「ワークフローシステムを導入したいが、既存の業務フローに適合するか不安がある」「入力画面がPCになることで、現場に混乱が起きるのを避けたい」
ペーパーレス化が推進されているものの、既存の業務の変更は現場に混乱を招くものです。
しかし、紙媒体の申請書には紛失や業務遅滞のリスクがあります。そこで今回は現行の業務に適合しやすく、効率化に貢献するワークフローシステムを30個ご紹介。更に選び方のポイントを解説していきます。
この記事を最後まで読めば、労働時間と作業効率を改善するシステムが見つかるでしょう。
ワークフローシステムとは
ワークフローシステムとは既存の紙ベースの帳票や申請・決済処理を電子化するためのツールです。テレワークの推進により紙媒体の書類の管理は難しくなってきました。
ワークフローを導入することで、場所を選ばずに申請・承認作業ができるようになります。紙媒体の書類は申請者が申請した書類の承認状況が分からない、管理者側では誰が決済をしたかの履歴が書類の紛失で分からなくなるというリスクがありますが、ワークフローなら自動でログが残るため進捗確認も容易、紛失リスクもありません。
申請業務に時間を取られているなら、ワークフローシステム導入をするべきと言えるでしょう。
ワークフローシステムの選び方
次にワークフローシステムの選び方をご紹介します。
- 初期費用
- 月額費用
- 導入形式
- 動作環境
- 従業員数制限
- タスク管理機能
- 進捗確認機能
- 他アプリ・システム連携
8個のポイントを解説するので、自社ニーズに当てはめて選定の参考にしてください。
(1)初期費用
ワークフローシステムを選ぶ時は初期費用の金額をチェックしましょう。クラウド形式の場合は初期費用がかからない、または安価であることが多いのですが、オンプレミス形式の場合は数十万円単位の費用がかかることがあります。
予算の範囲内で収まる金額かどうか確認し、複数社の見積もりを取っておきましょう。
(2)月額費用
ワークフローシステムを利用する際は月額費用も確認しましょう。企業規模が多い場合は月額費用制よりも、定額制の方が安く済むこともあります。
ユーザー数ごとの課金の場合は、少人数で部署単位で導入すればコストを低く抑えられるでしょう。尚、本記事で紹介している製品の価格は全てメーカーの希望価格を表示しています。
(3)導入形式
ワークフローシステムの導入形式は主に3つあり、主流のクラウド型・オンプレミス型・パッケージソフトウェア型があります。
クラウド型はネット上の仮想空間にデータ保管をする形式で、導入が楽で安価。しかしカスタマイズ性は他の2つよりも低いです。
オンプレミス・パッケージはクラウドより高価で導入や設計にやや手間がかかりますが、カスタマイズが柔軟にできるのが魅力です。自社の既存フローが煩雑な場合は、カスタマイズ性を重視した方が結果的に作業効率や人件コストを下げられる可能性もあります。
(4)動作環境
ワークフローシステムを導入する際は動作環境も確認しましょう。今やほとんどのシステムがモバイル対応(ブラウザ表示)しています。
しかしオンプレミスやソフトウェアを導入する場合は、サーバーの環境によっては動作が正確に行かないことも。事前に問い合わせや見積もりを取る際に、自社の環境を伝えておくと良いでしょう。
(5)従業員数制限
ワークフローシステムを導入する際は従業員数制限の有無を確認しましょう。大規模になるほど申請書の数が増えるため、クラウドの場合はデータベースが遅くなるリスクがあります。
企業規模に応じて費用もスペックも変わるので、事前に問い合わせは必須です。
(6)タスク管理機能
ワークフローシステムを導入する際は、タスク管理機能があると便利です。管理者が回ってきている申請書の一覧をチェックし、そこから承認作業を行えば作業効率が上がります。
メール通知や一覧表示など、タスク表示の機能を確認しましょう。
(7)進捗確認機能
ワークフローシステムを導入する時は、進捗状況の確認ができるものを選びましょう。申請者にとって、提出した書類の所在や申請状況が確認出来ない事はストレスになります。
また決済が出ないと次のアクションに移れない業務の場合、業務の遅滞を引き起こすでしょう。提出書類の所在・進捗が確認できる機能があるワークフローシステムがおすすめです。
(8)他アプリ・システム連携
ワークフローシステムを導入する場合は、他アプリやシステムとの連携が可能な物を選ぶと良いでしょう。
既存のオフィスソフトとの連携が可能なら、データ入力・出力が楽になります。その他営業・経理・人事のデータを連携できれば、経費精算や顧客管理、人事異動があった際の対応もスムーズです。
おすすめのワークフローシステム30選
おすすめのワークフローシステムを30個ご紹介します。先程の項目で触れた基準に基づいて選定しているので、ワークフローシステム選びの参考にしてください。
Create !Webフロー【 Infotec,Inc.】
Infotec,Inc.のCreate !Webフローは、分りやすいUIで稟議承認などの処理を楽にするワークフローシステムです。無料体験も可能なので、まずはデモ版を使って使用感を試してみてください。クラウドとパッケージソフトがあり、クラウド版ならユーザー数に応じて安価に運用可能です。従業員数が多い場合はライセンス購入の方が得になる可能性があるので、無料版申し込みの際に一度担当者に見積もりを出してもらってください。
- 初期費用
- クラウド版:無料 パッケージ版:ライセンス料合計の15%
- 月額費用
- クラウド版:500 パッケージ版 50ユーザーライセンス:600,000
- 導入形式
- クラウド/パッケージソフト
- 動作環境
- Windows/Mac OS/iPhone iPad/Android/
- 従業員数制限
- なし
- タスク管理機能
- ×
- 進捗確認機能
- ◯
- 他アプリ・システム連携
- ◯
X-point【株式会社エイトレッド】
株式会社エイトレッドのX-pointは、ペーパーの帳票をそのままPC上で操作している感覚で申請・承認作業ができるワークフローシステムです。ワンクリック承認が可能で、決済処理も楽になるでしょう。Chatworkやkintoneとの連携も可能で、ワークフローや他の業務を連携させて導入・運用もスムーズです。
- 初期費用
- 要問い合わせ
- 月額費用
- 要問い合わせ
- 導入形式
- クラウド/パッケージソフト
- 動作環境
- Windows/Mac OS/iPhone iPad/Android/
- 従業員数制限
- 1,000名以下
- タスク管理機能
- ×
- 進捗確認機能
- ◯
- 他アプリ・システム連携
- ◯
Agile Works【株式会社エイトレッド】
株式会社エイトレッドのAgile Worksは、人事・会計システムとの連携ができ業務を集約して管理できるワークフローシステムです。モバイル端末対応なので、外出先から書類を提出、承認が可能。一覧で進捗確認ができるので、ペーパーワークにありがちな書類の紛失や対応漏れも無くなります。無料体験版があるので、まずはトライアルから始めましょう。
- 初期費用
- AgileWorks Standard基本パック:360,000 AgileWorks Enterprise基本パック:540,000
- 月額費用
- AgileWorks Standard基本パック:2,400,000 AgileWorks Enterprise基本パック:3,600,000
- 導入形式
- パッケージソフト
- 動作環境
- Windows/Linux
- 従業員数制限
- なし
- タスク管理機能
- ×
- 進捗確認機能
- ◯
- 他アプリ・システム連携
- ◯
楽々WorkflowⅡ【住友電工情報システム株式会社】
住友電工情報システム株式会社の楽々WorkflowⅡは、複数の承認ルートを設定でき、大企業の部署毎の承認作業にも対応できます。モバイル端末にも対応しているので、出張や外出が多い管理者でもスピーディに承認タスクをこなせるでしょう。連携先が豊富で、既存システムに承認機能を追加できる感覚で利用できます。
- 初期費用
- クラウド版:50,000 パッケージ版:要問い合わせ
- 月額費用
- クラウド版:500 +基本料金10,000 パッケージ版:要問い合わせ
- 導入形式
- クラウド/パッケージソフト
- 動作環境
- Windows/Mac OS/iPhone iPad/Android/
- 従業員数制限
- なし
- タスク管理機能
- ×
- 進捗確認機能
- ◯
- 他アプリ・システム連携
- ◯
ActionPassport【株式会社イーネットソリューションズ】
株式会社イーネットソリューションズのActionPassportは、エクセルで使用していた書類をそのまま取り込んで使用できるワークフローシステムです。大きな改変がないので運用にギャップが生じず、スムーズに承認作業を行えます。販売管理システム等との連携もでき、業務一元管理を目指す企業におすすめです。
- 初期費用
- 無料
- 月額費用
- 500
- 導入形式
- クラウド
- 動作環境
- Windows/Mac OS/iPhone iPad/Android/
- 従業員数制限
- 1,200名以下
- タスク管理機能
- ×
- 進捗確認機能
- ◯
- 他アプリ・システム連携
- ◯
コラボフロー【株式会社コラボスタイル】
株式会社コラボスタイルのコラボフローは他システムとの連携が簡単で、導入に手間のないワークフローシステムです。クラウド版なら月額500円(税抜/1ユーザー)で利用でき、帳票作成もエクセルで出来るので運用も簡単。万が一承認漏れがあった場合はリマインドメールを送信できます。
- 初期費用
- 無料 パッケージソフト:要問い合わせ
- 月額費用
- 500 パッケージソフト:要問い合わせ
- 導入形式
- クラウド/パッケージソフト
- 動作環境
- Windows/Mac OS/iPhone iPad/Android/
- 従業員数制限
- なし
- タスク管理機能
- ◯
- 進捗確認機能
- ◯
- 他アプリ・システム連携
- ◯
楽楽販売【株式会社ラクス】
株式会社ラクスの楽楽販売は、エクセルでのデータ管理をクラウド上のデータベースへ移行し、ワークフロー設定で自動処理できるようにするワークフローシステムです。従来エクセル管理をしていたシートをデータベース管理することで、エクセルの共有による操作の重さもありません。さらにワークフローを組めば夜間に自動処理を設定することも可能、承認作業や事務方の簡易な作業を減らせます。
- 初期費用
- 150000
- 月額費用
- 60,000円(税抜/月)
- 導入形式
- クラウド
- 動作環境
- Windows/Mac OS/iPhone iPad/Android/
- 従業員数制限
- なし
- タスク管理機能
- ×
- 進捗確認機能
- ◯
- 他アプリ・システム連携
- ◯
承認Time【SBIビジネス・ソリューションズ株式会社】
SBIビジネス・ソリューションズ株式会社の承認Timeは、あらゆるデバイスでアクセスできるワークフローシステムです。申請書類を簡単に書式設定し、柔軟に回覧経路を設定可能。さらに文書の差し戻し時にはコメント入力でコミュニケーションも測れます。1ユーザーあたり300円(税抜)で利用できるので、安価に導入が可能です。
- 初期費用
- 無料
- 月額費用
- 3,000円(税抜/10ユーザー/月)
- 導入形式
- クラウド
- 動作環境
- Windows/Mac OS/iPhone iPad/Android/
- 従業員数制限
- なし
- タスク管理機能
- ◯
- 進捗確認機能
- ◯
- 他アプリ・システム連携
- 要問い合わせ
Gluegent Flow【サイオステクノロジー株式会社】
サイオステクノロジーのGlugent Flowは、Googleアプリと相性の良いワークフローシステムです。稟議書が回覧された時に自動でメール送信をし、タスク管理を楽にします。1ユーザーあたり月額300円(税抜)で利用できる安価なシステムで、承認や申請作業をコンパクトにすることが可能。クラウド形式なので導入も楽で、場所や端末を選ばずアクセスが可能です。
- 初期費用
- 要問い合わせ
- 月額費用
- 300
- 導入形式
- クラウド
- 動作環境
- Windows/Mac OS/iPhone iPad/Android/
- 従業員数制限
- なし
- タスク管理機能
- ◯
- 進捗確認機能
- ◯
- 他アプリ・システム連携
- ◯
WorkflowEX【株式会社Knowlbo(ナルボ)】
株式会社Knowlbo(ナルボ)のWorkflowEXは、エクセル画面でそのまま申請書の作成が出来るワークフローシステムです。従来エクセルで帳票管理をしている企業にとって、UIが変わらないので操作が非常に楽。エクセルをドロップするだけで申請作業が完了し、進捗状況を一目で確認し、承認状況をチェックできます。文書の検索もできるので、申請書の紛失リスクもありません。
- 初期費用
- 要問い合わせ
- 月額費用
- 要問い合わせ
- 導入形式
- クラウド
- 動作環境
- Windows/Mac OS/iPhone iPad/Android/
- 従業員数制限
- なし
- タスク管理機能
- ◯
- 進捗確認機能
- ◯
- 他アプリ・システム連携
- ◯
SmartFlow【VeBuIn株式会社】
VeBuIn株式会社のSmartFlowは、社内外の稟議書や申請書を一括管理できるワークフローシステムです。モバイル端末での使用を前提に設計されていて、外出先でも承認が可能。書類の操作ログが全て残るので、改ざんや不正作成のリスクもありません。初期費用・月額料無料から利用できるので、導入をスモールスタートしたい企業におすすめです。
- 初期費用
- 無料
- 月額費用
- フリー:0円 Professional:460 Business:要問い合わせ
- 導入形式
- クラウド
- 動作環境
- Windows/Mac OS/iPhone iPad/Android/
- 従業員数制限
- なし
- タスク管理機能
- ×
- 進捗確認機能
- ◯
- 他アプリ・システム連携
- 要問い合わせ
WaWaFlow【株式会社アイアットOEC】
株式会社アイアットOECのWaWaFlowは、2,000人以上の会社規模でも安心して利用できる大容量クラウド型のワークフローシステムです。申請・承認業務の他にクレーム報告や文書管理、作業遅滞を知らせる機能もついています。現場が承認経路を把握していなくても、システムにフローを組み込んでおけば自動で申請承認が可能で、業務効率を向上させられるでしょう。
- 初期費用
- 無料
- 月額費用
- 400 +2,500
- 導入形式
- クラウド
- 動作環境
- Windows/Mac OS/iPhone iPad/Android/
- 従業員数制限
- なし
- タスク管理機能
- ◯
- 進捗確認機能
- ◯
- 他アプリ・システム連携
- ◯
J -MOTTOワークフロー【リスモン・ビジネス・ポータル株式会社】
リスモン・ビジネス・ポータル株式会社のJ -MOTTOワークフローは、1ユーザーあたり月額200円(税抜)から利用できるワークフローシステムです。申請経路の登録や雛形の設定だけでなく、申請書をCSVで一括ダウンロードする機能もあります。スマホ対応で外出先からでも承認作業ができ、稟議対応もスピーディになるでしょう。
- 初期費用
- 30000
- 月額費用
- 2000
- 導入形式
- クラウド
- 動作環境
- Windows/Mac OS/iPhone iPad/Android/
- 従業員数制限
- なし
- タスク管理機能
- ×
- 進捗確認機能
- ◯
- 他アプリ・システム連携
- 要問い合わせ
POWER EGG3.0【ディサークル株式会社】
ディサークル株式会社のPOWER EGG3.0は、経費精算から稟議書まで幅広く対応できるワークフローシステムです。Webデータベースに書類を保管できるので、紛失リスクもありません。ワークフローだけでなく顧客情報の管理機能もついていて、営業部門との連携も可能です。無料体験もできるので、まずはトライアルから導入テストを行いましょう。
- 初期費用
- 要問い合わせ
- 月額費用
- クラウド版基本利用料:10,000 汎用申請ワークフロー:500 経費精算ワークフロー:500
- 導入形式
- クラウド/パッケージソフト
- 動作環境
- 要問い合わせ
- 従業員数制限
- なし
- タスク管理機能
- ×
- 進捗確認機能
- ◯
- 他アプリ・システム連携
- ◯
sai*reco
株式会社アクティブ アンド カンパニーのsai*recoは、拠点を跨ぐ申請作業が楽になるワークフローシステムです。特に移動が出向が多い会社向けに、配置転換があっても人事情報を取り込んで自動適応し、承認ルートに影響が出ないように設定可能。人事関連の評価システムの自動化もでき、賞与管理なども楽になります。システムで情報を一元管理することで、業務効率化を部署に関係なく促進できるでしょう。
- 初期費用
- 400000
- 月額費用
- 180+システムメンテナンス費用1,000〜
- 導入形式
- オンプレミス
- 動作環境
- 要問い合わせ
- 従業員数制限
- なし
- タスク管理機能
- ◯
- 進捗確認機能
- ◯
- 他アプリ・システム連携
- 要問い合わせ
AppRemo【株式会社システムエグゼ】
株式会社システムエグゼのAppRemoは、エクセルをベースにして申請ができるワークフローシステムです。帳票入力が使い慣れたエクセル画面なので申請書の作成も効率が落ちず、さらに申請書をデータベースとして蓄積できます。クラウド版の他にオンプレミス(詳細問い合わせ必要)があるので、自社のニーズに合わせて相談してみましょう。
- 初期費用
- 要問い合わせ
- 月額費用
- Lite:60,000 Standard:65,0000 Prime:70,000
- 導入形式
- クラウド/オンプレミス
- 動作環境
- クラウド/オンプレミス
- 従業員数制限
- なし
- タスク管理機能
- ◯
- 進捗確認機能
- ◯
- 他アプリ・システム連携
- ◯
最後に
今回はおすすめのワークフローシステムを30個ご紹介しました。紙ベースの書類を電子化するに当たって問題になる入力のしづらさがなく、かつ効率よく申請・承認作業を自動化できるものばかりです。
書類紛失や管理者の業務負荷を減らすためにも、ワークフローの導入は有効。今回紹介した記事の中から、自社ニーズに適合するワークフローシステムを見つけてください。