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CFOとは?CEOとの違いや会社での役割、業務内容について解説

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公開日: 2020.12.19
更新日: 2021.06.16

CFOとは「Chief Financial Officer」の略称であり、企業における「財務部門のトップ」という位置づけです。企業には欠かせない財務戦略のエキスパートであり、日本でもその需要は高まるばかりです。

今回はCFOとは、というテーマからその定義や役割、いまの日本企業に求められるようになった背景まで解説していきます。

目次
目次

CFOとは?CEO、COO、CMOの違い

まずは「CFO」という役職の定義と、どのような役割を担うのかについて説明します。あわせて混同されがちな「CEO」「COO」「CMO」といった役職についても、改めてその意味を確認しておきましょう。

CFOとは「最高財務責任者」のこと

CFO(Chief Financial Officer)は「最高財務責任者」と訳され、その名の通り企業における財務戦略の責任者を指します。わかりやすく言えば「お金の管理から調達、どのように予算を組むか」といった「会社のお金に関するすべての仕事を統括する役割」がCFOです。

会社の資金集めや予算の管理といった「お金に関するプロフェッショナル」という印象を持たれがちですが、単に財務の知見があるだけではCFOの役は務まりません。経営陣の1人として会社全体を見渡し、経営戦略についても財務の観点から意見やアドバイスを提言する役回りがCFOには求められています。

また「CFOとCEO、COO、CMOには、どういった役割の違いがあるのか?」という疑問についてもお答えしましょう。「C〇〇」のように頭文字がCから始まる3文字の役職は、どれも「最高〇〇責任者」と和訳され、会社の経営陣の1人であることを指します。

  • CEO

CEOとは「Chief Executive Officer」の頭文字を取ったもので、日本では「最高経営責任者」という役職にあたります。取締役会の意思に従い、経営方針や事業戦略を決定する「会社経営の最高責任を担う人物」、事実上「会社のトップ」といえるでしょう。

従来はアメリカで生まれた概念ですが、日本では企業の社長や代表取締役が兼任する場合が多いです。そのため「社長=CEO」と認識されがちですが、厳密には異なる定義であることを覚えておきましょう。実際にアメリカでは「CEOと社長を別の人間が担う」ケースも、珍しくありません。

  • COO

COOとは「Chief Operating Officer」の頭文字を取ったもので、日本では「最高執行責任者」という役職にあたります。CEOが経営のトップであるとすれば、COOはその経営戦略を実際に現場へ落とし込み実行する「執行のトップ」といえます。

CEOを会社のナンバー1とするなら、COOはナンバー2にあたる存在。日本企業では社長がCEO、副社長がCOOを務めるというケースがよく見受けられます。

  • CMO

CMOとは「Chief Marketing Officer」の頭文字を取ったもので、日本では「最高マーケティング責任者」という役職にあたります。その名の通り企業におけるマーケティングの最高責任者であり、マーケティング戦略の立案から執行、現場への落とし込みなど「マーケティング関連」すべての指揮をとる役職です。

今や企業において、マーケティングの観点なしでビジネスを成功させることは不可能な世の中となりました。まだ日本では海外ほど浸透していないCMOですが、今後ますます需要が高まると予測される役職といえます。

CFOの会社における役割、職務内容とは?

CFOとは具体的に社内でどのような役回りで、どのような業務を執行しているのでしょうか?

1. 経営戦略をもとに、財務戦略を立案する

1つ目のCFOの役割としては、CEOらが決定した経営戦略をもとに、財務戦略を立案することが挙げられます。「財務戦略」とは会社の経営目標を達成するために、資金調達や運用を「いつ・どうやって・どのくらい」行うかを戦略にしたものです。

例えば、会社が「5年後に売上5億、営業利益1億円を突破したい」という目標を掲げたとします。そうすると「目標達成のためには2年後には都内に1店舗、3年後には3店舗まで出店を増やしたいな。ならば来年までに銀行から〇〇円の借り入れが必要で、毎月の返済額はこれくらいに抑えたいな……」という風に、具体的な財務戦略を立てる必要が出てくるでしょう。目標利益を満たせる原価率やサービスの価格設定も、CFOの財務戦略に関与するものといえます。

このように会社のビジョンを元に、資金面から具体的な戦略を立てることがCFOの大きな役割の1つです。

2. 会社の資金調達や運用、予算管理をする

2つ目は上記で挙げた「財務戦略」をもとに、実際に資金調達や運用、予算管理を執行する役割です。資金調達は一般的に「金融機関からの借り入れ」である場合が多いですが、日本や世界経済の状況にあわせて金融機関の状況も変化します。よって、自社のフェーズや今後の金融機関の状況も加味しながら、「どのような資金調達の方法が適切か」までを検討、実践するのがCFOの任務です。ここで調達した資金を、短期・中期・長期の目標計画に沿って運用します。

また、予算管理も会社において重要な役割です。「売上予算」「原価予算」「経費予算」「利益予算」を的確に把握し管理することは、会社の財務状況を適切に判断し、今後の打ち手を考える上で欠かせない役割といえるでしょう。

3.経営陣に「財務のプロ」の視点で意見を伝える

3つ目は社長や副社長といった経営幹部にも臆することなく、「財務のプロ」として問題提議や意見を伝えることになります。よくありがちなのが、財務や経理の知識は豊富でも、トップ層に対して意見やアドバイスができないCFOの存在です。堅実な仕事は得意ですが、これでは会社の成長を財務の面から支援するCFO本来の役割が、まったく担えていないことになります。

現代の日本企業で求められるCFOは「財務のプロフェッショナル」として、CEOやCOOの方針に対して、ときには苦言を呈し、ときには積極的な投資を仰げるだけの自律性やリーダーシップが必要です。

CFOが会社経営で重要な理由、背景とは?

「CFO」という役職は、先述したとおりアメリカ合衆国で生まれたもので、日本に取り入れられたのは比較的最近のことです。

なぜ現代の日本企業にCFOという役割が求められるようになったのでしょうか?

1.資金調達が難しい時代になったから

CFOの需要が高まった1つ目の理由に、金融機関からの資金調達が難しくなったという背景が挙げられるでしょう。過去の日本においては、資金の借入先となると金融機関からの融資が一般的でしたが、バブル経済の崩壊とともに事態は一変します。

それまでは企業にためらいなく資金を貸していた銀行から、突然融資を新規で受けることが難しくなりました。銀行は基本的にハイリスクな投資を行わないため、過去の実績がないベンチャー企業などは、銀行とは別の資金調達をせざるを得なくなったのです。

そこで必要となったのが「銀行だけでなく、投資家から資金調達が可能な財務交渉のプロフェッショナル」という役割でした。財務に関する知識が豊富であり、かつCEOと同レベルで会社の成長性や経営戦略、財務戦略を投資家にプレゼンできる人材として、CFOは戦後日本の企業にとって欠かせない存在となりました。こうした時代背景が、日本で優秀なCFOが求められるようになった要因の1つです。

2.財務のスペシャリストが必要だから

もう1つの理由は、シンプルですがCOOのような現場へ戦略を落とし込むリーダー、CMOのような会社全体のマネジメントを指揮するリーダーと同様に、会社を財務の面から引率するリーダーを配置しなければ、会社が回らない時代となったためです。

財務の仕事はこれまでにも先述したように、財務戦略の立案から資金調達、予算管理、銀行や投資家との良好な関係づくりと多岐に渡ります。これらの仕事をCEOが兼任し、かつ財務の専門的な知識や経験もインプットしながらとなれば、CEOの負担はあまりにも大きすぎるでしょう。とはいえ、経営に関する知見の乏しい「財務部長」や「経理部長」といった中間管理者が、それらの役割をすべて引き受けるのは荷が重すぎるのです。

よって、財務のことを一任できる「CFO」という役割は、CEOが安心して自身の本来の業務である「経営戦略」に熱を注ぐ上で、なくてはならない存在といえます。

CFOの年収とは?

一重にCFOと言えど、その年収額は会社の規模や売上、CFO自身の成果によっても大きく異なります。あくまで一般的な額として、企業の規模別にCFOの年収を見ていきましょう。

大手企業の場合

まずは大手企業に勤めるCFOの平均年収額についてです。

世界各国の給与・採用動向を取りまとめている人材紹介企業「ロバート・ウォルターズ」の『給与調査 2020 日本』によれば、CFO職の平均年収は、東京の大手企業で2,500万円 ~6,000万円、大阪の大手企業で1,800万円~2,600万円という結果でした。同じ大手企業であっても、エリアによって平均給与額に大きな差があることがわかります。

中小企業の場合

次に中小企業に勤めるCFOの平均年収額についてです。

中小企業は東京エリアのデータのみ掲載されており、額としては1,500万円~2,500万円という結果となりました。大阪の大手企業とあまり変わらない点からも、東京のCFOは平均的に給与額が高い傾向があるようです。

ベンチャー企業の場合

ベンチャー企業におけるCFOの給与額について『給与調査 2020 日本』では言及されていませんが、マザーズ市場上場企業の公開データを見る限りでは800万円~1,500万円が相場のようです。

小規模企業が多いベンチャーではCFOの平均所得も下がりますが、その分CFOとしての決定権や活躍の場面が増えると言った「ベンチャーならではの魅力・やりがい」もあると言えます。

CFOに必要とされる能力とは?

CFOとは、いわば「財務面で会社とCEOをサポートするエキスパート」です。「優秀なCFO」として会社を支えるためには、どのような能力が必要とされるのでしょうか?

1. 財務や経理についての専門知識

絶対に外せない能力として「財務や経理に関する専門的な知識」が挙げられます。

財務部門のリーダーとして会社の全責任を担うとなれば、一長一短で身につくような半端な知識では全うできないでしょう。ファイナンスの豊富な知識と実戦経験が求められるため、CFOになる人材はほぼ確実に財務や会計、税務関係の仕事を経験しています。

具体的には公認会計士や財務部長、経理部長、ベンチャーキャピタル、銀行や証券会社などの金融機関の出身者などがCFOとして活躍しています。

2. 経営者と同じ視点で物事を見る力

次に必要な素養としてあげられるのが「経営者と同じ視点から会社全体を見渡せる力」です。

CFOは財務の最高責任者であるとともに、会社の経営陣の一員でもあります。ときにはCEOらと共に経営戦略を考える必要もありますし、会社の成長性や経済状況によっては他の幹部陣に「待った」を掛ける必要も出てくるでしょう。

これが仮に「財務の知識があるだけの人材」では、他の幹部陣の御用聞きとして資金調達や予算計画を立てるだけの人になってしまいます。経営者と同じ視点から会社の将来を見据え、的確な意見発信と戦略の立案ができることが、優秀なCFOに求められる能力なのです。

3. 高いコミュニケーション能力

優れたCFOには「高いコミュニケーション能力」も求められます。社内外ともに他者との関わりが多いCFOは、戦略を的確に伝える「説明能力」や相手からの協力を扇げる「人間性の魅力」が重要となるためです。

具体的には、自社の幹部陣に財務戦略や予算計画をプレゼンする際や、現場と財務に関するすり合わせや落とし込みをする場面、資金調達において銀行や投資家と良好な関係を築きたい場合など、様々なシーンでその力が必要とされるでしょう。

人間関係能力が優れたCFOは、社内外ともに「一緒に仕事がしやすい」印象を持たれやすく、両者ともに仕事を潤滑に進めることができます。

4. 冷静で的確な判断能力

「冷静に現状を判断し、的確な決定を下す能力」も、CFOになくてはならない能力です。CEOやCOOが「攻めの戦略家」であるならば、CFOはそのストッパーの役割を担う「守りの戦略家」といえます。彼らの理想と会社の現状とを俯瞰的に見比べ、現実的な予算計画を立てなければなりません。

仮にCFOが感情的に、あるいはCEOらの言いなり的に財務戦略を立案すれば、会社の資金繰りや借金返済でボロが出てしまうリスクもあるでしょう。CFOはいつ何時も第三者として、会社の経営状況や成長性を客観的に見つめる冷静な視点を持っている必要があります。

社内CFOと社外CFOの採用の違いとは?

優秀なCFOを採用する必要がある場合には、経営者の視点として「社内CFOと社外CFOのどちらがメリットが大きいか」という疑問が考えられます。社内CFOと社外CFO、両者の違いと採用する際のメリット・デメリットについて説明します。

社内CFO(フルタイムCFO)とは?

社内CFOとは、会社の常勤役員または従業員として働くCFOのことです。経営幹部の一員として、会社にフルタイムで在籍するのが特徴です。一般的に日本企業では社内CFOとして採用する、もしくはCEOなどが社内CEOを兼任する傾向が多く見られます。

社内CFOの採用メリット

社内CFOを採用するメリットは、経営幹部として自社の業務にフルコミットしてもらえることです。他社と兼業しない分、会社でこなせる業務量も増えますし、戦略の立案や予算計画を思考する時間も増えるため、より質の高いパフォーマンスが期待できるでしょう。

また、フルで会社に属しているため、会社の風土理解や帰属意識も外注のCFOより高い傾向にあります。組織風土や企業文化に理解があることは、他の経営陣をはじめ現場社員とのコミュニケーションも円滑になり、互いに仕事が進めやすくなるといったメリットが考えられるでしょう。

社内CFOの採用デメリット

社内CFOを採用するデメリットは、会社の事業フェーズによって、人件費の割に貢献度が低いという状況が起こりうることです。

スタートアップ企業や駆け出しのベンチャーであれば、事業初期は体制が整っていない故に、CFOの活かしどころが不明瞭な場合も多いでしょう。そうなると、「高給与な割にCFOの業務量が少ない」という状況が起こりうるので、会社の状況によっては社内CFOを抱えることが逆にマイナスに働く場合もあります。

社外CFO(アウトソースCFO)とは?

社外CFOとは、会社と業務委託契約を結ぶ、あるいはパートタイムで働くCFOのこと。多くの社外CFOはフルタイム勤務ではなく、他の仕事と兼業の場合が多いです。

具体的には財務に詳しいビジネス仲間であったり、あるいは財務コンサルタント、会計事務所といった専門家に依頼したりするケースがあります。稼働日数は週に数回のパターンもあれば、週1回、月に数回、不定期など契約内容によって様々です。

社外CFOの採用メリット

社外CFOの最大メリットは、会社が必要なタイミングに必要な分だけ稼働してもらえる点です。社内CFOであれば業務量に関係なく固定で給与を支払わなければなりませんが、社外CFOならば「資金調達時だけ」「週1の幹部ミーティングだけ」というように、会社の必要性に合わせて柔軟に対応してもらうことが可能でしょう。

また、採用の際に人材紹介会社を経由すれば、それだけで数十万、数百万の初期費用が必要になります。しかし、外注であればその必要もありません。なるべく費用をかけたくない駆け出しの企業であれば、人件費が抑えられる社外CFOの活用はメリットが大きいといえます。

社外CFOの採用デメリット

社外CFOのデメリットは、後に訪れる社内CFO採用で苦戦することです。会社が成長し事業規模が拡大すれば、外注では賄えない業務量が発生します。また、その他の経営幹部や現場とも密なコミュニケーションが必要となるため、専任の社内CFOを採用するほうが都合が良いでしょう。

そうなった際、会社のそれまでの経緯や内部事情を知らないCFOを外部から招き入れることになるので、人材の成長や会社風土の理解までに時間がかかってしまうデメリットが考えられます。

このように社内CFO、社外CFOともにメリットとデメリットがあるため、会社の状況と照らし合わせながら最適な選択をすることがおすすめです。

最後に

CFOは会社を戦略的に成長させるうえで、今や欠かすことのできない財務管理のプロフェッショナルです。だからこそ、求められる役割や業務量も多く、財務の幅広い知識と戦略性を兼ね備えた優秀なCFOの需要は今後も高まリ続けることでしょう。

経営者としては、冷戦な判断力と柔軟な対応力を持ち合わせた優れたCFOを如何に幹部として採用できるかどうかが、これから会社経営を飛躍させるための大きな鍵となることでしょう。