動画制作を外注するメリットとデメリット|外注先の選定ポイントも解説

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インターネットが普及した現代では、個人運営のブログから企業の公式サイトまで、さまざまな場所で動画を目にします。

企業は商品PRのほか、会社案内や採用などの場面でも動画を利用するようになりました。また、WebCMに動画を活用するケースも増えています。

動画の普及にともない、動画制作を内製するか外注するかという悩みも増えているでしょう。

しかし動画を外注する場合は、制作会社の選定方法や費用が問題になることも少なくありません。

そこで本記事では、動画制作を外注するメリット・デメリットや流れに加え、外注先の選定ポイントと料金相場について解説します。契約する際のポイントにも触れるので参考にしてください。

目次
目次

動画制作を外注するメリットとデメリット

動画制作の外注にはメリットとデメリットの両方があるので、それぞれ説明します。

動画制作を外注するメリット

動画制作を外注すると、以下のようなメリットが得られます。

  • 品質の高い動画が期待できる

  • 自前の機材をそろえる必要がない

  • 自社のリソースが最小限で済み、本来の業務に集中できる

  • 動画の運用に関する助言がもらえる

  • 得意領域に合わせて専門性の高い会社を選択できる

動画制作を専門とする会社に依頼すれば、高い品質が期待できます。

また、外注することで動画制作に充てるリソースを最小限にできるため、本来の業務に注力できます。慣れない業務に、制作メンバーが負担を感じることもありません。

また、作ったあとの動画をどのように運用すべきかなど、効果的な活用方法をアドバイスしてもらえることもあります。

制作会社にはそれぞれ得意領域があるため、自社のニーズに合わせて会社を選べば、期待どおりの動画を制作できるでしょう。

動画制作を外注するデメリット

動画制作の外注には、以下のようなデメリットもあります。

  • 制作費用が高くなりやすい

  • スケジューリングが難しい

  • スピード感が落ちる場合がある

まず挙げられるのは、制作費用が高くなりやすい点でしょう。

自社のリソースを割かずに高品質な動画を制作するためには、必要なコストだともいえますが、高いクオリティの動画を作るとなると、その分大きな費用がかかります。

また、外注する場合は、予算の確保や外注の選定、見積もりの確認、契約書の締結など制作が開始できるまでにいくつかの工程があります。

すぐに制作を進められるわけではないため、スピード感が落ちる場合もあるでしょう。

動画制作を外注する流れ

動画制作の外注は、どのような流れで行なうのでしょうか。ここでは、依頼先の選定から動画を公開するまでの一般的な流れを説明します。

動画制作の依頼先を探す

まず、動画制作の依頼先を探さなければなりません。

インターネットで動画制作会社を検索し、公式サイトなどから問い合わせや資料請求をしてみましょう。また、クラウドソーシングサービスで探す方法もあります。

依頼する前に、以下のような準備をしておくとスムーズです。

  • 動画制作の目的と内容を整理しておく

  • 予算を決めておく

  • 動画で使用する素材を集めておく(費用に影響するため)

  • 希望する納期を決めておく

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企画書を作成する

制作会社に問い合わせると、制作する動画の目的や予算、事業内容などについてヒアリングが実施されます。

その結果をもとに、制作会社は大まかな企画書を作成して提案してくれます。打ち合わせを行ない、企画内容や制作スケジュールに問題がないかチェックしましょう。

なお、コンペ形式で動画制作会社を選定する場合は、この段階で具体的な企画構成を提案してもらえることもあります。

構成案を作成する

企画の承認後は、制作会社から動画の構成案を提出してもらいます。シナリオや絵コンテなどが届くので、「依頼の意図が正しく反映されているか」「変更してほしい箇所がないか」などを細かくチェックしましょう。

変更してほしい点があれば、この時点で伝えることが大切です。構成案を承認したあとに大幅な修正が発生すると、制作スケジュールが遅れることもあるためです。

疑問点や不明点があったときは、遠慮するよりも早めに解消することを心がけましょう。

撮影

動画を実写で制作する場合には、撮影の工程があります。依頼元の担当者が撮影現場に立ち会うことも必要となります。

編集・MA(音入れ)・ナレーション収録

撮影作業が完了したあとは、動画の編集作業を行ないます。内容によって異なるものの、編集作業には約2〜3週間かかります。

公開スケジュールに問題がないか、確認しておきましょう。

また、MA(音入れ)のほか、ナレーションを入れる場合は収録も行ないます。

ナレーション収録は、収録スタジオを借りて行なうことが多く、撮り直しがないよう依頼元も立ち会うケースが多くあります。

納品物のチェック

動画の初稿が完成したら最終チェックを行ないます。イメージどおりの動画に仕上がっているか、テロップにミスがないか、音楽や効果音の音量や入れるタイミングは適切か、映り込んではいけないものが入っていないか、などチェックする箇所は多数あります。

時間をかけて、できれば複数人でチェックしておきましょう。

公開

動画完成後はデータで納品してもらい、自社でアップロードを行なって動画を公開します。

公開場所は自社のホームページのほか、YouTubeやX(旧Twitter)などがあります。

動画制作の外注先を選定する際のポイント

動画制作を外注する際は、どの制作会社を選ぶかが重要です。ここでは、外注先を選定するための6つのポイントを解説します。

  • 高クオリティの動画・映像の制作が可能か

  • 予算内で動画制作が可能か

  • 希望するイメージに近い制作実績があるか

  • 自社のニーズに合った専門性があるか

  • 良いディレクターがいるか

  • 見積もり金額だけで決めるのはNG

高クオリティの動画・映像の制作が可能か

外注先を選定するうえで、クオリティの高い動画を制作できるかどうかは重要なポイントです。

制作会社にこれまでに制作した動画を見せてもらい、そのクオリティをチェックしておきましょう。

動画のクオリティは、例えば以下の要素で判断できます。

  • 目的に合った動画になっているか

  • 目的に対する動画の効果はどれくらい期待できるか

  • メッセージがきちんと伝わるか

  • 時代に合っているか

ただし、どれだけクオリティが高い動画を作れても、ターゲットとする視聴者に見てもらえなければ意味がありません。

マーケティングの視点から提案してくれる制作会社に依頼すれば、ターゲット層に動画を届けられる可能性も高まります。

予算内で動画制作が可能か

予算によって作れる動画のジャンルや内容、表現方法は異なります。

そのため、費用をどれくらいかけられるかが、動画制作を外注するうえで大きなポイントです。

とはいえ、予算を抑えざるを得ない場合も多いでしょう。そのような場合でも、予算内に収まる代替案を提示してくれる制作会社なら、最終的に満足のいく動画を制作できるかもしれません。

プロならではの視点から、アドバイスをもらえることもあるでしょう。

なお、自社が持っている素材を提供することで、予算を抑えられることもあります。

希望するイメージに近い制作実績があるか

依頼する制作会社を選ぶには、これまでの動画制作実績を確認することも大切です。

前述のとおり、動画制作会社は事前にヒアリングを行ない、その内容から効果的な動画制作を提案してくれます。

しかし、完成した動画を見た際に「思っていたものとイメージが違う」と後悔するケースもあります。

制作会社の多くは、これまでの実績をWebサイトで公開しています。希望するイメージに近い動画の制作実績があれば、安心して依頼できるでしょう。

自社のニーズに合った専門性があるか

制作会社のなかには、特定の業界や業種に特化した専門性を持っているところもあります。

自社と同様の専門領域に詳しい制作会社に依頼すれば、動画への細かなニーズもスムーズに伝えられるでしょう。

また、制作会社には、それぞれに得意なジャンルがあります。実写やアニメ・CGが得意、企業PR動画や研修用動画の実績が多いなど、制作会社の強みが自社のニーズとマッチするかを見極めることも大切です。

良いディレクターがいるか

自社を担当するディレクターが信頼できそうな人物かどうかも、チェックすべきポイントです。

これまでの制作実績から自社にマッチする制作会社を見つけたとしても、最終的な動画のクオリティは、担当するディレクターにある程度左右されます。

可能であれば、ディレクター本人の実績を見せてもらいましょう。

また、うまく意思疎通ができるディレクターであれば、ヒアリングの際に伝えた要望をしっかりと企画に反映してくれるはずです。

こちらの意見を聞きつつも、プロの視点で最適な提案をしてくれる担当者なら、動画制作もスムーズに進行するでしょう。

見積もり金額だけで決めるのはNG

動画制作の外注先は、費用と実績動画のクオリティ、関係者の対応などを総合的に判断して決めましょう。見積もり金額が安いことだけを理由に決定するのは、あまり得策とはいえません。

動画制作の費用には相場があるものの、作業の進め方や工数単価は制作会社によって異なります。

相場より高めの見積もりだったとしても、スムーズでクオリティの高い制作ができるなら、その制作会社に依頼したほうが満足のいく動画が完成するでしょう。

動画制作の外注先の料金相場

動画制作にかかる費用は制作会社によって異なるものの、相場はあります。動画の目的ごとの料金目安は以下のとおりです。

動画の目的料金相場(動画制作1本当たり)
商品・サービス紹介30~100万円
会社・店舗・学校紹介30~200万円
採用10~200万円
セミナー・イベント20~50万円
テレビCM50~300万円
WebCM10~500万円

なお、動画制作の料金には、大きく分けて以下の3種類の費用が含まれています。

  • 企画費:台本の作成や制作スタッフの選定、制作スケジュールの管理などにかかる費用
  • 人件費:制作スタッフや出演者(役者やモデルなど)の費用
  • 諸経費:機材やスタジオのレンタル代など

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外注先と契約する際のポイント

ここからは、外注先と契約する際によく確認しておきたい8つのポイントを解説します。

  • 動画制作にかかる費用と納期

  • 納品形式

  • 責任の所在・再委託の有無

  • 第三者の権利の保証

  • 著作権の帰属

  • 秘密保持

  • 原版の保管

  • 損害賠償

それぞれ詳しく見ていきましょう。

動画制作にかかる費用と納期

動画制作の外注では、制作にかかる費用や納期について合意したうえで契約を結ぶのが一般的です。

仕様変更などにより、費用や納期が変更されることもありますが、変更には双方の合意が不可欠です。

そのため、契約時点で何を依頼し、そのための費用がいくらなのか、納期をいつに設定したのかをしっかりチェックすることが重要です。

最終的な見積書に書かれた料金や納期と食い違いがないか、必ず確認しましょう。

納品形式

前述のように、完成した動画はデータファイルとして納品されます。契約時には、動画の納品形式について必ず確認しましょう。

具体的には、映像データのフォーマットや尺と本数、提供方法などを確認します。例えば、契約書には以下のように記述されます。

  • MP4:〇〇分、△△本
  • DVD:〇〇分、△△本
  • その他:〇〇分、△△本

自社サイトやSNSで配信するためのもの以外にも、媒体によって異なるフォーマットが必要になるかもしれません。

保管用として、DVDでの納入を希望する場合もあるでしょう。また、動画の解像度や縦横比など、仕様についても確認が必要です。

責任の所在・再委託の有無

制作会社は、動画制作の一部(編集作業やCG加工など)を下請けに委託する場合があります。そのため、責任の所在や再委託の有無を確認しておくことが大切です。

例えば、納品後に不具合が見つかった場合は、制作会社に修正を依頼するでしょう。

しかし、「編集作業は◯◯社の担当です」などと対応を断られるケースもあるためです。

このようなトラブルを防ぐためにも、責任の所在が契約書に明記されているかをチェックしておく必要があります。

第三者の権利の保証

動画制作にあたっては、制作会社だけでなく発注する側も、動画の制作過程や成果物が第三者の権利を侵害しないように必要な処置を講じなければなりません。

第三者の権利とは、動画制作に使用するBGMなどの著作権や、肖像権などを指します。

  • 著作権:著作者が自己の著作物の複製・翻訳・放送・上演などを独占する権利

  • 肖像権:顔や身体の外見を勝手に写真・絵画・彫刻などにされたり、公表されたりしない権利

契約書には、委託者と受託者が第三者の権利を侵害しないことを保証するかどうかを明記するのが一般的です。

また、第三者の権利の処理(許諾取得の手続きや費用負担)をどちらが行なうのかについても記載されます。

思わぬトラブルを未然に防ぐには、これらについて事前に協議し、契約書の内容もしっかりと確認しておくことが重要です。

著作権の帰属

前述のように、著作権は著作物を創作した著作者に認められる権利です。

自社(発注する側)が動画制作の費用をすべて負担していたとしても、著作権は動画を制作した制作会社側に帰属するのが原則となっています。

ただし、あらかじめ協議のうえ合意できれば、動画の著作権を発注者側に帰属させることも可能です。

契約時には、動画の著作権が発注者と制作会社のどちらに帰属するのかをしっかり確認しておきましょう。

また、必要な映像使用権があるかどうかもチェックすべきポイントです。著作権が制作会社側に帰属していたとしても、発注者側に必要な範囲の映像使用権が認められているなら問題ありません。

しかし、契約書に明記された範囲を超える目的で動画を使用した場合には、権利侵害になってしまいます。

なお、発注者側に著作権がある場合でも、制作会社が自身のWebサイトなどで動画を事例として紹介したいケースもあるでしょう。

紹介したい打診があった場合は、その旨も契約書に明記するのが通常です。

秘密保持

外注先と契約する際には、秘密保持についても確認しておきましょう。

秘密保持とは、契約に関わる両社が、動画制作に関する秘密情報を第三者に開示することを禁止するための契約条項です。

例えば、「動画制作の予定」「動画の内容」「発表日」「プロジェクトのメンバー」などが秘密情報にあたります。

基本的には、発注者側が公式に発表するまでは口外してほしくない情報や、それらの情報を取り扱うときのルールが契約書に明記されているかをチェックします。

なお、秘密保持条項は契約書を構成する一要素ですが、主契約とは別に秘密保持契約(NDA)を締結するケースもあります。

原版の保管

映像の原版(オリジナルデータ)についても、契約時に確認しておきましょう。

納品後に「制作会社はいつまで原本を保管するか」「保管期間を経過したあとはどうするのか」などが契約書に書かれています。

保管期間は3~5年としている制作会社が多いようですが、必要に応じて相談して決定しましょう。

損害賠償

損害賠償に関する契約事項も、よく確認しておきましょう。制作会社に損害賠償を請求するケースとして考えられるのは、納品の遅延や秘密情報の漏洩、原版の紛失・破損などがあった場合です。

また、契約書には損害賠償の上限額が設定されていることもあります。

発生した損害額が賠償の上限を上回った場合には、十分な損害賠償を受けられないため、設定金額が適切かどうかよく検討する必要があります。

まとめ

動画制作の外注には、依頼先の選定から動画を公開するまで複数のステップがあります。制作をスムーズに進行させるためには、どの制作会社に依頼するかが重要です。

依頼先は、費用と動画のクオリティ、関係者の対応などを総合的に判断して決めましょう。また、契約の際には、本記事で紹介したポイントをしっかり確認することが重要です。

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