YouTube向けの動画制作を検討しており、「制作を外注するといくらかかるのか?」「どうすれば料金を抑えられるのか?」と考えている方もいるでしょう。
動画制作の料金は、動画の長さやタイプ、依頼する作業内容などによって異なります。
本記事では、YouTube動画制作の料金相場と内訳のほか、関連業務にかかる追加費用や料金を抑えるコツなども解説します。
コストを抑えてYouTube動画を制作したい方は、ぜひお読みください。
YouTube動画制作の料金相場
YouTube向けの動画を制作する料金には、ケースによって数万円から数百万円の幅があります。
例えば、編集作業だけの依頼なら、数万円で済む場合もあります。
一方で、より多くの作業を依頼したりどこまでもクオリティを追求したりすれば、その分費用は高くなるでしょう。
ここでは、動画の「長さ」と「タイプ」の2つの観点から、YouTube動画制作の料金相場について説明します。
動画の長さ別の料金相場
YouTube動画制作の料金相場を、動画の長さ別で以下にまとめます。
動画の長さ(尺) | 料金相場 |
30秒以下 | 数万円~80万円 |
1~3分程度 | 数万円~200万円 |
10分以上 | 10万円~400万円 |
基本的には、長い動画ほど制作料金が高くなります。
なお、YouTube向けの動画では、必要な尺の見極めが大切です。扱うテーマによっては、10分を超えると冗長に感じられることもあります。
動画のタイプ別の料金相場
YouTubeにはさまざまな動画がありますが、ここでは以下の3タイプを取り上げます。
- インタビュー動画
- PR動画
- Youtube広告動画
それぞれの料金相場について見ていきましょう。
インタビュー動画
インタビュー動画の制作料金は、1〜2分の長さで5〜20万円が相場です。
インタビュー動画では、事前に用意した質問に出演者が答える様子を撮影します。
編集作業は、不要な部分をカットしたりテロップを加えたりといったシンプルなものが多く、比較的手間がかかりません。
そのため、YouTube動画のなかでもコストを抑えて制作しやすいのが特徴です。
なお、インタビュー動画のメリットや制作手順などについては、以下の記事もご覧ください。
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インタビュー動画を作るメリットって?【インタビュー動画を作成する際のポイントや事例も紹介】
PR動画
自社の製品やサービスを動画でPRするには、企画・構成・編集を工夫して他社と差別化する必要があります。制作料金については、30〜150万円が相場です。
優れた商品をPR動画でうまく訴求すれば、さらなるイメージアップを狙えるでしょう。
ただし、特殊効果やアニメーションを取り入れる際には、作業量に応じて制作料金も高くなります。
なお、PR動画のメリットや制作手順などについては以下の記事で解説しているので、併せて参考にしてください。
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YouTube広告動画
YouTube広告用の動画には、短い視聴時間でもユーザーの興味を惹き付けられる企画力や表現力が求められます。
制作には手間がかかることから、少なくとも30万円前後の料金がかかるでしょう。
なお、広告の出稿費用も別途発生するため、制作費と合わせて予算に収まるか確認しておくことをおすすめします。
YouTube広告は、費用の上限を指定して出稿することも可能です。
また、YouTube広告には種類や課金方式が複数あることも知っておきましょう。詳しくは、下記の記事をご覧ください。
関連記事:
【2022年最新】YouTube広告の費用とは?再生回数における相場も解説
YouTube動画制作料金の内訳
YouTube動画制作にかかる料金の内訳は、以下の5項目に大別できます。
- 企画・構成
- 撮影
- 編集
- アニメーション
- BGM・ナレーション
それぞれの項目について、詳しく説明します。
企画・構成
企画・構成の料金には、動画のコンセプトやシナリオを考えたり、撮影スケジュールを管理したりする費用が含まれます。
料金の相場は、5〜50万円です。
企画・構成では、音響効果やナレーションの有無、撮影の進め方といった細かい部分についても決めていきます。
そのため、外注先に頼る部分が多くなるほど、料金も高くなる傾向があります。
どのような内容の動画にしたいのかが事前にわかっていれば、費用を抑えやすいでしょう。制作の軸がブレないように、動画の方向性をしっかりと決めておくことが大切です。
撮影
動画の撮影にかかる料金の相場は、10万円~20万円程度です。
撮影料金の大半を占めるのは、人件費と機材費です。YouTube動画は少人数で、一般的な機材のみを用いて撮影するケースが多いため、相場は低めとなっています。
とはいえ、大勢のスタッフや、特殊な機材による撮影が必要なケースもあるでしょう。その場合は、相場よりも費用は高くなります。
また、外部から出演者を呼ぶ場合は、キャスティング費用も考えておかなければなりません。
具体的な金額は、有名人を起用するかどうかによっても変わりますが、一般的なキャスティング費用は5〜40万円が相場です。
編集
編集の料金には必要シーンの選定、カットのほか、テロップや効果音のほか、画像・イラスト、アノテーション(注釈)などを挿入する費用が含まれます。
実際の金額は、編集内容によって変わります。例えば、シンプルな字幕やカット編集のみであれば、3万円前後で済むケースもあります。
一方、演出方法やエフェクトなどにこだわりを持ち、オリジナリティを重視すると、多くの工程や高い編集スキルが必要となりがちです。
その分人件費も上がり、高額な場合は100万円以上かかるケースもあります。
編集作業は動画のクオリティに直結する部分が多く、こだわるとキリがありません。どこまで費用をかけるべきかは、予算とのバランスから考えることがポイントです。
アニメーション
アニメーションは、伝えたいことをわかりやすく表現する手法としてよく選ばれます。
アニメーション動画の手法には種類があり、一般的な編集とは異なるスキルが求められることなどから、相場については一概にはいえません。
内容によっては、1つのアニメーションを完成させるのに膨大な時間を要し、一般的な編集と比較すると費用が高額になる可能性があるため要注意です。
アニメーション動画の種類と料金については下記の記事で詳しく説明しているので、併せて参考にしてください。
関連記事:
アニメーション動画の費用相場とは?失敗しない会社選びと制作費用を抑えるポイントを解説!
BGM・ナレーション
動画にBGMやナレーションを入れる場合も費用が発生します。
YouTube動画では多くの場合、BGMやナレーションの挿入が必要となるでしょう。
BGMはフリー素材でない限り購入するか作曲が必要となるため、費用がかかります。また、ナレーションは収録費が別途かかります。
BGMは購入する場合は、数千円~5万円程度、作曲する場合は数万円~10万円ほどが相場です。
ナレーションは3〜10万円が料金の相場ですが、高額なプロのナレーターをキャスティングすると、高額になることがあります。
YouTube動画制作の関連業務にかかる追加費用
YouTube向けの動画制作では、以下のような関連業務が必要になることがあります。
- サムネイル作成
- オープニング・エンディング動画作成
- 運用代行
- データ分析・コンサルティング
これらも併せて依頼する場合は、追加料金がかかります。それぞれ、詳しく見ていきましょう。
なお、料金については、各業務を個別に依頼した場合の相場を説明します。動画の制作と併せてパッケージで依頼すれば、安価に済むケースもあります。
サムネイル作成
動画の内容を表し、動画の「看板」の役割を担う画像がサムネイルです。
サムネイルの質は、動画のクリック率や再生回数に大きく影響します。大勢に見てもらえる動画にするには、ターゲットとなる視聴者が魅力を感じるようなサムネイルを作ることが重要です。
サムネイル作成の料金は、1枚当たり数千〜1万円が相場です。
オープニング・エンディング動画作成
オープニング動画・エンディング動画は、動画の最初と最後に挿入され、多くの場合5〜15秒程度です。
すべての動画で共通の動画を使用すれば、制作費用は一度しかかかりません。
オープニング動画・エンディング動画の制作料金は、1〜20万円が相場です。
なお、特に工夫が必要なのは、オープニング動画のほうでしょう。動画の冒頭で流れるため、ユーザーの興味を惹き付けるうえで重要な役割を果たします。
下記の記事ではオープニング動画の重要性や作り方、参考事例などを紹介しているので、併せて参考にしてください。
関連記事:
【2024年最新】オープニング動画とは?作り方や事例、おすすめのツールも紹介
運用代行
YouTubeチャンネルの運用を代行してもらうことも可能です。具体的には、以下のような業務の代行を依頼できます。
- 動画のアップロード(タイトルの設定や概要の入力を含む)
- 再生リストの作成・編集
- コメントへの対応
- チャンネルページのカスタマイズ
料金は依頼する業務の範囲によって変わりますが、一般的には1ヵ月当たり3〜20万円が相場です。
データ分析・コンサルティング
より効果的にYouTubeを活用するために、データ分析やコンサルティングを依頼する方法もあります。
これらは、動画の企画や編集に関するアドバイスを提供したり、運用状況の分析結果をもとに改善策を提案したりする業務です。
なかには、YouTube動画の企画・編集から分析・改善までを自力で行なえるように、内製化の支援を含むプランを選べるサービスもあります。
料金は依頼する業務の範囲によって異なりますが、1ヵ月当たり10〜30万円が相場です。
YouTube動画制作費用を抑える7つのコツ
YouTube動画の制作費を抑えるために、特に押さえておきたい7つのコツがあります。
- 依頼する業務を絞る
- 「どこまでこだわるか」を吟味する
- 近場で撮影する
- 自社の社員に出演をしてもらう
- フリー素材を活用する
- 複数社から見積もりを取って比較する
- 複数の動画制作をまとめて依頼する
それぞれ詳しく説明するので、低コストでYouTube動画を制作するための参考にしてください。
依頼する業務を絞る
YouTube動画制作の業務は多岐にわたります。業務内容を細分化して精査すれば、「自社でもできる作業」や「社内で対応すべき業務」が見つかるかもしれません。
例えば、以下のような業務は社内でできないか検討してみましょう。
- 動画素材の作成
- カットやトリミングなどの編集
- 企画・構成
これらを踏まえて依頼する業務を絞れば、動画制作の費用を大幅にカットできる可能性があります。
「どこまでこだわるか」を吟味する
YouTube動画の制作費は、細部にこだわるといくらでも膨らんでしまいます。
とはいえ、ある程度のクオリティがなければ、期待した効果は得られません。制作を依頼する前に、どこまでこだわるべきかを考えておくことが大切です。
例えば、「特殊な機材は使わない」「費用のかかるアニメーションは多用しない」などが考えられます。予算とのバランスも加味して、方針を決めましょう。
近場で撮影する
動画の撮影場所には、近場を選ぶのもポイントです。
遠く離れた場所を選ぶと、その分だけ交通費が高くなります。撮影が2日以上にわたる場合は、宿泊費もかかるでしょう。
近場で撮影できれば、スケジュールも調整しやすくなります。「スケジュールどおりに撮影を終わらせなければ」といったプレッシャーからも解放されるでしょう。
また、シリーズ動画であれば、毎回同じ場所で撮影したり、まとめて数回分を撮影したりすることでコストダウンにつなげられます。
自社の社員に出演してもらう
動画に出演者が必要な場合は、自社の社員の出演によってキャスティング費用を削減できます。
外部の出演者を起用すると出演料が発生し、撮影が長引けばその分費用も増えてしまいます。
また、社員を起用すればスケジュールも柔軟に組みやすく、スムーズに撮影が進むでしょう。
なお、外部の出演者を起用したい動画が複数あるときは、まとめて撮影できるようにスケジュールを組めばコストを抑えやすいでしょう。
フリー素材を活用する
動画にフリー素材を使うことも検討してみましょう。無償提供されている画像や楽曲を活用すれば、オリジナルの素材を作る費用をカットできます。
フリー素材の数は日々増えているため、さまざまなテーマの動画に合うものが見つかるはずです。
なお、フリー素材のなかには商用利用を禁止していたり、著作権表示を求めたりするものもあります。素材ごとの利用規約を確認したうえで、適正な範囲で活用してください。
複数社から見積もりを取って比較する
YouTube動画の制作を外注する際は、複数社から見積もりを取りましょう。
最初から1社に絞ると、提示された金額が妥当かどうか判断できません。
複数の見積もりを比較すれば、依頼内容に対する料金の相場を把握できます。
ただし、制作会社によっては「YouTube動画制作費用一式」のような記載のみで、内訳がわからない見積書を提示することもあります。
トラブルを防止するためにも、内訳は曖昧なままにせず、しっかり確認してから契約しましょう。
動画制作の見積書の見方などは、下記の記事を参考にしてください。
関連記事:
【2024年最新】動画・映像制作の見積りの見方|見積り額を抑える方法や注意点とは?
複数の動画制作をまとめて依頼する
複数のYouTube動画を制作するときは、まとめて依頼すれば割引が適用されることがあります。
「月に◯本」のように本数を決めて定期的に依頼することで、1本当たりの料金を割安にできる場合もあるでしょう。
とはいえ、初めての取引では「まとめて制作してもらった動画が、すべてイメージと異なる仕上がりになってしまったらどうしよう」というような不安を感じるかもしれません。
こうしたリスクを減らすには、最初に1本だけ依頼して問題がないと判断できてから、まとめて依頼しましょう。
YouTube動画制作の依頼方法
YouTube動画制作の依頼先には、大きく分けて「動画制作会社」と「フリーランス」の2つがあります。
動画制作会社へ依頼する
動画制作会社は動画を専門に扱っているため、高いクオリティが期待できるのが特徴です。
また、撮影や編集だけでなく、企画・構成から携わってくれる制作会社がほとんどです。
期待どおりの成果を得るには、動画に求める内容やクオリティ、予算などを明確にしたうえで依頼することが重要です。これにより、動画制作会社との認識のずれを避けやすくなるでしょう。
下記の記事では、YouTube動画に強い動画制作会社を紹介しているので参考にしてください。
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【2024年最新!】YouTube動画に強い動画制作会社14選!制作会社の選び方のポイントや費用相場も解説
フリーランスに依頼する
YouTube動画の制作は、「クラウドワークス」や「ココナラ」などのクラウドソーシングサービスを通じて、フリーランス(個人)に依頼することも可能です。
フリーランスには、コストを抑えやすい、コミュニケーションが早いなどのメリットがあります。
一方で、信用や実績については懸念を感じるかもしれません。
必ずしも「フリーランスはクオリティが低い」というわけではありませんが、個人の能力が成果を左右する面はあります。依頼先として適切な相手かどうかを見極めるのに、手間がかかることもあるでしょう。
フリーランスへの依頼も含めて検討する際は、下記の記事も参考にしてください。
関連記事:
動画制作をフリーランスに依頼するメリットを解説!注意点や選び方も紹介
動画制作会社とフリーランス、どちらに依頼すべき?
YouTube動画の制作や運用について経験が少ない場合は、動画制作会社への依頼がおすすめです。YouTubeに関連するさまざまな業務を、幅広く任せられます。
また、動画制作会社であれば企業ごとのマーケティング戦略なども考慮しながら制作を進められるため、安心感があるでしょう。
一方、限られた作業を低予算で依頼したいときや、高いクオリティを必要としていない場合はフリーランスでも問題ないといえます。
それぞれに異なるメリットがあるため、依頼先としてどちらが適しているかは、費用面を含めて総合的に判断しましょう。
まとめ
YouTube動画の制作費には、動画の長さやタイプ、依頼する業務範囲などが影響します。
動画制作会社とフリーランスのどちらに制作を依頼するかによっても料金は変わります。
費用を安く抑えるには、依頼する業務を絞ったり、撮影場所や出演者を工夫したりといった方法があります。
本記事で紹介したコツを参考にしながら、納得できる方法でYouTube動画を制作してください。