありません。
工数単価では、デザインやコーディングにかかる時間から料金が決まります。
十分な実績があるか
フリーランスに依頼する際には、稼働年数と実績を確認しておくのもポイントです。
稼働年数は、フリーランス同士や制作会社との競争のなかで、どれほど長く仕事を続けてこられたのかを表します。フリーランスとしての信頼性を判断するための一つの基準となるでしょう。
実績は、フリーランスの得意ジャンルなどを確認するのに役立ちます。
SNSを通じて公開されているポートフォリオのほか、フリーランス自身が運営するホームページもあればチェックしておきましょう。
過去にどのようなサイト設計やデザインを手がけてきたのかがわかれば、依頼先として適切かどうか判断しやすくなります。
まとめ
費用で、作業を柔軟に進めてもらえるなどのメリットを得られやすいでしょう。
ただし、フリーランスには個人であることに起因するデメリットもあります。望まないトラブルを避けるためにも、本記事で紹介したポイントを押さえながら、信頼できる依頼先を選んでください。