「管理会計システムにはどのような効果があるの?」
「管理会計システムを選ぶときのポイントは?」
管理会計システムの導入を検討している担当者の中には、どのシステムを導入すれば良いのか分からずに困っている方も多いのではないでしょうか。
実は、システムによってさまざまな機能があるので、自社のニーズに沿ったものを選ぶ必要があるのです。
本記事では、管理会計システムの効果や選ぶポイント、おすすめのシステムを紹介します。この記事を読んで、自社にピッタリの管理会計システムを選びましょう。
管理会計システム(会計ソフト)とは
管理会計とは経営事業者の意思決定のときや組織内部の業績を評価するときに役立てるための企業会計のことです。紙媒体で行う管理会計は、資料作成などで業務にかかる負担が大きく、人為的ミスを誘発する可能性が高くなります。
また、経営改善のための業務であるにもかかわらず現場の業務を圧迫し、むしろ作業効率が悪くなるケースが起こりうるでしょう。
管理会計システムは、このような業務作業の負担を軽減しつつ、事業の経営状況を可視化するためのシステムなのです。管理会計システムを導入すると主に以下の3つのメリットがあります。
- 管理会計業務が効率的になる
- 現場が経営的視点を持つ
- 現場の目標が明確になりモチベーションが上がる
具体的にどのようなメリットがあるので、順に紹介するので、目的意識を持って管理会計システムを導入しましょう!
(1)管理会計業務が効率的になる
管理会計業務の効率化が最も大きな効果と言えます。管理会計業務には、データ収集や資料作成、データの分析などさまざまな工程を踏む必要があるので、非常に手間がかかる作業です。
収集したデータを集めるだけでも時間がかかるので、入力した情報がボタン1つで求めるデータに集約できるだけでも作業にかかる負荷を軽減することができます。
実務者は多大な時間と労力を割かなければならないので、フラストレーションが溜まり、作業効率低下が懸念されるので、導入するだけでも業務改善効果が期待できるでしょう。
(2)現場が経営的視点を持つ
経営状況が数値で表れるので、現場もデータを参考に経営的視点を持つようになります。部門ごとに責任者は損益計算書(PL)をチェックするので、業務の改善に対して自発的に取り組むことが可能です。
現場が経営的視点を持つことで、独自にいかに利益を出すか考えるようになるため、本部から現場に対して指示を与えることなく、企業にとって良い成果がもたらされます。
将来的に優秀な幹部候補の育成にもつながるので、現場を会計管理に携わらせて人材育成をしましょう。
(3)現場の目標が明確になりモチベーションが上がる
経営方針が固まり、現場を巻き込んだ経営戦略を立てることができれば、目標達成を目指すことによって現場のモチベーション向上が期待できます。具体的に何をすれば良いのか明確になることによって、マンネリ化が懸念される日々の業務改善にもつながるでしょう。
末端の従業員ほど、何のために自分が作業をしているのか、自分がどのくらい会社に貢献できているのかを自覚することが難しいです。
従業員1人1人が目標を持って作業をすることで、組織の中における自分の役割を実感できるため、従業員のモチベーションの低下を防ぐ方法として有効と言えます。
管理会計システム(会計ソフト)を選ぶ10のポイント
選ぶときの基準となるように、管理会計システムを選ぶときのポイントを紹介します。主に注目すべき項目は以下の10個です。
- 対応OS
- 導入方法
- 対象事業
- 初期費用
- 月額費用
- 無料トライアル期間
- 利用台数制限
- バージョンアップ
- サポート体制
- アプリ連動
なぜこれらの項目が重要なのかそれぞれ紹介するので、自分のニーズにあわせながらチェックしていきましょう。
(1)対応OS
管理会計システムには対応しているOSが決まっているので、使っているパソコンのOSを確認しておきましょう。Windowsを使用している場合は、さほど気にする必要はありませんが、Macを使っている企業は特に注意が必要です。
Macのパソコンでも対応OSがWindowsのソフトを使えることもありますが、推奨されていないOSで使用すると故障の原因になります。Macを使っている企業は、Macに対応しているソフトを使いましょう。
(2)導入方法
管理会計システムには、導入方法にインストール型とクラウド型の2つのパターンがあります。
- インストール型:自社で用意したサーバーにパッケージ商品、もしくはダウンロードしてソフトをインストールするタイプ
- クラウド型:自社でサーバーを用意する必要はなく、システム会社に料金を払ってサービスを利用するタイプ
インストール型は、商品を購入するために初期費用はかかりますが、一度インストールしてしまえば、追加で料金を払う必要はありません。しかし、ソフトをバージョンアップする際に、手動で行う必要があり、商品によっては更新料として別途費用が発生することがあります。データの管理も徹底する必要があり、データの消失や流出する危険性があることは頭に入れておきましょう。
一方、クラウド型は、自社サーバーやソフトウェアなどのシステム環境を整える必要はないので、初期費用はほとんどかかりません。また、システムや金額に不満がある場合は解約することもでき、定期的なバージョンアップやメンテナンスも必要ないので、パソコン初心者にとって使い勝手は良いです。データもクラウド上に保存されるので、ハードウェアに障害が発生してもデータが消える心配はありません。デメリットとしては、サービス利用料を払う必要があり、定期的に運用コストが発生します。
どちらのタイプにもメリット、デメリットがあるので、どちらが自社にとって都合が良いのか判断して導入方法を決めましょう。
(3)対象事業
対象事業によって必要な機能が異なるので、自社のニーズに対応しているか判断する必要があります。特に、管理会計システムに必要な機能で差が出るのは企業規模です。
個人事業主や零細企業、中小企業など、従業員数が少ない場合は、必要最低限の機能で会計業務を進行できますが、大企業や複数事業を営んでいる経営者は、部門別管理や連結決算など特殊な機能が必要になります。必ずどの事業向けの商品なのか確認しておきましょう。
(4)初期費用
初期費用にどのくらいかかるのかも確認しておくことをおすすめします。一般的に、初期費用が必要なのはパッケージ型やオンプレミス型などのインストール型の商品ですが、サービスによってはクラウド型の商品でも初期コストが発生する場合があるので、注意しておきましょう。
クラウド型サービスを検討していて、なるべく初期投資にコストを割きたくない場合は、初期費用の有無でサービスを決めるのも有効です。
(5)月額費用
主にクラウド型サービスを利用する場合ですが、運用コストにどのくらいかかるのか確認しておきましょう。月額費用が高ければその分機能性も充実していますが、必要以上の機能が搭載されており、無駄なコストになる可能性があります。
一方で、あまりにも運用コストが安い場合は、最低限の機能性に抑えられていることが多く、企業規模や導入目的によっては必要な機能が搭載されていない場合が考えられるでしょう。一概に、高い安いで決めるのではなく、あくまで予算内かどうかで判断することをおすすめします。
(6)無料トライアル
無料トライアルの有無は必須のチェック項目です。会のほとんどが有償サービスなので、少なくともコストが発生します。クラウド型サービスは解約すれば、運用コストの無駄使いを避けることはできますが、インストール型の商品は購入後、運用を止めたからといって初期投資分を回収することはできません。
支払ったコストが無駄にならないように、無料トライアルを利用して、自社の目的を達成できるツールなのか判断してから本格的に導入しましょう。
(7)利用台数制限
業務フローを作るときに影響するので、利用台数制限も重要です。インストール型商品であれば何台までインストールできるのか、クラウド型であれば、1ライセンスで何人までユーザー登録できるのかなど、何人までサービスを利用できるのか調べておくことをおすすめします。スルーされがちですが、大事な項目なので忘れずに確認しておきましょう。
(8)バージョンアップ
ソフトのバージョンアップの方法も調べておきましょう。バージョンアップは、インストール型は手動で行い、クラウド型は自動で行われるのが一般的です。上記で述べたように、インストール型の場合は別料金が発生する可能性があるので、インストール型の導入を検討している方は、別料金の発生の有無を確認しておくことをおすすめします。導入タイプと合わせて確認しておくと良いでしょう。
(9)サポート体制
どのサービスを利用するか判断するときに、サポート体制で決めるのもおすすめです。管理会計システムを初めて導入する方の多くは、専門的な知識を持っていない、もしくは使い方が分からないことが予想されます。
何かトラブルや不明な点が発覚したときに、早急に対応できるシステムがある方が安心して利用できるので、パソコンに疎い方や経理経験がない方は電話やチャットなどのリアルタイムサポートがある商品を選びましょう。
(10)アプリ連動
アプリ連動ができるソフトがあれば、経理状況の確認に便利です。必ずしも必要な機能ではありませんが、スマホやタブレットからアクセスできれば、欲しい情報を好きなときに確認することができます。
全ての条件が同じで判断基準がない場合は、パソコンが手元にない場合でも使える操作性で選びましょう。
おすすめの管理会計システム15選
管理会計システムの中でも、特におすすめの商品を16アイテムピックアップして紹介します。同じ管理会計システムでもコンセプトや最も売りにしている部分は異なるので、ニーズに一番マッチしたサービスを選ぶことが重要です。
注意すべき10の項目のアンサーもまとめているので、どのサービスを導入すべきなのか検討してみてください!
クラウドERP ZAC
案件・契約・プロジェクト単位で業務を進行する業種向けのクラウドERP(企業の資源を有効活用するための計画)です。
ベンチャー企業から上場企業まで幅広い企業に利用されており、750社を越える豊富な実績があります。
経費管理から在庫管理まで会計業務に必要な機能を全て網羅しているので、1つのシステムに業務をまとめたい企業は導入を検討してみましょう。
- 対応OS
- Windows、Mac、iOS、Android
- 導入方法
- クラウド型・オンプレミス型
- 対象事業
- -
- 初期費用
- -
- 利用料金
- -
- 無料トライアル期間
- ×
- 利用台数制限
- -
- バージョンアップ方法
- -
- サポート体制
- 〇(ウェビナー)
- アプリ連動
- -
予算会計エクスプレス
【ポイント】
会社から求められている業務の標準化が困難
作業効率が悪く余計な労力と時間を費やしている
今の予実管理では経営のPDCA機能として役不足であるとお悩みの方におすすめ
予算会計業務のフローを研究して予算管理に必要な機能を追求したシステムです。
業務の標準化によって、担当者が変わっても安定した業務が期待できるだけでなく、業務の効率化を図ることができます。
データ集計や配賦処理、レポート作成などExcelの非効率な部分を自動化することができるので、Excelに不便を感じている方におすすめの商品です。
- 対応OS
- Windows
- 導入方法
- クラウド型
- 対象事業
- -
- 初期費用
- -
- 利用料金
- -
- 無料トライアル期間
- -
- 利用台数制限
- -
- バージョンアップ方法
- -
- サポート体制
- -
- アプリ連動
- -
DIGGLE予実管理クラウド
【ポイント】
属人化した予実管理エクセル/スプレッドシートの運用が限界
事業部を巻き込んだ予実管理ができていない
予実ギャップの原因特定と分析に工数がかかっている方におすすめ
属人的な業務をなくして、管理会計をシンプルにできるクラウドサービスです。
データの集計や突合、蓄積作業を省略化することができ、他の業務にリソースを割くことができます。
誰でも予算消化状況や予算の着地差異の原因を瞬時に把握できるので、業務の安定化を求めている企業は、前向きに導入を検討してみましょう。
- 対応OS
- Windows
- 導入方法
- クラウド型
- 対象事業
- -
- 初期費用
- -
- 利用料金
- -
- 無料トライアル期間
- ×
- 利用台数制限
- 3ユーザ〜
- バージョンアップ方法
- -
- サポート体制
- -
- アプリ連動
- -
最後に
管理会計システムは経営判断をする上で重要な役割を持っており、上手く活用することで、業務の効率化や優秀な人材育成などさまざまな効果が期待できます。
自社に合った管理会計システムを選ぶには、いくつか商品をピックアップして、自社との相性やスペックを比較することが重要です。今回紹介した10個の比較項目や16個のおすすめサービスを参考に、自社のニーズに合った管理会計システムを導入しましょう。